プリキュアオールスターズ×仮面ライダー~bの復活とsの暴走 ~   作:鈴木遥

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アンデッド≠アンデット

すいません何度も誤記しました。
直しときましたので、気になった方は確認して下さい。

もう一つ、ドキプリ✕ブレイド編だけ四部作になります。

というか、第一部のコラボセレクション(近日コンプリート予定)はほんっっとうに飛ばし読みして下さって構いません。


まだまだ決着の時は遠くなりそうですが、気長に待ってくださると嬉しいです。



ドキドキ✕仮面ライダーブレイド〜希望の切り札、逃さないよ♪〜(後編)

・ BOARD事務所から 西25キロメートルの場所に位置する大貝草原。

 

途中で仮面ライダーラルク/三輪夏美と仮面ライダーランス/禍木慎の 二人の派遣社員を 拾ってBOARDのワゴンは 目的地を目指していた。

 

ここ連日の疲れと緊張感からか、途中でついうとうとした六花。

 

長い夢を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

六花は、河原の河川敷にいた。すぐ目の前の石垣には、 よく知った小柄な後ろ姿がある。

 

『彼』は六花たちがジコチューとの戦いを終えると同時に1万年に及ぶ長い眠りについたはずだった。

 

「よぉ、六花……。」

 

もう二度と呼べなかったであろうはずのその名を噛み締める様にして呼んだ。

 

「イーラ……。」

 

名を呼ばれたイーラは、六花をからかう様な笑顔で振り返った。

 

「 なんだよ。鳩が豆鉄砲食らったような顔して。ジコチューの一味が生き残ってて、そんなにショックだった?

こんな事なら、麦わら一味の船長として出て来りゃよかった。」

 

「そうじゃなくて!あんた達、眠りについたんじゃ……。」

 

「愛の力って奴か……なーんてな。」

 

はぐらかす様な態度のイーラ。だが、六花は彼の元へ疾走し、彼を思い切り抱きしめた。

 

「おい六花、苦しいって……」

 

「ダメ。離してやんない。」

 

「おいおいどうした?お前らしくないな……。」

 

せせら笑うイーラだが、彼の肩に乗った六花の横顔は涙に濡れていた。

 

「……バカ。どんだけ待ってたと思ってんのよ……!」

 

これまで見たこともない、六花の泣き顔。そこから垣間見える、彼女の弱さ。

何よりこんな自分をずっと待っていてくれた、彼女の優しさに気付き、イーラはようやくせせら笑いをやめ、彼女の背中を両手で掴んだ。

 

「悪かった。色々あってさ……またしばらくお別れだ。」

 

「もう嫌!絶対離れない!」

 

泣きわめく六花の首に、イーラはネックレスをかけた。

 

イーラの髪と同じ、綺麗な水色をした宝珠が付いている。

 

「これは……!?」

 

「上手く言えねえけど、これがある限り、俺たちは絶対にまた会える。気休めじゃなくて、本当にさ……。」

 

「絶対だよ……!?」

 

「ああ、約束……。」

 

イーラと交わす初めての指切りげんまん。と同時に、目の前にいるハズの彼の姿がぼやけていく……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「六花、りっかぁー!?」

 

六花を現実に引き戻したのは、レジーナだった。

 

「……レジーナ?」

 

「どうしたのよ!涙なんか流して……!」

 

仮面ライダーラルク/三輪夏美も、心配そうにカオを覗き込んでいる。

 

すべて夢。それは分かっている。

 

けれど、六花は寂しくなかった。

 

イーラの姿を、声を、温もりを、この身体はちゃんと覚えている。何より……。

 

「六花ちゃん、そのネックレスどうなさいましたの?」

 

「……何でもない。」

 

六花の笑顔は曇らない。首元にしっかりと、水色の宝珠がついたネックレスが掛かっていたからだ。

 

 

やがて、一行は大貝草原に到着。パラドキサアンデッドの目撃情報があった岩山には、二人の人影があった。

 

その内の一人を見て、橘は顔色を変えた。

 

男は、パラドキサアンデットと対峙していた。

 

 

「何だ貴様……?」

 

パラドキサアンデッド/鎌田の物言いからして、目の前の物言いからして男との面識はないようだ。

 

だが橘は知っていた。短い黒髪に、若く活き活きした瞳。

 

それは紛れもなく、BOARD時代に仮面ライダーブレイドとして敢闘した、剣崎一真だった。

 

「剣崎……!?」

 

「お久しぶりです、橘さん。」

 

「何だよ……お前……何処言ってたんだよ!ずっと探したんだぞ!」

 

「さるお方の力で、人間に戻れるかも知れないんで、急いで戻ってきたんです……コイツを止める為に!」

 

そう言って剣崎は懐からブレイバックルを取り出し、腰に装着。『変身!』の掛け声と共に、仮面ライダーブレイドへ変身した。

 

 

「ちょぉっと待ったーー!」

 

上空から、よく知った甲高い声がした。なんと、軍用ヘリから、二人の人影が降り立った。

 

一人は仮面ライダーカリス/相川始。もう一人、他ならぬドキドキプリキュアのリーダー、キュアハート/相田マナだった。

 

パラシュートを背から外すと、二人はようやく他メンバーと合流した。

 

「まさか軍用ヘリで来るとはね。相変わらず行動読めないわ。」

 

「マナ!遅いじゃない!」

 

