「シノンさん。これから戦闘になりますが、慌てずにそのままでいてくださいね。」
「え?どういうこと?」
「レッドさんとキズメルさんに任せれば間違いないと思いますので、私達は被弾しないように防御に徹します。ヨルコさんお願いできますか?」
「レッドちゃんとキズメルさん以外は私の周りによって。」
ヨルコはアイテムボックスからカメの甲羅みたいに全方位を覆っている大型の盾を全員が隠れるように真上から被せた。その盾はマジックミラーになっており中からは外の様子を見ることができ、ツナから貰った金に物を言わせて購入したGGOで最も堅い素材である宇宙戦艦の装甲板を贅沢に使用していた。欠点は中からも攻撃できないことにあり、完全な防御重視の欠陥品になってしまったことだ。
「では行くとするか。」
「そうですわね。あと10秒くらいかしら・・・待つのは好きではないので私から先に行かせてもらいますわ!!」
レッドはマシンガンを装備して100M程離れている大きめの岩まで駆け出す、岩の近くでジャンプしそれを飛び越えると身体を捻りながらマシンガンを真下に乱射した。
パラララララララララララララララララララララララララ
「うひゃあ!!」
「あら 可愛らしい声。女の子かしら。」
「なんで なんで居場所がばれたの!?今までは大丈夫だったのに~~~。」
「うふふ 小さくて可愛い お姉さんと遊びましょ~。」
レッドはワザと標的には当たらないように銃弾を乱射しており叫び声と砂煙から飛び出した姿から女の子だと目星をして笑いながら追いかけっこを開始した。
「うむ。小さいな 身長はユイと同じくらいか。しかし年齢的には制限があるはずだから手加減は無用で問題ないな。」
「はや!そしてちっさ!!」
「スピード重視でしょうか。洋服と武器をピンクで統一していますね。うん 可愛いです。」
「あれはいま話題のピンクの悪魔かもね。まさかあんな女の子だったなんて。」
「あの子は有名なんですか?」
「最近になって砂漠フィールドに潜む正体不明の待ち伏せプレイヤー・キラー、通称ピンクの悪魔というプレイヤーが出始めたのよ。場所と特徴からだぶんあの子で間違いないわ。」
「プレイヤー・キラーですか・・・。あんな小さな子が。」
「ヨルコ。あれはアバターの見た目だから中身の年齢は違うわよ。みんなもそこんところを意識しといた方がいいわ。あの世界とは違うんだから。」
(あの世界?ピンクの悪魔もそうとうな強さみたいだけど、あのレッドという子、それにキズメルの佇まいも・・そうとうな手練れね。)
キズメルは腕を組みながらレッドの様子をみていたが、相手の小ささに驚きはしたものの戦場にたったのであれば関係ないとゆっくりと歩き出す。
盾の中にいる面々はアバターの小ささに驚きもしたが、レッドから逃げているスピードに驚いていた。
「あははははは 楽しいわね。ほら もっとスピードをあげて逃げなさいよ。そろそろ当てるわよ。」
「掠った!? ひぃぃぃぃぃぃ 私のスピードに付いてきてる!?それなら!」
レッドは相手が逃げるのを止めてP90を構えて撃ちながら向かってくることに歓喜し、嬉しそうにサブマシンガンを投げ捨てて光剣を取り出した。そして光剣を振るって頭や臓器の部分に当たりそうな致命傷になるうる弾だけをを弾き飛ばす。
「「うそぉ!?」」
「戦いの最中に隙を見せるな!」
ピンクの悪魔とシノンの叫び声が同じだったのはお互いに知ることはないが、GGOに携わっているものなら光剣で弾を弾く行為をしたバカを見たら当然の反応である。
レッドは足が止まった相手に一瞬で近づいて光剣で両手足を切断した。
「ふう 最期を除けば良い戦いでしたわ。さようなら。」
「待て。こいつもシノン同様、筋が良い。せっかくの縁だ、もう少しだけ付き合ってもらおう。」
止めを刺そうとしたレッドだが、キズメルがそれを制止する。そして、キズメルは回復アイテムを使用して襲撃者の首根っこを持ち上げて運び出した。
「は~な~せ~!おまえらぜったいにぜんいんぶっころす!」
「ははは 威勢がいいのは嫌いではないぞ。だがいまのままではヨルコですら倒せないと思うがな。」
「いいですわね。なら受けて断ちますわ。正直不完全燃焼ですのよ。」
レンはピトフーイと出会う前ですので弱いです。
ちなみにGGOは未読になりますので口調がおかしいかもしれませんがご了承ください。