冒険者共   作:サバ缶みそ味

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 ( ´∀`)「ハロウィンが終わったら次のイベントは何だろなー…」

   オーバードライブ紅蓮2

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工工工エエエエエエェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェェエエエエエエ工工工

 リネアさんの服がメッチャえろい


❖2 九条厄霊記①

「コリン、尻尾をモフモフさせてくれ」

 

「ついにドストレートに言うのかいな。というか手をワキワキすな」

 

 遥か東にある島国、クジョウ。狐の巫女コリン、狼の少女コヨミ、そして転生者であるシャラクがクジョウに蔓延している穢れを払う為の旅の真っ最中。その道中でシャラクは禁断症状かのように獣耳と尻尾をモフモフしたい衝動に駆られ何度もコリンにせがんでいた。シャラクの何度目かのせがみにコリンは呆れ気味にバッサリとお断りをする。

 

「キツネ耳!キツネ耳でもいいから!先っちょだけ、先っちょだけだから‼」

「だからワキワキすな!変態か!?」

「あ、じゃあワキワキだけに脇はだめですかね?」

「せいっ‼」

 

 コリンはシャラクに目潰しをした。奇声をあげながらのたうち回るシャラクにコリンは大きくため息をついて頭を抱える。

 

「はぁ、なんでこんなの連れて行こうと思ったんだか‥‥数日前の私を殴ってやりたいわ」

 

 コリンは半ば後悔気味にため息を漏らす。クジョウの島に突如現れた黒く不気味に漂う穢れ。地脈を侵食し、木々や川などの自然や大地を汚していき各地に点在する。厄介な事にクジョウの巫女の力、他国の魔法でもその穢れを祓うことができない。それどころか穢れの侵食が広がっているという非常事態にもなっていた。

 そんな困っている所に現れたのが今コリンの隣でのたうち回っているシャラクだった。どういうわけか彼には穢れを祓う力があった。筆を使って〇を描くだけ、という珍妙な技で穢れを祓い、大地と自然、そして地脈も治していった。

 コリンにとってはありがたく頼もしい味方であるが、性格が難のようで、特にケモノ耳とか尻尾とかモフモフしたいようだ。時折変態じみたことになるから面倒な相手でコリンも手加減なく鉄拳制裁を下していた。

 

「シャラクにーに、尻尾や耳をモフモフしたいの?じゃあ私の尻尾をモフモフさせてあげる!」

「おっマジでか!?‥‥あー…うん、頭ナデナデで我慢するさ」

 

 一応節度は守ってくれているのが厄介なのかありがたいのか。果たして大丈夫だろうかとコリンは心配気味にジト目でシャラクを見据えた。

 

「楽太郎ー、コリンってケチだよなー」

「クーン‥‥」

「シャラクにーに、ラクタローじゃなくてタローだよ?」

 

 コヨミとタローの頭をなでなでして癒しを得たシャラクは思い出したかのようにコリンに尋ねた。

 

「ところで、今は何処に向かってんだ?」

「向かう先はクジョウの都よ。とりあえず他の巫女達にあんたが穢れを祓う力を持っていることを話して今後の行先を決めるわ」

「都…巫女…これはモテキの予感!」

「…もう一度目つぶしされたい?」

 

 申し訳ございませんでしたとシャラクは即土下座をした。コリンも本当に仲間の下に彼を連れてきていいのかと呆れてため息をつく。着いたら変な事をしないように注意をしておかなければと心の中で決めた。

 

__

 

「都かー…やんごとなき雅な場所なんだろうな」

 

 シャラクは次の行先に心躍らせていた。この世界に転生してからは長く森の中を進むだけで何の変化もない事に多少退屈をしていた。けれどもケモノ耳の少女と狐の巫女と旅をすることには世界の中心で愛を叫ぶかのように大歓喜であり、心は癒され飽きはしなかった。これでモフモフできたら更に至高の喜びなのだがと愚痴をこぼす。

