追記
本編に組み込みます!無理がある方はコメントどうぞ!
再サモン・サーヴァント
「サモン・サーヴァントを?」
ギ―シュとの決闘の翌日、ミスタ・コルベールの言葉を聞いて私は驚いた顔をした。
「えぇ、その通りですミス・ヴァリエール。」
「しかし、今になって・・・・」
「確かにあなたの場合は様々な事情で免除と言う事で進級しましたがやはり、使い魔と契約するのは重要ですので。」
ミスタ・コルベールが言うのはもっともだ。
確かに私だけ使い魔なしで進級と言うのは他の留年が決まった生徒と(事実上私くらいしかいないが)差がつかない。しかし、ただでさえ失敗を繰り返したあのサモン・サーヴァントをやるとなると・・・・・
「今回のサモン・サーヴァントは飽くまでも進級のためのものではないのでそこまで急ぐ必要はありません。その日にできなければまた次の機会にすればよいのです。ですからご心配なく。」
「はあぁ・・・・・・・」
結局私は、ミスタ・コルベールが同伴の元、今日の放課後、再びサモン・サーヴァントを行うことになった。
しかし、同時に運が良ければ聖域に帰れるかもしれない。
もうこちらで随分経っていることもあるからあちらではどのくらい経ったのかわからない。最悪な場合、世代交代して私が死んだということになってしまっているのかもしれない。
そう思うと・・・・・・・なんか不安になる。
夕方。
授業を終えた私は、ミスタ・コルベールを見ている下、十数年ぶりのサモン・サーヴァントを行うことになった。
正直に言うと成功する自信はない。
それとかなり離れているがキュルケが青髪の同級生とこっそり見物しているのが分かる。
出来れば犬とか猫の方がいいな。
サラマンダーやオークは扱いがかなり面倒だ。
竜に関しては移動手段としては便利だから許容範囲。
ゴーレムに関しては例外だ。
できるのなら部屋に入れられそうなものがいい。
まあ、失敗したらでしたで次回やればいい。
「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ。神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ。私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい。」
私は落ち着いた声で呪文を唱え、杖を振り下ろす。
すると爆音と共に光が炸裂する。
(オークだったら最悪だな。モンモランシーのようなカエルも勘弁してほしいが・・・・・)
しばらくすると煙が晴れ始め、何かの影が見えてくる。見た感じ人のようだ。
(不味いことをしたな・・・・・・幸い女子供ではない様だが・・・・・ん?あのシルエットどこかで見たような・・・・・)
「ぺっ、ぺっ!何なんだこの煙は!?」
聞き覚えのある声が煙の向こうから聞こえてくる。煙が晴れるとそこには金色の聖衣を纏った知っている男が立っていた。
「・・・・・・って、ここどこだ?俺は確か壊れちまった磨羯宮の方へ・・・・・・あ?ミロじゃねえか?」
「・・・・・しゅ、シュラ・・・・・・」
その男の名は山羊座のシュラ。私と同じ黄金聖闘士であり、共にアテナに忠誠を誓った男だ。
「お前、なんでそんな格好してんだ?まあ、結構似合っているけどよ。って言うかお前少し若くなった?」
「・・・・・・・」
平然としゃべるシュラに対して私は何も言えなかった。
これがムウやシャカ、アイオリアならまだマシだったのかもしれない。
「み、ミス・ヴァリエール・・・・・その・・・・早くコントラクト・サーヴァントを行ってください。」
固まってしまっている私にミスタ・コルベールは恐る恐る言う。私は彼の手を引っ張るとシュラから離れる。
「・・・・・・・・ミスタ・コルベール、もう一度召還させてください。」
「何を急に?それは無理な話です。サモン・サーヴァントは一度召喚が成功してしまえば召喚した使い魔が死ぬまでできないんです。人間というのは前例はありませんが取り消すことは出来ません、契約を結ぶのです。」
私はこっそりとシュラの方を見る。
まずい、相手が青銅や白銀聖闘士なら主従関係に関しては問題ない。
しかし、今目の前にいるのは同じ黄金聖闘士のシュラだ。
そんなことをしたらアテナに絶対的忠誠を誓っている彼のプライドも傷つくだろうし、最悪な場合千日戦争(ワンサウザンドウォーズ)になりかねない。
だが、ミスタ・コルベールが言うのも事実だ。
サモン・サーヴァントで召喚が成功すれば次の使い魔を召喚することは不可能。どの道シュラとコントラクト・サーヴァントをしなければならない。
それとも姫様の時のように中断するか?
だが、あのことで姫様は別の使い魔を召喚することができない状態になっている。
「・・・・・・・・・・」
こうなったら、覚悟を決めるしかない。
私はシュラの方を向き彼の傍まで歩いてくる。
「なあ?ここってどこなんだ?どう見ても聖域近くでもなさそうだが・・・・・・って、おいミロ?どうしたんだ?」
シュラにはどうやらさっきの会話は理解できていない様だ。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ。」
「おい、お前一体何を言って・・・・・・!?」
私はルーンを唱え終わると同時にシュラに口づけをした。当のシュラ本人は訳が分からず状態のようだ。
無理もないな。
同じ黄金聖闘士がいきなり接吻してきたのだから。
「お、お前!?いきなり何・・・なっ!?」
シュラは私に向かって言いかかるが左手の甲に使い魔のルーンが刻まれている痛みを感じているのか手を押さえ始める。
「すまないシュラ。事情は後話す。」
しばらくするとルーンが刻み終わったのかシュラは痛みを案じた左手の甲を確認する。
「何だこれ!?俺、こんなタトゥー掘った覚えねえぞ!?」
シュラは驚きながら言う。あぁ・・・・これから説明するのが大変だ。
「ふむ、珍しいルーンですねぇ。」
空気を読まないミスタ・コルベールは、普通にスケッチをする。
「・・・・・・って、つまりここはお前の故郷で俺はお前の使い魔として召喚されたって訳か?」
夜の部屋で私はシュラにハルケギニアや使い魔のことについてわかりやすく伝えた。夕食はあまり騒ぎにならない様、シエスタに部屋に運んでくるように頼んだ。シュラは運ばれてきたパンをかじりながら話を聞いていた。
「そう言う事だ。この世界にはアテナがおられない。」
「しかし、お前がそんな裕福な一族出身だったとはな・・・・・それはともかく俺はお前の僕になれって言うのか?」
「そんなことは言わん。私だってこっちへ突然戻ってきたんだ(姫様の儀式で)。帰る方法が見つかったら帰す。だから、それまでは辛抱してくれ。」
「つまり、形だけってわけか。」
シュラは何となく察する。意外に呑み込みが早くて助かる。もし、アルデバランが相手だったらもっと大変だったことだろう。
「部屋は後で手配するよう頼む。だから今日は床で寝てくれ。」
「仕方ねえな、明日はもう少し詳しく説明してくれよ?なんたって今でもまだここが異世界だって信じられないんだからな。」
シュラは、そう言うと私が渡した毛布を体にかけて眠る。流石に聖衣は脱がない様だ。まあ、当然のことなのだが。
その日、私はよく眠れなかった。
・・・・・・シュラのいびきのせいで。
「何故この男!?」
と言う感じになりかねないので感想によって本編に組み込むか検討します(IFと付いたのもこのため)。
次回こそは・・・・・・