世界を救ったサイヤ人が幻想入り   作:タミ

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地球育ちのサイヤ人、孫悟空。もしも悟空が幻想郷に迷い込み、異変を解決していったら?そんなクロスオーバー二次創作作品です。この作品には、以下の成分が含まれています。

残酷な表現
オリジナル敵
誤字、脱字
都合によって変わる設定

俺はそんなの見たくない!という方はブラウザバックをお願いします。ハハハハァ!いいぞぉ!見てやろうではありませんか!という方はこのままお進みください。ゆっくり見ていってくれよな!

ネオデストロンガスが蔓延するなか、戦いを始める幻想郷の戦士たち。咲夜、にとりはガーリックjr.と Dr.ウィロー相手に、辛くも勝利を収めたのであった……


第78話 それぞれの戦い!霊夢、覚悟の博麗結界封印!

神精樹のうろのような広い空間に、霊奈がその上に広がる星空を見上げて立っていた。

 

正確に言えば、それは星空なんて美しいものとはかけ離れているものであった。

 

そう。霊奈の頭上に広がっている星空の星1つ1つは、全て神精樹の果実なのだ。

 

「流石にサイズが違うな。私の目的は幻想郷の砂漠化だが……これを食べて更なる力をつけることも可能そうだ……」

 

霊奈が独り言のように呟いていると、

 

「霊奈ッ!!」

 

霊奈の背後、神精樹の外に繋がる穴の方から何者かの怒号が飛び込んできた。

 

「……やはりお前たちか」

 

霊奈はゆっくりと振り返る。

 

そこには、霊夢と魔理沙が既に潜在能力を解放している状態でそこに立っていた。

 

「魔理沙……飽きないなお前は。わかったろう?お前じゃ私には敵わない」

 

「そうかな……?」

 

魔理沙は期待と困惑が入り混じった表情で笑みを返す。

 

「……それとも、何か秘策があるのかな?」

 

「それはあんたの目で確かめてみなさい」

 

嘲笑混じりにこぼした霊奈に、霊夢は眉間に皺を寄せた厳しい表情でそう返す。

 

「魔理沙、何度やっても結果は同じだぞ!」

 

霊奈はゆっくりと魔理沙の元へ歩み寄る。

 

「……私はそうは思わないな」

 

魔理沙も霊奈に向かって歩いていく。

 

そして、お互い目と鼻の先になるまで近づいて止まる。

 

直後、魔理沙と霊奈は気を解放し、霊奈はピンクの、魔理沙は金色の気を放つ。

 

「「はああああッ!!!!」」

 

霊奈、魔理沙。互いの気が最高潮に達した瞬間、大爆発を起こした。

 

霊夢は慌てて飛びのく。

 

直後、爆煙の中から2つの影が現れる。

 

霊奈と魔理沙は激しくパンチ、キックを互いに浴びせている。

 

「……一体なぜだ、霧雨魔理沙。なぜお前は諦めずに私に歯向かってくる?」

 

「……私はただ、負けたくないだけさ。お前に。何があっても!例え私の今までを全部ぶっ壊したとしても!」

 

「………なら、何故力を追い求める?」

 

「……そこは私もわかんないな」

 

魔理沙のその予想外の返答に、霊奈はふっ、と鼻で笑い、

 

「変なやつだよ、お前も悟空も」

 

「変なやつとはひどいじゃないか」

 

魔理沙と霊奈は飛びのいて距離を置く。

 

すると、魔理沙の横を何者かが通り過ぎていった。

 

「魔理沙ッ!交代よ!」

 

霊夢は透明なオーラを纏い、霊奈にパンチ、キックを浴びせていくが、霊奈にはことごとく避けられてしまう。

 

霊奈は霊夢がパンチをからぶった隙に、霊夢の腹部に左足で膝蹴りを喰らわせ、うなじに左肘で攻撃して、右足で霊夢を蹴り飛ばす。

 

「ぐっ!」

 

霊夢は地面を転がる。

 

霊奈はそのまま追い討ちをかけるように気弾を放とうと左手を霊夢に向けるが、

 

