残酷な表現
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法界での決戦、怨夢と悟空の戦いはほぼ互角のまま決着はつかなかった。しかし、悟空が機転をきかせ優勢に立ち、怨夢の撃退に成功する。そして、怨夢の能力が遂に判明。「同化する程度の能力」である。そして、怨夢は撤退した。そして、更に1ヶ月の月日が経った…
第53話 神霊出現!犯人は冥界に?!
「それじゃあ藍、私が留守にしてる間宜しくね」
「はい」
紫はスキマに入って消えていった。
「お待ちください!現在予約は7年待ちで………!」
「うるさいわね。急を要するのよ。通しなさい」
ここは第7宇宙の外れ、ズノー星。紫が使用人を蹴散らし神殿内部に押し入っている。
「うわぁぁぁ!!」
使用人が吹き飛ばされ、フリーザのポットのようなものに乗った先程の使用人の約2倍ほどある生命体が姿を現わす。
「久しぶりねズノー。悪いけど急用なの。第6宇宙の地球と幻想郷について、教えてもらうわ」
「…………」
ズノーは黙ったまま動かない。
「…………!!早くしなさい…………!場合によっては…………!」
紫は眉間に皺を寄せ、ズノーの首元に扇子を当てがう。
「………わ、分かった………こほん、地球と幻想郷、それは第6宇宙、第7宇宙2つに存在する、4032の緑の877惑星である。幻想郷は、地球の中に存在する隔離された世界……」
「そんなことは分かってるのよ!!第6宇宙の幻想郷の住人について教えなさい!!」
紫は更に眉間に皺を寄せ、扇子を更に食い込ませる。
「う………だ、第6宇宙の幻想郷には、博麗の巫女や数々の妖怪、人間が存在している………」
「それよ!幻想郷が崩壊したときの最後の博麗の巫女の家系を見せてちょうだい!」
「さ、最後の博麗の巫女は1人………!その者には娘がいる………!それも双子だ………!幻想郷の崩壊と共に死んだと思われる………!」
「母親と双子の娘の名前は?!」
「母が霊綺、双子はそれぞれ霊夢、霊奈!」
「霊夢………?」
紫はその名前を聞いて戦慄する。
「む、向こうでは博麗の巫女は1人しかなれない!そのため双子は忌み嫌われてきた………!仮に双子が生まれてきたら姉のほうが巫女になるルール……しかし、巫女が交代する前に幻想郷が崩壊したため、その家系も途絶えた………!」
「……………!!!」
「それでそれで、怨夢はレミリアやフラン、幽々子とかみんなの力を持ってるってことか?!」
魔理沙はもぐもぐと咀嚼しながら悟空に詰め寄る。
「の、飲み込んでから話せよ魔理沙………」
悟空は若干引き気味に答える。
魔理沙はごくん、と食べ物を飲み込む。
「わ、悪い………」
「ああそうだ。あいつは元々サイヤ人でもなんでもねぇ。あいつは能力でサイヤ人とか神さまになってんだ。その集大成が………」
「超サイヤ人ロゼってことか………」
あの薔薇色の変化。神の肉体を持つ者が超サイヤ人になった結果だ。
「にしても、怨夢のやつは戦うたびに強くなってるな………やっぱサイヤ人の血ってやつか?」
「んー、オラもよくわかんねぇや。元々オラはあいつのこと地球人だと思ってたしよ」
そのとき、ふよふよと何かが悟空の鼻先を通り過ぎる。
「ん?なんだこれ?」
「なんだ?幽霊かなんかか?」
魔理沙が触ろうとするが、やはりというべきか、突き抜けてしまう。
「ありゃ、触れねぇや。やっぱ幽霊なのか?」
「これも異変なのか?」
「んー、分かんないけど、取り敢えず霊夢んとこ行くか」
「わ、わかった…」
悟空は額に指を当て、霊夢の居る博麗神社に移動する。
「ああ、煎餅!美味ぞ煎餅!うまーい!」
霊夢は縁側でお茶を傍らに置いて煎餅を貪っている。
「よっ、霊夢!」
「うわっ!!」
急に悟空と魔理沙が現れ、霊夢は思わずお茶をこぼしてしまった。
「何すんのよ魔理沙!お茶こぼしちゃったじゃない!」
「悪い悪い。ほら霊夢、異変だぜ」
魔理沙は催促するように足踏みする。
「はぁ。私怨夢が私の体も持ってるってことに未だにショック受けてんだから、ほっといてよ」
霊夢は再び深いため息を吐き、煎餅を口に運ぶ。
「月んときだな霊夢。お前が腹刺されたときの」
「そうよ。まず1つ懸念すべきこと。奴は同化した人たちの技とかも使えるんでしょ?だったら夢想転生も使えるハズよ。だとしたらまず勝ち目がないわ。私の記憶も同化させたのならば、悟空と始めて会った時に指摘された夢想転生の弱点も把握してるでしょう。あいつのことよ。きっと幾らかの対策をしてくる。もしかしたら、私たちに想像出来ない克服の方法があるかもだし」
霊夢は自分の意見を一方的に喋る。
「お、お前以外と考えてんだな。ぼけーっとしてるくせに」
「余計な一言がないとあんたはいい奴なのにねぇ」
その時、霊夢の側にふよふよと幽霊が浮遊している。
「?なにこれ」
「あ、これが異変じゃないかって話だ」
「これが異変?こんなの、なんでもないじゃない」
