世界を救ったサイヤ人が幻想入り   作:タミ

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地球育ちのサイヤ人、孫悟空。もしも悟空が幻想郷に迷い込み、異変を解決していったら?そんなクロスオーバー二次創作作品です。この作品には、以下の成分が含まれています。

残酷な表現
オリジナル敵
誤字、脱字
都合によって変わる設定

俺はそんなの見たくない!という方はブラウザバックをお願いします。ハハハハァ!いいぞぉ!見てやろうではありませんか!という方はこのままお進みください。ゆっくり見ていってくれよな!

月での攻防、ヒルデガーンの驚異は去ったが、メタルクウラの軍勢に、魔理沙たちは大苦戦。一方、地球ではアボ&カドとの決着がつく。だが、月で霊夢が、怨夢の凶刃に倒れようとしていた………


第33話 黒き戦慄と薔薇色の怨念!

その場には数秒の沈黙が流れる。

 

霊夢は、そっと己の腹部に手をあてる。

 

霊夢が手のひらを確認すると、赤い液体がべっとりと付着していた。

 

直後、霊夢はがふっ、と激しく吐血する。

 

「………戦いにおいて相手に背を向けることは死を意味する。平和ボケしてのほほんと遊びながら暮らしてきたお前には解らないだろ?」

 

そう言って怨夢は霊夢に刺していた左手を引き抜き気の刃を消す。

 

怨夢の左手を引き抜かれた霊夢は、ゆっくりと倒れていく。

 

そして、霊夢が倒れた場所を中心に、赤い液体がどくどく、と広がっていった…

 

そして、怨夢は上空に浮き上がる。

 

「………そして、戦いにおいて冷静さを失った物も………死ぬ」

 

「そうだろ?霧雨魔理沙」

 

怨夢は霊夢のもとに飛んできた魔理沙に皮肉を言う。

 

「霊夢!霊夢ッ!!しっかりしろ!!」

 

「大丈夫よ。まだ息がある。でも今すぐ治療しないと危ないわ!!」

 

「………紫、霊夢を連れて離れててくれ」

 

魔理沙の意図を紫は察したのか、紫は止める。

 

「馬鹿言わないで!無駄死にするつもり?!」

 

しかし、紫の言葉は魔理沙には届かない。

 

「霊夢。ちょっとこれ借りてくぞ」

 

そう言って魔理沙は霊夢からリボンを取る。

 

「………!!ああもう!分かったわよ!勝手にしなさい!」

 

紫は魔理沙を止めるのを諦め、霊夢を連れて離れる。

 

魔理沙と怨夢の間には、4体のメタルクウラが現れる。

 

「………どけ」

 

魔理沙の右手に握られている八卦炉にヒビが入る。

 

「どけぇぇーーーーーーッ!!!!」

 

瞬間、魔理沙は八卦炉を握りつぶし、突撃する。

 

魔理沙はメタルクウラにパンチを繰り出すが、メタルクウラは上空に逃げる。

 

そして、一体のメタルクウラが地上の魔理沙目掛けてエネルギー弾を乱射する。

 

エネルギー弾は全て着弾、大爆発を起こす。

 

「ふん…………」

 

直後、メタルクウラに内蔵されているエネルギー探知機が反応する。方向は真上だ。

 

メタルクウラが見上げた途端、魔理沙の両腕が降り下ろされる。

 

その一撃は、メタルクウラの頭部を抉り機能を停止させた。

 

メタルクウラは爆発し、落下する。

 

「ちぃっ!」

 

残った3体のメタルクウラは、魔理沙に向かってエネルギー波を放つ。

 

エネルギー波は三点で合わさり爆発するが、メタルクウラたちは、手応えがなかった。

 

「おのれッ!どこへいった?!」

 

今の位置関係は、メタルクウラたちは爆煙でお互いが見えない状況だ。

 

その一体のメタルクウラの背後に魔理沙がいきなり現れ、首を締め上げる。

 

思い切り締められたのか、メタルクウラの首は歪な方へ曲がってしまった。

 

「くそ………」

 

魔理沙を探すメタルクウラの探知機が反応する。

 

すると、うっすら爆煙の中に特徴的な帽子を被っている何者かが見えた。

 

「ふん、バカめ!!」

 

そう言ってメタルクウラは爆煙の中に再度エネルギー波を打ち込む。

 

それは、見事命中。何者かは、力尽きたのか落下していく。それは……

 

