世界を救ったサイヤ人が幻想入り   作:タミ

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地球育ちのサイヤ人、孫悟空。もしも悟空が幻想郷に迷い込み、異変を解決していったら?そんなクロスオーバー二次創作作品です。この作品には、以下の成分が含まれています。

残酷な表現
オリジナル敵
誤字、脱字
都合によって変わる設定

俺はそんなの見たくない!という方はブラウザバックをお願いします。ハハハハァ!いいぞぉ!見てやろうではありませんか!という方はこのままお進みください。ゆっくり見ていってくれよな!

悟空と幻想郷の力を合わせた最後の元気玉も、霊奈には蹴り飛ばされてしまった。そして、遂に悟空たちは霊奈に反抗する術を失ってしまった……そして、悟空たちは霊奈の凶弾に倒れる……


第86話 両者最後の大決戦!かめはめ波vsかめはめ波!

「………?なんだここ……」

 

悟空は一面真っ黒な世界で目を覚ます。

 

「やあ、孫悟空、だったよな?」

 

すると、誰かに声をかけられる。

 

「?誰だ、あんた………その格好、霊夢に似てんな……」

 

「私は第6宇宙の元博麗の巫女、博麗霊綺。……そう。霊奈の母親さ」

 

「!……あんたが霊奈の母ちゃんなのか……それで、オラに何の用だ?それにあんたはもう……」

 

死んでいるだろ?と悟空が言おうとした時、霊綺はクスッと笑う。

 

「ああ、私は既に死んでる……だったら、なんで死んだ人間と喋ってんだ、って問いはあらかじめ答えとくよ。ここはあの世とこの世の境目。悟空、あんたの体は死んじゃいないが……死にかけてるのは間違いないな」

 

「……そうか…オラ、負けちまったのか……」

 

悟空は暗い顔で俯く。

 

「おいおい、そんなしけたツラするなよ。まだ負けちゃいないよ」

 

「でも、オラはほぼ死にかけ、霊奈はほぼマックスに近い体力を持ってる……今のオラが戦って、勝てるとは思えねえんだ………」

 

「……私にはな、第7んとこの霊夢や、霊奈みたいに才能がなかったんだ。だから人一倍努力した。まあ、母さんが鍛え上げてくれたんだけどな。それで気づいたんだ。私には、聞こえない誰かの声が聞こえるって」

 

「誰か、って誰なんだ?」

 

「……この幻想郷にいる、龍神さまさ。私は、物心ついたときから何かが聴こえてきてたんだ。またガキンチョだった私はそれが怖くて怖くて仕方がなかった。でも、私が一人で泣いてたりしたときは、いつも側にいてくれているように、優しく私を励ましてくれたんだ」

 

霊綺が話しているとき、ふと何かを疑問に思ったのか、悟空は霊綺に問いかける。

 

「この幻想郷、ってことは、第6宇宙にも第7宇宙にも龍神さまはいるのか?」

 

「ああ。この第7宇宙にも龍神さまはいらっしゃる。そして、こうも言ってる。「山吹色の勇者よ、そなたがこの世界のために再び立ち上がってくれるのならば、我が微力ながら力を貸そう」って……」

 

霊綺は何もないところを見上げて言う。

 

「はは、オラ別に勇者じゃねえよ」

 

悟空は苦笑いをする。

 

「……霊奈がああなってしまった原因は私にもあるんだ。あの時、私が霊奈を置いていってしまった……。あの子には、本当に寂しい思いをさせてしまった……。今更後悔しても、もう遅いってことはもう重々承知してる。だから、悟空。これは博麗の巫女としての頼みじゃなく、1人の母親からの頼みとして、聞いてほしい」

 

霊綺は一拍おいて、悟空に深く頭を下げる。

 

「どうか、どうか霊奈を、止めてやってください。部外者の貴方にこうやって頼むのは筋違いだともわかってる。ほんとは私がやらなきゃいけないってこともわかってる。でも、もう私では無理……こんな魂だけの体じゃあ、霊奈とまともに戦えない……」

 

悟空は真剣な表情で霊綺を見つめ、微笑む。

 

「……わかった。やるだけやってみるさ」

 

「悟空、貴方は逃げる権利もある。幻想郷の人たちを連れて逃げてもいい。それでも、それでも、命を賭して戦ってくれるの?」

 

「ああ。任せとけ」

 

霊綺もまた悟空と同じように頰を緩め、

 

「ありがとう……これから、貴方を幻想郷に戻す。じゃあ、頼んだよ……孫悟空!」

 

悟空は霊綺に親指を立てて応える。

 