 

「それに巫女さんも沢山いるというってな…えっへへー!Yes、巫女さん‼」

 

 こういった世界には可愛い巫女さんがいるのが相場と考えたシャラクはにやける。巫女さんに会えるというならばカッコイイところを見せてやろうと内心張り切る。無論、狐巫女一択ではあるが。シャラクはまだ着かないかとワクワクしながら期待に胸を寄せる。

 

「見えてきたわ。あれがクジョウの都だよ」

 

 その言葉を聞いたシャラクは目を輝かせてクジョウの都を丘から一望した。しかし、その眼の輝きは瞬く間に失せて呆然とする。見える景色はレンガの道路に和風の建物と西洋の建物が入り乱れるように立ち並び、シャラクがイメージしていた都とはかけ離れた和洋が混ざった景色だった。

 

「それじゃあー都に着いたら清めの宮に向かうけど、他の巫女たちに変な事をしないようにしなさいよ?」

「‥‥コレジャナイ」

「え?」

 

 コリンは次のやることをシャラクに説明したのだがポカンとしていたシャラクの片言で遮られた。キョトンとするコリンにシャラクは更に言い寄る。

 

「都じゃないじゃん!京都チックじゃないの普通!?あれじゃねえか!平安、戦国をかっ飛ばして一気に明治チックなってるじゃねーか‼明治浪漫譚かこの野郎‼」

「言ってる意味が分かんないよ!?」

 

「八つ橋は!?ニシンそばは!?宇治抹茶パフェは!?それもねえのか!?中学の修学旅行で京都のバスの便が多すぎて迷ってた結果、清水寺と金閣寺しか行けれなくて悲しみを背負ったんだぞ‼」

「知らんがな‼というかあんたはさっきから何言ってんだい!?」

 

 さっきから言ってる意味が分からないことを叫ぶシャラクにコリンはついていけれなかった。それよりもどうして急に落ち込みだしたのかも理解できなかった。

 

 京都のような場所をイメージしていたのとかけ離れていたことにシャラクはしょんぼりとする。もしかしたら生八つ橋やニシンそばをこの世界で食べることができるのかと期待していたが予想を裏切られた。もう二度と食べることができないのかもしれないとなるとより一層悲しみを背負う。あまりにも気を値するシャラクにコリンは呆れてため息をつく。

 

「そ、そこまでがっかりしなさんなって。どっか美味しいもん奢るからさ」

「わーい!ありがとやす‼よかったなコヨミ、コリンねーねが奢るってよ!」

「コリンねーね、ありがとー‼」

あっという間の手のひら返しのテンションになったシャラクにコリンはズッコケた。本当に何を考えているのかさっぱり分からなくなってきた。

 

__

 

シャラクside

 

 

 先程は都のイメージが全然違った事にはショックだったがここは異世界だ、普段と考えている日常や知識は通用しない。つまりはこの世界では常識に囚われてはならないのですね!という事になる。すき焼きはあるということなのでオールオッケー。なので今夜はコリンにすき焼きを奢ってもらおう、やったね!

 

 それよりも都に入って街中を歩いているのだが、気になることがある。あちこちにある和洋入り乱れる建物やその周り、街中を行き交う人々を見て何か雰囲気がおかしい。

 

「なぁ‥‥この都、なんか淀んでねえか?」

 

 都全体の毒々しい緑の霧に覆われ空気が重くどんよりとしている。よく見ると街路樹や花壇の花は枯れ、水路の水は汚く濁り、そして街の人々は意気消沈したかのように元気がなく、誰もかれもが病を患ったかのように咳き込みしんどそうにしていた。空を見上げれば黒くモヤモヤした黒い雲がこの都を覆うかのように広がっている。

 

「あんたも気づいたんだ‥‥確かに都全体が怪しいわ。私が都を出た時はこんな空気じゃなかったんだけど、もしかすると穢れの影響かもしれないねぇ」

 

