サチの加入から3カ月ほど経過し、サチのレベルはギルド内でも上の方に位置していた。
また攻略も再開し、現在では60層まで到達している。
そんな中、アルゴからツナとアスナにメッセージが届く。
「アルゴから?」
「えーっと、中堅層でレッドプレイヤーの被害がひどいから攻略ギルドが討伐隊を組むことにした。ここで根絶やしにしとかないと、更に被害が出てきてしまうためボンゴレも協力することはできないだろうか? どうするツナ?」
アスナは他のメンバーにも聞こえる様にアルゴからのメッセージを読み聞かせる。
ボンゴレでもレッドギルドの存在を把握していたので、各々深刻な顔をする。
「そろそろ、攻略ギルドとの交流も必要な気がするし、ボンゴレとして参戦する!乱戦になり人を殺してしまうことになるかもしれない!覚悟があるメンバーだけで参加したい。」
ツナは悲しい顔をしながら、ボンゴレも参加する旨をメンバーに宣言する。本来であれば、自分一人でカチコミをかましても良かったのだが、超直感が否定してきたために、メンバーも連れて行くことにした。
選抜されたメンバーは
アスナ・ユウキ・キズメル・フィリア・アヤ・フラム・ミリシオン・フルール
上記にツナを加えた9人(メンバーのレベル、ツナは150、アスナ・ユウキは145、キズメルは140、他の5人は120)はアルゴと合流するために、討伐隊が打ち合わせをしている血盟騎士団のギルドホームがある40層に来ていた。
残ったメンバーには討伐隊を組織している間は22層からは出ない様に注意し、街に行くにも四人以上での行動を徹底するようにした。残ったメンバーもレベルは100を超えているため大丈夫だとは思うが念には念を入れていた。
「こっちダヨ!」
転移門で転移し、アルゴから指定されたレストランに入る9人。その間にもツナを含めた全員が容姿端麗であることもあり、すれ違うプレイヤーからの好奇の視線が向けられていた。
このレストランには個室があるらしく、アルゴと合流すると個室に案内される。
「ツーくん、あーちゃん。今回は俺っちの我儘につきあってもらって申し訳ない。みんなもありがとう。」
「いや、アルゴが悪いわけではないよ。」
「もっと早めに対処するべきだったのよね。」
「ボクも許せないから。」
「この事態に錯乱を起こすバカがいるのは人族も変わらないとはな。」
「私も仲間に被害がでる前になんとかしたいし。トレジャーハンターとしてはあいつら許せないのよね。」
「悪は根絶やしにするわよ!」
「幼い組に負担をかけられないからね。」
「悲鳴をあげさせて更生させますね。」
「私の騎士道に反してますので。気にしないでください。」
アルゴはメンバーに謝罪をし、現状を説明した。レッドギルド最強のラフコフの拠点がわかったらしく、いまは突撃する日時を決めているところだという。
「じゃあ討伐隊のいる場所に案内するヨ。」
40層の血盟騎士団ギルドホーム
「さて、みんなに集まってもらったのはラフコフの拠点がわかったからだ。」
血盟騎士団の団長であるヒースクリフが代表して話を進めて行く。しかし
「ちょお待ってんか、ヒースクリフはん。」
サボテン頭の男が口を挟みツナ達を指差し
「そん前にこいつだけは言わしてもらわんと、こいつらとは仲間ごっこはでけへんな。あんさんらがボンゴレで間違い無いんやな?」
サボテン頭の横にいる男と一緒に睨みつけながら言ってきた。
「俺がボンゴレのリーダーでツナだけど、そちらは?」
キズメルを筆頭に何人かが男達に殺気をぶつけるが、ツナは片手を上げて制し、自己紹介を始める。
「わいはアインクラッド解放軍のキバオウってもんや。横にいるのはリンド。あんたらにはワビぃ入れてもらわんと気が済まないんや!!」
「ワビ?誰にだい?」
ヒースクリフは呆れた表情でキバオウを見ながら質問をする。
「ディアベルはんに決まっとるやないかい!!あんさんらが無茶苦茶な攻略スピードで駆け進むせいでディアベルはんはディアベルはんはな!!」
泣き崩れるキバオウとリンド。ツナ達は無理をして高層に上がり死んでしまった仲間のことを言っていると考えたが、
