よし、バンバン組織編を出していくぜ!と意気込んでおります!
是非最後までお付き合い下さい!
「仁琴、黒蝶組から手紙きてたでー。」
天晴がそう言って仁琴に手紙を渡したのは盗んだ日から2日後の朝だった。
住所も招待も分からないので手紙はお披露目会の会場だった部屋の真ん中に置かれていたそうだ。
仁琴は手紙を受け取り、封筒を慎重に開けると、組長直筆の手紙が入っていた。あまりの長さに仁琴はだいぶ省略した内容を天晴に伝えた。
「『今回は悪かった。自分の管理不足だ。東洋の鶯を手に入れたい訳ではなく、アイツらは君達と戦いたかったようだ。本当に済まなかった。』と書かれている。」
仁琴はそう言って手紙を着物の懐に入れ、自室へ入った。
仁琴は盗聴器などの類のものがないか念入りに確認した後、パソコンを起動させて懐に入れた手紙からUSBメモリーを出して差し込んだ。手紙に同封されていたものだが、天晴には言っていない。
USBにはたくさんファイルがあったが、『㊙組織』というファイルに仁琴は目をつけた。きっとこのUSBは黒蝶組の持つ最大限の情報でお詫びだろう。
そのファイルを開くと、今までスクロールしていた仁琴の右手が止まった。その目は大きく見開かれており、ピンクオパールのような瞳が零れ落ちそうなくらいだった。
『アザゼルについて』
確かに1文目にこう書いてあったのだ。国内では一二を争う規模のヤクザ集団黒蝶組が国際的犯罪組織アザゼルを知らないことはないとは分かっていたが、何ページにも渡る資料を持っているとは夢にも思っていなかった。仁琴は持ち前の速読力で秒の速さで113ページにも渡る資料に目を通した。その中の殆どが仁琴の知っている情報だったが、2つだけ知らない情報があった。
『アザゼルのボスは下半身が不自由だ』
『ボスはペールアイリスの少女とその兄と、不老不死の聖水を探している』
この情報が正しいのかは分からないがもし仮にそうだとしたら仁琴はアザゼルより先に聖水を見つけなければいけない。多分その聖水は水色の小瓶に入っていていつも母が首から提げていたものだから。
「####、このお水は凄いお水なの。世界を壊そうとする悪い人達が狙ってるお水。お母さんの次は貴女がこの凄いお水を守るのよ。」
幼い頃の母の声がふと蘇るように思い出される。その凄いお水は、私の元に来ることなく母と一緒に消えてしまった。
でも『ペールアイリスの少女とその兄』ということは兄は生きていて、母を殺したが聖水がなかったのだろう。
仁琴はパソコンを乱暴に閉じ、無言で刀を見つめた。
「刀ではダメだ。」
その声は誰にも届くことなく朝日に溶け込むように消えていった。
ありがとうございました!
最近、読んでくださってる方が減ってきている…。
悔しい!もっと頑張りますので見捨てずにながーい目でご閲覧下さい!
そろそろ新作だそうかなーとも考えてます!