世界を救ったサイヤ人が幻想入り   作:タミ

51 / 91
地球育ちのサイヤ人、孫悟空。もしも悟空が幻想郷に迷い込み、異変を解決していったら?そんなクロスオーバー二次創作作品です。この作品には、以下の成分が含まれています。

残酷な表現
オリジナル敵
誤字、脱字
都合によって変わる設定

俺はそんなの見たくない!という方はブラウザバックをお願いします。ハハハハァ!いいぞぉ!見てやろうではありませんか!という方はこのままお進みください。ゆっくり見ていってくれよな!

遂に星蓮船を落とした悟空たち。しかし、敵の親玉、寅丸星と決着をつけるべく、悟空は1人星蓮船に残った。星蓮船は動力もなにもかも失い、法界へと落ちていく……!


第51話 いざ南無三!復活の「H」?!

「んー………?」

 

「紫さま。そんなに唸って、どうかなさりましたか?」

 

冬眠から覚め、頬杖をつきながら蜜柑を食べている紫を、心配そうに藍が見つめる。

 

「いやね。私、ここ最近でとある仮説を立てたのよ」

 

「仮説、ですか?」

 

藍は小首を傾げる。

 

「私たちの能力、あるじゃない?私のは「境界を操る程度の能力」でしょ?」

 

「はい」

 

「能力は本来1人1つ。そう思ってたの。でもね、違うかもしれないって思ってきたの」

 

「それはまた何故ですか?」

 

「1人1つで計算するとどうしても怨夢の能力が説明つかないのよ。他人の能力や技を得て、死んだ者を現界させる。2つ能力がないと説明できないのよ」

 

紫の説明に藍は顎に手をあて何度も頷く。

 

「でもやっぱり2つ持つことはあり得ない。でもね。もう1つの可能性が出てきたのよ。「覚醒」というもう1つ上のステップが」

 

「もう1つ上の………ステップ………」

 

「私たち妖怪や式神はわからないけれど、人間の脳は10%しか使われていない、と言われていた時期もあったの。今は外の世界で研究が進んでそんなことはない、って言われてるんだけどね」

 

「でも、私たちの脳と能力は別の代物よ。私たちの能力には無限の可能性が秘められている。そこまで強力ではない能力も「覚醒」の度合いによっては世界すら滅ぼしかねない能力へと変わる…それこそ奴らの能力に負けない強さを持つ…ね」

 

ここで藍は、1つの質問を紫に投げかける。

 

「ならば、私たちの能力も「覚醒」する可能性がある、と?」

 

「ええ。私はその可能性はないけど…「覚醒」したらどうなるか、は私にもわからないが今より圧倒的に強くなる、というのは確かよ。新たな能力を得たり、今持っている能力が限界を超えて進化したり……」

 

「では、「覚醒」の引き金は一体何なのでしょうか?」

 

「だいたいの目星はついてるわ。悟空の超サイヤ人を思い出して。あれも私たちとは少し定義が違うけれど、一種の「覚醒」である、と考えているわ。とすると、トリガーは激昂………つまり…」

 

「怒り、ですか……」

 

「それに、ある程度の実力ね。ただ、能力が「覚醒」したとしても、きっと私たちはその能力を持て余すわ。その能力を使いこなすには、怨夢並みの実力、いいえ、世界を滅ぼしかねない能力は破壊神を超える力を持たなければきっと使いこなせない…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホントにこの道で合ってんの?!」

 

「合ってる!しっかり掴まっとけよ!追っ手が来てるからな!」

 

魔理沙が後ろを振り返ると、ナズーリンが先程魔理沙たちが通った道を通って追ってきている。

 

「逃さんぞ!!」

 

「魔理沙さん!もっとスピード出してください!追いつかれちゃいますよ!」

 

「オッケーだ。飛ばすぜ!!」

 

魔理沙は更に加速する。

 

「あ!あそこ、船の末端です!どうするんですか魔理沙さん!」

 

「飛び降りる!」

 

なんの迷いもなく飛び降りる選択を下した魔理沙を霊夢、早苗が責め立てる。

 

「はぁ?!飛び降りるって………何言ってんのあんた?!」

 

「いいからしっかり掴まってろ!大丈夫だ!たぶん!」

 

