プリキュアオールスターズ×仮面ライダー~bの復活とsの暴走 ~   作:鈴木遥

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補足

この世界もやはりテレビシリーズ終了から二年が経過しています。
橘はBOARD新所長に、睦月は学業の傍らBOARD派遣社員としてレンゲルを継続。
始は人間と共生する為に、人間になる方法を探しています。


ドキドキプリキュア側は、マナは大貝中央高校生徒会長(兼緊急テロ対策室長)
六花も生徒会書記兼緊急テロ対策室

ありすは四葉財閥新社長を目指して勉強中。

まこぴーは有線大賞目指して活動中。

亜久里ちゃんは児童会長就任、レジーナは進路選択中。

といった具合です。

アイちゃん含む妖精たちは……そーいや変わんねーな、あいつらw



ドキドキ✕仮面ライダーブレイド〜希望の切り札、逃さないよ♪〜(中編)

・大貝町をアンデッド群が襲撃する1日前、パラドキサアンデッドは最初の作戦に移った。

ブラックホールの計画に支障をきたす恐れのある、プリキュアと仮面ライダー両名の撲滅である。

 

まず最初の獲物は、居所が割れており、尚かつ援軍のリスクがない、仮面ライダーカリス/相川始だった。

 

彼は、 復活したアンデッドの殲滅 プロジェクトに勤しみ、都内の地下ビルにいた。

 

ふと前方に、見慣れた怪人の影を垣間見、身構える始。

 

「あれは……トライアルシリーズ!?」

 

その怪人はかつて仮面ライダー剣キングフォームによって攻略され、 完全に絶版となったはずのシリーズであった。

 

黒いボディに、虚ろな青い目、体の節々に生えた青いコードの様な物が、ヤツの不気味さを演出している。

 

『変身!』

 

底しれぬ敵意を感じ、気が付くとカリスに変身していた始。

 

「 貴様ら一体誰の使いだ! 絶版になったはずのトライアルがなぜこんなところを闊歩している!?」

 

当然と言うか、たかだか機械人間の彼らは『コミュニケーション能力』というものをかけらも持っていない 始に返答する気などさらさらなく、ただ彼を傷つけることだけを目的に襲いかかる。

 

「くっ…だんまりか!しかし参ったな。こいつら確か、封印が……。」

 

そう。トライアルシリーズ最大の特徴は、アンデッドと同じく不死身の身体を持ち、余程のダメージを与えない限り、すぐに再生してしまう事。

 

更に、アンデッドを倒す唯一の手段である、『ラウズカード』への封印が出来ない。

 

( 今この場において、奴らを封する方法は一つ……!)

 

『ワイルドカリス』に 強化変身しようとしたその瞬間、 隙を突かれ後ろから打撃をまともにくらった。

 

なすすべなくその場に倒れこむ始/カリス。

 

とどめを刺そうと始に迫るトライアルシリーズ。

と、その時。眩い光と共に、トライアルシリーズは 一瞬のうちに蒸発した。

 

始が目を開くと、そこには、 赤い巻貝の様な怪生物がいた。

 

〈 そう怖い顔しなさんな。あんたを助けてやったんだ 。もっとリラックスしろって……。〉

 

「お前……一体……。」

 

「 ついこの間、さる世界で“正義の味方”にやられた 悪党さ。俺はかつての元締めを止めるために、俺の親友を救うために、様々な世界の 戦士を探してるんだが、 ……どうだね?

あんたがプリキュアって選手たちと一緒に戦ってくれるってなら なんでも一つ願いを叶えて っても良い。」

 

 

なんでも一つ、 そう言われて瞬時に始めの腹は決まった

 

アンデッドではない普通の人間になりたい。

 

彼がアンデッドの 一体、ジョーカーとして生まれ出でたことで、これまで何人の人が不幸になり、何人の人を傷つけたかわからない。

何より始自信が ずっとジョーカーとして 苦しんで来たのだ。

 

愛する者と一緒に歳をとることができず 、いつ人間ではない異形の存在になってしまうかわからない。

生物を超えた力などいらない。普通の人間としての幸せが、ずっと欲しかったのだ。

 

一瞬にしてトライアルシリーズを灰にした 目の前の怪生物を怪しく思いつつも始はつい口に出した。

 

「…… 俺を、アンデッドから人間に変えられるか?」

 

生物はいとも簡単そうに、なんだ、と吐き捨て、黄色い目から光線をだした。

 

光線は始の体を貫き、気がつけば 全身の痺れに襲われたきつくした。

 

「オレは……一体……!」

 

〈なんでもいい、身体を傷付けてみな〉

 

定規で軽く手首を擦ると、確かに微量の血が出た。

アンデッドの 緑色の血ではなく、人間の赤い血が……。

 

「……!?』

 

言葉が出なかった。歓喜と戸惑い、驚きが混じった涙で、目の前が見えなくなる始。

 

〈成功。気に入った様だな、約束通り、まずは『キュアハート』と合流してもらおうか。〉

 

「待て!アンタ一体……!」

 

〈心配せんでも、時期にまた会えるさ。礼ならその時で構わんよ。〉

 

何か言おうとした始を置き去りに、彼は姿を消した。

 

と、その時、防衛省の最高戦力として取り沙汰されていた少女、相田マナとすれ違った。

 

彼女もまた、午前中を会議に費やした様で、スーツを着込んだ高官らしき男と会話している。

 

「……と言う訳で、犯行予告のあった場所まで移動をお願いしたく……。」

 

「お任せ下さい!このキュアハートが、大貝町のドキドキ、取り戻して見せます。」

 

