『TDD-1建造』相良宗介、軍曹から提督へ 作:ローファイト
飛ばしても全然問題有りません。(ギャグ要素が高いのでギャグ嫌いな方は飛ばし推奨)
3話短い話が入ってますが。1話目と2・3話目は全くの無関係です。
2と3話は連動しております。
番外ifその1
1話から『妖精さんとファーストコンタクト……そして…』
宗介とアルはメリダ島ごと平行世界に飛ばされたとはまだ思ってもみなかった時期。
アルはメリダ島のライフライン復旧に、宗介は島内の生き残り捜索及び状況調査を行い、初めて妖精達と出会った時の事である。
宗介は基地内のメイン電源ルームに立ち寄ると、半径50㎝、高さ2m程の不可思議な光の柱が地面から立ち上っていた。
宗介は警戒しながらもその光の柱に近づくと、中から人影が現れる。
しかし、驚くことにその人影は明らかに人ではない存在だった。
それは辛うじて人の形はしているが身長40センチ程で体のバランスは2頭身、ヌイグルミの様な愛らしい姿をしていた。
宗介は警戒をしながらも、この生命体とコンタクトを取る。
彼女はこの世界でいう妖精という存在だった。
理性では警戒を解くことが出来ようも無かったが、宗介の勘では、彼女らが危険な存在ではないと訴えていた。
最初にコンタクトを取った妖精としばらく、情報交換をしていたが、その内に、光の柱から次々と妖精が現れたのだ。
最初の妖精曰く、宗介がここの提督であると認識されたため、妖精が送り込まれたとの事だ。驚くことに、50人現れる予定だという事だ。
宗介は警戒しつつも、光の柱から次々と現れる妖精の光景を唖然としてみることしかできないでいた。
そこで分かった事は、現れる妖精すべてが若い女性の格好をしており、それぞれ愛嬌のある顔をし、髪型や服装なども皆違っていた。妖精とはそもそも女性しかいない種族なのかもしれないと宗介は考えを巡らせていた。
そして、彼女らは一人ずつ、光の柱から現れ、トコトコと歩き最初の妖精の後ろに集まる。47人…48人…49人………そして最後。
…………
ポムポムポム
大きなつぶらな瞳に大きな丸い耳、そしてネズミだかイヌなのか分からない格好の寸胴シルエット、体は茶色に薄茶色のブチが入り、何故だか頭には緑色の帽子をかぶっている。体型こそ他の妖精と同じ2頭身だが………明らかに他の妖精とは違う。いや、そもそも人の体をなしていない。
「なっ!!!!」
宗介はそんなわけが分からない生物を目の当たりにし、今日一番の驚きの表情をする。
その生物は、ポムポムと歩き、驚愕の表情で打ち震えている宗介に近づき見上げ、その短い腕を上げて挨拶をする。
「ふもっふ!」
「ボ……ボン太くんだとーーーーーーー!!」
番外ifその2
4話から『新艤装完成!!』
艤装を失った清霜に、メリダ島で開発した新艤装を本人に渡す。そして、メリダ島初の艦娘顕現(建造)を行ったが、120時間と言う膨大な時間が表示され、誰もが失敗したのではないかと思っていた。
そんな日の夜更け、開発担当妖精、中尉に宗介は呼ばれていた。
「なにか問題でもあったのか中尉?休むことも大切だ」
「まあまあ~、そんな事よりもこっち来てあれを見てよ~」
「ん?なんだ?」
「清霜の艤装とか作っていたら何故か閃いちゃってさーー提督用の新艤装!?」
「俺は艦娘ではないのだが」
「いいからいいから、こっちこっち~」
中尉はそう言って宗介を開発室の奥に向かわせると、円台の上に青いビニールシートがかぶされている2m程の何かがあった。
「ジャーン」
そう言って、ビニールシートを外すと同時にその物体にスポットライトが照らせれる。
「なっ!!!!」
大きなつぶらな瞳に大きな丸い耳、そしてネズミだかイヌなのか分からない格好のシルエット、体は茶色に薄茶色のブチが入り、何故だか頭には緑色の帽子をかぶっている。体は2頭で触り心地のよさそうな毛並みをしており、帽子までの身長約2mどこかの遊園地のマスコット瓜二つの着ぐるみが立っていた。
「これがメリダ島の技術の粋を集めて開発した。提督戦用艤装、最終決戦艤装『ボン太くん』
!!すっごいよーーー!!」
「ボ……ボン太くんだと――――――!!」
「フフフフフっ、気に入ってくれたようだね。提督!ただ姿が素晴らしいだけじゃないんだ!!」
「提督がこれを装着(着る)事によって、高いパフォーマンスを発揮できる~。水上を大凡時速80㌔(40ノット)で走ることができるんだ。
この寸胴で丸みを帯びたボディで、なんと46㎝砲にも耐えうることが出来る!!体を覆っている茶色の毛は、耐熱機能だけでなく、もし転んでも沈まない様に浮力もあるんだ。
武装は艦娘用と同じ仕様だけど、提督が扱いやすい物を用意してるよ。
対深海棲艦用バズーカー、ショットガン、サブマシンガン。
