プリキュアオールスターズ×仮面ライダー~bの復活とsの暴走 ~   作:鈴木遥

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今回あまりに人数多いので、セリフ前に名前入れました。

の=のぞみ/キュアドリーム

り=りん/キュアルージュ

う=うらら/キュアレモネード

こ=こまち/キュアミント

か=かれん/キュアアクア

く=くるみ/ミルキィローズ

シ=シロップ

津=津上翔一/仮面ライダーアギト

乾=乾巧/仮面ライダーファイズ

天=天童総司/仮面ライダーカブト

紅=紅渡/仮面ライダーキバ





5gogo×シャッフルライダーズ〜仮面ライダー達と協力するの、けって〜い!〜(前編)

・夢原のぞみたち、『プリキュア5gogo』の一行は、空飛ぶ妖精シロップの背中に乗り、東京タワーに向かっていた。

 

の「どんな人なのかなー!仮面ライダーさん達!」

 

く「もう、のぞみったら!遊びに行くんじゃないでしょ!?」

 

う「でも、確かに気になりますね。どんな人たちでしょう?」

 

こ「趣味の合う人達だと良いわね。」

 

揃いも揃ってテンションの高いプリキュア5一行。

 

事の発端は、三日前ナッツハウスに届いた一通の手紙だった。

 

 

 

『dere プリキュア5御一行様......。』仰々しい書き出しから、嫌な予感しかしなかったものの、心の準備を整え、店長ナッツは手紙を開いた。

 

中には、何枚かの見知らぬ男の写真が同封されている。

 

『憎むべき闇の権化、プリキュアの宿敵ブラックホールが、更なる力を得て復活した模様。ついては、もう一種類の戦士達と協力すべく、三日後、東京タワーにて『仮面ライダー』達と待ち合わされたし。

 

  fromフローラ        』

 

悪の組織、エターナルとの最終決戦の後、花の種を残して姿を消した彼女が、いまどんな状況でどこにいるのか、どうやって手紙を寄越せたのか、なぜまたブラックホールが復活したのか。ナッツの頭上にいくつも『?』マークが浮かぶ。

 

「色々解せないけど、そうも言ってられん。行くか、東京タワー。」

 

ナッツハウスにおいて、彼の決定は絶対だ。

......が、そうでなくても彼女達は迷いなく話しに乗るチームだ。

 

「よぉっし!仮面ライダーさん達に会うので、けって~い!」

 

と言うわけで、店長ナッツとココを残し、今朝方(主にリーダー(のぞみ)が)ノリノリで出ていった。

 

 

~そして、今に至る~

 

く「遅いわねー、約束の12時まであと十分よ?」

 

こ「もしかして、道に迷ったんじゃ......。」

 

り「それはないでしょうこまちさん、子供じゃないんですから......。」

 

だが、もしかしたら、という事を考え、かれん、こまうらをタワーのふもとに残して、のぞみ、りん、くるみは芝公園方面に向かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

芝公園:のぞみ、りん、くるみサイド

 

く「いないわねー、どの辺かしら?」

 

り「約束忘れちゃったんじゃないの?」

 

の「あの人に聞いて見よう~!すいませ~ん!」

 

く「あ、ちょっとのぞみ!」

 

と、のぞみは前方に立つ男を指さした。

のぞみより明らかに背は高い。髪はパーマでもかけたかのようにモサモサとしているが、鬱陶しくはなさそうだ。

 

の「すいません、この人探してるんですけど......。」

 

そう言って写真を見せるのぞみに、男は振り返り、ボソリと言った。

 

天「おばあちゃんが言っていた......探し物は、探している人に受け入れられるのを待っている。じっと笑って待っていれば、やがてひょっこり出てくるものだ。」

 

く「それ、本当におばあちゃんが言ってたの?」

 

天「言われたのは昨日だがな......。」

 

く(のぞみ、行きましょう。この人絶対普通じゃないわよ。)

 

天「それは君達も、お互い様だろう?」

 

小声で言ったつもりが、男には聞こえていた様だ。

 

くるみが引いていると、彼女の肩を何かがかすめた。

それは、赤くて大きめのカブトムシだった。

 

彼は、宙を舞うカブトムシを掴むと、三人に見せびらかした。よく見ると、それは鉄製のメカの様だった。

 

天「天道総司、『仮面ライダーカブト』だ。以後よろしく、プリキュアの諸君。」

 