 流石巫女さん、コリンもこの都が穢れに包まれている事に気づいたようだ。人や自然に影響を及ぼす穢れ…なんか本当に『大神』そのまんまだな。うーん、これはすき焼きどころじゃなくなりそうだな。

 

「シャラクにーに、難しい顔してどうしたの?」

「んにゃ、ちいとばかし気になってさ。この辺りを散策しようかな」

 

 何処か見覚えのある状況に色々と考え詰めていたけどもコヨミが心配そうに見つめてくる様にもう考えるのはやめた。ああ、めっちゃ癒さる。とりあえずコヨミをなでなでしてもっと癒されよう。

 

「ダメだよ、清めの宮に着くのが先。あんたの場合絶対に道に迷うからねぇ」

「んなアホな。この俺がすぐに迷子になろうはずがない!初めての土地は迷子になるけど!」

「胸張って言うな!」

 

 むぅ、ケチである。初めて訪れる街とか村とかはストーリー的にはまず散策が先だろう。こうタルとか壺とか覗いてお金とかアイテムを見っけたり、人んちにお邪魔して箪笥や机を探って薬草を見つけるとか‥‥いや、これ普通にやったらアウトか。

 

「しゃあない、コリンの耳をモフって我慢しよう」

「なんでそうなるのさね。つか手をワキワキするのをやめんか。はぁ、本当に連れっていいのかしらねぇ‥‥ん、あれは…」

 

 コリンは何か気づいて小走りした。コリンが向かった先に弓道着を着た黒髪の長い凛とした少女と白百合の花の飾りが付いた白いドレスを着た薄い灰色の髪の長い少女がいた。その二人は枯れた桜の木を見て深刻な面持ちのご様子だ。

 

「やほー!カスミ、フローリア!」

「ん…コリンか!よく戻って来たな!」

「コリンさん、お帰りなさい」

 

 コリンを見るや嬉しそうに微笑む二人。ふむ、あれがコリンが言っていた清めの宮の仲間とかいうやつのようだな。どちらも凛としてて、すらっとしてて…ふつくしい。

 

「?シャラクにーに、どうしたの?何か嬉しそう」

 

 成程、巫女さんと言っていたとおり実に大和撫子で美しいな。一人ドレスだけど。ここはカッコ良く挨拶をしてやらねえと、第一印象が全てを決めるんだ。

 

「ふっ、貴女方がコリン嬢のご友人でござーるか。いやー実にお美しい!おっと、名を名乗っておりやせんでしたな、俺は通りすがりの絵師のシャラry」

 

 自己紹介し終える前に顔スレスレに何かがヒュンと風切り音を鳴らして通り過ぎた。恐る恐る飛んでいった先を振り向いてみると、壁に弓矢が突き刺さっていた。

 

「‥‥え?」

 

 え?嘘、弓矢?ちょ、どういう事!?誰が弓矢を射ったの!?困惑して前を向けば、カスミさんが弓を構えていた。

 

「…誰?気安くフローリアに話しかけないでくれるかしら?」

 

 えええええ!?こわっ!?さっきの凛とした微笑みがどっかいって、むっちゃ冷酷な顔してるし!?しかも俺を見る目が養豚場の豚を見る目るような目をしてるし!?ていうかフローリアさんは何かカスミさんの後ろに隠れてるし!?

