サボっていてごめんなさい:;(∩´﹏`∩);:
是非最後までお付き合い下さい!!
あれから仁琴父は仕事があるため退室し、部屋には仁琴と優の2人だけとなった。
「仁琴、ホントに潜入捜査したの?」
優は真面目な顔で聞いてきた。
「嗚呼。まぁお得意の変装で20代後半の女性になりすましてだがな。」
そう言うと優は少し悲しそうに目を細めて笑った。
「凄いな、仁琴は。僕なんて…。」
自虐的なことを言い始めた優の言葉を遮るように仁琴はいつもより穏やかな声で言った。
「優は凄いな。私には優みたいにコミニュケーション能力がない。見下したような物言いしかできない不器用な人間だ。周りをよく見ることが出来るのは凄いことだと思うぞ。」
そう言うと優は細めていた目を今度は大きく開いた。
仁琴はそれが面白かったようで、控えめに声を出して笑っていた。
「なぁ、天晴。」
仁琴は濡れた髪をタオルで拭きながら話しかけた。
「ん?どないしたん?」
天晴はハッキングしていた手を止め、仁琴を椅子に座らせて仁琴に代わってドライヤーで仁琴の髪を乾かし始めた。
「 神 っていると思うか?」
予想外の質問だったようで天晴は一時停止状態になったが、暫くして話し始めた。
「んー、居るかもしれへんなって思うことはあるで。
でもな、神なんて居ても意味無いんや。神が居たとしても今、幸せじゃない人はぎょうさんおる。あんじょうやってるつもりでも、富んでても、幸せと感じない人もおる。その中には神にただ願うだけの奴もおる。でもな、願うだけじゃ無意味なんや。ただ上から見てるだけの神様なんてクソ喰らえや!
神頼みもええけど、人間なら人間らしく地に足つけて這いつくばって生きていかなあかんって思うてる。」
話を聞いて仁琴は右に首を傾けながら言った。
「幸せじゃないってなんで?お金があれば何でも手に入る。それは幸せじゃないのか?」
仁琴の質問攻めに嫌な顔一つせず、答える。
「確かにそれは普通の人から見ると幸せに思えるかもしれへん。でもな、人は幸せに慣れてしまってるんや。お金を手にした瞬間は幸せやと感じても、それが日常になって当たり前になる。するとその幸せに慣れてしもうて幸せやと感じなくなる。
んー、つまり人生谷あってこその山や。夏の暑い日に食べるアイスが美味しいのと同じやな。」
「でもそこの底に堕ちてしまって立ち直れない人もいるだろ?」
そう言うと天晴はドライヤーの電源を切り、手を止めた。
「せやな。そのあとの幸せが来ないうちにギブアップしてまう人もぎょうさんおるさかい、幸せになる方法なんて無いかもしれへん。でも不幸のあとに幸せが訪れるっちゅうことを知っておけば少しは楽になるんやないかと俺は思うで?まぁぜーんぶ俺の自論やから、仁琴は仁琴で考えてみ?」
そう言い終えると、またドライヤーの電源を入れた。
「っていうかなんで突然神の話なんや?」
「いや、何となく…な。」
そう言って仁琴は天晴がハッキング途中だったパソコンでICPOの情報をハッキング……いや、クラッキングし始めた。
室内に響くドライヤーの音がやけに大きく聞こえたのは気の所為だろうか…
ありがとうございました!
春休みは京都の旅館で過ごしておりまする!
なので関西弁から京都弁になりかけてます(笑)