FAIRY TAIL 守る者   作:Zelf

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第50話  手をつなごう

「こ、この音…!」

 

 さっきの地鳴りのような音も、アイツの叫び声か…!なんで忘れていたんだ。完全に、マスター・ハデスとの戦闘後で安心してしまっていた。

 

 とにかく、もうベースキャンプは目の前だ。早く、皆と合流することが先だ。

 

 木々の間をすり抜けるように走る。少しすると、皆が見えてきた。それに違う方向からナツさんにルーシィさん、ハッピー、カナさん、ギルダーツさんもむかって来ているのが見える。

 

「皆!」

 

「ゴーシュ!」

 

「さっきの…!」

 

「分からないのよ…地鳴りかと思ったんだけど」

 

「おーい!!」

 

「お前ら!」

 

 僕のすぐ後に、ナツさん達も到着する。ギルダーツさんが途中で、左肩を押さえるようにして立ち止まる。その顔に…汗をかいているのが分かった。

 

 

 

「ちょっと、大丈夫?」

 

 

 

「古傷が疼いてきやがった…間違いねぇ。奴だ…奴が来るぞ」

 

 

 

「おい、上を見ろ!何か来るぞ!」

 

 

 

「…!!」

 

 

 

「ナツ、どうしたのさ…って、うわ!?」

 

 

 

 リリーの声に反応して、僕らは全員空を見上げる。ナツさんは何かに気づき、ハッピーもそのすぐ後にそれ(・・)に気がついた。

 

 

 

 天狼島、遙か上空。雲の隙間から、徐々にこちらに降下してきている巨大な影。

 

 

 

「何だ、あれ…!?」

 

 

 

 今ここにいる誰もが思っただろう。

 

 

 

「でけぇぞ…」

 

 

 

 巨大な翼。凶悪な爪。

 

 

 

「…これは」

 

 

 

 その姿はまるで。

 

 

 

「ドラゴン!?」

 

 

 

 あれが、そうなのか。

 

 

 

「なんなの…一体」

 

 

 

 僕らが…戦うことになるだろう、真っ黒な竜――アクノロギア。

 

 

 

「マジかよ…」

 

 ガジルさんは、驚愕に目を見開き。

 

「本物のドラゴン…」

 

ウェンディは、得体の知れない物を見るかのような、恐怖の混じった表情をしている。

 

「やっぱり……ドラゴンはまだ、生きていたんだ…」

 

 ナツさんは、ようやくドラゴンに会うことが出来たのに…冷や汗をかいている。

 

「黙示録にある黒き竜…アクノロギアだというのか!?」

 

 マスターとエルザさん、そして僕とはすれ違いになったのか、ラクサスさんも一緒に戻ってきた。マスターの声に反応したのは、ギルダーツさんだった。

 

「ああ…奴だ」

 

「いたんだ、本物のドラゴン…」

 

「お前、イグニールが何処にいるか知っているか!?あと、グランディーネとメタリカーナも――」

 

「よせ、ナツ!!」

 

 アクノロギアに話しかけるナツさんを、ギルダーツさんは正面に立ち言葉を遮った。いつものあの余裕は、今はどこにも感じられない。

 

「奴を挑発するな……お前には話したはずだ。なぜ俺がこの腕、いや…この体になったのか!」

 

 ナツさんはギルダーツさんの左の義手を見て、黙り込んでしまった。アクノロギアは少しずつこちらに近づき、体勢を整え始めた。

 

 

 

「降りてくるぞ!」

 

 

 

「あれは、ナツ達の大好きな竜じゃない!もっと邪悪な…ぐっ!」

 

 

 

 アクノロギアがすぐ近くに着地したことにより、その巨体から起こった風圧に僕らは襲われ、よろめきそうになるのを堪える。

 

 

 

「ああ、そうさ…こいつは人類の敵だ!!」

 

 

 

「じゃあ、こいつと戦うのか!」

 

 

 

「いや、違う!!そうじゃねぇんだよ、ナツ…勝つか負けるかじゃねぇ……こいつからどうやって逃げるか、いや、俺たちの内、誰が生き残れるかって話なんだよ!