魔理沙に蹴られ、それは中断される。

 

霊奈は地面に手をついて後退しようとする自身の動きを止める。

 

「霊夢っ、大丈夫か?!」

 

魔理沙は慌てて霊夢に駆け寄る。

 

「ええ。私は大丈夫…だけど……」

 

霊夢は霊奈を見つめる。

 

「あれだけやって汗ひとつかいていないなんて……あれが霊奈のフルパワー……!」

 

「へへっ、まいったな……私たちの攻撃がまるで通じてないぜ……だが前ほどじゃねえ…」

 

「まったく、この状況で笑いが出るあんたの神経がわかんないわね……」

 

霊夢は目を細めて魔理沙を見る。

 

 

 

 

「………」

 

霊奈は自分の体を見回す。

 

霊奈自身も驚いていた。自分がここまで強くなったことに。あの時フロストが侵略してこなかったら自分はここまで強くならなかっただろう。

 

霊奈は一瞬フロストに感謝の気持ちを持ってしまった。

 

「はッ………私、なにバカなこと考えてんだか……」

 

霊奈は自分を嘲笑する。

 

そこで霊奈は気付いた。フロストより自分が感謝しているのは、いつも無邪気で、自分が考えつかないようなアイデアで自分に立ち向かってくる、そんな男だと。

 

そう。孫悟空という男に、自分は救われたんだと。

 

霊奈の心情は、もう復讐、というよりは幻想郷に勝ちたい、というものであった。

 

「……ははっ、お母さん、私、最後の最後で、やっと人間っぽくなれた気がするよ。ほんとは、誰よりも人間が、私の隣にいてくれる人たちが大好きなんだ」

 

霊奈は誰にも聞こえないようにそう零す。

 

すると、霊奈の目に、こちらを睨みつける霊夢と魔理沙が飛び込んできた。

 

「……まあ、もう手遅れだし、ケジメもつけないとね……私も、第7宇宙に生まれていれば……」

 

霊奈はそれだけ呟いたあと、これ以上は無駄だと悟り、霊夢たちに向き合う。

 

「お前が強いってことはよーー、くわかった!だったら、私たちの全力も見せてやる!」

 

魔理沙がそう叫ぶと、霊夢と魔理沙は一斉にパワーを高め始める。

 

「「はああああ………!!!」」

 

霊夢と魔理沙の気で神精樹がグラグラと揺れる。

 

「界王拳ッ!!!」

 

魔理沙は界王拳を発動させる。

 

界王拳の赤いオーラが、金色のオーラに調和し、美しいグラデーションを見せる。

 

「夢想天生ッ!!!」

 

霊夢は魔理沙と真逆の青いオーラを微量に纏う。

 

そして、体が半透明になる。

 

霊奈は霊夢の姿に違和感を覚えた。

 

(あの青いオーラ……、奴のいつもの夢想天生とは違う……?……そうか。私の強さと、もう後には引けない状況が、奴の中の限界の壁を超えたのか……)

 

 

 

 

 

 

 

そのとき、霊奈の脳内に霊綺の言葉がフラッシュバックする。

 

「うー、お母さん!もうちょっと手加減してよ!」

 

「そうだそうだ!大人気ないぞ!」

 

霊夢と霊奈を吹き飛ばした霊綺に、霊奈と霊夢からブーイングが飛んでくる。

 

「ははっ!勝負に汚いもくそも無いのだ!」

 

「………」

 

霊綺のその発言に2人は呆れてしまった。

 

「だとしても夢想天生はずるいよっ!」

 

霊奈が声を荒げ、霊夢もそうだそうだ、と便乗する。

 

霊綺はでへへ、と頭をかいて夢想天生を解除する。

 

「私たちもお母さんみたいな夢想天生やってみたい!」

 

「え?……あー、夢想天生は必ずしも私と一致するってわけじゃないぞ?」

 

「どういうことそれ?」

 

「私の場合は霊気を完全に物質化してそれを纏って強化するものだが、先代や先々代とかは、また違う夢想天生だったらしい。」

 

