今日は君僕も更新しました!キャラ崩壊半端ないですが!読んでくださると嬉しいです。
是非最後までお付き合い下さい!!
東洋の鶯
「仁琴りん!これ見て!」
休み時間、月が慌てた様子で私にスマホを見せてきた。東洋の鶯という翡翠色の宝石が日本の国立博物館にやってくるという記事が表示されていた。
「このジュエル…。」
ーこのジュエルの絵をアザゼルで見たことがある。ナイトが言っていたな。このジュエルがあれば世界を変えることが出来るが、贋作が多くある。その中に一つだけ本物がある。だが、それを見極める方法が分からない…と。
確か家の蔵にあった巻物にも書いてあった。その宝石は月明かりに照らすとシルエットが黒から赤に変わる。それと同時にある曲が流れると。曲名までかは分からない。もしかしたら洗脳音楽かもしれないな。
最悪の場合、アザゼルの狙うジュエルと私達が狙うジュエルは同じかもしれないな…。そしてそのジュエルが東洋の鶯かもしれない…。ー
「…仁琴りん、この件について今日、話し合おう!」
月はそう言って自分の席に戻った。仁琴達は電話やメールでは盗聴されている可能性を考慮して、大切なことは話さないようにしている。
仁琴は天晴と優に 今日の17時、離れで とモールス信号を使って伝えた。
「で、東洋の鶯…盗むんか?」
「嗚呼。だが、今回は厄介だ。」
仁琴はそう言って優を見て、2人は軽く頷き合った。
「なになに~!お2人さんお熱ですか??」
月がニヤニヤしながらからかうと、天晴が月をボコッといい音を出して叩いた。
「殺すで…?」
「しゃーせん…。」
10秒ほど氷点下の空気が流れた。
「殺すのは盗んだ後にしろ。取り敢えず、作戦会議だ。」
仁琴の一言で場の雰囲気は柔らかくなり、そのあとは円滑に作戦会議が進んで行った。
「じゃあそのプランでいこう。今回は厄介だから気を抜くな。あ、2人は泊まるか?」
仁琴が月と優に聞くと2人は頷いた。それを確認すると仁琴は料理を台所から運んできた。あらかじめ作っていたらしい。
「今日はイタリアンなんだね。流石仁琴。」
優が褒めると仁琴は少し照れながらありがとうと言った。
「ねぇ、なんかあの二人、雰囲気甘くない?」(ボソボソ
「せやせや。俺も思ってた。」(ボソボソ
仁琴は2人の会話が聞こえないふりをしていた。すると突然、ブー、ブーと仁琴の携帯からバイブ音が鳴った。
仁琴は表示された名前を見て、少し急いで違う部屋に行った。
「もしもし。……今から?いいわ。……ええ。じゃあまた後で。」
仁琴の声は色っぽい女性の声だった。そして携帯を閉まって、少し大きめのバックを窓の外に投げた。
「天晴、悪いな。今から走ってきてもいいか?」
「え?今から?どこまで?」
「分からないが、もっとプランを考えたいからな。」
「ええよ!気をつけてな?」
「嗚呼。」
仁琴はそう言って優の肩をポンと1回軽く叩いてから玄関に向かった。優は急いで玄関に向かい、仁琴に言った。
「気をつけて。」
「嗚呼。あ、余計なことはするなよ?」
そう笑いながら言って家を出た。
家の外に投げておいた鞄から黒い服を出し、着替えてメイクも済ませる。
すると、そこに居たのは仁琴ではなく、色っぽい綺麗な女性だった。少し妖チックな秘密の多そうな女性で仁琴とは似ても似つかない風貌だった。実は仁琴は変装術にも長けていた。
仁琴は少し歩いて古い納屋に向かい、中から綺麗に手入れされたバイクを取り出した。黒に赤いラインが入っており、とても凝ったデザインだ。
仁琴は鍵を挿してエンジンをかけ、バイクを走らせた。ヘルメットからはみ出るシルバーの髪は仁琴のものとは全く違った…。
ありがとうございました!