 

 

 

「こんな奴に……俺たちの誰かがやられるって言うのかよ!!」

 

 

 

 アクノロギアが、咆哮する。ただの声だと分かっている、はずなのに。体は、恐怖を感じてしまっていた。

 

 

 

「まずい…!皆、逃げろーーっ!!」

 

 

 

「…!!」

 

 

 

 ギルダーツさんの叫びで、ようやく体が動かせるようになった…が。

 

 

 

「――――――――――――――っ!!!!!」

 

 

 

 アクノロギアから、先程の風圧と比べものにならない風圧。それが、咆哮と共に僕らを襲う。僕は咄嗟に、すぐ近くにいたウェンディとシャルルを庇うように動く。しかしそれも虚しく…後方へと、まとめて吹き飛ばされた。

 

「お、おい…何だこりゃ。森が……消し飛んでやがんじゃねぇか…」

 

「嘘だろ…」

 

「なんて破壊力なの…」

 

「何なのよこれ…吠えただけでこんな…何なのよこいつ!」

 

「奴は…チッ。高見の見物かよ」

 

 どうやら、皆無事のようだけど…周囲の木が無くなっている。何もない、殺風景な場所。ここが本当にさっきまで僕らのベースキャンプがあった場所なのか。別の場所に吹き飛ばされたと言われた方が納得出来そうだった。

 

「皆!!まだ生きてるな!?ビビってる暇はねぇぞ!!すぐにこの島から離れるんだ!!」

 

「ウ、ウェンディ…立てそう?」

 

「ゴーシュ…大丈夫、だよ…!」

 

 庇うことが出来たのか分からないけど、どうやらウェンディ達は大丈夫そうだ。僕は…うん、問題ない。ちゃんと動ける。

 

『ゴーシュ!僕らも――』

 

「駄目だ!!」

 

『なんで!?このままじゃ…』

 

「今の君たちは消耗してるんだ…そんな状態で、今出てきたら…消滅してしまう。だから、出てきちゃ駄目だ…!」

 

見ていられなくなったのか、ドルモンやプロットモンが話しかけてきた。パタモンは状況を理解しているのか、何も言わずに静観している。そうだ、それでいい…このまま、出てこないでくれ。

 

 空中にいたアクノロギアが、また咆哮を上げながらこちらへと降下してくる。急いで森の中を駆け抜け、船を目指す。

 

「来るぞーーっ!!」

 

「走れーっ!!皆で帰るんだ…妖精の尻尾(フェアリーテイル)へ!!」

 

「…ウェンディ!あんた竜と話せるんじゃなかった!?何とかならないの!?」

 

「私が話せるんじゃないよ!竜は皆高い知性を持ってる!」

 

「あれに…知性なんてなさそうだけど――!!」

 

 アクノロギアは何度か咆哮を上げながら飛び上がる。低い位置を滑空して僕らの向かう先へと回り込んで行く手を阻んだ。先頭を走っているのは…

 

「―――――――っ!!!」

 

「ぐあっ!」

 

「ぐっ!」

 

「なんてことだ…」

 

「フリード、ビッグスロー!!」

 

「先回りだと…!?」

 

 二人はアクノロギアの攻撃を何とか回避したようだけど…当然だが、アイツの飛行速度の方が速い。このままじゃ、全員。

 

「どうして…!どうしてこんなこと!!答えて!!」

 

 それでも、アクノロギアは何も話さない。何も言わず、ただ攻撃を繰り返す。

 

「…防御結界(ディフェンド)(ウォール)!!」

 

 結界を使い、防ごうとするが。

 

「ぐあっ!?」

 

「ゴーシュっ…きゃっ!!」

 

「くっ…しっかりしろ!」

 

 ただの腕の一振りで容易く破壊され、僕は殴り飛ばされる。ウェンディが受け止めようとするが一緒に飛ばされることになり、ラクサスさんが受け止めてくれた。

 