 

「さっさと去りなさい。さもないと今度はそのドタマを射抜くわよ?」

「もうドタマを射抜く寸前だよねそれ!?」

「フローリアに近づく不埒者は私が祓う‼」

「祓うどころか、流血沙汰なるよこれ!?ちょ、助けてコリえもーん‼」

「誰がコリえもんじゃ!?ちょっとタンマ、カスミ。あいつは悪い奴じゃないから。頭の中お花畑だけど悪い奴じゃないから!」

 

「コリンねーねたち楽しそうだね、タロー」

「ワンワーン‼」

___

 

「成程、貴方はコリンと一緒に旅をしているという訳なのね?」

「あの、カスミさん?それをコリンは何十回も説明してたんだけど?」

 

 なんという事でしょう。コリンがお二方に事情を話したのに理解をしてくれるまで1時間以上もかかったよ…巫女さんって変わった人が多いんだね‥‥

 

「はぁ…あたしゃもう疲れたよぉ‥‥」

「コリンも変わった奴を連れてきたわね」

「うん、そういうあんたも随分と変わってるような気がするんだけど?」

 

 一応は納得してくれたようだけれども、それでもカスミは俺を見る目は訝しげそうだ。なんだろう俺嫌われてんの?

 

「まあ変な事をしないのならば構わないわ。私はカスミ・アサミヤ、クジョウの巫女だ」

「どもね…俺はシャラク。そんでそちらが‥‥」

 

 カスミの後ろに隠れてこちらを伺っているフローリアに視線を向けるが、彼女は何か躊躇っているご様子。

 

「庭師のフローリアです…シャラクさん、ごめんなさい。異性の方は少し慣れてなくて…」

「え、あ、そうなのね‥‥」

 

 だから躊躇ってカスミの後ろに隠れたわけなのね‥‥カスミもフローリアに過保護のご様子だし、つまりはカスミさんとキマシタワーというわけか。ああ、嬉しそうにフローリアに抱き着くコヨミが羨ましい。俺もフローリアのふくよかなお胸に抱き着きたい‥‥

 

「今、フローリアに下衆な事を考えてなかった?」

「してませんしてましせん‼というかすぐに弓矢を射ろうとすんの怖いって!?」

 

「ああもう…カスミとフローリアはここでなにしてたんだい?」

 

 コリンの鶴の一声か、本題に乗り出した。カスミは弓矢を納めて真剣な表情で話し出す。

 

「このクジョウの都を覆っている穢れを調べていたところなの。霧の様にあちこちに漂っていて祓おうとしても穢れが消えなくて‥‥」

「花や木々も病を患ったかのように苦しんでいるんです。私の力でも草花や木々を元に戻せないくらい強い穢れのようで、困っていたんです」

 

「うーん、やっぱりこれは一大事になりそうだねぇ…あたしも手伝うとしますか!それに…」

「よっしゃ。その穢れ、俺が祓ってやろう!」

 

 クジョウの都を覆う穢れ、これは間違いなく『大神』に出てくる穢れだ。俺がこの穢れを祓える力を持っているんだし、やらなければならない事だろう。

 

「なっ…貴方がやるの!?」

「カスミ、シャラクは少し変態だけどこの穢れを祓う力があるの。その辺は私が保証するよ」

「シャラクにーにはすっごいの!お花を咲かせたり、木を生やしたり、風を吹かせたりできるんだよ‼」

 

 コヨミに褒めてもらえばやる気100倍、元気1000倍。カスミは相変わらず訝しげに見るが仕方ないとため息をつく。

 

「‥‥そこまで言うのなら、手伝って。いち早くこの穢れを祓わなくちゃいけないの」

「おうとも‼泥船…じゃなかった戦艦ヤマトにでも乗ったつもりでいてくれよな!…よし、コリン‼」

「はいはい、私もそれなりに手伝うわよ」

 

「その前にすき焼きを食いに行こう‼腹が減ったら何とやらだからな!あ、勿論奢りで」

 

 そう告げるとコリンは笑顔でドロップキックをした。今日もツッコミが冴えてるぜ‥‥




 ようやく♥、シャラクさんのルートに移りました。
 ♠では長かったので、なるべく短くなるようやってみようと思います…ええ、はい

 オーバードライブ紅蓮2…い、一応ストーリーに合わせて進めて行こうと思います…(白目)

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