そして、悟空の体は光に包まれ、やがてその空間から消えた。

 

「……龍神さま、どうか悟空に力を与えてください。そして、我が子、霊奈をお救いください……。私はどんな罰でも受け入れます。だから、どうか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、そろそろとどめを刺させてもらおうか…」

 

霊奈は天高く右手を掲げ、巨大なエネルギーボールを作り出す。

 

「……手こずらせてもらったが、終わりだな。さらばだ、孫悟空よ!」

 

霊奈がエネルギーボールを放とうとした瞬間、後方から強風が吹いてくる。

 

「っ……?なんだ?」

 

霊奈は風に少し煽られ、体制を崩す。

 

風は霊奈の横をすり抜け、悟空に集まっていく。

 

「なんだ?風が………いや、あれは神の気か!!」

 

霊奈は風の正体に気づき、声を荒げる。

 

風、否、神の気は悟空の周りを回遊していく。

 

そして、

 

グオオオオ………!!!!

 

という雄叫びと共に青い龍が悟空の周りにいた気から現れ、空を廻って悟空に向けて急降下する。

 

そして龍は悟空に取り込まれていく。

 

「なんだ……?」

 

直後、悟空を中心に凄まじい閃光が迸る。

 

「くっ!」

 

霊奈は思わず右手で目をガードする。

 

そして、徐々にその光は収まっていく……

 

しかし、光が消えても、悟空は地面に倒れ伏したままだった。

 

「ちっ、なにかと思えば、何もないのか?」

 

霊奈はそう呟くが、悟空からは少しずつだが蒸気が噴出していた。

 

そのとき、悟空が右手の拳を地面に叩きつけ、起き上がろうともがき出す。

 

「!……まだ生きてたか。さっきの龍に気でももらったか?」

 

霊奈はゆっくり地面に降り、悟空の様子を見守る。

 

そして、悟空は完全に立ち上がる。

 

「霊奈!オラがおめえを止めてやる!オラ、最後まで諦めねえぞ!」

 

悟空は超サイヤ人に変身し、蒼が混じった金色のオーラを纏う。

 

「……誰からそんな力を貰ったかは知らんが、私とはもう……?!」

 

霊奈は自分と悟空との力の差が大きくついていることを自覚していたが、霊奈が今感じ取っている悟空の気はかつて自分が対峙した霊理沙と同等以上に上がっていた。

 

「……紫の気は……」

 

悟空は周囲を見回して紫を探す。

 

「……いた!」

 

悟空はすかさず瞬間移動する。

 

「……逃げた、というわけではなさそうだな」

 

霊奈も額に指を当てて瞬間移動する。

 

 

 

 

 

「紫、大丈夫か?!」

 

悟空は紫の肩を叩いてどうにか紫を起こそうとする。

 

「う、……ご、悟空……」

 

紫はうっすらと目を開ける。

 

「紫、時間がねえから簡潔に言う。もう幻想郷が壊れちまうまで長くねえ。だから今のうちに幻想郷の人々と一緒にオラの世界に逃げててくれ」

 

「な、何言ってるのよ、悟空は……?」

 

「オラはあいつとケリつける。オラの世界に行ったら、カプセルコーポレーションってとこのブルマに会いに行ってくれ。多分オラの知り合いって言ったら大丈夫だとは思う」

 

悟空は紫に自身の気を少し分け、紫を回復させる。

 

「……悟空、貴方、どうやって逃げる気……?」

 

「そりゃそんとき考えるさ。早く行ってくれ!時間がもうねえんだ!」

 

悟空は紫を急かす。

 

「……わかった。絶対に死なないでよ」

 

そう言って紫はスキマに消えた。

 

「……サンキュー……」

 

悟空は虚空に向かってそう呟く。

 

「……幻想郷に点在してた気がまとまりで消えていく……どうやら紫が動き出したようだな?」

 

すると、霊奈も腕組みをしながら悟空に言う。

 

「なんだ、追いかけなくていいのか?」

 

悟空は皮肉混じりにそう問う。

 

「……いい。どうでもいい。復讐とか、今更どうでもいい。今は目の前のことに手一杯だ」

 

霊奈はそう言ってニヤリと笑う。

 

直後、悟空たちの周りを溶岩が囲い込む。

 

悟空たちは慌てて上に飛び上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ!こっちよ!」

 

紫は必死に呼びかける。

 

途中で少し体力が回復したレミリアたちと分担して幻想郷の人々や妖怪たちをスキマの中に逃がしていく。

 

すると、紫の肩が誰かとぶつかる。

 

「慌てなくていいから、確実に逃げて!」

 