「ぐっ!」

 

「エルフマン!!」

 

「よせ、エバっ!」

 

「エバ…すまねぇ……っ!」

 

 尻尾の一振りに弾き飛ばされたエルフマンさんをエバーグリーンさんが空中で受け止める。しかし、容赦ない腕の一振りが二人を襲った。

 

「やだ……やだよ、こんなの…!」

 

「うおおおおっ!!」

 

 ナツさんも、果敢に攻め込むが…アクノロギアは、何の反応も示さない。そしてそのまま、ナツさんも殴り飛ばし、ナツさんはゴロゴロと地面を転がっていく。

 

「お前っ……!じっちゃん!!」

 

 

 

 ようやく転がる勢いが止まり、ナツさんはアクノロギアに何か言おうとしたようだが、魔力を高めているマスターがそれを制止する。マスターは着ていたアロハシャツを脱ぎ捨て、徐々に巨大化していく。

 

 

 

「船まで走れ!!」

 

 

 

 アクノロギアと同等…とまではいかないが、かなりの大きさまで巨人化したマスターは、真正面から抑え込む。しかし、マスターは手負い…アクノロギアに押され始めている。

 

 

 

「無茶だ…敵うわけねぇ…!」

 

「マスター、止めて下さい!!貴方に何かあったら、ギルドは…!!」

 

 

 

「走れーーーーーーーーっ!!!」

 

 

 

マスターはそれでも、意地で抑え続ける。

 

 

 

「…………」

 

「かくなる上は、俺たちも…!」

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)を舐めるんじゃねぇぞ!」

 

「当たって砕けてやるわ!」

 

「おうよ!!」

 

 皆が、まだ諦めないと、その闘志を燃やし次々と立ち上がる。しかし、それは他ならぬマスターによって制止された。

 

 

 

「最期ぐらいマスターの言うことが聞けんのか、クソガキがーーーっ!!!」

 

 

 

「最期って……」

 

 

 

「っ!!…………くっ!」

 

 

 

「俺は滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)だ!!そいつが敵っていうなら、俺が!!」

 

「走るぞ、ナツ!!」

 

「っラクサス!?お前っ……!!」

 

 ラクサスさんがナツさんを掴み、撤退する。何かがラクサスさんの目の辺りで一瞬、光を反射したように見えた。

 

「マスター………どうか、ご無事で」

 

 皆、次々と撤退を始める。全員が、涙を浮かべながら。

 

 ただ、がむしゃらに…………走り続けた。

 

 

 

 遠くに見える…まだ、マスターは戦っている。必死に走ったつもりだったけど、そこまで距離は離れていない…きっと、全員が心から望んでいないからだ。自分たちの“親”を、誰が心から見殺しにしたいと思うもんか。無力な自分が、更に憎く思える。

 

「………くっそーっ!!」

 

「なっ…おい、ナツ!!」

 

 その時だった。ナツさんがラクサスさんの手から逃れ、マスターの元へと駆け出した。しかし、そのすぐ後ろにいた人物に止められる。

 

「待て、ナツ!!」

 

「ギルダーツ……」

 

「マスターの遺志を無駄にするんじゃねぇ…」

 

「ジジイの覚悟が分からねぇわけじゃねぇだろ…ギルドに、帰るんだ」

 

 ギルダーツさんやラクサスさんの言っていることは正しい…正しい、はずなんだ。けれど、この胸の痛みに、僕は…覚えがある。

 

「ギルダーツ、ラクサス、皆…これじゃ、駄目だろ」

 

「ナツ……」

 

「皆で、ギルドに帰るんだ……じっちゃんだけ、残して行けるわけねぇだろ!!」

 

「……」

 

「おい、待てよナツ!」

 

「待て、お前たち!!」

 

「…お前ら!!これは勝ち目のねぇ戦争だ!死にに行く覚悟があるか!!」

 

 ナツさんが結局飛び出していって、その後にグレイさんやエルザさんが続こうとする。その時、ギルダーツさんがそう叫び、皆のことを見る。その時、僕はあの時のことを思い出していた………化け猫の宿(ケットシェルター)の皆との別れの時を。

 

 マスターを…家族を失うのなんて、もう嫌だ。ギルドの誰かを、失う辛さを…このギルドの皆には、味わってほしくないんだ…!

