fate/Warmth of Family   作:ハッピーエンド好きな人


原作:Fate/Apocrypha
タグ:オリ主 ジャック・ザ・リッパー
 これは……サーヴァントの物語では無い、またこれは、マスターの物語でも無ければ聖人の物語でも無い。

 そして、人間が願いを叶える物語でも無い。

 これは、孤独な化物が定められた運命(Fate)に抗い勝利する為の物語である。

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始まり

 聖杯戦争、それは七人の魔術師(メイガス)が七体のサーヴァントを召喚して戦い殺し合う、聖杯を手に入れる為の儀式。

 

 そして今、一人の少女がサーヴァントを召喚しようとしていた。

 

閉じよ。(みたせ)閉じよ。(みたせ)閉じよ。(みたせ)閉じよ。(みたせ)閉じよ。(みたせ)

 

 その少女には名前は無い、誰からも愛されず、誰にも知られず、両親を知らない少女。

 

「繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する」

 

 されど少女は強かった。巷に虚偽者(フォルス・パーソン)と言う通り名が広まる位には。

 

 化け物と人々に恐れられるに十分な力を有していた。

 

「──────Anfang(セット)

 

 故に命を狙われ続け、誰からも愛されぬ少女は願った、自分を愛し求めてくれる者を深い繋がりを。

 

 「──────告げる」

 

 そして何よりも。

 

 「――――告げる。 汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。 聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

 

 このような孤独に生き愛も肉親も知らぬ化け物の自分が知らない、憧れとも言える〝家族〟と言うものを知りたかった。

 

「誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者」

 

 そして彼女はその望を聖杯に託した。

 

「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」

 

 自分を愛してくれる家族を、母でも良い娘でも構わないただ家族の温もりが欲しかった。

 

「サーヴァント、アサシン、宜しくね……お母さん」

 

 そして彼女のそんな願望が呼び寄せたのか、アサシン(殺人鬼)は彼女の元に現れた。

 

 そして家族を求めた少女と、子供として産まれたかった殺人鬼(子供達)がこの日出会った。

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

 

「はい今日はハンバーグだよ」

 

「わーい」

 

 現在、少女は隣でハンバーグを美味しそうに食べる少女を微笑みながら見つめる。

 

「ごちそうさま!」

 

「そう、それじゃあお出かけしましょうか〝メアリー〟」

 

「うん!」

 

 少女はあの後、隣で無邪気に笑う幼女の真名を聞いた。

 

 ジャック・ザ・リッパー、かつてロンドンを騒がせた正体不明の殺人鬼、それが彼女だった。

 

 そして彼女はクラスと真名を知られるのは問題だと思い、隠す為に考えた方法は偽名を名乗らせる事だった。

 

 まぁその辺は簡単だった。

 

「メアリー?」

 

「そう、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のよ」

 

 彼女はそんな詭弁を言うがそんな事は知らない無垢な少女(ジャック)は、母から貰った大切な名前として受け入れ何度もメアリーメアリーと自分で名前を繰り返し唱える。 

 

「それではメアリー⋯⋯そろそろお出かけと行きましょうか」

 

 そして、彼女は微笑みながらそう言った。

 

 彼女の願いに対しては自身の異能を持ってすれば容易い。

 

 そんな事を考えながら、自分がつくづく化物なのだと苦笑する。

 

 だが立ち止まるつもりは無い、自身の願いを叶える為に、ただ一つの我が儘を通す為に、少女は聖杯戦争へと足を踏み入れるのだった。

 

 これは……サーヴァントの物語では無い、またこれは、マスターの物語でも無ければ聖人の物語でも無い。

 

 そして、人間が願いを叶える物語でも無い。

 

 これは、孤独な化物が定められた運命(Fate)に抗い勝利する為の物語である。




済みません! 間違って他作品の奴を投稿仕掛けた!

物凄く恥ずい! 取り敢えずここで謝罪します住みませんでした!


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