プリキュアオールスターズ×仮面ライダー~bの復活とsの暴走 ~   作:鈴木遥

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・本文中に曲の歌詞を乗っけるのが好きな鈴木ですが、
この章では思うままに歌詞載っけられたと思います 気になった方 youtube 等で調べてみてください。

DOUBLE Action(モモタロス)

CLIMAX JUMP(イマジンボイスダーズ)

Real Action




スマイル✕仮面ライダー電王〜俺、ようやく参上でウルトラハッピー!?〜(完結編)

・人は、次に出すべき言葉に詰まった時、ぐうの音も出ないとか、色々な言い方をする。

 

プリキュアや電王にとって、今がまさにそれだった。

 

剣を構え、攻めに出たハズのジョーカーは、あろう事か、今この時間のスマイルプリキュアを追い詰める自分自身に刃を突き立てたのだ。

 

刺された方のジョーカーは奇特な悲鳴を挙げ、黒い絵の具の塊に変わりグロテスクに溶け出した。

 

この時間のプリキュア達は、訳が分からず混乱し、刺した方のジョーカーは、何故か清々し気に曇り空を仰いでいる。

 

「これで……目的は達成です……。」

 

と、その時。突然ジョーカーの胸元が裂け、裂け目から白い宝珠が飛び出した。

 

同時に短い呻き声を挙げ、ジョーカーはその場に倒れ込んだ……。

 

大いなる闇の力は、自らの元から、そしてこの世から去ろうとする部下に死罰を与えたのだ。

 

 

「ジョーカー!!!」

 

ようやく 意識を取り戻したビューティーは、すがりつく様にジョーカーのもとに駆け寄った。

 

「……ブラックホールの力は……時間を超えて働くらしい……。」

 

「なぜ!なぜあなたがこんな事を……!!」

 

ビューティーの膝の上で、彼は皮肉る様に笑った。

 

「私は、元々皇帝ピエーロに作られた……絵の具の人形……あの時あなた達に敗れた日に、捨て置けばよかったものを……ブラックホールは……私の肉体と意識の両方を修復したんですよ……オマケに、あなた達と関わる内、なかったハズの“心”なんてものが出来上がってしまった……全く、私達悪党は長生きするクセに……運がない……。」

 

「違います!あなたは……ただの悪党じゃない!あなたが私に執拗なほどの興味を示したのは、“温もり”を求めていたからでしょう!?どれだけ冷酷にふるまっても、私には分かリます!あなたにも……心がある!」

 

「買い被り過ぎです……私に、そこまでの人間味はない。ただ一つ、言いたいのは、あなたが最後まで、私に振り回されてくれると言うのなら……これを……。」

 

ジョーカーは、先程身体から出たのとは違う、白いひし形のクリスタルを差し出した。

 

「これは……!?」

 

「私の“魂”そのものです……これが…あれば……きっと……また……。」

 

言い終わらないうちに、ジョーカーは光の粒子に変わって姿を消した

 

「ジョーカー……!?ジョーカー!!」

 

それを『死』と言うべきなのか、れいかには分からない。だが、ジョーカーという男が自分の前から消えた。

 

それだけは、残酷なまでにはっきりと、れいかの心に突き刺さった。

 

一同が言葉を失う中、突然、背後から呻き声がした。

 

事切れたハズのピーターイマジンが、 目も当てられないボロボロの姿で立ち上がったのだ。

 

「おのれェジョーカー!!あの死にぞこないがァァ!」

 

「テメェ……まだ息が……!!」

 

「許さねぇ!!ブラックホール様に逆らったばかりか、この俺様をも利用しやがってエエェェ!!」

 

と、咆哮を挙げるピーターイマジンの元に、何処からか真っ黒なオーラが現れ、ジョーカー自身に吸い込まれて行く。

 

皇帝ピエーロの思念そのものが、彼と融合しつつあるのだ。

 

やがて彼は、真っ黒い巨人に変わる。

 

岩のようにゴツゴツした全身には紫の亀裂が入り、頭部には王冠のようなものを被り、背中には黒いマントを羽織っている。

 

ギガンテスピエーロ。

 

オーナーならそう呼んだであろう怪物は、見るに耐えない邪悪と醜悪さを醸し出し、一同を絶望に誘い込む。

 

「なんて醜悪な……!」

 

「いいセンスしてやがるぜ……!」

 

 

一同が 途方に暮れる中、もっともな意見を言ったのは、ハッピーだった。

 

「でも、諦めない!」

 

プリキュアのリーダーと言うのは総じてそうなのかもしれないが、最後の一瞬まで絶対に戦うことをやめず、恐怖に立ち向かうことに妥協せず、何より諦めない。

その大きな背中にプリキュアメンバー達もまた背中を押されてきたのだ。自然と一同は挑戦意識のある笑顔に変わった。

 

(よし。モモタロス、一気にキメよう!)

 

「まぁ待て良太郎……たまには、『皆で電車斬り』……やって見ねぇか?」

 

(皆で!?でも……『てんこ盛り』は……!?)