C4に各種手榴弾。電磁警棒に特殊加工したハリセン。
これなら、違和感なく、艦娘達と一緒に戦えるよ~」
宗介は中尉に手を差し伸べる。
「中尉!素晴らしい物だ!!」
珍しく興奮気味だ。
「提督ならわかってくれると思ったよ~」
そうして宗介と中尉はガッシリ握手を交わすのだった。
番外ifその2-2
3話~5話『メリダ島に住まう謎の生命体』
艦娘用寮で皆で夕食を取っていた。
「みんな、家畜の確保はどうだったの?」
川内は清霜、朝霜、早霜に尋ねる。
清霜には日課として、逃げ出した家畜の確保を言い渡されており、ライフルと麻酔弾も用意されていた。それに、朝霜、早霜姉妹が一緒に参加していたのだ。
「うん、今日は、豚さんを1匹、ニワトリさんを3羽」
清霜は元気よく答える
「ふふん、あたいは豚を3匹だ!しかも黒い奴な!」
朝霜は自慢そうに答える。
「私は、鳥を4羽……何か不吉な数字ね」
早霜はニヤリとそう答えた。
「みんなやるわね。まだ、家畜はいそう?」
「「「…………」」」
川内のその問いに3人は考え込む様なしぐさをし黙り込む。
「どうしたの?」
「川内姉、あたい見たんだよ……」
「私も見た……」
朝霜と早霜がこんな事を言う。
「何を?」
「なんかでっかいネズミさん!!」
清霜は目をキラキラさせて言う。
「はあ?ネズミぐらいいるんじゃない?」
「2m位あって、立って歩いてた。あれはネズミじゃないわ。クマよ」
早霜は川内に説明する。
「早霜!クマじゃねーよ!!どう見てもイヌだろう!!」
朝霜は強く主張する。
「お姉ちゃん達!!あれはぜーーーったいネズミさんだって!!耳が丸くて大きかったもん!!」
「ネズミと犬は二足で走らないわ……クマよ」
「クマは立つこと出来るけどよ~、あんなに素早く走れないだろ!!」
「なら何なのかしら?」
早霜がそう言うと、朝霜と清霜も腕を組んで考え込む。
「ちょーーっとまった。あんたたち何の話をしているの?」
川内は3人姉妹の会話についていけてなかった。
「だから見たんだって、2mの立って走る茶色い犬を」
「クマよ」
「ネズミさんだって!」
「はあ?そんなもの存在するわけないじゃない?あんた達幻覚でも見たんじゃない?」
川内はそんな3人を呆れたような顔で見る。
「だってよー、ここメリダ島だぜ?機械の人だっているんだったら、立って走るデッカイイヌが居たっておかしくないんじゃね?」
朝霜が川内に拗ねたような口調でそう反論する。
それに残りの姉妹は頷きながらも、「クマよ」「ネズミちゃんだけどね」と付け加える。
「はいはい、わかったって、相良提督に聞いたら分かるんじゃない?」
川内は、そう言って隣のテーブルで神通の横で無表情の中でも嬉しそうにカレーを食べる宗介を指す。
朝霜達が立ち上がり宗介の前まで来る。
神通はそれを食事中にはしたないですよと諫めようとしたが、宗介がそれを制す。
「提督!!ジャングルのなかで、こーーーーーんなにでっかい茶色い可愛いネズミちゃんを見たの!!」
清霜は腕を大きく広げ回しながら、宗介にそんな事を言った。
「2mはあった。あれは顔のデッカイイヌだ!!」
「頭に緑の帽子を被っていたわ。あれはクマよ」
朝霜と早霜も続く。
神通がそれを横で聞いて
「朝霜ちゃん達、現実にそんな生物はいないわ。ましてこの規模の島に生息していると思えないわ。相良提督そうですよね」
神通は朝霜達にそう諭しながら宗介に確認を取る。
しかし……
「う…うむ」
何故か宗介は顔面中脂汗で一杯だ。
「えーーー、絶対居るって、今度とっ捕まえてやるよ!!そうすれば、川内姉も神通姉も信じてくれるだろ?」
朝霜がそう主張し、残りの二人も頷いていた。
「……ジャングルの生態系を崩すわけにも行かない。そのような生物に出くわしても、静観するように、……決してむやみに捕獲しようなどとは思わない事だ」
宗介は脂汗を流しながら諭すように言う。
「えーーー」
朝霜達は不満そうにする。
「みんな、まだ食事中ですよ。さあ、席にもどりましょう」
神通はそう言って、3人を元の席に戻す。
宗介は食事の後、基地に戻り、自室の隣にある同僚だったクルツ・ウエーバー軍曹の部屋をかちゃりと開ける。
するとそこには、2m位の犬なのかネズミなのかよくわからない茶色い着ぐるみが立っていた。
提督専用艤装、最終決戦艤装『ボン太くん』が。
「ふむ……しばらくはこれは使えないな。ほとほりが覚めた後は夜中に行わければならない…か………ネズミでも、犬でも、クマでもない……ボン太くんだ」
そう言って宗介は溜息を付きながら扉を閉めるのだった。
すみません。魔が差したという事でお許しを><
次回はちゃんと本編です。
艦娘増えます。
久々の建造も予定。