霊綺の説明に2人は首を傾げる。

 

「ある者は周囲の気候などを意のままに変化させ、またある者はそこらじゅうの生き物の精気を吸い取り自分の力に変えるっていう夢想天生もあったらしい。……まっ、一言で言うと人それぞれってことよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なるほど、この世の理から外れ、ありとあらゆるものから浮かぶ……、それがお前の夢想天生か……!」

 

霊奈はふふっ、と微笑み、霊夢たちを見つめる。

 

「「行くぞッ!!霊奈!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は14時50分。人々の避難が済んでほぼ廃墟になった人里を豪快にぶっ壊しながら何者かが戦っていた。

 

「どこまで逃げるつもりだぁ?」

 

「るっさいわね!あんたバケモノじゃないの?!」

 

人里の家々を掻い潜り逃げる天子をブロリーがバリアで破壊しながら追いかけている。

 

「俺がバケモノ……?違う、俺は悪魔だ……!」

 

ブロリーはそう宣言したあと、天子の頭を鷲掴みにして地面に擦り付ける。

 

天子の帽子は風に煽られ飛んでいき、天子は頭で地面を削る。

 

「この……っ!!」

 

天子は左足でブロリーの腹部を蹴りつけ、ブロリーの手から逃れる。

 

そして、額を伝う赤い滴を拭き取った。

 

(いったあ……!あのバケモノ手加減ってものを知らないのかしら?私は仮にも女の子なのよ?!こんなんじゃ全然気持ちよくならないじゃないっ!)

 

天子は少し泣きそうになるが、首を左右に振って、再び鋭い目つきでブロリーを睨む。

 

「こらっ!そこの!あたしを誰だと思っているの?!あんたが楯突いているのは、比那名居天子さまなのよ?!図が高いわ!控えなさい!」

 

天子は呼び出した要石に飛び乗り、ブロリーの上から偉そうにそう発言する。

 

要石「天地開闢プレス」

 

すると、ブロリーの真上から巨大な要石が落下してくる。

 

要石(ロードローラー)だッ!!」

 

「ぬうっ?!」

 

天子は馬鹿力で要石をブロリーの真上に叩き落とす。

 

そして、大きく息を吸い込み、

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄、……ぶっつぶれよォォォーーーッ!!!」

 

天子はトドメの一撃と言わんばかりに右手で正拳突きを喰らわせ、その場から退く。

 

直後、要石は大きな爆発を引き起こした。

 

爆煙が広がり、煙の嫌な臭いが辺りに充満する。

 

天子は険しい表情のまま爆煙を睨んでいた。

 

爆煙が収まり、ブロリーの姿が徐々に露わになる。

 

「ははっ、やっぱバケモノね……」

 

天子は乾いた笑みを零す。

 

ブロリーは周囲の安全が確認されると同時にバリアーを解く。

 

「……なんなんだぁ?今のは……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は5分前に遡る。

 

最終形態となったクウラとフリーザ相手に、ルーミアと幽香は激しい戦闘を繰り広げていた。

 

「ブラックスパーク」

 

ルーミアと幽香はクウラたちからバックステップで距離をとり、それぞれ剣と傘をクウラたちに構える。

 

「……もうこれまでだ!この星諸共、宇宙のチリになれーーーっ!!!」

 

クウラとフリーザはそれぞれ右手の人差し指、左手の人差し指を天に翳し、巨大なエネルギーボールを展開する。

 

それは空の作り出す人工太陽のような眩い光を放っていた。スーパーノヴァ 、とでも言うのであろうか?

