最強の目を持つハンター   作:kurutoSP

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私はここからダイジェストにして楽をするという誘惑に勝利した。
第6話です。


彼女は被害者だと言う。しかし、加害者ではないとは言わない

 トリックタワーを無事に合格したのはゴン達を含め原作より一人多い二十五名であった。

 

 ゴール後に25人の受験生たちはタワーを出ると眼前に一人の男がいた。

 

「諸君、トリックタワーを脱出おめでとう。残すは第四次試験と最終試験の二つだ」

 

 目の前の男がそう言うと、その男が試験官であるか、その関係者であるのを理解し、受験生はハンター試験が終わりに近づいたことを感じた。

 

「第四次試験会場は諸君らの目の前に見えるあの島、ゼビル島にて行う。そこで、くじを引いてもらう」

 

「クジなんか引いて、どうするんだ?」

 

 男の発言に疑問を感じたのか、53番ポックルがその疑問を問うた。

 

「諸君らに狩るものと狩られるものを決めてもらうためだよ。では、攻略が1番だった者から順次この箱からクジを引いてもらおう」

 

 男がそう言うと、真ん中に四角い穴が開いた箱が運ばれ、最初にヒソカがその箱に手を突っ込みクジを引いた。ヒソカが引いたクジは四角いカードであり、片側に白いシールが貼ってあり、何が書いてあるのかを分からなくしていた。そして最後のトンパがクジを引き終わると、

 

「さて諸君、全員引き終わったようだね。では、シールを剥してくれたまえ」

 

 皆がその発言を聞き、シールを剥しそこに書いてある数字を確認すると、

 

「それが、諸君らのターゲットだ」

 

 一瞬でその発言の意味を理解した受験生のほとんどは自身のナンバープレートを懐などに隠した。もちろん例外は存在しており、ゴンは自身のターゲットがヒソカであることで頭がいっぱいであったし、キルア、ギダラクル、ヒソカ、そして彼女は自分に絶対の自信を持ち隠す必要性を感じていなかった。

 

「諸君らはこれから一週間あの島でサバイバルをして貰う。そこで相手から合格点分のプレートを奪い最後の日まで保持し続ければ合格だ。そして、ターゲットのプレートは三点、自身のプレートも三点その他のプレートは一点とする。諸君らに必要な点数は六点。つまり、ターゲットのプレートを一枚かその他のプレートを三枚手に入れればよい」

 

 周りのハンターは記憶を頼りに自身のターゲットを探しているのを、男は見て、

 

「では理解したかね。それでは健闘を祈る」

 

 

 

 

 

 ゼビル島に向かう船に受験生を乗せ、そこで案内を務めることとなった案内嬢のカラは、島に降りる順番、基本的なルールの再確認、来年の受験資格について説明していたが、とてつもなく辛気臭い雰囲気に、明るく振る舞う自分が馬鹿な様に思えたが、プロ意識のなせる業か、最後までやり切った。そして、ようやく島に着くと、

 

「それでは試験開始とさせていただきます。第三次試験のクリアタイムの早い方から下船していただきま~す。一週間後に六点を持って現れた方を合格者といたします。それでは、一番のお方スタート」

 

 第四次試験が始まった。

 

 

 

 

「時間になりました。三番目のお方どうぞ」

 

 カラに促され彼女は堂々とした足取りで森の中に入ると思いきや、そのままそこで立ち止まり道の脇に腰かけた。

 

「え~と、どうかなされましたか、402番セリム様」

 

「何、わざわざ下等生物を狩るのにこちらから出向くのは余りにもおかしいので、ここで待たせてもらうだけだよ。そいつを狩ったら適当に寝床でも探すわ。」

 

『なんで、強い奴はこうも頭のネジがぶっ飛んだ奴ばかりなの』

 

「え~と、………次のお方どうぞ」

 

 ラカはこれ以上イカレタ人間と付き合うのが面倒くさくなったのか、無視して仕事に戻った。

 

「ちょい待てい。普通におかしくね。あんた何か言えよ」

 

「ルール上問題ありませんので。それよりスタートですよ」

 