 

「それクル!みゆき、スマイルパクトにこのデコルをはめるクル!!」

 

「うお!キャンディいつの間に!?」

 

キャンディはみゆきの手の中にキュアデコルを投げた。

 

五色のひし形のデコルで、中央には電王パスのマークが刻まれている。

 

「これって一体……!?」

 

「オレがキャンディに頼んどいたんだよ。 百聞は一見に如かずだ、パクトにはめてみな。」

 

「う……うん。」

 

モモタロスに言われたとおり、デコルをパクトにはめる。

と同時に他四名は、『プリンセスキャンドル』で『プリンセスフォーム』に強化変身。

 

『レッツゴー・クライマックス!』

 

効果音と共に、四人のイマジンが良太郎からみゆきの身体に移動。

 

(うわ〜!何これ!皆が私ん中に〜!!)

 

前髪は赤くなり、頭部に双角が生え、右肩、左肩、胸部そして背中にそれぞれロッド、アックス、ガン、ウィングフォームの電仮面が装着された。

 

「「「「オレたち、参上!」」」」

 

「降臨、満を持して!」

 

「みゆき、どしたんや……!?」

 

「どうやら、イマジン皆さんがみゆきさんの中にいらっしゃる様で……あの背中の羽はどなたでしょうか?」

 

「何っっでまたテメェが付いてくんだ手羽野郎!」

 

「悪党あるところに私の姿あり!家臣共、苦しゅうない!」

 

「だぁから、苦しいんだよ!!」

 

鳥のイマジン、ジークが取り憑いた事で、予定外に狭くなったみゆきの身体だが、何はともあれ、変身完了。

 

単独になった良太郎は電王ベルトに『ケータッチ』を装着、召喚された『デンカメンソード』にライナーパスをセットし、良太郎は『仮面ライダー電王 ライナーフォーム』に変身した。

 

 

「ともかく、皆、行くよ!」

 

デンカメンソードのレバーを引くと、四つ並んだ電仮面がグルグルと回る。

 

「まだだ良太郎!もう一周回せ!」

 

さらにグルグル回す。二周した時、デンライナーのオーラが5つ現れた。

 

プリキュア達はそれぞれのレールに乗ると、みゆき(INモモタロス)がロイヤルクロックを発動。

 

『プリキュア・レインボー……!』

 

「電車斬りィイ!!」

 

5つのライナーオーラがギガンテスピエーロに向う。

 

対するピエーロも口から黒の光線を吐き、迎え撃つが、数発に及ぶ光線は全てライナーオーラに受け止められ、

まるで物ともしない。

 

 

いくつもの出来事が 例え自分を変えたとしても

 

永遠に変えられない物

 

「「それは、僕/私の思い!」」

 

どうしてもやらねばならない 例え傷付いたとして

 

自分が出来る事を、今!

 

you can do it Real Action

 

「恐れずに前を見て進むで!」

 

you can make it Real Action

 

「駆け抜ける、列車みたいに!」

 

you can do it Real Action

 

「皆がいる、あの列車みたいに!」

 

you can make it Real Action

 

「その先に何が待つのか……確かめる為!」

 

「僕/私たちは……負けない!!」

 

戦士たちの勇気と強き意思を乗せて駆け抜けるオールライナーたちの衝突を受け、ギガンテスピエーロは爆散、跡形もなく姿を消した。

 

あとに残ったのは、雲一つ無い、メルヘンランドの美しき青空だった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「じゃあ……そのブラックホールって奴を倒さないといけないんだ……。」

 

「それだけではござらんよ、良太郎殿。貴殿たち仮面ライダーの宿敵も目覚めたとの報告が……。」

 

「良いじゃねぇか。女王様の話じゃ、野郎はいちご坂って町にいるんだろ?なら、俺達でぶっ飛ばすまでだ!」

 

 

 

れいかは、デンライナーの車窓から外を眺めていた。

 

一面時の砂で埋め尽くされ、岩がなければ右も左も、前も後ろも分からない。

 

迷い込んだ者をそう簡単には解放しない時の砂漠に、れいかは、美しさへの関心と恐怖を覚えた。

 

オーナーの話では、つい最近ジョーカーがここに来たらしい。自分に会う、ただそれだけの為に……。

 

(彼なら、夢に出てきた『のぞみ』のことを何か知ってると思いましたが……。)

 

「れいか?のぞみちゃんがどうかした?」

 

話しかけてきたのは、なおだった。

 

「あ……いえ、何でも……それよりなお、『のぞみ』という方をご存知なのですか?」

 

「何言ってんの……先輩プリキュアでしょうが。」

 

「……!!」

 

れいかは思い出した。四代前の先輩プリキュアのリーダー、キュアドリームの本名は、夢原のぞみだったのだ。

 

言われて見れば、夢に出てきた彼女はドリームにそっくりだった気がする。

 

だが、そこに一体何の繋がりがあるのだろう。

 

れいかは、別段彼女と仲が良いわけではない。(何せなおに指摘されるまで忘れてた訳で……。)

 

その考えに至った時、れいかの頭はズキズキと痛んだ。

それは、“わたし”であって“私”で無い者ー。

『彼女』はれいかに訴えかける。早く私を、過去の貴女を思い出せと……。

 

 

 

 

 




プリキュア5無印の方の映画をご覧になった方には最後に謎っぽく終わらせた現象についてなんとなく大型の見当がついていることでしっかり分析していくつもりですのでもう少しお待ちください

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