 

「消えろーーーっ!!!」

 

クウラとフリーザは躊躇なくそれをルーミアたちに向けて放つ。

 

「行くわよ幽香、気張りなさい」

 

「言われなくっても……!」

 

ルーミアと幽香もそれぞれ黒いエネルギー波のマスタースパークを放つ。

 

2つのエネルギー波は混ざり合って、黒と黄色が混ざり合った色のエネルギー波に変わる。

 

ブラックスパークとスーパーノヴァはぶつかり合い、バチバチと火花が散る。

 

「はっはっはっ!所詮サルどもなど、我らの敵ではなかったのだ!」

 

クウラのマスク内部からクウラの声が反響する。

 

「ぐっ、くっ……!」

 

「耐えなさいルーミア!こいつを幻想郷に落としたら、もうただでは済まないわよ?!」

 

「うるさいな!言われなくてもそうしてるよ……!」

 

ルーミアはさらに技の出力を上げる。

 

「行くぞ幽香!……フルパワーだぁぁーーーっ!!!」

 

「はぁぁーーーーっ!!!!」

 

幽香とルーミアは先程までの威力とは段違いのエネルギーを放出する。

 

「む?!な、なんだ?!」

 

クウラたちはすぐさま異変に気付く。

 

それもそのはずだろう。何故なら自分たちが落としたスーパーノヴァが徐々に押し返されているのだ。

 

「そっ、そんなバカな……!?」

 

フリーザがそういった途端、スーパーノヴァはバチバチと音を立てて破裂した。

 

そしてその中から幽香とルーミアが放ったブラックスパークが飛んでくる。

 

「そっ、そんな……!」

 

クウラとフリーザは両手を突き出す。

 

「ぐっ、おお……っ!!」

 

「こんなもの……!こんな、もの……!こ、こんな……!!」

 

フリーザたちは必死に食い止めようとするが、ブラックスパークはフリーザたちを飲み込む。

 

「ちっ、ちくしょおぉぉぉーーー!!!」

 

フリーザとクウラは断末魔をあげて体を四散させた。

 

 

 

 

 

「はあっ、はあっ……」

 

幽香とルーミアは全身の緊張をほぐし、背中から倒れこむ。

 

「……これじゃあ、ガールズトークなんて、出来ないじゃないか……」

 

「いつかやるから……いいのよ……」

 

ルーミアと幽香はそれだけ言い残して、静かに目を閉じる。

 

そして、死んだように眠りについた。

 

14時48分、太陽の畑の戦い、決着。

 

ルーミア&風見幽香vsフリーザ&クウラ

 

勝者 ルーミア&風見幽香……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「サイヤ人……憎い……滅ぼす……!」

 

赤をメインに黄緑などて彩られた生命体が、法界にて白蓮を追いかけ回していた。

 

「……ここまでくればもう大丈夫でしょうか……さて、貴方のその恨みつらみ……、この聖白蓮が解放して差し上げましょう」

 

「……ぬっ!!」

 

赤づくめの生命体、怨念増幅装置ハッチヒャックは手を胸の前でクロスさせて腕についた黄緑の水晶体を発光させる。

 

「……リベンジャーカノン!」

 

ハッチヒャックはリベンジャーカノンを発射して、白蓮を仕留めようとするが、

 

「ふっ!」

 

白蓮は素早くエア巻物を体の前に盾にするように構え、リベンジャーカノンを明後日の方向へ軌道を変えた。

 

(あのリベンジャーカノンという技……発射まで少し溜めの時間がかかるようですね……少し数えてみましょう……)

 

白蓮は魔力を練って身体能力を強化させ、ハッチヒャックの周りを周回する。

 

「ぬうう……!!」

 

ハッチヒャックは苛立ちを露わにして、再びリベンジャーカノンの構えをとる。

 

「……!来た……!」

 

(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、1……5!)

 

白蓮が15まで数え切ったあと、ハッチヒャックはリベンジャーカノンを発射する。

 

白蓮は身を屈めてリベンジャーカノンを避ける。

 

が、すぐさまハッチヒャックがやってきて、両手を合わせ白蓮の頭に振り下ろす。

 

「くっ!」

 

白蓮は猛スピードで下に落ちていく。

 

数百メートル叩き落とされたところでなんとか体制を立て直し、ハッチヒャックを見つめる。

 

ハッチヒャックは再びリベンジャーカノンを放とうと腕をクロスさせている。

 

それを一瞥してから、白蓮は懐から小瓶を取り出し、フタを開ける。

 

「私は如何なる悪人でも殺生は致しません。よって……封印させて頂きます!」

 

