冒険者共   作:サバ缶みそ味

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 白猫プロジェクト3周年記念(誤爆)
 久々に白猫プロジェクトをやって白猫熱が再燃したので。かっこいい、かわいいキャラやイベントもいつの間にかこんなに増えていたのにビックリ


プロローグ 求めよさらば与えられん(物理)

 目が覚めるとあたりは薄暗い空間が広がっていた。

 

 頭がぼんやりする。フラフラしながらも仰向けになっていた体を起こす。身体の感触、五感、ぬくもりがだんだんとハッキリしてきたが何故自分がこんな所にいるのか考える。

 

「‥‥?」

 

 しかしいくら考えても、思い出そうとしても、その理由や昨日までの出来事すら思い出せない。もしかしたら俺は夢を見ているのだろうか?こうも実感する夢は珍しい。それならば覚めるまでここでごろりと寝過ごしておこうか。

 

「…やっと目を覚ましたようだな」

 

 うん?そんな事を考えていたらCV〇寺さんみたいな特徴のある声が聞こえてきたぞ?俺はがばりと起き上がるとすぐ目の前に光る丸い物体が宙を浮いていた。

 

「ど、どちら様ですか…!?」

 

 思わずぎょっとした俺は畏まってしまって姿勢を正してしまうがその白い光はフンと鼻であしらった。

 

「ボクは神だ」

「‥‥はいぃ?」

 

 突然の事に俺はアホみたいな声をあげてしかめっ面をする。いきなり神を名乗る謎の物体Xとかなんじゃそりゃ。呆れる俺はすぐにこれは一体何なのか、理解できた。

 

「ああ、なんだ。夢か」

 

「夢ではないぞ、現実だ。あとそれからお前は死んだよ」

 

「あーはいはい。ファンタジーですねわかります。俺ってば夢見すぎでしょ」

 

 出会って数秒でお前は死んだと告げるとか、ドッキリな夢を見てるんだな俺。こんなあほらしい夢はさっさと寝て目を覚ますのが一番だ。俺は再び寝転がるとその白い光は気にくわなかったのか少し光りの強さを増してきた。

 

「…ならばお前の最期を思い出させてやろう」

 

 自称神様の声が急に低くなってイケメンボイスになった瞬間、ずきりと激しい頭痛が襲ってきた。俺は頭を押さえて声にならない悲鳴を上げて転げまわり、そして…思い出した。

 

 それは大学の帰り。今日はあるゲームの期間限定レアガチャ10連をやって大当たりのキャラを手に入れるためにいざ課金と意気揚々とコンビニへ行く途中だった。

 ふと何時もの道を通っていると一匹の白い猫が道路を渡ろうと飛び出したのが見えた。ふんわりとした綺麗な毛並みに、首輪に青いブローチが付いた白い猫だった。はて飼い猫が散歩しているのか、しかしながらなんとも上品な猫だなとか考えていると、そこは信号のない道路、そしてこの時間帯は車の通りも多い。最悪のタイミングで大型のダンプカーが猛スピードで来ていたのが見えた。

 間違いなくその猫は轢かれる。そう思っていた瞬間に体が動いた。正直言って目の前で犬や猫が車に引かれて死ぬのを目の当たりするのは嫌いだ。駆けだした俺はその猫を拾い上げて、投げた。『ギニャー』と猫らしくない声を上げて歩道へ。その猫が無事だと安堵した瞬間に、強い衝撃を受けて暗転‥‥そして今にあたる。

 

 

「どうだ?これでわかっただろ。お前は死んだのだ」

 

 冷静に現実を告げる神様とやらの物体に俺は息を整えてから顔を上げる。これで自分は死んだのだと、ここは死後の世界だとはっきりした。

 

「…じゃあここが死後の世界ってことは、俺はどうなるんだ…?」

「ボクが管理するこの世界では死んだ者の魂は一度消滅して再び次なる生を受けて生まれる…本来はね」

「…え?本来は?」

「君、運が良かったね。僕の部下の天使が計算ミスをして、今日死ぬべきではない人を何人か出してしまったんだ。君はその一人だよ」

 

 今日死ぬべきでない人って、つまり本当は俺は今日死ぬはずじゃなかったというわけ…?天使の計算ミスとかちんぷんかんぷんなことばかりで俺は混乱する。

 

「一人だけだったら時間を巻き戻してなかったことにして誤魔化せるけど、今回は複数人いる。部下の責任はボクの責任だ。この事は詫びよう」

 

 ちょ、いまさらっとせこいこと言いやがったぞこの神様!?