レジーナのツンデレにテヘペロ、と返すと、マナは剣崎に向き直る。

 

「はじめまして、剣崎です!」

 

「相田マナです!一緒に、戦ってくれますか!?」

 

「勿論!一緒に世界を救おう!」

 

「決まりですわね!」

 

亜久里の合図と共に、BOARDの五人はそれぞれのベルトを、ドキプリの五人はラブリーコミューンを取り出した。

 

『変身!』

 

『プリキュア・ラブリンク!』

 

 

それぞれの掛け声で、 全員が仮面ライダープリキュア両名に変身した。

 

「みなぎる愛!キュアハート!」

 

「叡智の光!キュアダイヤモンド!」

 

「ひだまりポカポカ!キュアロゼッタ!」

 

「勇気の刃!キュアソード!」

 

「愛の切り札!キュアエース!」

 

『響け、愛の鼓動!ドキドキプリキュア!』

 

 

「貴様らァァァァ!!」

 

それまで抑え込まれていた憤怒を解放するかの様に、鎌田はパラドキサアンデッドに変貌した。

 

空中に紫のカードを大量にバラまくと、そこから大量のアンデッドが召喚された。

 

その中には、ジコチューの元幹部、ベールやリーヴァ&

グーラ、封印されたハズのアルビノジョーカーもいた。

 

 

「行くよ、皆!」

 

「うん!」

 

戦いの火蓋は切って落とされた。

 

エースとレジーナ、カリスとソードが周囲の 下級アンデッドの討伐に集中する中、戦いは四局に別れた。

 

 

ベールは、イーラの件について辛い記憶を呼び起こし、精神的にも追い込もうとするが、橘の必死の呼びかけとイーラのネックレスが放つ結界を見て気を取り持ち、ギャレンのバーニングディバイトとトゥインクルダイヤモンドの合体技にあえなく敗北した。

 

リーヴァ&グーラはトリッキーな飛び道具と力技を両立し、ありすと睦月を追い込むが、ロゼッタリフレクションで前後からの攻撃を受け切り、睦月のブリザードベノムをまともに喰らって倒れた。

 

ランス&ラルクは、かつての仲間であったアルビノジョーカーを前に、圧倒的実力差から苦戦を強いられていた。

両手から衝撃波を発し、二人のライダースーツをボロボロにするも、グレイブであった頃の彼に決別を宣言し、

左右からの『レイバレット』と『インパクトスタッブ』同時攻撃に、さすがの彼も爆散した。

 

 

剣崎とキュアハートもまた、パラドキサアンデッドを相手に敢闘していた。

ギラファアンデッドの剣を駆使した全力の猛攻に、されどめげずに立ち向かう二人。

さしもの上級アンデッドといえど、相当手こずっていた

 

「いい加減、諦めろ!」

 

「絶対に!」

 

「諦めるもんですか!」

 

ブレイドの剣技とマナの格闘コラボレーションが炸裂するが、しぶといパラドキサは両手の鎌から真空派を放って反撃。

 

二人は吹き飛ばされるが、決して距離を取らない。

 

そして♠2=スラッシュリザードとマイスイートハートの連携技をまともにくらい、かなりの深手を負った。

 

「おのれ……おのれ貴様らァァ!たかだか人間に成り下がった裏切り者と、愛などとのたまう偽善者がァ!」

 

ドス!

 

パラドキサアンデッドは二人を罵ったかと思えば、自分の心臓を突き刺した。既に連携技を喰らっていた彼の心臓部のみ(・・・・・)が、『RELIEF』のカードに封印される。

 

これにより、完全にアンデッドから人間に戻った剣崎。

だが、彼の疑念はますます深まる。

 

「一体、なんのマネだ!」

 

「オレの心臓は再生するんだ。最も、アンデットはカードから解放されれば皆そうなるが、オレは肉体の一部を犠牲に、お前達お得意の封印から逃れる事が出来る。」

 

「それで心臓が『RELIEF』に……!?」

 

さすがの剣崎も、顔が青ざめている。

 

マナは何が起こるのか分からず困惑していたが、パラドキサアンデッドから絶対に目を離すまいとした。

 

「つまりだ戦士諸君、 今この世界に生き残っているアンデッドは 私ただ一人なのだよ……。」

 

「じゃあ……。」

 

「そうさキュアハート。オレは今、バトルファイトの勝利者になったんだ!……さぁ統制者よ!オレに力を!

この世界を支配する、絶対無二の力を!」

 

パラドキサアンデッドの雄叫びに呼応する様に、突然の地鳴りが一同を襲った。

 

 

ハハハハハハハハハハハハハハハ!!

 

 

 

狂った様に笑い出すパラドキサアンデッド、地鳴りも又それに応える様にバリバリと裂け、そこから一体の怪物が現れた。

 

頭部の双角に、四本の腕、大蛇のように細長い下半身。

 

マナは、本能的にそいつが異様かつ邪悪であると分かった。

 

「なんて禍々しい……。」

 

亜久里の記憶によぎる、彼女がアンであった頃の記憶。

確かに彼女は、“その名”を知っていた。

四種のカードを象った力を駆使し、破壊と暴虐の限りを尽くす伝説の邪神……。

 

 

我こそは、バトルファイトの統制者。大いなる力を授ける者……。

 

 

 

奴が名乗るまえに、亜久里/キュアエースはその名を口にした。

 

 

「……フォーティーン……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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