先程魔理沙に首を締められ、首が歪な方へ曲がったメタルクウラであった。その頭には魔理沙の帽子が被らされている。

 

爆煙が完全に晴れ、本物の魔理沙が姿を現す。

 

彼女の頭には、いつの間にか霊夢のリボンがついていた。

 

霊夢がいつも結んでいる結びかただ。魔理沙は、いつの間にか結びかたを覚えてしまっていたのだろう。

 

「な、なに?奴はただの地球人の筈だ!」

 

「何れにせよ、地球人であることに変わりはない!行くぞ!」

 

2人のメタルクウラが魔理沙に向けて突撃する。

 

一体のメタルクウラが蹴りを繰り出すが、魔理沙に掴まれ、地面に投げつけられる。

 

魔理沙は気の刃を作り、地面に落ちたメタルクウラに突き刺す。

 

そしてそれを持ち上げて引き抜き、メタルクウラを宙に放り出す。

 

「だっ!!!」

 

そして、気の刃を纏った右手を振り抜き、メタルクウラを一刀両断にする。

 

そして、一瞬で気の刃を解き、かめはめ波で残りのメタルクウラを消滅させた。

 

その光景を、今まで腕組みをして見ていた怨夢は、腕を下ろし、

 

「素晴らしいな。あのメタルクウラをいとも容易く破壊するとは。」

 

「………次はお前がああなるんだ」

 

いつの間にか魔理沙は怨夢の目の前に現れる。

 

「おーおー、怖いねぇ。……今の私ではお前に勝てないかもな…だが、お前は私には勝てない。絶対に」

 

怨夢は、腕についた霊夢の血を舐め、笑っている。その笑みは、魔理沙の怒りを更にヒートアップさせるには十分であった。

 

「………!!お前はもう謝ったって許さないぞ…………このクズ野郎ーーーッ!!」

 

魔理沙は怨夢に向かって突撃する。右手のフックで攻撃し、両手を合わせ振り下ろし、怨夢を地面に叩き落とす。

 

「か………め………は………め………!」

 

魔理沙は追い討ちをかけるべく、かめはめ波の構えをとる。

 

「魔理沙のやつ、あんな位置関係でかめはめ波を放ったらどうなるかわかるでしょ?!なに考えてるのかしら?!」

 

レミリアはそう言うが、頭に血が完全にのぼっている魔理沙には届かない。

 

「波ぁぁーーーーーーーッ!!」

 

魔理沙は、一切の躊躇いも無くかめはめ波を放つ。

 

かめはめ波が着弾し、宇宙空間から見える程に爆発が起こる。

 

爆発が収まり、その場にいる全員が爆発の発生源を見ると………

 

大穴が開いていた。まるで小型の隕石が落ちたかのような大規模な穴だ。

 

しかし、そこからは………

 

「いいぞ、霧雨魔理沙。少なくとも最初の攻撃よりは効いたよ」

 

魔理沙には、自分の親友を傷つけた怨夢と霊夢の姿がそっくりだったため、どうしようもなく頭にきていた。

 

「だぁぁーーーーッ!!!」

 

魔理沙は再び怨夢に突っ込んでいく。

 

怨夢には、魔理沙の姿が霊夢と重なって見えた。

 

「なにっ?!」

 

怨夢は慌てて霊夢の方を見るが、霊夢は紫に連れられていた。

 

怨夢が視線を戻したと同時に、魔理沙が頭突きを喰らわせる。

 

魔理沙はパンチの連打を浴びせる。

 

「だだだだだだだ…………っ!!!」

 

怨夢は防げずに、打たれるままになってしまっていた。

 

「こいつで………とどめだぁぁーーーーッ!!!」

 

魔理沙は、怨夢にとどめを刺すべく、最後のパンチを繰り出そうとする。

 

魔理沙のパンチが怨夢に襲いかかろうとしたそのとき、魔理沙のパンチを打つ手が止まった。

 

「何で?!何でやめたの?!」

 

紫は思わず叫んでしまう。

 

魔理沙は、怨夢の目を見た瞬間に、蛇に睨まれた蛙のように身体が動かなくなってしまった。

 

何でもない、ただの無表情だったにも関わらず、魔理沙の両手は震えが止まらなくなり、全身に悪寒が走る。

 

(な、なんだ?!め、目があっただけで殺される気がした………?!)