 

「ま、まあ…人にもミスとかあるし、て、天使や神様にもミスとかあるさ」

「そこでだ、君達にその詫びとして‥‥君が望む世界へと新たな生を送らせてやろう」

 

 それってつまり…神様転生ってやつですか!?いやっふぅぅぅぅっっ‼超心躍るんですけど‼まさか本当にあるとは思いもしなかったし、できたらいいなーなんて思ってたけど、まさか実現するなんて最高にハイってやつだぜぇぇぇぇっ‼

 

「それで?君はどの世界へと転生したいのだい?」

「じゃ、じゃあ‥‥白猫プロジェクトの世界へ‼」

 

 世界観がとても惹かれた。この世界に冒険できたら、多くの人と出会えたらいいなと、ストーリーやイベントにも触れたいと思っていた。心躍らせている俺に対して神様は「ふーん…」と興味なさそうにしていた。

 

「このまますぐに転生させるのもいいけど…その前に何か欲しい特典とやらもあるのかな?」

 

 来ました、神様特典!これさえもらえれればチートなれたり、最強な存在になれたりできるのだ。某英雄王とか某無限剣とかの豪華特典さえお手の物。けれども俺は欲しいものは決まっている。

 

「あ、あのー…複数希望してもOK?」

「強欲だねぇ。まあ別にいいけど?」

「じゃあ生きていくために戦闘の能力はカンストレベルで。次に容姿や服装、能力、武器とかは俺がイメージした物を創造をしてほしい」

 

 広い世界で冒険し、生きていくためにはチートになってもいいから欲しい。

 

「ふーん…それが君が望む特典、ねえ…」

「こ、これでお願いします」

「‥‥」

「‥‥」

「‥‥‥」

「‥‥‥」

「…‥‥‥‥」

「………く、くれないの?」

 

 ずっと黙り切っている白い光の神様に俺は恐る恐る尋ねた。ほ、本来ならばこれで授かっていざスタート!のはずなんですけどねぇ‥‥

 

「ボクは一度も上げるとはいってない。ただ聞いただけだ」

「はあっ!?」

 

「思い上がるな。どの神様もホイホイとタダで特典とやらを授けてくれるとは大間違いだ。君は今日死ぬはずだった一匹の畜生の命を救った無駄死にした、ただの勇気のあるだけのちっぽけな人間だ。そんなちっぽけな存在に世界をも壊しかねない力をただであげるわけがない」

 

 たった一匹の畜生、と聞いた俺はカチンときた。確かに神様にとっては小さな存在だが、人も動物も懸命に生きているのだ。睨む俺の視線と怒りに気付いたのか白い光は低い声で言い放ったと同時にだんだんと大きくなっていった。

 

「特別に力を得て転生をするのだ。力を得るのならばそれに相応しい存在になってもらわねばな」

 

 人ぐらいの大きさになったと思えばそれはだんだんと人の形へと変わっていく。

 

「欲しいのならば力を示せ。強くなれ。そしてボクに戦いを挑み、ボクを満足させろ」

 

 白い光が消えてそれは現れた。紫の耳、猫みたいな顔、神様っぽい服…って、これって…

 

「思いっきりビ〇ス様じゃねえか!?あんた破壊神だったの!?」

「君が神様だと思うイメージに答えた姿になったまでだ。さあいくらでも挑め。ここは死後の世界だ。体力に限度は無いし、死んだり消えたりすることはない。僕の部下の天使をコーチとしてつけてやってもいいぞ」

 

 

 余裕綽々のビ〇ス様は指をくいくいと挑発するように動かしている。ちくしょう、昨日の〇曜ロードショーを見るんじゃなかった‼どうりでCV〇寺さんの声がするなぁと思ってたんだよ‼

 

「ちくしょう‥‥やってやる。やってやんよぉ‼ヤローブッコロガシテヤラャァァァァッ‼」

 

 

 俺はやけくそ気味に駆け出してビ〇ス様へと殴り掛かった。特典という力を手に入れるために頑張れ俺‼俺の戦いはこれからだ!…ってまだ終わってねえからな!




 まずは主人公その1のプロローグでした。
 各主役人物にもそれぞれのプロローグを…と考えていましたが、うちの神様(CV〇寺さん)はスパルタなので戦って頑張って自分の力で特典を得る、という似たような展開になりますので少し割愛します。(土下座)
 こちらは凄くゆっくりペースで進めていきます

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