 

「…ウェンディ」

 

「ゴーシュ…?」

 

「もう、あの悲しみを…味わいたく、ないよね」

 

「………っ、うん…!もう、あんなの…嫌だよ」

 

 ウェンディの答えがそういう意味(・・・・・・)だということを理解して、笑った。恐怖はまだある。けれど…これ以上、誰も悲しませたりさせちゃいけないという思いが、それを上回った。

 

「行きましょう!!」

 

「ゴーシュ…」

 

「皆で、帰りましょう。あんな奴に、家族の時間を邪魔されてたまるもんか……!!」

 

「…ああ!!」

 

「うん!!」

 

「ギヒッ…!!」

 

「漢ーーっ!!!」

 

 結局、こうなるんだ。このギルドは、仲間の…家族の為なら何だろうと敵に回す。それがどれだけ絶望的に力の差が開いた相手だろうと、関係ない。それが…妖精の尻尾(フェアリーテイル)なんだ…!!

 

 

 

 巨人化したマスターを押し倒し、今にもトドメを刺そうとするアクノロギアが見える。そこに一番最初にたどり着いたナツさんは、アクノロギアの攻撃を掻い潜り、アクノロギアの体にしがみつく。アクノロギアはそれを鬱陶しく思ったのか、ナツさんを振り払おうと腕を動かし、マスターはその腕に弾き飛ばされる。マスターも限界だったのか、巨人化が解けてしまった。

 

 マスターを守る為、ラクサスさんとエルザさんが庇うように立ちはだかる。

 

「エルザ…お前まで」

 

「俺は反対したんだぜ。けどよ…老いぼれを残して逃げられるような奴らかよ、あんたのギルドは」

 

「かかれーっ!!」

 

 全員が、アクノロギアに魔法を放つ。

 

「……馬鹿たれが…!」

 

「うおおおおっ!!テメェら!!ありったけの力を、これ以上はねぇってやつをぶっ放せ!!俺の電撃と合わせてアイツにお見舞いしてやれ!!妖精の尻尾(フェアリーテイル)の底力ってやつを!!!」

 

「ラクサス…!」

 

「おい、ナツ!!上手く避けろよ!!」

 

「ちょ、ちょ、ちょっと待て!」

 

「ラクサス、今だ!」

 

「うぉいっ!?」

 

 まだアクノロギアに張り付いているナツさんだけど…多分大丈夫。ハッピーが向かってるみたいだし。二人もそれを分かって言っているんだろう…と、思う。とにかく、全力で攻撃だ!

 

「レイジングボルトーーっ!!」

 

「天輪・繚乱の剣(ブルーメンブラット)!!」

 

「スーパーフリーズアロー!!」

 

水流昇霞(ウォーターネブラ)!!」

 

立体文字(ソリッドスクリプト)・ファイア!!」

 

「サジタリウス、今よ!!」

 

「イビルエクスプロージョン!!」

 

「久々の、雷神衆揃い踏み!!」

 

「派手にかますぜ!!」

 

「てやぁっ!!」

 

水晶結界(クリスタル)(レイ)!!」

 

「メタルキャノン!!」

 

「エアショット!!」

 

「パピーハウリング!!」

 

「…っておい!?」

 

 全員が全力攻撃を放つ際、一瞬だけドルモン達が出てきて必殺技を放ち、すぐにデジヴァイスへ戻っていった。

 

「出てきちゃ駄目って…」

 

『俺たちだって、もう仲間なんでしょ?』

 

『見てるだけなんて、出来ないもん!』

 

『一瞬だけだから許して~』

 

「……分かったよ。ありがとう」

 

 多分誰も見てない…と思うけど。ドルモン達も仲間として戦おうとしてくれたんだ、あまり怒らないでおこう。

 

