大空のSAO   作:ばすけばすけ

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妖精の国①

翌日の早朝、ツナを除いた女性陣はSAOの時に入院していた並盛総合病院の大部屋からログインするために集まっていた。

 

「凪さんはツナとは長いんですか?」

 

「私は中学二年からの付き合い。いまツナの周りにいる人達はみんなそれくらいから付き合いのある人達。」

 

「凪さん!ツナさんの昔のお話を聞かせてほしいです!!」

 

「珪子落ち着いて。これから始めるんだから・・・凪さんログアウトしたらお時間貰っても大丈夫ですか?」

 

「ボクもききたい!」

 

「大丈夫。ならみんなでご飯でも食べながら話そう。」

 

「ちょっとロア寝ないで!!」

 

「ムリ・・ベットがフカフカなのが原因。」

 

「確かにフカフカ・・・これ病院のベットじゃない気がします。」

 

「さすがは風紀財団とチェーロカンパニーが支援する病院だ。」

 

「パパはどこにいるのでしょう。」

 

「いつもならツナの横には誰が行くのか揉めるからいないならいないで助かるけど!」

 

「そんなこと言ってるけどアヤは横に寝たいんでしょ!もしかして一緒に寝たいとか!?」

 

「アヤも積極的になったみたいで俺っちは嬉しいよ。」

 

「ツナとGGO組は別室から入る。」

 

前回出会った際には衝撃発言があったせいで交流もできずに解散になってしまったが、今回は最初から凪一人で部屋に入ってきたこともあり、明日奈や沙知、珪子、木綿季などが凪に話しかけて交流をしていた。明日奈達は最初は囲い込みをするつもりでいたが、凪が発言していたことを考えてツナの周りにいる女性達を一方的に敵視するのではなく、情報を得るために友好的に接する方針で行くことにしていた。

 

「「「リンクスタート!!」」」

 

 

 

「俺はどの種族にしようかな・・・」

 

ツナも別室からALOを開始しており種族選びの段階で迷っていた。

 

「ケットシーなんか魅力的だけど・・男がやるのは痛いなー。ユニにやってほしいかも。他も特徴的な感じだし地味なスプリガンかインプにしようかな。」

 

ツナは種族の特徴を確認し、地味で目立たないようにスプリガンを選択した。

 

 

 

 

 

その頃、イタリアのある地では

 

「は!!」

 

「あら?どうしたのユニ?」

 

「お母さん大変です!!いまツナさんが私に猫耳と尻尾をつけて可愛がりたいと言っていました!!近いうちに長期間帰ってきませんが、ツナさんの家でお世話になってますので気にしないでください!」

 

「じゃあユニに似合う物を買ってこないと、行くわよγ!」

 

「いや、ボスも姫も落ち着いてくれ!あのボンゴレに限ってありえないだろ。」

 

アリアとお茶会をしていたユニが急に立ち上がり、頬を赤く染めてアリアに必死に訴えかけていた。

 

 

 

 

ツナは目を開けると目の前には森が広がっており、周りにはまだ誰も到着していなかった。ツナたち専用のナーヴギアはSAOのデータをそのまま使用しており、外見やステータス、アイテム類はALOにも引き継がれていた。そして最初にログインする場所を古森の中央に設定していた。

 

「なんか一瞬寒気がしたんだけど・・・気のせいだよね。」

 

ツナは転送されている最中に身の危険を感じたが、現実世界にある身体には護衛もいるから大丈夫だろうと判断した。ちなみに護衛は正一とランボ、イーピンにビアンキである。

 

少し時間が立つと周りに光がポツリポツリと現れ始めた。

 

 

「ここがALO・・・あ!ツナ・・・髪が黒い・・スプリガンにしたのね。どう?ウンディーネにしたんだけど水色の髪の毛は似合っているかしら?」

 

「パパ!私はナビゲーションピクシーなんですか?」

 

「綺麗だよアスナ。さすがにユイのデータをそのまま使用することができなくてね。今回は道案内とかフォローをよろしく。」

 

「パパの為に頑張りますね!」

 

まず現れたのはアスナとユイでアスナはツナをみた後に黒髪のワイルドさに衝撃を受けていたが、ウンディーネ特有の水色の髪をツナに褒められて照れ笑いを浮かべる。ユイはツナの胸元のポケットに飛び込み満足そうに頷きサポートは任せてくださいと手は上げて気合を入れる。

 

 

「ツナもスプリガンにしたんだ。黒髪のツナとか新鮮で変な感じがする。ちなみにプレイヤーネームはクロームだから。」

 

「了解。クロームもスプリガンなんだ。恭弥さんの黒髪に憧れてたんだ。現実に黒染めしようとしたらみんなが泣いて止めるからできないけど、ゲームの中でくらいなら・・ね。」

 

「え!黒染めは私も反対します!例え騎士道に反しても止めてみせます!」

 

「ツーナ!どう?私の黒髪も似合ってる?やっぱりお宝探しをするなら地味な色にしないとね!また付き合ってね♪」

 

「フルールも反対なの?フィリアは相変わらずだね。いいよ。問題が解決したら二人で探検しよっか。」

 

クロームとフルール、フィリアがログインし、ツナと同じスプリガンを選んだことに喜んでいた。クロームはツナの黒髪姿に目を輝かせていたが、ツナは以前に起きた騒動を思い出して溜息を吐いていた。その呟きにフルールが反応するが、ツナがコテンと首を傾げると悶えながら地に片膝をついた。フィリアはトレジャーハンターとして目立たないからスプリガンを選択し、ちゃっかりツナと探検に行く約束を取り付けることに成功していた。

