世界を救ったサイヤ人が幻想入り   作:タミ

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地球育ちのサイヤ人、孫悟空。もしも悟空が幻想郷に迷い込み、異変を解決していったら?そんなクロスオーバー二次創作作品です。この作品には、以下の成分が含まれています。

残酷な表現
オリジナル敵
誤字、脱字
都合によって変わる設定

俺はそんなの見たくない!という方はブラウザバックをお願いします。ハハハハァ!いいぞぉ!見てやろうではありませんか!という方はこのままお進みください。ゆっくり見ていってくれよな!

幻想郷を襲った四季異変の解決に乗り出した悟空たち。立ちふさがったエタニティラルバとチルノの対決の最中、霊夢は異変の本質を見抜く。それは妖怪や妖精たちの潜在能力を手当たり次第に何者かが解放していっている、というものであった…


第75話 絶対秘神と動き出す最後の計画!

「摩多羅隠岐奈……?」

 

霊夢は舞、里乃の2人を訝しげな表情で見つめる。

 

「紫さんから説明されてなかったんですか?ま、いいや。とりあえず後戸の国にご招待します」

 

舞がそう呟いた途端、舞たちの背後に巨大な扉が出現する。

 

直後、扉は猛烈な勢いで悟空たちを吸い込みだす。

 

「うわっ!!」

 

一瞬のことで悟空たちも反応が遅れ、扉に吸い込まれてしまった。……ただ1人を除いて。

 

「ありゃあ。うちだけ置いていかれちまっただ」

 

ネムノはポカンとしたまま呆然と立ち尽くしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悟空たちは紫色をベースにさまざまな扉が浮かんでいる世界に放り出される。

 

「いってて……なんだいったい……」

 

悟空はフラフラする体を安定させる。

 

「ようこそ」

 

すると、悟空たちの背後から声をかけられる。

 

そこには、3つの扉を背にした女性が悟空たちを待ち構えていた。

 

「……おめえが隠岐奈か?」

 

悟空はそれだけ女性に尋ねる。

 

「そう。私が摩多羅隠岐奈だよ」

 

隠岐奈もそれだけ答える。

 

「ここまで来れた勇気は認めよう。褒めてつかわす」

 

「……なーんか、偉そうなやつね」

 

チルノは思わずそう零す。

 

「まあ、神様だからね。そりゃそうでしょ」

 

隠岐奈は諭すようにチルノに語る。

 

「そうそう。今舞と里乃の後継者を探してるんだけど……。そこの妖精、なってみる気は無い?」

 

「え?いや、あたいは別に興味ないよ。仕事するんでしょ?めんどくさそう」

 

チルノは頭をかきながらそう答える。

 

「そう……そろそろ可哀想になってきたから解放してあげようと思ってたんだけどなぁ」

 

隠岐奈は落胆したように肩を落とす。

 

直後、大気が震え出し、激しい揺れが悟空たちを襲う。

 

「なっ、なんだ?!」

 

魔理沙は周囲を見回すが、特に変わったことはない。

 

「……なんってことだ……!」

 

すると、隠岐奈の顔から血の気が引いていく。

 

「な、なあ!隠岐奈、おめえ何見たんだ……?」

 

悟空は恐る恐る隠岐奈に問う。

 

「……幻想郷に、巨大な大樹が……!それに、まだ成長を続けている……!そんな……デカすぎる……!」

 

「隠岐奈さん、とりあえず私たちにも見せてください!」

 

文が声を上げ、隠岐奈は幻想郷の様子を悟空たちに見せつける。

 

「なっ……!?」

 

悟空を含む全員が言葉を失ってしまった。

 

そこには、妖怪の山を遥かに凌ぐ巨大な樹が生えていた。

 

その根元には、霧の湖が見える。

 

「お、おい、なんなんだぜあれ……?!」

 

魔理沙はそれだけを辛うじて絞り出す。

 

「……神精樹……!」

 

悟空は憎々しげにそう呟く。

 

「神精樹……ってなんなの?悟空」

 

霊夢は眉間にシワを寄せて悟空に問いかける。

 

「植えつけられたら最後、星の全ての養分を吸い尽くすまで成長をやめねえ樹だ。ターレスってやつが来たときにオラの地球にも作られちまった。オラんときはなんとかバラバラにできたけど、今回はオラんときの倍以上ある……!」

 