「でもよ、怨夢は異変を追えって言ってたじゃねぇか。こんな些細なことでも手掛かりになるかもよ?」
悟空が魔理沙のフォローをする。
「んー、じゃあなんの手掛かりなのよ?この幽霊が」
霊夢の一言で全員が口を閉じてしまう。
「………幽霊といえば幽々子さんだよな…」
悟空がそう呟いて、魔理沙と霊夢は目をキラキラさせながら悟空を見る。
「え?え?オラなんか言ったか?!」
「悟空………瞬間移動だぜ」
「んっんー♪今日も元気〜♪死んでるけど〜♪」
幽々子は桜を見ながらお茶を啜る。
「幽々子様、紫様がズノー様の元にたどり着いたようです」
「あらそう。紫が何か聞き出せればいいんだけれどねぇ…」
幽々子はほんわかした笑顔を浮かべてそう語る。
「幽々子さま、もう少し危機感を持っていただかないと………怨夢は幽々子さまの肉体も持っているのですよ!」
「私は死んでるよん」
幽々子は笑顔のまま答える。
「えっと、あの………ま、まあ!そうですけど!」
妖夢は少々こんがらがってしまい、困惑した顔で答える。
「それで、貴女は何の御用でしょうか?」
そして、妖夢はジト目である一点を睨みつける。
「人の世に蔓延る悪を蹴散らし、弱きを助け、強きを挫く!八坂と洩矢の加護を受け、今立ち上がるっ!東風谷早苗っ!ここに爆誕っ!!」
早苗は奇怪なポーズと共に自己紹介をする。
「…………東風谷早苗さん、もう一度問います。何の御用でしょうか。答えによっては切り捨てます」
「物騒ですねぇ。そんな野蛮なことじゃありません。ただ貴女の主人を退治すべくっ!参上いたしましたぁ!」
早苗はお祓い棒を構え、目を輝かせる。
「成る程。切り捨てられたいのですね」
「邪魔すると痛い目見ますよ〜」
早苗はお祓い棒を構えて早苗の方へ走り出す。
「ほりゃっ!!」
早苗がお祓い棒を思いっきり振り切る。
その一撃は妖夢に命中するハズだったが、
「いでえっ!!」
悟空の頰に激突する。
「おーいち!いてぇじゃねえか早苗!なにすんだよ!」
「あ、悟空さん!?す、すみません!」
早苗は何度も頭を下げて謝る。
「いてててて………」
悟空は頰を摩る。
「あらぁ?いつのまにこんな大所帯になったのかしらぁ?」
その時、幽々子がフラッと現れる。
「あ、幽々子さん!」
「ねえ幽々子。今幻想郷で幽霊が蔓延ってるのよ。何か知らない?」
霊夢が幽々子に尋ねるが、
「んー?………知らないわねぇ」
幽々子は小首を傾げるだけで何かを知っているようには見えない。
「あ、待って。たしかに幽霊は幽霊みたいだけど………これは神霊ね」
「心霊?」
魔理沙が聞き返す。
「字が違いますよ魔理沙。「心」ではなく「神」です」
「神の霊………?」
妖夢の補足説明に霊夢たちは小首を傾げる。
「ふむ、何か聖なる気を持った何者かが復活する前触れ、ということなのかしら」
「だとすると、復活する場所はどこに………?」
「どこかの墓でしょうね」
「お墓、ですか?」
早苗は無邪気に聞き返す。
「ここから近くだと、命蓮寺ね」
霊夢は納得したように頷く。
「みょうれんじ?」
「ほら、私たちが1ヶ月前に潰した星蓮船、あるじゃない?あれの生まれ変わりみたいなもんよ。飛倉の破片をかき集めて白蓮が作ってね。墓場もあるようだから、そこを先ずは探してみましょう。人里の近くにあるようだし」
「じゃあ妖夢、貴女も行って来なさいな」
「は、はい!」
妖夢は力強く返事をする。
「よっしゃ!んじゃあ、命蓮寺に行ってみっか!」
いかがでしたか?第53話は以上です。
〜〜〜美少女ゆかりん(17)のクエスチョンコーナー〜〜〜
「皆様、ご機嫌よう。八雲紫よ!このコーナーは、「世界を救ったサイヤ人が幻想入り」に寄せられた質問、ご意見、ご感想にお答えしていくものです。別に見なくても大丈夫ですよ、お姉さん!という方は次回予告までスクロールよ!
よし、それでは、コメ返しコメ返し!風希さんからのコメントです。いつもありがとうございます!
「神霊ですか〜まさか?ヤモシとか出たりします? 」
出ないんです。ごめんなさいね。なにせヤモシの性格とかもわかりませんしね。すみません。それでは、続いて、紫霊さんからのコメントです。いつもありがとうございます!名前の誤入力、大変失礼致しました。次くらいでブロリーに粛清させますので。
「あんれ?まさか前に言った身勝手の極意使うのってになるのって怨夢だっtリュウケン!グハァ!!!」
怨夢………ではないんですよね。身勝手が出てくるのは、最終決戦の時です。あと……ちょうど50話前後でしょうか?でも、今年度中に完結させたいなぁ、と思っています。実は、次の作品がゴニョゴニョ……そ、それでは次回もお楽しみにー!」
〜〜〜次回予告〜〜〜
「おっす!オラ悟空!命蓮寺ってどんなとこなんだ?オラ寺っちゅうのは初めて入るぞ!お、白蓮!ひっさしぶりだなー!ん、でもなんでこんな妖怪が集まってんだ?次回、世界を救ったサイヤ人が幻想入り、
「手がかりを探して!宝船の生まれ変わり、命蓮寺へ!」
ぜってえ読んでくれよな!」