月明かりで出来たシルエット   作:有栖川アリス

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皆様、アリスです!今回も見て下さり、ありがとうございます!!
今回はお披露目会で初めて小町が登場します!是非最後までお付き合い下さい。


香由月小町は皆が二度見するほどの美少女だった

「それでは本日の主役、香由月小町の登場です。」アナウンスが終わり、ほんのわずかの時間ざわめきが消えた。サッと横の障子が開く。そこから一筋の光が差し込んできたと思うとクラクラするほど視界が明るくなった。そしてふわっと何かが前を通る。何枚も何枚も前を通っていく。それは桜の花びらだった。だんだん光が弱まっていく。そして完全に消えて皆が目を開けると、なんと前の幕の前に美しい着物に身を包み1人の少女が立っていた。足音一つたてず、横から移動していたのだ。そこも驚いたがそんなことは皆、どうでも良かった。だって小町はとても美しかった。透き通った新雪のように白い肌、サラサラとしたロングヘア、大きく潤いのある目、触るだけで壊れそうな華奢な体。完璧な美少女だった。もう光は消えているのに小町の周りだけ光っているように見えた。普段よく見るはずの桜の花びらもとても綺麗で何故か儚くも見えた。小町は長い指でマイクを受け取る。「皆様、本日はお忙しい中、私などのお披露目会にご参加頂き心より感謝申し上げます。これからどうぞ宜しくお願い致します。」決して大きいわけではないのによく通る声で律儀に挨拶をする小町に皆見とれていた。勿論、月も優も。ただ1人平然と小町の後ろに立っていたのは上杉天晴だけ。「皆様、是非この後も会をお楽しみください。」小町はそう言い終えると深く一礼し後ろにいた天晴の隣に立った。天晴は冷たい表情だったが、小町と並んでもおかしくないようなイケメンだった。

「あのさ、月。」「な~に?」「あの2人さ、どこかで見たことある気がするのって僕だけかな?」優は小声で月に言う。月は何かに気づいたようだ。「僕もそれは思ってたんだけど、学校でな~んか見たことある気がする~!まぁ勘違いだろうけどねっ♡あんな美少女いないよ~♡」そう言って月は小町を見る。だんだん月の頬が赤く染まり、今にでも爆発しそうなくらい真っ赤になる。「どうした月?もしかして小町さんの事好きになったの?」優は意地悪っぽく月に聞くが、月には聞こえていない。

ーかっ、可愛い…可愛すぎる。動作にも言葉にもどこか可愛げがある。こんな子初めてだ。ー

次の瞬間ボコッ。何かが殴られる音がした。優が月の頭を軽く殴ったのだ。「いったー!もう!」月はいつものように頬を膨らませる。だが、その頬は真っ赤なままだった。「もう帰るよ!今日も仕事だからね!はい、自分の物は自分で持って!」そう言いながら優は月を引っ張る。玄関の所まで行くとなんと小町が立っていた。優達が部屋を出る時はまだ居たのにいつの間にか追い越されていた。「えっ?!小町さん、どこから来ました?」

優は驚きを隠せない。「小町でいい。ほら、今日のみあげだ。ムーンとスノー(優)で食べてくれ。」そう言って小町は紙袋を渡した。「小町、誠にありがとうございいましたです。」今度は月が言う。「敬語じゃなくていいぞ。お前、仕事以外の時は敬語使えないんだろ。仕事の時は紳士だったからな。」「えっ、そんなことなんで知ってるの?僕、今日初めて会ったよね。」「さぁな。」素っ気ない返事がかえってきたがそんなことより月は小町と話が出来た事が嬉しかった。「あの、僕と友達になって下さい!」勇気を出して言う。「あぁ。仕事上の友達な。改めて私は香由月小町だ。宜しくな。」

この言葉は私に深く関わらないでという彼女の意志が

入ってると優は感じた。

ー彼女は何かある。悪でも善でも無いものがある。彼女とはどこかで会った気もする。とても身近な所で。ー

優の推測は当たっている。でもその何かが何なのかは天晴を除いて誰も知らない。

 




皆様、最後までありがとうございました!今回の話で小町の謎が深まったかと思います。これからどんどん晴らしていくのでご安心を!
次からは学校の事を書こうかなと思っています。また宜しくお願い致します❀.(*´▽`*)❀.

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