 ハンゾーがあまりな事態に文句を言ったが、面倒くさいと感じていたラカはルールを盾に軽く流した。

 

「ちっ。仕方ねえな。おい、お前のターゲットは俺じゃねえだろうな」

 

「安心しなよハゲ、あんたじゃないよ、自意識過剰なんじゃない」

 

「なっ。むかつく野郎だな」

 

 余りにも忍者らしからぬハンゾーの正直な問いに彼女は呆れながらもハゲがターゲットではないことを伝え、それを聞き安心したハンゾーは彼女の横を通り過ぎようとして………蹴り飛ばされ森の中に消えていった。

 

「「「何で‼」」」

 

 いきなりハンゾーが飛ばされたのを見て、残った受験生全員は同時にツッコんだ。

 

「何でって、ムカつくからに決まってるでしょ。それ以外の何があるっていうのかしら」

 

『『『ヤッベー。冗談抜きでこいつイカレてんぞ!』』』

 

 もの凄く理不尽な理由に全員船を降りた瞬間関係なく吹っ飛ばされる可能性を幻視して、彼女より遅くトリックタワーをゴールしてしまったことを嘆いた。

 

「次の方どうぞ」

 

「「「あれ見て、マジでそんなこと言うのかよ」」」

 

 カラの無慈悲な宣告を聞き、全員が突っ込んだが、

 

「53番ポックル様時間が押しているのでどうぞ」

 

「えっ、マジで」

 

「どうぞ」

 

「………………」

 

 ポックルはカラの圧力に屈し、船から降りた。全員には、その姿、ハンターになる道に向かって歩く青年というよりも、処刑場へ向かい歩く囚人のようにみえた。未来を掴むために死神の前を歩くなど矛盾も甚だしいが、彼女がこの場に留まった瞬間からここが試験会場ではなく処刑場になったのだと、彼の背中から全員が感じ取った。

 

「…………」

 

 ポックルはこんな序盤ながらも死を覚悟し、彼女の隣を横切った。

 

「……ふぅ」

 

 無事に何事もなく横切れた彼は安堵のため息を吐き、足早に去ろうとしたが、

 

「パッとしない、弱い、帽子のセンスも全くないわね。童貞ね」

 

「……」

 

 ポックルの足は何もダメージを受けていないはずだが、酷く震えており、上手く前へ足を出せなかったのか転び、両腕を地面につけ、その顔は目深に被っていたせいでどんな表情をしているか分からないが、何かを我慢するようにその両拳は強く、それは血が滲むのではないかと思うほど強く握られていた。そのあまりに哀愁漂う姿を受験生は誰も直視できず、レオリオに至っては、同じような経験があるのか、天を仰ぎ見ていた。

 

「次の方どうぞ」

 

「「「鬼か貴様!!」」」

 

 カラの余りのタイミングに全員ツッコんだ。しかし、宣言が変わることもなく死神のまえに足を運ばなければならなかった。

 しかし、ハンゾーとポックル以外のモノには何もせず、残りの受験生達は心も体も無事に済んだ。そして

 

「次の方どうぞ」

 

『おい、もう残り十人を切るぞ。誰がターゲットなんだ』

 

 レオリオが余りの緊張に耐え切れず、隣のクラピカに小声で話しかけたその時、首が宙を舞った。

 

「プレートをゲット。んじゃね」

 

 彼女は目当ての人物が船から降りて、その両足を地面に付けた瞬間に彼女はサーベルの間合いに彼を捉え、その命を一瞬のうちに刈り取り、その目的の24番のプレートを彼の服から抜き取り、手に入れ去った。

 

「気を付けねばならないな、レオリオ」

 

「のようだな。クラピカ」

 

 彼らの様に口には出さなかったものの、残りの受験生も同様に思い、気を引き締めていた。

 

 

 

 

 

「いや~。幸先がいいねぇ。さてと、あと丸々6日と少し、どこで過ごそうかな~」

 

 彼女が上機嫌で森の中をかけるが、なかなか良い所が見つからないのか、だんだんとイラつき始め、意味もなくサーベルを抜き徘徊し、時間だけが過ぎ太陽が沈むころ、

 