 

 

 全員の魔法が合わさって、アクノロギアに直撃する。凄まじい一撃ではあるけれど…アクノロギアは、ビクともしていない。少し痛がるような反応をしたように思えるけど…ダメージは全然負っていなかった。

 

 

 

「…化け物め!俺たちのありったけを受けてまだ笑ってやがる。最後はお前らで決めろ!!行けーっ、ナツーっ!!!」

 

 

 

 ガジルさんとリリーが、ウェンディとシャルルが、ナツさんとハッピーがアクノロギアに接近する。

 

 

 

「ラクサスの野郎、後でぶっ飛ばす…」

 

 

 

「はいはい、後でね」

 

 

 

 すぐ目の前まで接近した三人は、攻撃態勢に入った。きっと、エドラスの時にやった合わせ技。

 

 

 

「鉄竜の咆哮!!」

 

 

 

「天竜の咆哮!!」

 

 

 

「火竜の…咆哮!!!」

 

 

 

 三人の咆哮が合わさり、アクノロギアはその威力に耐えきれず後ろの岩壁に叩きつけられた。そのまま勢いは止まらず、岩壁を破壊し海へと落ちた。

 

「やったか…?」

 

「違う!!」

 

「ギルダーツ!?」

 

「奴は、俺と戦った時の力を出してねぇ…遊んでやがるんだ」

 

「なっ…!?」

 

 アクノロギアはギルダーツさんの言葉を肯定するかのように、海から勢いよく飛び出て空へと上がっていく。

 

「上昇したぞ!」

 

「くそ、アイツピンピンしてやがる!!」

 

「あの野郎…」

 

「精一杯だったのに…滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)三人分の力を、ギルドの皆の力を結集したのに……!!」

 

「チックショウ!!俺は何の為に、滅竜魔法を覚えたんだよ…!!」

 

「アイツ、何をする気だ…?」

 

「帰ってくれるのかな…」

 

「油断しちゃ駄目よ…!」

 

 アクノロギアは空中で体勢を整え、大きく息を吸い込んでいる。口の奥に、魔力が集まっているのが分かる。それはつまり、さっきナツさん達が放った技と同じもの。

 

 

 

「ブレスだーっ!!」

 

 

 

「島ごと消すつもりじゃないでしょうね!?」

 

 

 

「マジ…!?」

 

 

 

「そんな…!」

 

 

 

「もう……どうしようもないのかな………?私達、皆ここで終わりになっちゃうの…?」

 

 

 

 …させない。絶対諦めない。

 

 

 

「防御魔法を使える者は、全力展開!!」

 

 

 

「…僕が、全力で結界を張ります」

 

 

 

「文字の魔法にも、防御魔法は沢山ある!ゴーシュのサポートするよ!!」

 

 

 

「皆、ゴーシュ達に魔力を集めて!!」

 

 

 

「手をつなごう」

 

 

 

 ナツさんが、泣きじゃくるルーシィさんに手を伸ばす。

 

 

 

「俺たちは、こんな所で終わらねぇ!」

 

 

 

「……うんっ!絶対、諦めない!!」

 

 

 

「皆の力を一つにするんだ!!ギルドの絆を見せてやろうじゃねぇか!!」

 

 

 

 全員が手をつなぎ、輪になる。皆の魔力が、思いが、僕へと流れ込んでいる。必ず、戻ってみせる。ギルドの家族達が待つ、あの場所へ。

 

 

 

「そうじゃ………皆で帰ろう」

 

 

 

――――妖精の尻尾(フェアリーテイル)へ!!