「あ、相田さん、『キュアハート』はあまり大声では……」

 

「あ、ごめんなさい。」

 

「キュアハート!!?」

 

始は、思わず背後から叫んでしまった。

 

「何だね、君は!!」

 

当然、横にいた男に止められた。

 

「お願いします!オレの話を聴いて下さい!あなたと合流する様に言われたんです!!」

 

「相田さんはお忙しいんだ。おい誰か、彼を病院へお連れしろ……」

 

「ちょっと待ってください長官。」

 

「……え?」

 

マナは男を制止し、凛とした目で始を見た。

 

「……しばらくこの人と、二人きりにして貰えませんか?」

 

 

 

 

1日後:BOARD事務所

 

 

睦月に案内されたBOARD事務所には、先立って「アイドルまこぴー兼キュアソード」こと、剣崎まことが待ち受けていた。

 

「あんた、先に来てたの?」

 

レジーナが少し不満げに言った。

 

「マナはまだ来ないんですの?」

 

「ええ。連絡は取れたんだけど、何か『トラブルがあった』とかって……。」

 

自称『マナの本妻』。六花が心配そうに言った。

 

「『キュアハート』の方も確かに心配だが、今は橘さんの話を聞くとしよう。」

 

いつの間にか、アリスの後ろに立っていたジョナサン・クロンダイクが言った。

 

「皆さんお揃いで。お待たせした。BOARD所長、橘です。お見知りおきを。」

 

長身短茶髪の男、橘朔也が奥の部屋から現れた。

 

ギャレンバックルを腰に巻いているところを見ると、すぐにでも自ら出動するつもりだったのだろう。

 

「 ミスター橘、今回のご助力感謝いたします。」

 

「 こちらこそ。プリキュアの 皆さんが我々に報告して くださらなければ、我々はアンデッドに一足先遅れをとっていたところです。感謝します、ミスター ジョナサン

。」

 

両者のうやうやしい挨拶が終わったところで、 ジョナサンは今朝方光のクイーンから入った『ブラックホール』についての情報を立花に開示し、同時に橘は とアンデッドとの因縁について語り出した。

 

人類が生まれる遥か昔。

地球上にはいま地球上にはびこっている生物たちの祖たる生命体が 闊歩していた。

彼らを今の人間の言葉でアンデッドと呼ぶのだ。

 

 

当時彼らは生物の 頂点の座をかけて バトルファイトと呼ばれる生存競争を繰り返していた。

近年彼らが復活すると同時にバトルファイトが再開。

人類の平和を取り戻す戦いの中で 立花の後輩であり部下剣崎一真はアンデッドになり果て姿を消し、 戦いはいっときの休息を見せたと思われた。

 

だが、つい最近ボードが活動を始める前に封印されていたはずの パラドキサアンデッドが復活。

最強のアンデッドジョーカーであった 相川始は 人類との共存のために 苦悩の日々を送っているとのこと……。

 

橘の話を聞き終え、六花たちは絶句していた。

 

自分たちとジコチューとの戦いともまた違う、類を見ない壮絶さだったからだ。

 

「でも、もしその「パラドキサアンデッド」が勝ち残ったら、一体何が起こるんですか……!?」

 

「本人曰くだが、『統制者』と呼ばれるゲームの管理者が直接表れて、『大いなる力』を授ける……らしいが、実際のところ『統制者』とやらが何者で、一体何が起こるのか、具体的な事は、まだ何も……。」

 

頭を抱える橘。 その場の全員が煮詰まってしまったその時。

部屋に、白衣の男が 息を切らして入ってきた。

 

「会議中だ。ノック位……。」

 

「ですが橘所長!たった今、パラドキサアンデッドの目撃情報が!」

 

全員が驚いて目の色を変え、橘は思わず席から立ち上がった。

 

「何だと!?どこだ一体!!」

 

「襲撃予告のあった、大貝草原です!……それと、もう一つ。」

 

そう切り出され、男から耳打ちされた衝撃の事実に、さすがの橘も顔色を変え、額に冷や汗を浮かべた。

 

「復活の恐れだと……!?あのフォーティーンがか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「門矢士、何と礼を……そして何と詫びていいやら…」

 

剣崎一真は、大貝草原のハズレの丘から、草原を一望していた

 

アンデッドになり果てた彼は 、隣にいる仮面ライダーディケイド/門矢士が 与えたイレギュラーの ラウズカード 「RELIEF」 の力により、一時的に人間の力を取り戻していた。

 

「つまらん事を言うな。 お前がフォーティーンのやつに勝てれば、世界を救う道は開ける どのみちお前が本当の人間に戻る(・・・・・・・・)ためには、パラドキサアンデッドを倒さなければならない……な?オレは、大した事はしちゃいない。」

 

「このカードの創り手、光のクイーンとか言ったか?その人にも、また会えたら礼を言ってくれ。」

 

「会えたら……な。おっと。 俺はそろそろブラックホールの本体が入っとるいちご坂に向かわなければ。 後のことは頼んだぞ剣崎。 そして……イーラ。」

 

どこからともなく 水色の短髪の少年が現れ、剣崎の隣に並んだ。

 

彼を確認すると、 つかさは世界をかける橋を渡り、エグゼイドの世界、そして ブラックホールの本体が居座るいちご坂へと向かった。

 

 

「任せなよ。六花に関しては、何があっても守るからさ……。」

 

士たちに気付く事なく 決戦の準備に移るパラドキサアンデッドとアンデッド郡。

 

それを迎え撃つがため大貝草原に到着する戦士たち。

 

 

 

ー決戦の時は近い……。

 

 

 

 

 

 

 


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