すいません。途中になりますが、長くなり過ぎるのも嫌なんで一旦きりがいい場面で投稿しました。
〜地下ダンジョン入口〜
「ここがそうみたいだね。みんな準備はいい?」
ツナ達は地下ダンジョンの入口に到着した。入口に到着すると入口が光りだす。ツナの目の前にダンジョンに突入するかどうかの選択肢が表示された。他のメンバーに確認し、頷くことで同意を得ると突入ボタンを選択し中に入る。
一本道を進んでいくと少し大きめの広場に出るが
「あれ?行き止まり?」
「他に道はなかったしモンスターも出てこなかったわね。」
「隠し通路?隠し扉?ちょっと確かめてくる!」
「フィリアさん待つのですよ〜」
ユウキとアスナが呟き他のメンバーも相槌を打つ。フィリアは目を輝かせながら引き返そうとするが横にいたキャロに抱きつかれていた。そのまま全員が中央まで辿り着くと
「「!!!」」
「これからみたいだね。みんな準備して!」
急に霧が洞窟内に広がり始め視界が悪くなる。少しすると霧が晴れて元の状態に戻るが
「あ・・・ぁ」
「ユイちゃん!!」
「ユイ!!」
「「ハアアアァァァァ」」
サチに抱きしめられていたユイが広場奥側の空中でマントをして片手に鎌を持つモンスターに首を絞められていた。
その光景を見たサチは涙目になりながらユイの名前を呼び、ツナはグローブを構えてユイを助け出そうとするが、ツナより先にアスナとアネットが細剣のソードスキル リニアーを放ちモンスターに突撃していた。
「ッ!!」
「なんで・・・」
「システムによる保護・・・クソ!」
アスナとアネットの攻撃はモンスターに命中してはいたが、バリアのようなもので弾かれてしまった。ツナはそのバリアを見てこれから起こることはイベント上不可欠で邪魔できないことを理解し唇を噛みしめる。
「贄ノ少女ハ貰ッテ行ク・返シテホシケレバ最奥マデ来イ」
モンスターは言いたいことを言い終わるとゆっくりと広場の奥側に移動を始めた。徐々に身体が壁に吸い込まれていく中
「パパ・・・ママ・・助け・・」
ユイが片手をツナ達に向けながら助けを求めるが、モンスターと一緒に壁に消えてしまう。完全に消えた後に四方の壁が持ち上がり中からモンスターが大量に飛び出してきた。各々武器を構えるが、
「イヤァァァァァァァ」
サチは悲鳴をあげて座り込んでしまう。壁から出てきたモンスター達はカエル型やザリガニ型の他に月夜の黒猫団が引っかかったトラップの際にも出てきたモンスターで構成されていた。
ツナはサチの状況を理解し
「アスナ!周りのモンスターは頼んだ!」
「任せて!ツナはサチのケアに専念して!キャロとシリカはツナ達にモンスターが近づかないようして、他は片っ端から駆逐するわよ!」
「わかったのです!!ヤァ!!」
「ピナッ!!行くよ!」
アスナの指示に従いキャロとシリカはツナとサチの近くにいるモンスターに攻撃を始め、他のメンバーもスピード重視の技で攻撃をして行く。モンスターのレベルはそこまで高くないが倒しても倒しても奥から飛び出してきていて数が減ることはなかった。
「サチ。落ち着いて。」
ツナは嗚咽を漏らしているサチを抱き締めて背中をさすってあげていた。サチも次第に落ち着きを取り戻し
「ツナ・・・ユイちゃんが・・・また私の目の前で・・・みんないなくなるの?」
「大丈夫。ユイはまだいなくなってはいないよ。これから助けに行く。それに・・・今回は心強い仲間もいるんだから、みんなを信じて・・ね。」
サチは黒猫団の時の光景を思い出してしまっていたが、ツナに抱き締められながら周りを見ると、モンスター群を倒していく仲間達の姿が目に入ってきた。一人一人目があうとサチを元気付けるように笑顔で手を振って答えてくれている。
「ね。みんななら大丈夫だから。それに・・・サチだってあの時とは比べ物にならないくらいの覚悟を持って強くなったはずだよ。」
サチの身体に力が戻ってきたことを確認したサチから離れて立ち上がり、サチに向かって手を差し出す。
「ユイを助けに行こう。」