く「あ!あなたね?ナッツ様の写真にあった、天道総司さん。」

 

紅「あ!天道さんここにいたんですか!探しましたよ、早くプリキュアの皆さんと落ち合わないと......あれ?」

 

乾「お前ら、油売ってないで『プリキュア5』の皆さんを探さないと......ん?」

 

天道を探しに来た青年達は、のぞみたちを見て呆然としている。

 

紅「あの、天道さん。その娘たちは......?」

 

天「本人達に聞いてみたらどうだ?」

 

の「はじめまして!私、『プリキュア5』のリーダーでぇ~す。」

 

津&乾&紅「............えええええええええええええ!?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

東京タワー内3Fマザー牧場カフェ:うらら、こまち、かれん、シロップサイド。

 

シ「遅っせーなアイツら、何やってんだ?」

 

ソフトクリーム片手に文句を言うシロップ。

 

か「やっぱり道に迷ったんじゃない?のぞみをあの二人だけでなんとかするのは無理よ。」

 

シ「ったくよー、しょうがねえな。あ、そうだ。ほれうらら。頼まれてたソフトクリーム。」

 

う「わ〜!ありがとうございます、シロップ。」

 

嬉しそうに頬張るうららを見ている内に、つい顔が赤くなるシロップ。

 

う「どうしたんですか?シロップ。もしかして……。」

 

シ「何だよ!?オレは……そんな……別に。」

 

真っ赤になって『何か』を 否定するシロップ。まさか自分への片想いだなどとは 気づくはずもなく、うららは呑気に言った。

 

う「もしかして……一口欲しいんですか?」

 

シ「……へ?」

 

唖然とするシロップ。

こまちは苦笑し、かれんはため息を漏らした。

 

シ「いや、だからオレは……。」

 

う「はい、あーん。」

 

シ「え!?いやだから……あーん。」

 

う「美味しいですか?」

 

シ「うん……美味い!」

 

東京タワー内でイチャつくプリキュアと妖精カップルを前に、できるだけ距離をとろうとするこまちとかれん。

 

シ「なんでお前ら離れるんだよ!?」

 

か「いやだって……。」

 

こ「 お邪魔かなと思って……。」

 

シ「いらねーから!!そーゆーの!!」

 

余計な気を回す二人に、再び真っ赤になるシロップ。

 

フ「『ツンデレ』……か。興味深いね。」

 

背後から、低く乾いた声がした。

 

振り返ると、見慣れない男が立っていた。

 

ボサボサの短髪をクリップで留め、シマシマTシャツに緑のフード付きパーカーを着ている。

長い事 外出していなさそうな雰囲気といい、『魔少年』と形容するに 相応しいいでたちだ。

 

シ「何だよ……アンタ」

 

う「『ツンデレ』って、何の話ですか?」

 

フ「やれやれ、これだから鈍感は苦手だ。良いかい、彼が見ていたのはソフトクリームではなく、君……。」

 

シ「だーー!やめろー!何なんだアンタ!!」

 

本日三度目に赤くなるシロップ。と、どこからか別の男性が近づいてきた。

 

左「おいフィリップ!何やってんだこんなトコで!……すまねぇ、コイツちょっと世間知らずで……。」

 

『魔少年』をフィリップと呼んだ男は、彼より年上に見えるが、自分たちの兄弟でも可笑しくない程若い。

 

白スーツを着込み、帽子も白いソフトハットでキメている辺り、どことなく『気取って』いる感じが否めない。

 

気不味くなったのか、シロップ達四人に頭を下げると、再びフィリップを見た。

 

左「ほら、行くぞフィリップ。早く『プリキュア』ってのと合流しねぇと……!」

 

シ「あ、そうだ!俺たちも早く『仮面ライダー』ってのと合流しねぇと……。」

 

と、背中合わせに別れようとしたシロップと左翔太郎(ひだりしょうたろう)は、妙なマッチングに、思わず振り返り、目を見合わせた。

 

左&シ「……へ?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

芝公園入り口:のぞみサイド

 

り「じゃあ、皆さんが仮面ライダー?」

 

津「そう。君達より30分早く、毎朝戦ってたヒーローさ!」

 

く「びっくりだわ、こんなに沢山いたなんて。」

 

天「それはお互い様だ。せいぜい二、三人かと思ったら、君らのチームが六人、総勢五十二人だと?小学校二クラス分じゃないか。おのれ、なんて数だ!」

 

の「何で今小杉十郎太の声マネしたんですか?」

 

天「あ、いや君達よく知ってるかと思って……。」

 

紅「天道さん、良いんですよ無理矢理ボケなくて……。」

 

天「な、な、何の話だ……?」

 

とまぁ、揃いも揃ってバカやっていた時。

 

ドォォォン!