「ちょっと待った!俺は昨日エギル、ディアベルと三人で飲んでたぞ?」
バンダナをした男。風林火山のリーダーであるクラインが話を遮る。
「ディアベルはんが飲兵衛の引き籠りになったんはあんさんらが役目を奪ったからや!!」
「追い出したまえ。」
キバオウとリンドが武器を構えて立ち上がるとヒースクリフが血盟騎士団のメンバーに指示を出し、部屋から退出させる。
「ボンゴレの諸君。すまなかったね。我々は君達との交流を望んでいる。」
「いえ、こちらこそよろしくお願いします。」
ヒースクリフは代表して謝罪し、握手を求めてくる。ツナは苦笑いを浮かべながら握手に応じた。他のボンゴレメンバーは馬鹿げた主張に呆気に取られてしまい固まったままだ。
その後はラフコフに関する情報交換を行い。決行は今夜、確実に拘束ないし始末しなければいけないのはリーダー『PoH』、幹部プレイヤーの『赤目のザザ』、『ジョニー・ブラック』の三名ということがわかった。
「ところでヒースクリフさんの後ろにいる方は?」
「ん?血盟騎士団副団長のクラディールくんだ。」
「初めまして、クラディールといいます。」
クラディールはツナに握手を求めて手を差し伸べる。ツナも握手に応じようと手を伸ばし
ガッ
クラディールの手首を掴み捻り上げて地面に身体を叩きつけた。
「ツナくん!?なにを?」
「ヒースクリフさん。ギルドへの加入条件は厳しくした方がいいですよ?」
「お前!こんなことをしていいと思っているのか!!」
「キズメル。手袋を外して。」
クラディールは必死に抵抗したがツナから逃れる事が出来ずに、手袋の装備を解除されてしまう。
手袋の下にはラフコフの証であるマークが刻まれていた。
「おいおい!マジかよ!」
「クソが!!」
「牢に投獄して情報を吐かせるんだ!!」
クラインが驚き立ち上がる。他の参加者も同様に驚いているが、ヒースクリフの一言でクラディールを連行し情報を吐かせることにした。
「先ほどに引き続きすまなかった。だがクラディールくんがスパイだとどうしてわかったのだね?」
「勘です。」
「勘だと・・・フフフ アハハハハ」
ヒースクリフは次々に出てくる不手際に頭を下げて謝罪し、ツナにわかった理由を聞くが、勘という返答を聞き吹き出してしまう。このまま討伐は予定通り決行するが、情報が漏れていることを考えて二重に作戦が考えられた。
ヒースクリフはツナと二人で話をしたいと言い、ツナだけ会議室に残ってもらった。
「相変わらずだね君は。私の正体にも気づいているんだろう?」
「お久しぶりです。茅場さん。」
ヒースクリフはいつもとは違う優しい顔付きでツナを見て語りかける。ツナもニッコリと笑いながら頭を下げた。
本編では語るつもりがない補足説明
ヒースクリフは某暗殺部隊副隊長並みの不憫枠にいます。アスナが副団長にいたからこそのギルドだと思うため、この話ではヒースクリフが表立って攻略を進めていますが、ギルドに誘ったプレイヤーからは断られたりと(ボンゴレメンバーに声をかけることが多いため)成果が出ていない。
ボンゴレのメンバーがツナとヒースクリフの二人っきりを許したのは、ツナから事前にヒースクリフと二人だけで話がしたいと頼まれていたからです。
ツナと離れたボンゴレメンバーをクラインが食事に誘うが、虫を見るような目で一蹴されたため、泣きながらギルドメンバーに連れられて帰っていった。
エギルはギルドには加入していないため会議には不参加。討伐隊には参加しています。
第2層にいた詐欺集団?鍛冶屋としての信用がなくなり途中で勝手に消えて行きました。
ディアベルについて
第2層からレベルはそのまま。攻略に対してモチベーションはすでにない。第1層に拠点を構えてギルドホームで酒を飲むだけの日々を過ごしている。心配するクラインとエギルにより連れ出される事が多い。
アインクラッド解放軍
ディアベルをリーダーにはしているが、運営しているのはキバオウとリンド。原作では巨大ギルドであったが、ディアベルのカリスマもなくキバオウとリンドが常に対立しているため評判が悪い。メンバーも血盟騎士団やソロプレイヤーに流れており、後は衰退を待つだけの状態。