 

 

 

 

 

 

 X784年。12月16日。天狼島。

 

 

 

 

 

 

こうして、一つの時代が終わり――――

 

 

 

 

 

 

 ――――新たな時代が、幕を開ける。

 

 

 




やっぱり人が多いと描写がしづらく感じます。

次回からようやく七年後です。感想でも何度か来てましたが、ちゃんとドルモン達以外のデジモンは七年後でも生きてます。設定を披露する機会があると思うので、かなり先の話ですが気長に待っていて頂きたいです。


そして、区切りがいいので今までゴーシュが使用した結界魔法一覧を下に書いておきます。大魔闘演武前の修行期間に改善、改良した結界を開発するのでもう覚える必要がない物もいくつかあるかと…見る必要が無いと思ったら無視で大丈夫です。



○結界魔法(バリアー)
2年かけて習得した空間能力系魔法。初めは魔力を何となく程度にしか感じることができなかったが、ウェンディを守る為に防御の力を求めてマスター・ローバウルに教わった。結界をその空間に作り出すことができる。結界には様々な能力を付与することができる。

・防御結界(ディフェンド):青緑色の結界。形状は様々で自分や対象を守る。相手を攻撃する時にも使用。一定以上の広範囲は守ることができない。魔力量によって大きさ、距離、出現時間が変化する。立方(スクエア)、柱(トーテム)、匣(ボックス)、円蓋(ドーム)、壁(ウォール)、球(スフィア)がある。

派生技
柱百烈拳(ハンドレッド・トーティスト):柱を大量に作り出し、一気に相手へと突き刺す。
大黒柱拳(マックス・トーティスト):巨大な柱を形成して突き刺す。
柱百花槍(ブルーム・トーティスト):相手の周囲に配置した大量の柱を一斉に突き刺す。

・聖結界(ホーリー):聖属性の結界。黄緑色で半球状。状態異常を回復、軽減する。防御力は皆無。〇姫の双天帰盾を参考。

・弾性結界(バウンド):弾力のある結界。オレンジ色で形状は様々。衝撃を緩和させたり大ジャンプができる。相手を攻撃する時にも使用。空中に固定することもできるので、空中で足場として出すこともできる。

・譲渡結界(ランブル):自分の魔力を相手に渡すための結界。飴玉ほどの大きさにして食べることで魔力を渡すことができるようになる。ゴーシュの10分の1の魔力で、食べた者は自然回復も早くなる。某海賊団の船医のアイテムを参考にしてるけど大きさは普通の飴玉。

・浮遊結界(バルーン):浮かび上がる結界。黄色で細長い球体で使用。自分や仲間を運ぶ時に使用。耐久度は風船と同じくらい。

・索敵結界(サーチ):透明な結界。距離が遠くなるほど込める魔力が多くなり範囲に入った者に気づかれやすくなる。最初は10mだけだが7年後には50mまで伸ばすことができる。念〇力の円を参考。

・反射結界(リフレクション):魔法を反射させる赤紫色の半球状の結界。相手を閉じ込めたり攻撃を弾ける。一方通行で片側のみに発揮され、もう片側からの攻撃などは通り抜ける。他の結界よりも魔力消費が大きい。

・制限結界(リミット):紫色の、術式の文字が書かれている結界。結界内で設定した魔法を封じる。空間内にいる誰かの魔法を条件として発動する。ゴーシュが自分に設定して使った場合は空間系の魔法が使用できない。設定する魔法はこの結界の範囲30m内にいる者の使用した魔法でなければならない。一方的に相手の魔法を封じることはできない。つまりこの結界を使用した状態で相手が何か魔法を使うまではゴーシュ自身の魔法しか設定することができない。

・水晶結界(クリスタル):水色の水晶の形をした攻撃用の結界。大きさを変えることができて相手に向かって矢(アロー)で飛ばしたり地面から出現させたり、鎧として外装(アームド)させることで身体能力を上昇させることで近接戦闘も多少だが可能となった。光(レイ)で魔力収束砲を発射できる。

柱百烈拳とか制限結界は読者の方から頂いたアイディアを参考にしています。これからも思いついたオリ魔法を感想等で書いて頂ければそれを参考にした魔法が登場するかもしれません。オリ魔法だけでなく、デジモンの方もまだ誰を出すかボンヤリとしか決まっていませんので、そちらもぜひ感想や活動報告やメッセージ等でお待ちしています(^^)

これからも、この作品をよろしくお願い致します。




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