その小瓶には「大魔王封じ」と記されていた。

 

白蓮は韻を切って両手をハッチヒャックに突き出す。

 

すると、グルグルと回る気の嵐が発生し、気の渦にハッチヒャックは飲み込まれる。

 

「な、なに……?!」

 

ハッチヒャックは静かに動揺する。

 

「っ!!」

 

白蓮は見事な手さばきでハッチヒャックを移動させていき、小瓶の中へ放り込んだ。

 

「ふっ、ふっ、ふうっ………」

 

白蓮は肩で息をしながら小瓶の方へ歩み寄り、フタを閉じた。

 

「貴方の怨念、晴らして差し上げられず申し訳ありません」

 

14時49分、法界の戦い、決着。

 

聖白蓮vsハッチヒャック

 

勝者 聖白蓮……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間はまた少々遡る。

 

「ほう、オレのことを知っているようだな」

 

「当然です!私、劇場版キャラの中では貴方が1番嫌いです!」

 

守谷神社すぐそばの湖。ここでは悟空に似た何者かと早苗が戦闘を繰り広げていた。

 

「そうだな小娘。どうだ?オレと一緒に来る気は無いか?宇宙を気ままに流離って、好きな星をぶっ壊し、美味いものを食い美味い酒に酔う。こんな楽しい生活は無いぜ?」

 

悟空に似たサイヤ人、ターレスは言葉巧みに早苗を勧誘するが、

 

「その手には乗りません!私も悟飯さんと同じ答えです!」

 

早苗は決意のこもった瞳でターレスを睨みつける。

 

「悟飯……カカロットの息子か………ならば、死ねぇっ!!」

 

ターレスは手を合わせて広げ、ドーナツ型の気弾を作り出す。

 

「……!あれは、大猿になった悟飯さんに使った技……!」

 

「それと、悟空さんはもうカカロットなんて名前じゃありません!彼は孫悟空という立派な地球人です!」

 

「絶対許さなe……許しません!」

 

早苗は何か言いかけたが、すぐさま言い直す。

 

直後、早苗の立っていた場所にターレスの気弾が飛んでくる。

 

「!!」

 

早苗は慌てて上空に飛びのく。

 

しかし、既にターレスに先回りされてしまっていた。

 

ターレスは早苗が行動を起こす前にエネルギー波を発射して、早苗を飲み込む。

 

「きゃあっ!!」

 

早苗を飲み込んだエネルギー波はそのまま近くの森林に突っ込んだ。

 

エネルギー波が当たった場所は炎上し、周囲の木々を燃やしていく。

 

「ククク……」

 

ターレスは腕組みをして早苗が出て来るのを待ち構える。

 

大奇跡「八坂の神風」

 

すると、森林の中から弾幕が飛んでくる。

 

「ふんっ、こんなもので時間を稼いでるつもりか……?!」

 

ターレスは軽々弾幕を避けていく。

 

妖怪退治「妖力スポイラー」

蛇符「雲を泳ぐ大蛇」

 

しかし、森林から飛んでくる弾幕は衰えを見せず、更にはげしさを増していく。

 

「邪魔だぁぁーーーっ!!」

 

ターレスは気を爆散させ、周囲の弾幕をかき消す。

 

弾幕は気の爆発に晒され、全て消えてしまった。

 

「出てこないつもりか……?」

 

ターレスは両手にエネルギーを溜めて、周囲の森に無差別に発射しだす。

 

直後、早苗がターレスの目の前にテレポートしてくる。

 

「きっ、貴様……!!」

 

「亀仙人さま!技借りますよ!」

 

早苗はそう叫び、両手を合わせて腰の位置に持っていき、エネルギーを溜めてターレスに向けて解放する。

 

「かめはめ……波ぁぁっ!!」

 

早苗が放ったかめはめ波はお世辞にも凄いとは言えなかったが、完全に油断しきったうえ、至近距離で喰らったターレスを戦闘不能にする程度の力は宿していた。

 

