今回は題名、巫山戯てみました(ノ≧ڡ≦)☆
是非最後までお付き合い下さい!
仁琴達4人はフランスに居た。
「パリ、パリ!パリ~♡」
月は軽い足取りでセーヌ川沿いを歩いている。
「あれだよね?」
優が指をさした先にはとてつもない面積を誇る世界最大級の美術館、ルーヴル美術館が堂々たる存在感を放っていた。
「あの中に東洋の鶯がおるっちゅうわけやな?」
天晴はニヤリという効果音がつきそうな笑い方をした。
「頼むから目立った行動はしてくれるなよ?」
仁琴は飛行機の中からこのセリフを何度も繰り返している。今回は整備状況や宝石の特徴などを見に来ただけなので目立った行動をされると困るという意図があってのセリフだろう。
美術館の中は凄かった。もう一度言う。美術館の中は凄かった。
古代ヨーロッパの城だっただけある。柱、天井、床の至る所にこれでもかと言いたげなほど金が使用されており、大きなシャンデリアや絢爛豪華な家具が多く存在した。平日だが人で溢れかえっており、まるでひとつのテーマパークと化していた。
「うわぁ…。」
優は口を大きく開けたままフリーズしている。月は来たことがあるようで、
「夜に来たかったなぁ~」
とボヤいていた。天晴は展示品に夢中のようで、内装など気にもしていなかった。
「これが東洋の鶯か…。」
仁琴は1人だけ先に半地階に展示されている東洋の鶯の元へと足を運んでいた。
人々はついついマルリーの馬へと目がいってしまい、こじんまりと佇むように展示されている宝石には目もくれないだろう。でも仁琴はマルリーの馬などには目も向けず、引き寄せられるかのように"Oriental Rose"の文字に触れた。仁琴にはどうしてもその翡翠色の輝きが儚く見えて仕方がなかった。
「仁琴りん?!」
悲しげな目でプレートに触れている仁琴を見て、月は声をかけた。今、声をかけなければ人魚姫のように消えていってしまいそうな錯覚に陥ったので少し慌てていたかもしれないと月は反省した。
「どうした?大きな声を出して?」
仁琴はサッとプレートから手を離し、いつもの表情で月に問いかけた。
「ううん。別に…なんでもない!」
月は話題を変えるかのように宝石へと視線を移した。
「寂しそうな宝石…。」
そう口にした月。口にしたというより零れでたと言った方が自然だろうか。
「何故そう思う?」
仁琴はその言葉に質問で返した。すると月は「声にでてた?!」と言いながら恥ずかしかったのか顔を手で覆い隠した。
「だって…この宝石、大きいのに輝きが薄いじゃん。何カラットとかそう言う次元の話じゃなくて、なんて言うか、上手く言えないけど、濁ってる。まるで西洋から見た東洋のようにね。」
そう、昔、ヨーロッパの国々が東洋植民地化を進めていた頃はアジア諸国を汚い国とヨーロッパ人達は認識していたらしい。当時は技術、法律、国家体制の全てにおいて西洋の方が遥かに勝っていたため、東洋人を卑下していたと考えられる。
「でも…月の淡い光に照らされるときっと綺麗だと思う。眩しい光じゃなくて、優しい輝きだと思う。」
月は目を瞑り、想像しているようだった。
「せやな。そしてその光は人間が汚しきってもうた自然を優しく包み込む母のような存在とも言いきれるんちゃう?」
自然と話に入ってきた天晴。優も続けて言った。
「見てみたいよね。そんな景色。どんなに汚くても綺麗にする訳じゃなく、そのままでもいいんだよって認めて包み込んでくれる景色。」
「嗚呼。見せてやりたいと思う。自分のことしか考えられない輩に。この宝石は日本で展示された後、買い取られる。買い取るのは日本で最も厄介な組織だ。人を平気で惨殺する。」
仁琴がそう口にした瞬間、4人の目は変わった。半地階には平日は人があまり来ないので良かったが、一般人がいたら4人の殺気で倒れていただろう。
「「「「It’s show time…」」」」
4人のその小さな声は誰かの耳に届くことなく、消えていった…。
ありがとうございました!
ああ…なんて文章力が無いんだろうか…。毎話書きながら思ってます…。
表現や物語構成などアドバイスがあればお願いします!!!