もし、フリーザ様が美女でその部下になれたなら幸せになれるのでは? 作:かなりあ
「カカロットよ、そこに隠れているのは貴様の子だな」
その一言発せられてからから悟飯が連れ去られるまでそう長くはかからなかった
危機を察知した悟空はラディッツへと拳を向けるが、その拳は当たることなく吹き飛ばされる
たったそれだけの動作で悟空は動けなくなった、もちろん周りで見ていたクリリン達もだ
「カカロット、このガキを助けたければ明日までに俺の元へ来い。いいな?馬鹿な事は考えるなよ」
泣き喚くご飯を脇に抱え、ラディッツは遥か彼方へと飛んでいってしまった
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ここまでが、私の知っているドラゴンボールの話である。
それは私がこの先の物話を知らないわけではないし、むしろこの後何が起きるのかは十数年先まで知っている。
しかし、この話の続きはそれには程遠いものになるのだろう。
なぜなら、私という異物がこの世界に入り込んでしまったからだ。
毎日続けているこの日記も誰かに読まれれば確実に未来は大幅に変わるのだろう。
そして
今そのことを知っているのは自分ひとりだけなのだ。
...私は怖いのだろうか
そんなことを考えて私は今も生きていることを誰かに知っていてほしいと願っている
今日はここまでとして、引き続きスカウターからの情報を待つことにする
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種はまいた
さっき見た限りでは、カカロットはこの星ではあまり成長しなかったようだ
「結局この星に送ったのは、間違いだったんじゃないのか...」
久しぶりに馬鹿な弟を見て、馬鹿に育ってしまったのだと落胆した
この星もいづれかは、あのフリーザに狙われてしまう
これだけ潤沢な資源を持った星はそうは多くない
そのとき、弟を守れるのは、弟の強さだけだ
周りにいた地球人どもは論外、このガキでさえ人間との交配で血が薄れて強さは半減ってところだろう
弟子《シン》が連れ戻すのを反対したから、今までこんな惑星に居させといたが
もう無駄だ
この星に居たところで、弟は死ぬ
ならば、せめてこの俺があいつを戦士として育ててやろう
もし俺たちの計画が、失敗してしまっても
「本当に平和ボケした顔しやがって」
弟が本当に守りたいものを守れるように
約束の日
何もない平原に二つの影が立っていた
向かい合って数秒二人は何も口にしていないが、何を言わんとするのかは明白だった
「カカロット、それが貴様の答えか」
およそ見当のついていたラディッツは、冷静に言葉を交わす
「おう、おめぇをぶっ飛ばして出てってもらう。それがオラの答えだ」
ふっと、鼻で笑うラディッツ
「どちらが上かもわからん馬鹿は、一度死なねばならんようだな」
そして、後の物語を大きく変える戦いが始まった
次はいつだろうか...
バトル描写がんばります