「あ、……はい、ありがとうございます」

 

その誰かは橙の身長を少し伸ばしたほどしかない小柄な人で、お面をつけていた。

 

その少女は背中にローブを羽織った女性を背負っている。身長は霊夢より数センチ大きい。

 

「怪我してるの?彼女、その腕とか……」

 

紫は背負われている女性のローブから出た腕からベルトのようなものが巻きついているのが見えた。おそらく結束用のバンドだろう。そのうえ、腕だけでも数十針縫った跡がある。

 

「大丈夫。」

 

お面の少女は一言そう告げて、女性を背負ったままスキマの方へ向かっていった。

 

「………?」

 

紫はなんとなくだが、お面の少女から何か嫌な雰囲気が出ているのに感づいていた。

 

しかし、今はそんなことを考えている暇ではない、と首を左右に振って、避難誘導を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「幻想郷から全部の気が消えた……へへっ、待ってたぜ、この時をよ……」

 

「もうここの爆発まであと5分あるか無いかだ……私が勝つのが先か……、お前が勝つのが先か………はたまたこの幻想郷(せかい)の爆発が先か……3つに1つだ!!」

 

「おめえさっき復讐とかもうどうでもいいって言ったよな。オラも同じだ。おめえに勝ちてえっていう気持ちしかもうねえや」

 

「そうだな。もう人間なんかどうだっていい、幻想郷(せかい)なんかどうだっていい!復讐なんかどうだっていい!今の私を支配しているのは、お前に勝ちたい、その思いだけだ!……お前のせいだぞ孫悟空。私がここまで丸くなってしまうとは………さあ、心行くまで楽しもうじゃないか!最っ高にヒリヒリするバトルを!」

 

霊奈は気を完全に解放する。そのオーラは、迷いが断ち切られたのか、濁ったオーラではなく、完全に透き通ったピンクのオーラを纏っていた。そのオーラは地面から吹き出るマグマによって更に美しく輝いている。

 

「ああ!恨みっこナシだぞ!」

 

悟空も龍神に借りた気を解放する。そのオーラにはもう金色は混じっていない。髪の色こそ金色のままだが、限りなくクリアな、蒼いオーラであった。

 

「行くぞ、殺してやる孫悟空!!」

 

「オラ負けねえぞ!!」

 

刹那、悟空は右手を霊奈に翳し、衝撃波を放つ。

 

「くっ!!」

 

霊奈は後方に回転しながら吹き飛ばされる。

 

霊奈はとっさに気功波を放ち、回転の勢いを殺す。

 

が、瞬間移動してきた悟空に腕を掴まれ、振り回される。

 

悟空は霊奈を上に飛ばし、瞬時に手を腰の位置に持っていき、

 

「波ぁぁぁーーーーっ!!!!」

 

かめはめ波を放つ。

 

「!!」

 

霊奈が態勢を立て直した時にはもう悟空のかめはめ波が目と鼻の先まで迫っていた。

 

かめはめ波は霊奈を飲み込む。

 

悟空は霊奈がいた場所を睨みつける。

 

その時、悟空のすぐそばに霊奈が瞬間移動してくる。

 

「なにっ?!」

 

霊奈はかめはめ波を悟空に放つが、悟空は横に跳びのきそれを回避する。

 

そして、強烈な左フックを霊奈の頰に喰らわせる。そして、両手を合わせて振り下ろし、霊奈を微かに溶岩の上に浮かぶ島に叩き落とす。

 

しかし霊奈は一瞬で気を爆散させて瓦礫を吹き飛ばし、ゆっくりと浮かび上がる。

 

「はあっ、はあっ、わ、私とほぼ互角だと……?!」

 

霊奈は息を荒げながら呟く。

 

「まだまだ行くぞ!」

 

直後、悟空の姿がブレ、一瞬で霊奈の目の前まで移動し、右手の肘打ちを喰らわせる。

 

「くっ!」

 

霊奈は持ち直すが、悟空の手は止まらない。

 

悟空はアッパーを決め、バック転するように背中を向けた霊奈に頭突きをお見舞いする。

 

「ちっ!」

 

霊奈もまた持ち直して右足で蹴りを繰り出す。

 

しかし、悟空は左手で霊奈の蹴りを受け止める。

 

霊奈は続けて左手の肘で反対側から悟空を攻撃しようとするが、これもまた悟空には右手で塞がれてしまう。

 

「ちっ!」

 

霊奈はしゃがみこみ、悟空の腹部にパンチを繰り出す。

 

「ぐっ!!」

 

よろめいた悟空の頭を両手で鷲掴みにして、悟空の顔面に右膝で膝蹴りを繰り出す。

 