「うん。みんなも迷惑かけてごめん。」
「大丈夫なのですよ〜」
「そうですよ!ピナの時も助けてもらいましたし。」
「ツナ!サチ!ユイちゃんが消えた場所に階段があるから二人は先に行って!」
「ボクが道を切り開くよ!」
サチがツナの手を取りながら立ち上がりみんなにもお礼を言う。近くにいたキャロとシリカがそれに答え、アスナはいくら倒してもきりがないと判断し二人に先に行くように促し、ユウキが道を切り開くために二刀流にて階段前のモンスター達を薙ぎ払っていった。
「みんなありがとう!!」
「必ずユイちゃんと戻ってくるから!」
階段に辿り着いたツナとサチはお礼を言って階段を降りて行く。
「みんな!階段の前に集まって!!ここから先には一匹も通さない!!」
「そうだね。でもはやく終わらせて二人の後を追いたいな。」
「お宝はないのかもだけど、ユイちゃんのために頑張らないとね。」
「囚われのお姫様を助けに行く王子様。憧れのシチュエーションなのです。」
「ピナ。私の側から離れないでね。」
「サチ!雑魚は私たちに任せて頑張んなさいよ!」
「雑魚でもこの数は辛いですね。ですがツナさん達のために弱音は言いません!」
残ったアスナ達は気合いを入れ直してモンスター群に向かっていった。
霧が晴れた後の没ネタ
霧が晴れるとユイが広場奥にてどこにあったのか椅子に座らされていた。
「ユイちゃん!」
「ユイ!!」
サチとツナがユイに駆け寄ろうと走り出す。しかしユイに手が届く手前でバリアのようなもので阻まれてしまった。
「なに・・・これ?」
「クフフ そこから先は通行止めですよ。」
サチがバリアに驚いて呟くと椅子の後ろから急に男が現れた。男の姿が見えた瞬間にアスナ達は武器を向けるが、男は口元をゆがめながらクフフと笑っていた。
「ようこそボンゴレの方々。骸と呼んでください。この少女を返して欲しかったらボクからの試練をクリアしてもらいます。」
「試験?」
「骸・・・なにを考えている?」
戯けた態度の骸に殺気をぶつけるツナ。そんなツナを見て骸は微笑み。
「僕からの試験は・・・」
「「「「「「「「試験は・・・?」」」」」」」」
「最高級のチョコを作ってもらいます!」
「「「「「「「「え?チョコ?」」」」」」」」
骸から放たれる独特の雰囲気にツナ以外のメンバーは何を欲求されるのか不安がっていたが、骸の口から発せられたチョコという言葉に思わず聞き返してしまう。ツナは額に手を当てて盛大に溜息をついていた。
「なんですか?僕がチョコを欲求したらだめなんですか?」
「・・・いえ、ダメではないのだけれど。」
「てっきりデュエルとか・・・」
「ユイちゃんを人質に色々されるとか。」
「・・・もしかしてこの洞窟に隠してある宝箱にチョコが!?」
「作ってと言っていたから違うと思うのですよ〜」
「私は無理よ。」
「お菓子作りなら私にお任せください!!」
「でも危険なことじゃなくて良かったー。」
チョコ発言をバカにされたと思い骸はアスナ達を睨みつける。上からアスナ、ユウキ、サチ、フィリア、キャロ、アヤ、アネット、シリカが発言をする。
「クフフ そうですか。物足りないですか。ならこんな展開はどうですか?」
骸は笑いながらいつの間にか持っていた三叉槍の持ち手部分で地面をトンッと叩く。すると骸とユイが霧に包まれた。
「クハハハハ どうですか!!素敵でしょう!試験を達成できなかったらこの少女の髪型をこれで固定させます!!」
「パパ・・・ママ・・・助けて・・・」
「イヤァァァァァァ」
「ダメよ。そんなのダメよ。」
「恐ろしいのですよ〜」
霧が晴れると、ユイは骸と同じ髪型にされており、骸は片手にスプレーを持ち髪型が固定されるように吹きかけていた。ユイは身動きができないながらも涙目になりながらツナ達に助けを求める。
その光景を見たサチは悲鳴をあげて、アスナ達もショックを隠せずにいた。
「最近凪がこの髪型にするのを嫌がりましてね。この少女をいまから英才教育してあげますよ。」
没ネタ終了です。