早苗のかめはめ波は妖怪の山の麓まで届き、霧の湖に突っ込んだ。

 

「やった……!やったぁっ!!かめはめ波出せましたよー!」

 

早苗は子供のように大喜びする。

 

「ふふふ、ターレス。この幻想郷では常識に囚われてはいけないのですよ。それが貴方の敗因ね」

 

「それにしても……奇跡を起こす為の詠唱の時間を稼げたのはラッキーでしたね」

 

早苗はターレスのエネルギー波から脱出した直後、スペルカードを乱発し、ターレスの隙を作り、その隙に自らは奇跡の詠唱を行い、かめはめ波と瞬間移動の一時的な使用ができたのだ。

 

早苗は膝に手をついて、口元を緩め、こう呟いた。

 

「やっぱ、原作知識って素晴らしいですね…」

 

14時51分、妖怪の山山頂の戦い、決着。

 

東風谷早苗vsターレス

 

勝者 東風谷早苗……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太陽の畑でクウラたちが敗れたころ、迷いの竹林にて妹紅と輝夜が2人で1人の男に向き合っていた。

 

「……輝夜。まさかお前と共闘する日が来るなんて思ってなかったよ……今回だけは手ぇ貸してやるから、一緒にあいつをぶっ倒すぞ!」

 

「あら、手を貸すのは私の方よ妹紅。私は潜在能力が解放されてるんだから、貴女の数倍強くなっちゃったわけ」

 

輝夜は妹紅を嘲笑するように口に手を当ててほくそ笑むが、妹紅は

 

「強くなったのはお前だけとでも思ったのかよ?」

 

と、自らの体を炎上させる。

 

否、燃えているように見えるのは彼女の纏うオーラがまさしく炎にように燃え上がる赤いオーラだからだ。

 

「あらら、やっぱり私たちは互角なのかしらね?」

 

「……さァな」

 

妹紅はそれだけ返して、目の前の男を睨む。

 

「フハハハハ!もう話し合いは終わりか?」

 

男、スラッグは高笑いする。

 

「ええ、お終いよ。私たちもそろそろフルパワーで行こうって話してたのよ!」

 

「なら、オレのフルパワーも見せてやろう!」

 

スラッグはそう言うと、手をクロスさせ、パワーを高め始める。

 

「おああああ……!!」

 

すると、徐々にスラッグの体が巨大化していく。

 

「お、おいおい、そんなんありかよ……?!」

 

妹紅は思わずそう零してしまう。

 

「あら?怖いなら逃げれば?」

 

輝夜は更に妹紅をバカにする。

 

「なっ、舐めんな!あんなやつどうってことないさ!」

 

「またまた、見栄張っちゃって……まあ、そんなところがないと私のライバルじゃないわよね!」

 

妹紅、輝夜もパワーを解放する。

 

「さぁて、化け物退治と行こうか!……足引っ張んなよ」

 

「それはこっちのセリフ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「封印……?」

 

霊奈は訝しげな表情を浮かべる。

 

「ええ、そうよ!これは数百年後に来る大災害に備えて初代博麗の巫女からずっと受け継がれてきた霊力の塊よ!」

 

霊夢は左手に陰陽玉を浮かべて恫喝的にそう叫ぶ。

 

「れ、霊夢?!そ、それが切り札……?!」

 

「……そうよ。このカードはあんまり切りたくなかったんだけどね」

 

魔理沙の問いに、霊夢は憎々しげに呟く。

 

「はっ、そんなものを私に使ってどうする?!それを使ってしまったら、数百年後来る大災害が防げないんだろう?!」

 

霊奈は少し焦り気味に霊夢に問う。

 

「……あんたを倒さなきゃどの道幻想郷は終わるわよ。……だから……だから、私の独断でこれを使うわ」

 

「ちっ!」

 

霊奈は咄嗟に手をクロスさせて防御の体制をとるが、

 

「もう遅いわよ…何もかも!……喰らいなさい、博麗霊術秘奥義!博麗結界封印!!」

 

霊夢は陰陽玉を霊奈に翳し、そう叫ぶと、陰陽玉ら発光を始め、霊奈の周りに何重にも重なった鎖状の結界が現れる。

 