「あぁぁぁ、全然快適そうなところがねえな、畜生が。さっきから監視している試験官もうざいし、草も木も邪魔くせえな~。やろうかな、ッ!!」

 

 彼女が怒りに任せて自然破壊を行おうとした時、彼女は急に体を右に傾けながら後ろにひねり、腰から抜いていたサーベルに硬を行い、三度、まさしく目にもとまらぬスピードで振るった。

 

「キン」「キン」「キン」

 

 そうすると、彼女のサーベルから何かが切られ弾かれ、彼女の上半身があった場所にも何かが通り過ぎていた。そして彼女の背後からは木に何かが刺さる音がして太いとは言えないまでも、決して細くない木の幹が折れて倒れる音が続いてした。

 

「あぁぁぁ、もう、本っとうに最悪、なんなんだよクソが、畜生畜生畜生がァあぁぁぁ」

 

 彼女はそう叫ぶと、走れ出し、未だに飛んでくる()を切り弾き避けては、その原因に向かって走り、邪魔な木を切り倒し、目隠しとしながら、木の幹を飛んだりして攻撃を避けつつも真っすぐに突き進み、攻撃の主である、モヒカン鋲男のギダラクルを発見し、

 

「お前かぁぁぁぁ、この屑がぁぁぁ、ぶった切ってやるぅぅぅ。死ね氏ねしねシネdeath」

 

「うわ、はや。これは面倒くさいし、契約外だね」

 

 彼女のサーベルの間合いまで後数メートルの段階でギダラクルは針を投げつつも体は逃げの態勢に入っていた。

 

「逃がすか。このゴミが、私の愛を受けるがいい」

 

 彼女が彼の攻撃をものともせず自身の間合いへと彼を捕らえた。ちなみにだが、彼の針は木を砕く勢いを持つほどの破壊力を秘めており、通常ならば、その針のスピードについてこれず串刺しになるか刀に当てれても運が良くて刃が刃こぼれし、そうでなければ折れてしまうほどのものである。さらに夜なのでその厄介さはけた違いであるはずだが、彼女は全ての攻撃をただの一度たりとも服にすらかすらせていないのである。

 彼を捕らえた彼女は回避不可の一撃を繰り出した。

 

「何!」

 

 しかし、驚きの声を上げたのは彼女であり、彼は彼女を監視していたであろうハンター協会から斡旋された試験官を盾代わりに利用して、その一撃を回避したのである。

 

「あ~あ、やっちゃった。試験官を殺すと失格になるよ。去年それでヒソカが失格になったし。」

 

「テメエノせいだろうが」

 

「どちらでもいいけど、死んだら君のせいだよ」

 

「あっ、こら、待ちやがれ」

 

「じゃあね」

 

 彼女に試験官の死を押し付けて、動揺した隙に彼はサッサと逃げた。

 残された彼女は、すぐその後に試験官が死に、こんなことでまさか失格なのかと、死んだ試験官とギダラクルに対して丸一日中一睡もせずに怒りをぶつけていたが、その後2,3日たっても失格の知らせが来ないことを疑問に思い、同時に彼に騙されたことを理解した。

 

「シネェェェェェえぇぇえええええええぇえぇぇぇぇえぇぇぇぇええええええ」

 

 

 

 

 彼女が叫ぶことになった原因は、彼女から逃げ切った後、ヒソカに合流して、文句を言った後、地面に潜り寝ていた。

 

「やっぱり、とても美味しそうだなぁ♥、ああ、我慢できない♠」

 

 この後、変態が滾りすぎゴンがプレートを取ろうと、後を付けていたため、その途轍もなく気色悪いオーラを浴び、トラウマに成りかけたのは可哀そうとしか言いようがなかった。




私はテスト勉強の時間を対価に第6話を錬成した………もう、何も言うまい。
ついでに、ポックルの順番がおかしいのは間違えではありません。原作よりも早くたどり着いた彼へのご褒美です。えっ、ご褒美になっていないって、気のせいだよ。

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