魔理沙が言い終わった瞬間、魔理沙たちを浮遊感が襲う。

 

「うわぁぁーーーー………!!」

 

下界に消えていく魔理沙たちを、ナズーリンは見つめることしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ラミパスラミパスルルルルルー♪ うばぁっ?!!」

 

陽気に呪文を唱えていたチルノの真上にバイクが落ちてくる。そう。魔理沙たちだ。

 

「ん?今なにか踏んづけなかった?!」

 

「気のせいだ」

 

「あ、そう……」

 

そして霊夢は空を見上げる。

 

星蓮船は謎の穴に吸い込まれるように消えていった。

 

「悟空………無事でいてくれよ………!!」

 

魔理沙はしばらく星蓮船が消えた空を見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんだ?!外の景色が変わっちまったぞ?!」

 

「どうやら法界に着いたようです……孫悟空さん、外で決着をつけましょう」

 

そう言って星は手のひらからエネルギー弾を放ち艦橋をぶっ飛ばした。

 

そして出来た穴から脱出する。

 

それと同時に悟空も外へ脱出した。

 

 

 

 

 

星蓮船はゆっくりと、確実に落下していき、臨界点を超え、大爆発した。

 

「ふいーっ、危ねぇ危ねぇ。あんなのに巻き込まれてたらひとたまりもねぇや」

 

悟空はほっと胸を撫で下ろす。

 

「ようやく、ようやくここまで来ました………ナズも避難出来ている………ここにいるのは、私と貴方………そして聖だけ………!」

 

「聖………?」

 

悟空が訝しげな表情を見せた途端、悟空の体から何かが抜け出す。

 

「な、なんだ?!」

 

「飛倉の破片を貴方は少しずつ集めてしまっていたようですね。そして、この毘沙門天の宝塔があれば………!」

 

星は宝塔を天に掲げる。

 

そして、その周りに悟空が集めていた飛倉の破片が纏わりつく。

 

「本来なら飛倉の塊である星蓮船があった方が良かったのですが、やむを得ません……」

 

瞬間、宝塔を中心に凄まじい閃光が迸る。

 

「くっ!」

 

悟空は思わず目を隠してしまう。

 

そして、徐々に光が収まって、悟空が目にしたものは………

 

水晶のような塊に閉じ込められた、若い女性の姿であった。

 

程なくして、水晶にピキッ、とヒビが入る。

 

それをはじめとして、徐々に亀裂は大きくなっていく。

 

そして、水晶は完全に砕けた。

 

「あいつが聖って奴か………!」

 

女性はゆっくりと目を開ける。

 

そして、大きく息を吐く。

 

「貴方が孫悟空さんですね?」

 

「あ、ああ」

 

「私は聖白蓮という者です。お見知り置きを」

 

悟空は返す言葉が見つからなかった。

 

白蓮の放つ異様なまでの落ち着いたオーラと感覚に、無意識に気圧されていた。

 

(あいつ、オラが今まで会ってきた奴のどの奴にも似てねぇ………あいつから嫌な気が全く感じられねぇや……!)

 

悟空は思わず武者震いする。

 

「私は大昔に封印された魔法使いでして………そうだ!孫悟空さん、ひとつお手合わせ願えませんでしょうか?」

 

「え?あ、ああ、オラは構わないけど…」

 

(白蓮って表裏無さそうだな………いい奴すぎて気持ち悪いくらいだ……)

 

白蓮は文字通り超が付くほど善人である。人、妖怪、神。仏。全てを平等に見る彼女の姿に、流石の悟空もペースを狂わされていた。

 

恐らく少年期の悟空にアクマイト光線が効かなかったように、白蓮にもアクマイト光線は通用しないであろう。

 

「あんた、魔理沙とおんなじような奴なんだな」

 

「霧雨魔理沙さんですね。うーん、少し違いますかね。彼女のは主に光系の魔法ですが、私は………」

 

白蓮は魔人経巻と呼ばれる半透明の巻物を掲げ、自身に魔法をかける。

 

「身体能力強化系の魔法使いです。………星。ここは危険です。離れていてください」

 

白蓮は腕を横に薙ぎ、幻想郷に通じる穴を開いた。

 

星は無言で頷き、その穴に消えていった。

 

「さて、では始めましょうか。いざ、南無三!」

 

白蓮は目を閉じて数秒沈黙した後、構える。

 

悟空も構えて臨戦態勢をとる。

 

そして、悟空は右手、白蓮は左手で互いの頰にパンチを当てる。

 

互いの拳は、相手の体を反対方向に吹っ飛ばす。

 

(いってーー!!な、なんてパワーだ!!幽香並みか……?!)