「なっ、なんだこれは……!!」

 

霊奈は必死にもがくが、結界は更にきつく霊奈を締め付けるだけであった。

 

「これで終わりよ。せめてそこで、私たちの思い出の中で、じっとしていて頂戴」

 

霊夢はそれだけ言い残す。

 

「ちっ、畜生ーーーッ!!!」

 

霊奈は怒号をあげる。

 

「いくらもがいても無駄よ。それは絶対に解けはしない。もう私ですらそれを解除出来ないわ」

 

霊夢は霊奈に諭すように言うが、

 

「な ん ち ゃ っ て」

 

霊奈は口元を歪め、鎖の結界を強引に引きちぎる。

 

「なっ……?!!」

 

「お、おい、嘘だろ……?!」

 

霊夢と魔理沙は目を白黒させる。

 

霊奈にまとわりついていた鎖はバラバラと音を立てて崩れ落ちた。

 

「ぬか喜びしやがって。私は腐っても博麗の巫女の血を引く人間だぞ?博麗の巫女の封印が、博麗の巫女に通用するとでも思っていたか?それに……」

 

霊奈は気を解放する。

 

「ふふふ、私はこの結界の霊力も奪い取れた!どうやら第7宇宙の博麗の巫女たちは私を封じるどころか、いろいろとプレゼントをしてくれたようだな」

 

霊奈の気は、先程までとは比べものにならないほど上がっていた。

 

「さあ、どうする……?」

 

現在時刻は、14時51分。ネオデストロンガス完全蔓延まで、あと39分!孫悟空、完全復活まで、あと10分!




いかがでしたか?第78話は以上です。

〜〜〜美少女ゆかりん(17)のクエスチョンコーナー〜〜〜

「皆様、ご機嫌よう。八雲紫よ!このコーナーは、「世界を救ったサイヤ人が幻想入り」に寄せられた質問、ご意見、ご感想にお答えしていくものです。別に見なくても大丈夫ですよ、お姉さん!という方は次回予告までスクロールよ!

はい!今日はタミの馬鹿がベジットブルーを作ってせいでこんなに遅れてしまいました……申し訳ないです……
あとでブロリーにきっちりシバいてもらいますので、ご安心を。それでは、コメ返ししていくわ!風希さんからのコメントです。いつもありがとうございます!
「たしかになんとかしてくれるのが悟空ですよね。」
そうですね。ブルマさんが言ってましたね。超のキャラ崩壊した悟空さんはなんとかしてくれる感が薄れてきてます(´・ω・`)続いて、悟飯さんからのコメントです。いつもありがとうございます!
「よっしゃ〜!咲夜が勝った!あとにとりも!
咲夜は東方で一番好きなキャラなんでうれしいっす。
2人ともあの敵を相手するのは確かに適任でしたね。そこらへんの組み合わせも上手いと思います。」
まあ、対峙するキャラはタミの気まぐれで選んでますね。まあ、相性が良さそうなキャラは戦わせてるって言ってましたね。悟飯さんからはここに載せきれない程のコメントを寄せていただけました!スタッフ共々、大変嬉しいです!貴重なご意見、ありがとうございました!続いて、月影竜さんからのコメントです。いつもありがとうございます!
「ここの悟空はブルーにならないんですか?」
はい。ブルーにはまだなれませんね。時系列が時系列ですし……。はい!今回はここまで!次回、いよいよ悟空が復活…………?次回をお楽しみに!」

〜〜〜次回予告〜〜〜
「おっす!オラ悟空!霊夢の前の巫女たちの封印も効かねえなんて……!くそっ、霊奈のやつ、いったいどれくらい強くなっちまうんだ……?幻想郷のみんなはフリーザたちを倒せてるみたいだが……、早く行かねえとみんな霊奈に殺されちまう!頼む、急いでくれ!次回、世界を救ったサイヤ人が幻想入り、
「大いなる救世主の兆し!孫悟空……復活!!」
ぜってえ読んでくれよな!」

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