 

どこからか、爆音と悲鳴が聞こえて来た。

 

く「何かしら……!!」

 

天「タワーの方からだな……。」

 

の「行ってみよう!」

 

津「賛成!」

 

芝公園を抜け、タワーが見えてきた六人の視界に、本来見えないハズの『モノ』が入った。

 

緑のサナギのような怪人。全身灰色のケモノの怪人。

ステンドグラスで作られた様な虹色の蜘蛛の怪人。

バスケットボールの様な頭の付いた、紫色の巨人など、異形の怪物が揃い踏みしていた。

 

彼らは街を荒らし、人々を追い回し、暴行を働く。

 

天「ワームだと……?」

 

乾「オルフェノクがなぜ……!」

 

紅「ファンガイア……?」

 

の「りんちゃん、あれって……!」

 

く「ホシイナーよね、どう見ても。」

 

青ざめ絶句するりんに代わり、くるみが答えた。

 

天「驚いた。俺達はどうあってもあーいう連中と引き合う運命らしいな……。」

 

紅「タワーに左さんたちがいるんです、こいつ等をなんとかしなきゃ……キバット!」

 

紅渡(くれないわたる)の掛け声に応じ、空から赤眼を持つコウモリが下りてきた。

 

「よっしゃ!行くぜワタル!」

 

彼が渡の手に噛み付き、腰のベルトにぶら下がると、渡は『仮面ライダーキバ』に変身した。

 

天道の手には赤いカブトムシメカ、『カブトゼクター』

が降り立った。

『変身、キャストオフ!』の掛け声と共に、『 仮面ライダーカブト ライダーフォーム』へと変身した。

 

乾巧は携帯型アイテム『ファイズフォン』を変身ベルト『ファイズギア』にセット。

『 仮面ライダーファイズ』に変身。

 

津上翔一は ベルトの 『オルタリング』にパワーを込め、

『仮面ライダーアギト』に変身した。

 

の「りんちゃん、ミルク、私達も!」

 

り&く「yes!」

 

仮面ライダーに続き、 のぞみとりんは『キュアモ』を、くるみは『ミルキィパレット』を取り出した。

 

『 プリキュア·メタモルフォーゼ!』

 

『スカイローズ·トランスレイト!』

 

それぞれの掛け声と共に、三人三色のプリキュアに変身した。

 

「大いなる、希望の力!キュアドリーム!」

 

「情熱の、紅い炎!ギュアルージュ!」

 

「青いバラは秘密のしるし!ミルキィーローズ!」

 

キバット「うおー!すげーなお前ら!」

 

天「ああ、中々似合っている。」

 

津「いいなそれ!後で写メ取らせて!」

 

仮面ライダーたちに一斉にべた褒めされ、少し赤くなる

りん。

 

り「何か、改めて名乗りやると小っ恥ずかしいって言うか……。」

 

の「へ?何で?」

 

キョトンとしてのぞみが尋ねる。

 

く「分からないわよ、のぞみには(・・)……。」

 

の「なぁによそれ!いじわるぅ!」

 

女子中学生と人外の面倒な喧嘩に終止符を打ったのは、ファイズ/乾巧だった。

 

ファ「ご歓談のところすまないが、来るぞ!」

 

仮面ライダーとプリキュア達に気付いた怪人集団は、明らかな敵意を浮き出しにし、攻撃を開始した。

 

こちらも負けじと反撃に出る。敵一体一体はそれほど強大ではない。少しずつタワーに近づく。

問題はホシイナーだった。

 

一度ファイズのフォトンカッターで切り付けるが、切り落とした腕は再生し、地面に落ちた腕は新たな怪人に変異した。

 

ファ「なんてこった……。」

 

り「中途半端に傷つけると、敵が増えるって事……?」

 

カブ「だが……そうは言っても!」

 

ホシイナーの巨体は完全にタワーへの道を塞いでおり、素通りや後回しにするには厄介な存在だった。

 

津「とにかく、何としてもここを突破するぞ!」

 

プリキュアや仮面ライダー達が業を煮やす中、フローラとの約束の時間は迫る……!!


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