悟空が無防備になった瞬間、ここだとばかりにパンチ、キックの猛襲を続ける。

 

「はっ!」

 

霊奈は一旦跳びのき、再び悟空の元へ向かって行く。

 

「ちっ!」

 

悟空は左手で衝撃波を放ち霊奈を遠ざけようとするが、霊奈には読まれていたのか、上に飛びあがられ、上から衝撃波を浴びせられる。

 

「っ!!」

 

悟空は衝撃波に耐えるが、その隙に霊奈に背後を取られてしまった。

 

霊奈は背後から悟空にパンチを繰り出すが、悟空は左腕を浮かせ、かつ体を右に傾けてそれを避けて、霊奈の左腕を脇腹と左手で抑え込む。

 

そして、頭を思いっきり後ろに振り、霊奈の顔に直撃させる。

 

「がっ……!」

 

霊奈は一瞬仰け反る。

 

その隙に悟空は右足で先ほどの霊奈と同じように蹴りを繰り出す。

 

が、持ち直した霊奈は左手でそれを防ぐ。

 

「ふっ!」

 

悟空は反撃に出た霊奈が繰り出した右手のパンチを飛びのいて避ける。

 

直後、霊奈は逃がさない、と言わんばかりに悟空に向かって突進してくる。

 

悟空は両腕をクロスさせて防御の構えをとった。

 

霊奈は悟空の両腕が交わっている部分に頭突きを決める。

 

悟空は頭突きの威力に乗って体を倒していき、それに伴って霊奈に近づいた両足で霊奈に蹴り上げる。

 

そして、自身も飛び上がり、

 

「か め は め…波っ!!!」

 

悟空は霊奈にかめはめ波を放つが、霊奈は思い切り右腕を薙ぎ、かめはめ波を弾き飛ばす。

 

「……」

 

悟空は表情を変えずに、霊奈に向き合う形で目の前に近づいてくる。

 

「……こいよ」

 

「ああ……じゃあ望み通りやってやるぜ!」

 

悟空は霊奈の腹部にパンチを入れ、続けざまに左での肘打ち、右足での蹴り上げ、そして右手で強烈なパンチを霊奈に浴びせる。

 

霊奈は吹き飛ばされるが、態勢を立て直し、

 

「いい、いい、いいぞ!最っ高に楽しいねぇ!やはり戦いというものは力が同じ者同士に尽きる!」

 

「……ああ、オラもそう思う…!」

 

「こいつで最後だ………私の全身全霊を懸けて、お前への敬意を込めて、この技で決めてやる……!!ファイナル……夢想………かめはめ……!!」

 

霊奈は陰陽玉を身体の前に出現させる。そして、かめはめ波の構えをとる。

 

「オラもこの技で決めっぞ!!か……め……は……め……!」

 

悟空もかめはめ波を構える。

 

そして、お互いにニヤッと笑ってから、

 

「「波ぁぁぁぁーーーーーっ!!!!!」」

 

二人同時にかめはめ波を放つ。

 

そして、かめはめ波はぶつかり合い、エネルギーのドームが出来た。

 

「ぎぎぎ……っ!!!」

 

「はぁぁ………っ!!!」

 

お互いは踏ん張りかめはめ波の出力を上げていく。

 

そして、耐えきれなくなり、ドームは大爆発を起こす。

 

そして、二人はほぼ同時にお互いに向けて突撃する。

 

そして、それぞれの思いを乗せて、互いにパンチを繰り出す。

 

霊奈のパンチは、悟空には届かなかった。悟空が咄嗟に身を屈めたからであった。

 

そしてーーーー

 

「だりゃぁぁぁぁぁ!!!!」

 

悟空は渾身のパンチを霊奈に繰り出す。

 

パンチを外した霊奈は、それを避けられる筈がなかった。

 

直後、霊奈の脳内に一言だけ、言葉が甦る。

 

ーーーーーこれからどんなことがあろうとも、母さんだけは、貴女たちの味方よ。

 

「お母さん………!!!」

 

霊奈は届く筈もない名前を紡ぐ。

 

ーーーーー。ーーー。ー………。

 

 




いかがでしたか?第86話は以上です。

〜〜〜次回予告〜〜〜
「おっす!オラ悟空!霊奈、本当に強かったな……でも今度は、今回はオラの…オラたちの勝ちだ!魔理沙……そうか。オラももう居る意味ねえもんな……またな魔理沙、みんな、また会おうぜ!次回、世界を救ったサイヤ人が幻想入り最終回、
「バイバイファンタジーワールド」
いつか、また会おうな!」

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