もし、フリーザ様が美女でその部下になれたなら幸せになれるのでは? 作:かなりあ
目を覚ますと私は見たことのない機械の中で眠っていた。
形は球状だろうか、椅子は私には少々大きすぎるようで幅が余るほどだ。
中は一面にピコピコと点滅したり、数字を打ち出していたりと訳の分からないことをしている。
「ここは....どこだ?まさかこんな所が死後の世界だったりしないよな?」
ふと、正面を見ると円形の窓があり、その向こうには延々と広がる闇が映っていた。
少し整理をつけることにした。
まず初めに私は病院に居たはずだ。そして、そこで死にかけていた。
次に、目を覚ますと機械の中で眠っていた。
余計分からなくなった。
「この機械...うぅむ、医療機器の類でも無さそうだし...」
誰かの真似事で、口に手をかざして考え事をしてみた。
しかし、これと言って何も思いつきもしない。
一体どこの誰がこんなカッコつけたポーズを考えたんだか、と若干の現実逃避をしだした時、違和感があるのに気づいた。
手が小さい、そして声も高い
自分の顔を触ったりして確かめて見たが、これではまるで
「もしかして私、今、子供なんじゃないか....」
あまりにも突拍子のない事実に私は、これが夢だと確信して再度眠りにつく事にした。
目を覚ますと私の乗っていた機械の扉が開けられており、よく分からん格好をした兵士に銃を向けている
何だこれは、余計酷くなっているではないか....
「おい!聞いているのか!早くそこから離れろ!くそ猿のサイヤ人のガキ!」
「わ、分かったから落ち着いてくれ....え?」
よし、ちょっと待ってくれ。最後の一言に重要な意味が含まれすぎてはいないだろうか。
いや、そんなのどうでもいい、サイヤ人?
誰が?この状況だ、私以外有り得ないだろう
何で?よく見たら尻尾が付いてる、なるほどなるほど
どうして?分かってたまるか
私は眠っていた間に、戦闘民族になってしまったらしい
もう一度、目が覚めないか試させて頂けないだろうか?
そんな事を言える状況でも無かったので、兵士の言う通りに機械を出て手を頭の上に掲げる
「よし、そのままで居ろよ!今、フリーザ様がこちらに向かってくる。苦しんで死にたくなければ無駄な抵抗はやめておくんだな」
とりあえずここは従うしかないので、首を縦に振って意思を示す...いやいやいや、さっきから情報の飛んでくる速度がおかしい。
フリーザ様?
私が知っている限りだと、宇宙の帝王か伝説のポケモンの事なんだが、恐らく後者ではないんだろう。
ここに来て2度目の整理だ。ここはドラゴンボールの世界で、私は戦闘民族サイヤ人の子供で、今から宇宙の帝王に会う。
いっそのこと頭を打ち抜かれた方が早いのではないかと、考えるほど事態がよく分からない。
ぼーっとしていると兵士達の奥の方が騒がしくなってきた。
聞き耳を立てるとフリーザ様が来たぞ、との事だった。
さっきまで夢だ、何だと言っていたがよく考えるととても興奮してきた。
なにせフリーザは私が子供のころ、1番好きなキャラクターだったからだ。
強いし、変身だって出来る。部下にも慕われているし、昔はよく真似をしていたものだ。
デスビームにデスボールにデスチェイサー、なんでもデスって着けばいいって者じゃないがあの頃は凄くかっこよく思えた。
「皆さん、一旦銃を下ろしなさい」
「「はっ!」」
その声に、つい吊られてはっ、と言いかけてしまった。
兵士達が道を開けている場所を見るとそこには美女が立っていた。
あれ?こんなキャラクター居たっけ?と思っていると少しづつ近づいてきた。
長いストレートの黒髪が左右に揺れ、白い肌がまるで輝いていて、その赤い目には吸い込まれそうになってしまう。
「大丈夫ですか?貴方名前は?」
「....」
「おっと、すみません。名乗るなら自分からですね。私の名前は、フリーザ。以後お見知りおきを。」
「え...フリーザ....?」
その艶かしい声に聞き惚れていると、とんでもない事を言われた気がした。
フリーザ?今、この人、自分の名前がフリーザだって言ったのか?
いやいや、そんな訳は無い。私の知っているフリーザはもっとこう....帝王!って感じのオーラを放った宇宙人だ。
こんな美女では決してなかった。
髪の毛だって無かったし、手だって人間とは違ったし、まず性別が違うだろう。
「ほ、本当に貴女がフリーザ様なのですか?」
「えぇ、そうですよ?何か不思議な事でも?」
聞き間違いだろうと聞き返したら返ってきたのは同じ答え
同名の別人?けれど周りの兵士達の態度からするにそれもないと思う。
つまり、この美女こそがフリーザ様ご自身なのだ。
これはいよいよ頭を撃ち抜かれるしかない、そう考えて口から出たのは
「私を是非..フリーザ軍に入れてください!」
「えぇ、もちろん...はい?」
一連の問答が終わった後、フリーザは何も言わずに難しい顔をして何処かへ行ってしまった。
あぁ、なんて馬鹿な事を言ったのだろう、私は頭を抱えて後悔していた。
「おい、そこのガキ。名前は」
「え?」
突然話しかけられて見ると、10代そこらの、恐らくサイヤ人の子供が立っていた。いや、今の自分の方が小さいのだろうが
「いいから早く、名前を教えやがれ」
「な、名前....し、シンです!」
咄嗟に聞かれたので、偽名を使ってしまった。
しかし、いい判断だったのではないだろうか?
自分の名前から取ってくるし、サイヤ人っぽい名前になってるのではないか?
「シン.....聞いたことの無い名前だな、生まれはどこだ?」
「お、覚えてません..」
「....ふん、そうか。まぁいいだろう。着いてこい、貴様の処遇は俺に一任された。使い物にならなければ待っているのは死だけだ。わかったな」
「え、は、はい!」
よく分からず着いて行った先にあったのは、広い土地と何処で見た事のあるヘンテコな戦士...サイバイマンだった。
結果だけ言うと、1体1で1時間ほど逃げ回って終わった。
飛び方も分からず、気弾の撃ち方も分からず、逃げるしか無かった。
そのサイヤ人の子供ははぁ、とガッカリした様な溜息を吐き、明日から死ぬまで修行だ、と言われた。
とりあえず、殺されずにホッとした私は名前だけ聞くことにした。
教えてもらったその名前はラディッツ.....
あぁ.....有名ななキャラクターが私の師匠か.....
それだけ頭の中に浮かび私は地面へと眠りについた
最後の文章が無理矢理になっててすみません