 

 

「ツナさんはスプリガンでしたか・・・フフ その髪型だとランボさんを思い出しますわね。」

 

「ランボを?カーラは幹部と面識があるんだっけ。もしかして爆発頭から連想した?ランボのは天パで俺はクセッ毛だからね!」

 

「ツナさん・・ALOはPKを規制していないみたいですね。楽しみです♪」

 

「あ~~規制はしていないけど同じ種族には攻撃しない方がいいよ。」

 

次にログインしてきたのはカーラとミリシオンで、カーラは爆発頭の黒髪を見て笑いながら以前チェーロカンパニーのパーティで出会ったランボを思い出していた。笑っているカーラにあそこまで酷くはないと笑いながら突っ込みを入れていた。ミリシオンは説明書を読んだ際から恍惚の表情を浮かべて持っていた斧の持ち手を抱きしめていた。周りはその姿にドン引いていたが、ツナはミリシオンの頭を撫でて落ち着かせていた。撫でられているミリシオンは幸せそうな表情で頷いて足早にフルール達の元に走って行った。

 

 

「ツナ。私はシルフにしてみたの。どう・・・かな?」

 

「似合ってるよサチ。うん。可愛い。」

 

「ママ似合ってます!」

 

「ん・・・・ありがとう。ユイちゃんも可愛いよ。」

 

「ご主人様!!黒髪とか素敵すぎます!私も気分を変えてシルフにしてみましたの。どうですか?悪戯しちゃいますか?ご主人様なら特別にOKですわ。」

 

「てっきりサラマンダーやケットシーにするのかと思ったけどシルフなんだ。似合ってるよ。でもメイドに悪戯はご法度でしょ。」

 

サチとカノンがログインし、サチがツナに恥ずかしながら感想を求める。そんなサチをユイと一緒に褒めてあげるとサチはユイを掌に乗せながら嬉しそうにしていた。カノンは現実世界の赤髪とは違う色にしたいと考えてシルフを選択していた。褒められるとニヤニヤしながらツナにすり寄るが、ツナから頭に手を置かれて微笑まれると顔を赤くして固まってしまう。

 

 

「あ!カノンずるい!!次はボクの番だからね。」

 

「ずるいってなにが!?ユウキはインプ?SAOの時とほとんど変わんないね。うん。でもユウキには紫が似合ってるよ。」

 

「えへへー。ステータスがSAOのままなら姿も変えたくなかったんだ。ボクにとってはSAOの時間は大切な時間だから!ツナにも出会えたしね。」

 

「ツナさんツナさんツナさん!」

 

「ちょっ!椿姫さん!女の子がいきなり飛び掛かってこないで!」

 

「ツナーロアもー。・・・眠いからこのまま抱っこー。」

 

「このタイミングで!!眠いって起きたばかりだよね!?」

 

ユウキ、椿姫とロアがログインするが、カノンの頭を撫でている姿を見たユウキがカノンの逆側に待機して撫でられ待ちをし始める。ユウキの外見はSAO時と変わりなく、ツナが容姿について尋ねると、大切な思い出が詰まってるから変更したくなかったとユウキは笑顔で答えながらツナの腕に抱きついた。

すると椿姫がツナの後ろから、ロアが前から抱きついてきた。暫くカノンも含めた四人から揉みくちゃにされたツナだが、アスナやクローム、サチが四人を回収して森の奥へと消えて行った。

 

 

「何この空気?アスナやサチがいないけどまだログインしてないの?」

 

「アスナさんは同じウンディーネを選ぶと行ってましたけど、まだいらっしゃらないみたいですね〜。」

 

「実はね・・・・・・・」

 

「ツナの破廉恥!」

 

「ツナさんもお盛んだったんですね〜〜。お姉さんは安心しました〜。」

 

「ちょっ!フィリア何を言ったの!?アヤ落ち着いて!まずは武器をしまって話し合おう!ユーフィアさんも一人で納得してないでアヤを止めて下さい!」

 

アヤとユーフィアがログインするが、アヤは雰囲気がおかしいことに首を傾げながらアスナやサチを探す。するとフィリアが二人に状況を説明するために手招きして耳打ちしだした。

フィリアの話を聞いたアヤは顔を真っ赤にしながら短剣を構えてツナに向ける。ユーフィアは片手を頬に当てて嬉しそうにしていた。

 

そんな空気を変えたのが

 

 

「ツナお兄さん。ALOにもヌイグルミありました。」

 

「飛びながら踊ると楽しいね♪皆んなも一緒に踊ろうよ。」

 

「久々のモフモフフード。懐かしい感触。ラグーラビットいるかなぁ。」

 

ログインしてきたロッタ、ユーリン、ラパンで三人の笑顔に毒気が抜かれたアヤは短剣をしまって様子を見に森に入っていった。

 

「ふぅ 助かったよ三人共。装備品だけではなくてアイテムもきちんと引き継いでるみたいだね。良かった。ユーリンはもう飛ぶのに慣れたんだ!凄いね。」

 

ツナはお礼を言いながら三人の頭を順に撫でていくと、森からはアヤを先頭に7人が帰ってきた。どうやらアヤが場を納めてきたらしい。

 

「呼んできてくれてありがとう。先にログインしたメンバーは装備品やステータスの確認をしてね。」

 

ツナはすでにログインしているメンバーに対して準備を進めるように促し、残りのメンバーが到着するのをアイテム欄を確認しながら待つことにした。

 




長くなったんで一旦区切ります。
次回は残りのメンバーとGGO組を。

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