 

体の奥底から湧き上がる恐怖心が、魔理沙の体を支配していった。

 

魔理沙は、震えを止めるため、己の手を何度か叩くが、震えは止まらなかった。

 

ついに魔理沙は地面に降り、膝をついてしまった。

 

「くくく………虫ケラ如きでよくそこまで強くなったもんだな………!褒美にいいものを見せてやるよ」

 

怨夢は口の端から流れる血を拭いながら降りる。

 

「いったい、何をする気なの……?」

 

紫は、ただ怨夢を見つめるしかなかった。

 

「はあああああ…………!!」

 

怨夢は気を貯め始める。

 

それに共鳴するかのように、グラグラと大気が揺れ始める。

 

怨夢を中心に、凄まじい気迫が放出される。

 

その場にいたメタルクウラは、その圧力に耐えきれず、1人残らず爆発してしまった。

 

「な、なによあの戦闘力の上がり方………?!」

 

「お、お姉さま!私の能力が効かない!!」

 

レミリアとフランは、辛うじて消えそうになる意識を保っている。

 

 

 

 

「いったい、どうなってしまうんでしょう………」

 

「さあね……ただ、これはホントにやばいってことだけはわかるわ」

 

妖夢と幽々子は、震えが止まらなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷にも、怨夢が起こした震えが届いていた。

 

「じ、地震なのだー?!」

 

「ふん!このなのへでもないよ、ルーミア、大ちゃん!」

 

大妖精とルーミアはあたふたし、チルノは図太いというかバカと言うか、全く動じていない。

 

 

 

 

 

 

 

怨夢の力は、太陽の畑で向日葵のお手入れをしていた幽香にも届いていた。

 

「これは………凄い力………!」

 

幽香も思わず如雨露を落としてしまう。

 

 

 

 

更に、彼岸にも………

 

「うわわわわ!映姫さま!なんですかコレ?!」

 

「落ち着きなさい小町!!………霊夢たち、大丈夫ですよね………?」

 

 

 

 

 

 

「はあっ!!!」

 

怨夢が力を解放し、その場に眩い閃光が走る。

 

いつの間にか出来ていた暗雲に閃光が轟き、雷が落ちる。

 

怨夢の変化が終わった………

 

「お、怨夢の色が………変わった………?!」

 

怨夢のその姿は、見たものを震え上がらせる、妖艶な薔薇色の髪を携えた、神といっても過言ではない姿へと変貌を遂げた。

 

「どうだこの色。素晴らしいだろう?敢えてこの変化に名前をつけるとしたら………ロゼ。そう……超サイヤ人ロゼ………!!」

 

「超サイヤ人………ロゼ………?」

 

魔理沙はサイヤ人でもない怨夢が超サイヤ人になったこと、そして、悟空の超サイヤ人とは明らかに違うそれは、魔理沙を震え上がらせるには、十分だった。

 

「これからお前達に絶望を教えてやろう………!」

 

怨夢は不気味にニヤリと笑う。

 

「くっ、くそーーーッ!!」

 

魔理沙は右手でパンチを繰り出すが、怨夢にはあっさりと左手で止められてしまう。

 

そして、空いた右手で怨夢は魔理沙の腕をちょん、と触る。

 

その瞬間、ボキィッ!!と凄まじい音が響く。

 

「ッ………がぁぁぁぁ………っ!!!!」

 

魔理沙は激痛に表情を歪ませる。

 

「おいおい………もうお仕舞いか?」

 

魔理沙の腕は、肘の部分から皮膚を突き破り骨が飛び出していた。

 

(こいつ………軽く、ほんとに軽く、思い切り手加減して私の腕を………?!)

 

「くくく………霧雨魔理沙…」

 

魔理沙は、襲いかかってくる、と感じ身構えていたが、怨夢が構えを止めたため、全身の緊張が解ける。

 

「私達はただ楽しんでいるんだ。戦闘をな…その気になれば幻想郷などすぐさま破壊できるんだぞ…覚えておくんだな。私のモットーは徹底的、だ。全てのカードが揃うまで、楽しみに待っているがいい」

 

そう言い残し、怨夢はスキマの中へ消えていった。




いかがでしたか?第33話は以上です。

〜〜〜次回予告〜〜〜
「おっす!オラ悟空!怨夢のやつオラも知らねえ変身をしたぞ!?超サイヤ人ロゼって一体何なんだ?!おめえは、霊夢?でも雰囲気と髪の色が違うな……次回、世界を救ったサイヤ人が幻想入り、
「風の神人!第2の巫女、東風谷早苗!」
ぜってえ読んでくれよな!

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