悟空の言葉で、全員が戦慄する。

 

「やってみなきゃわかんないだろう?!幻想郷の全員でアレを攻撃したら……!」

 

「それなら神精樹は壊せるだろうけど、幻想郷はおろか、博麗大結界もどうなるかわかったもんじゃないわ…!」

 

霊夢に指摘され、魔理沙は言葉を詰まらせてしまう。

 

「だったらどうしろってんだよ!」

 

「それを考えるんでしょうが!」

 

霊夢と魔理沙の口論が始まり、その場の空気がどんどん険悪になってくる。

 

「とりあえず幻想郷に戻るぞ。ほら、オラに掴まれ。おめえもくるだろ隠岐奈?」

 

「ああ、私も行かせてもらうよ」

 

悟空はよし、と言って額に人差し指と中指を当てて、瞬間移動する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘だろ……!?」

 

魔理沙はただ唖然とするばかりであった。

 

それもそのはずだろう。神精樹の葉は幻想郷を覆い隠し太陽の光を遮っている。

 

そのうえ、なにやら黒い霧のようなものが辺りに充満し始めた。

 

「けほっ、げほっ!な、なんだこれ……!」

 

魔理沙たちは激しく咳き込む。

 

「ネオデストロンガス、という代物だ」

 

すると、聞き覚えのある声が悟空たちの真後ろから聞こえてくる。

 

「来たな……霊奈……!」

 

悟空はキッと霊奈を睨みつける。

 

「デストロンガスを改造して製造したガスだ。もともとのデストロンガスは完全蔓延まで3ヶ月ほどかかったが……これは約1時間で蔓延が完了する。素晴らしいだろう?気の動きは乱れないのが些か残念だけど」

 

霊奈はゆっくりと悟空たちに説明していく。

 

「じゃあ、神精樹を植えつけたのもおめえか?!」

 

「その通りだ。言ったろう?私は完璧主義だと。カードが揃うまでは生かしておく、と。私がただのほほんと今まで過ごして来ただけだとでも思うか?」

 

霊奈は手を横に薙ぎ、強風を発生させる。

 

「くっ!」

 

悟空を除く全員が後ろに吹き飛ばされ、悟空と引き剥がされてしまう。

 

そして、霊奈は自分と悟空を取り囲むように結界を発生させる。

 

「お望みのタイマンバトルだ。私とお前の…な」

 

「へへっ、1対1で戦えるのは嬉しいけど、今はそんなこと言ってる場合じゃねえな。1時間以内におめえを倒さねえと幻想郷が滅んじまうんだ」

 

「いいや、お前じゃ絶対に私には敵わない」

 

「そうかな?やってみなきゃわかんねえ!」

 

悟空は超サイヤ人に変身する。

 

「わかるさ……!」

 

霊奈も超サイヤ人ロゼに変化する。

 

その耳には片方ポタラがぶら下がっている。

 

「……そのポタラもこれ以上悪用させるわけにゃいかねえ…」

 

「なら奪ってみろ!」

 

霊奈は悟空に突撃する。

 

そして右ストレートで悟空を殴りつけるが、悟空は体の軸を捻ってそれを躱し、無防備になった霊奈の右腕を掴んで振り回し、投げ飛ばす。

 

霊奈は吹き飛ばされるが、霊奈の作った結界に阻まれ、霊奈の体は急停止する。

 

「かめはめ……波っ!!」

 

悟空はすかさずかめはめ波を放ち、霊奈を攻撃するが、霊奈は瞬間移動でかめはめ波を避け、悟空のすぐそばに現れる。

 

「なっ、なにっ?!」

 

驚きの表情を浮かべる悟空をよそに、霊奈はニヤリと笑ってエネルギー波を悟空の至近距離で放つ。

 

悟空はそれを避けることが出来ずに、まともに食らってしまう。

 

「かー…めー…はー…めー…」

 

霊奈は手を腰の位置に持っていき、気を溜め始める。

 

「波ッ!」

 

霊奈はピンク色のかめはめ波を放ち、悟空に追い打ちをかける。

 

「しっ、しまった!」

 

エネルギー波を耐えきったばかりの悟空は避けることが出来ずにかめはめ波に飲み込まれてしまう。

 

しかし、かめはめ波の中から飛び出した悟空は、霊奈に向かって右手でパンチを繰り出す。

 