 

悟空は頰を抑えてばたつく。

 

(し、身体能力を上げているのに………!悟空さん……なんて人……!)

 

白蓮も頰を抑えて動けなくなる。

 

2人はほぼ同時に消える。

 

悟空と白蓮は目にも留まらぬ速さで格闘戦を繰り広げる。

 

(白蓮は肉弾戦ならオラと同等以上だ!一瞬でも気ぃ抜いちまったらすぐにやられちまう!)

 

「悟空さん、戦いながら聞いてください」

 

突如、格闘戦をしながら白蓮が口を開く。

 

「なに……?」

 

「ーーーー。ーーーーーー………」

 

白蓮は至近距離でしか聞こえない程度で悟空になにかを喋る。

 

「ほんとか?!」

 

「静かに!このまま私たちが戦っていれば必ず尻尾を出します!それまで何も知らないフリをして戦っていてください!」

 

「わ、わかった………!」

 

悟空と白蓮はお互いに距離をとる。

 

「か………め………は……め………!」

 

超人「聖白蓮」

 

2人は技を繰り出すべく気を溜める。

 

直後、悟空はくるりと後ろを向いて、

 

「波ぁぁーーーーーーっ!!!!」

 

「なにっ?!」

 

その者は、不意をつかれて避けることもままならず、かめはめ波をモロに喰らってしまう。

 

さらに追撃するように白蓮もスペルを放つ。

 

「ちっ、お前ら、いつから気付いていたんだ………!?」

 

その者、博麗怨夢は舌打ちをして、服に付いたススを払う。

 

「白蓮が教えてくれたんだ。「邪な考えを持つ何者かが潜んでいます」ってな…オラも薄々感づいてたさ。おめえのことだから今回も来るんだろうって」

 

「私たちが双方弱ったところを叩く予定のようでしたが、失敗しましたね。殺気を消しきれていません」

 

「ふふ、そうかそうか。殺気がか。ふふふ、あはは、はははははははっ!!」

 

「何がおかしいのですか………!」

 

「いやあ、殺してほしいと言わんばかりに戦っていたからつい………見ているだけじゃつまらないからね」

 

怨夢はニヤニヤしながら超サイヤ人ロゼに変身する。

 

「さあ、私の底無しの戦闘欲を慰めておくれよ………!!孫悟空!私の忠告通りに通常状態で戦闘力を上げているようだな………!楽しみだ………!!」

 

悟空はキッと目を見開き、超サイヤ人に変身する。

 

白蓮も冷徹な表情を浮かべ、更に身体能力強化魔法をかける。

 

「さあ、始めようか……!」




いかがでしたか?第51話は以上です。

〜〜〜美少女ゆかりん(17)のクエスチョンコーナー〜〜〜

「皆様、ご機嫌よう。八雲紫よ!このコーナーは、「世界を救ったサイヤ人が幻想入り」に寄せられた質問、ご意見、ご感想にお答えしていくものです。別に見なくても大丈夫ですよ、お姉さん!という方は次回予告までスクロールよ!




それでは今回もコメ返ししていきますね!月人さんからのコメントです。いつもありがとうございます!
「やったか?はフラグですね。空飛ぶ船が壊れると言うとカービィを思い出します。 」
やったか?は完全にフラグです。ありがとうございました。え?ハ○バード?知らない子ですね。
はい!今回はここまでです!次回、いよいよ怨夢の能力が………!次回もお楽しみに!」


〜〜〜次回予告〜〜〜
「おっす!オラ悟空!怨夢の能力がついにわかったみてえだぞ!「同化する程度の能力」か……どんな能力でもかかってこい!オラ負けやしねえぞ!次回、世界を救ったサイヤ人が幻想入り、
「遂に語られる、怨夢の「同化する程度の能力」!」
ぜってえ読んでくれよな!」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。