明日奈達を迎えに行った日の夜、ツナは雲雀と骸そして茅場晶彦との四人で会議室にて打ち合わせを行なっていた。
「恭弥さん、日本政府からの要請はこれだけでしたか?」
「それよりも綱吉。なんで南国果実が僕の並盛にいるの?さっさとイタリアに出荷してよ。」
「クフフ 鳥頭は三歩歩いたら忘れてしまうんですかね。ボクがここにいるのはツナヨシくんから頼まれ事をされているからですよ。貴方もその場にいたでしょう。」
「二人は仲が悪かったのか。普段からは想像できないくらい感情が露わになるんだな。」
「あぁーもう!!恭弥さん!骸は俺が頼んだからここにいるんです!出荷は用事がすんだらするんで待っていてください!骸も煽らない!茅場さんも静観してないで止めてくださいよ!」
「さっきから出荷って表現はおかしくないですか!?出国って言ってくださいよ!」
「はい!それぞれ報告してください!」
「無視ですか!?」
雲雀が骸と一緒の空間にいることを嫌がり骸にトンファーを向けながら悪態をつくと、骸は溜め息を吐きながらやれやれと首を振る。そんな二人を見ていた茅場は普段の冷静沈着な姿からは想像もできないくらいの感情の変化に驚いていた。そんな三人にツナは机を叩きながらはやく報告をと促す。
「日本政府からはSAOクリア後も目覚めていないプレイヤーの原因調査を依頼されてるよ。向こうの担当は総務省通信ネットワーク内仮想空間管理課職員の菊岡誠二郎。調べたら陸上自衛隊二等陸佐、AIの兵器化を考えているみたいだね。」
「わかりました。プレイヤーの件は承諾して日本政府からの協力は突きはねてください。正直かかわりたくありません。」
「次はボクですね。まずツナヨシくんはALOというゲームは知っていますか?SAO事件の最中に発売されたゲームになります。そのゲームに未だ目覚めないプレイヤーはいます。開発者の一人である須郷伸之とその仲間達が唆されて回線に介入し、情報を掠め取った形です。須郷伸之はレクトの元社員で結城家とも親交があり結城明日奈の婚約者を狙っていたみたいですよ。」
「SAO事件の最中に後続機が発売されるなんて節操がない。婚約者ね、早々に明日奈達の保護を頼んで良かったよ。」
「まさかあの須藤くんが・・・。技術班の解析ではALOへのハッキングではシステムに介入はできたが、ある一部分だけ浸入できない箇所が見つかった。相手方にも凄腕の技術屋がいるみたいでね。その一部分にそのプレイヤー達の意識があるはずだ。ゲーム内で首謀者を倒すかシステムコンピュータに浸入してコントロールを奪うしかない。」
「リボーンも関わっているし、一筋縄ではいかないみたいですね。わかりました。なら・・・また俺がゲームの中から首謀者を倒します。」
雲雀、骸、茅場は順番に各々が調べていたことを報告していく。ツナはそれに対して相槌と必要な指示を飛ばした。
「ツナヨシくんまた貴方一人で動くのですか?」
「いや、今回は命の危機ではないからSAOからの付き合いがある明日奈達にも頼もうと思う。」
「そうですか。なら凪を連れて行きなさい。ALOなら貴方がSAOにいる間に遊んでいましたから。あのアルコバレーノがいる以上、守護者が一人はいた方がいいでしょう。」
「え?あの凪が?わかった。なら凪は連れて行くよ。」