「ちっ!」

 

霊奈はそれに反応しきれず、モロにくらって再度結界に叩きつけられる。

 

 

 

 

 

 

「霊夢っ!早くしないと悟空が!悟空がやられちまうよ!」

 

魔理沙は霊夢を急かすが、

 

「うるさいわね!少し黙ってて!今この結界を中和してるんだから……!」

 

霊夢は魔理沙は一蹴し、再度結界に向き合う。

 

結界は曇りガラスのようにぼやけており、気も完全にシャットアウトされているため、霊夢たちは中の様子を確認することが出来なかった。

 

すると、結界が徐々に薄くなってきた。

 

それは、どちらかが勝利したことを物語っていた。

 

「やったな、ごく……う?」

 

魔理沙は喜びの顔から一変、恐怖の表情へと変化する。

 

「……世界を救ったサイヤ人といえど、私の敵じゃなかったな」

 

霊奈は多少の擦り傷などは負っているものの、大した損傷は見受けられなかった。

 

霊奈は悟空を蹴り飛ばす。

 

そしてエネルギー弾で悟空にトドメを刺そうとするが、

 

「悪いわね。この男の命は奪わせないわ」

 

何者かが霊奈と悟空の前に立ちふさがる。

 

「レミリア・スカーレット……!」

 

霊奈は憎々しげにそう呟く。

 

「あら、私だけじゃないわよ」

 

レミリアはふふん、と鼻で笑う。

 

すると、レミリアの周りに、紅魔館のメンバーが集まってきた。

 

「大丈夫ですか悟空さん!助けに来ましたよ!今度は、悟空さんを、ね!」

 

美鈴は満面の笑顔で悟空に言う。

 

「へ、へへ、悪いな美鈴……」

 

悟空は魔理沙に肩を貸されながら美鈴に礼を言う。

 

「そこの妖精。悟空を河童のところへ連れて行きなさい。そこなら悟空を治療できるでしょう。あいつ、傷を癒す機械を発明したとか言ってたからね……」

 

レミリアはチルノを指差して言う。

 

「あっ、あたいが……?あたいも戦うよ!」

 

チルノは悟空を連れて逃げることを拒否するが、

 

「チルノ、これは私たちには出来ない。あんたにしか頼めないのよ。最重要課題よ。それを、他でもないあんたに任せるわ。いいわね?」

 

霊夢はチルノの肩に手を置き諭すように言う。

 

「最重要……わかった!にとりのとこへ連れてく!」

 

チルノは悟空に肩を貸しながらその場を離脱する。

 

「ふふっ、言い方が上手いですね。とどのつまり逃げろってことじゃないですか」

 

文は霊夢を小馬鹿にするように言う。

 

「うるさいわね。ああでも言わないとあいつ行かないでしょ?」

 

「ほらそこ、私語をしない!……来るわよ」

 

レミリアは霊夢と文を叱責し、グングニルを出して身構える。

 

「話し合いは終わったか……?じゃあ、始めようか!」

 

……ネオデストロンガス、完全蔓延まで、あと59分!




いかがでしたか?第75話は以上です。

〜〜〜美少女ゆかりん(17)のクエスチョンコーナー〜〜〜

「皆様、ご機嫌よう。八雲紫よ!このコーナーは、「世界を救ったサイヤ人が幻想入り」に寄せられた質問、ご意見、ご感想にお答えしていくものです。別に見なくても大丈夫ですよ、お姉さん!という方は次回予告までスクロールよ!

遂に始まったわね……いきなり悟空が戦闘不能になってしまったけれど、大丈夫なのかしら……?さて!今日も元気にコメ返し!風希さんからのコメントです。いつもありがとうございます!
「続きが気になる!僕、ワクワクすっぞ!」
ワクワクはしますけれど……神精樹にネオデストロンガス、悟空再起不能ときたら……大丈夫かしら……?はい!それじゃあ、次回もお楽しみに!」

〜〜〜次回予告〜〜〜
「おっす!オラ悟空!やっぱ霊奈との差はデカかったな……ちくしょう、オラが回復するまで30分もかかっちまうなんて……相手はオラたちが戦ってきた強敵たちだ…!頼むみんな……生き残ってくれよ……!次回、世界を救ったサイヤ人が幻想入り、
「命をかけて!霊奈vs幻想郷!」
ぜってえ読んでくれよな!」

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