月明かりで出来たシルエット   作:有栖川アリス

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こんにちは。アリスです(≧∀≦)Alice
今回はお泊まり会!自分で書いてて最初の仁琴からなんか印象がかけ離れたような気も…… まぁ細かい事は気にせずお楽しみください!(楽しめるかは……スルーして下さい!)
是非最後までお付き合い下さい。


新たな始まり

夕方。扉の前。チャイムを押す。すると、ガタンという音を立て開く大扉。その瞬間、月と優は思わず言葉を失った。

そこは豪邸だった。艶があり黒く輝く大扉、庭は緑が多く、池は金鯉が沢山泳いでいて、時にカコンと鹿威しが鳴っていて、少し離れた所にある離は少し大きい一軒家とほとんどかわらない。

「此処だよね…仁琴りんの家って…」

「嗚呼……あそこの離に住んでいるらしいが…」

優は仁琴から貰った地図を見て言う。二人とも声にならない掠れた声だ。

「僕達も離に住んでいるけどその2倍以上大きい離…」

二人は思わず口を開けたまま呆気に取られている。

その時、正面の本家の玄関ドアが開いた。出てきたのは1人の美少女。いや、超超美少女。その美少女は美しい桃色の梅花模様の着物を着ていて、梅の花をぶら下げた簪を付けていた。ここまで着物が似合う少女はいないだろう。二人は思わず見とれていた。ゴホン。誰かが咳払いをしてやっと我に返った。その誰かも黒の着物を着ており、美青年だった。

「仁琴りん、凄い可愛い!似合う~! 」

凄い高い声で話す月。

「あっ、天晴も似合ってんじゃない…」

急に低いトーンになる。それが気に食わないのか天晴は全身から殺気を出していた。

仁琴達は離に移動した。まぁこれまた二人はびっくりしていた。

「荷物は適当に置いておけ。あと、天晴は殺気出しすぎだ。家の天晴でいいぞ。」

すると天晴からの殺気は一瞬にしてなくなり、トビっきりの笑顔になった。眼鏡を外し、セットしていた髪型を崩し無邪気に笑う。これにも二人はびっくりだった。

 

夕食

四人ともお風呂を済ませ、浴衣に着替える。そして、仁琴が作った夕食をたべる。

「仁琴、凄い豪華な夕食だね…」

「いや、普通だぞ。」

夕食は焼き鯛、刺身、手作り茶碗蒸し、釜飯、夏蜜柑のゼリー。本当に手作りなの?と疑いたくなる程の出来栄えだ。

勿論の事味も最高。下手するとそこらの旅館の夕食よりも美味しいかもしれないくらいだ。

夕食を食べ終えた仁琴達はテーブルのある部屋へ移動し、仁琴はレモンティー、天晴はブラックコーヒー、月はカフェモカ、優はハーブティーをそれぞれ手に取り、椅子に座る。仁琴は一口レモンティーを口にしてふぅと息をつき口を開く。

「なぁ、月達って怪盗初日いつにするか決めたか?」

怪盗初日とは初めて怪盗をする日。月もまだなのだ。その瞬間月の顔つきが変わった。いつもの月ではなく、とても真面目な表情をしている。そう、これは怪盗と言う名の一つの仕事。失敗すれば捕まり、人生パーだ。これは最大の賭けとも言えるのだ。

「決めたよ。次の満月。」

怪盗初日はほとんど満月の夜に行われる。月もまたそうだった。

「ちょいまち、月!!次の満月って来週の土曜日やないねん!」

天晴はガタッと椅子を引き、立つ。

「天晴、落ち着きなよ。僕達は天才世紀の大怪盗になる。盗む日の前日に盗むと決まっても焦らない。僕達はいつだって完璧だから。」

優はハーブティーを片手に微笑む。その姿はとても絵になっていた。

「それはそうと、仁琴りんは決めた?」

「いや、まだだ。」

「じゃあ僕達と一緒にしよーよ!」

ポンっと手を、叩き月が言う。いつもの月に戻っていたが、その笑顔は何処か違った。何か面白いことを思いついたような笑顔だ。天晴は訳が分からないというような顔をしている。

「あのな、冗談やめときー。俺らは忍者、月達は怪盗やで!」

天晴は少しちゃらけたような話し方で言う。明らかに戸惑っていることが分かる。仁琴は至って普通だ。頬杖をつき、ただ月を見つめている。

「冗談じゃないよ。月は怪盗の事では冗談を言わない。僕も月に賛成だ。怪盗&忍者って結構面白いんじゃない?」

優もまた月と同じような笑顔を浮かべている。天晴には分からなかった。何故急にそんなことをいいだすのか。

「いいんじゃないか?お前達もこの話をするためにお泊まり会とか言ったんだろ。」

仁琴は全てわかっていた。月達がどのような目的で泊まるなんて言い出したのか、全てお見通しだった。

「おい、仁琴!いいんか?俺らは何も用意ない。衣装とかメイクとかも、決めてへんよ!」

ー天晴、君はルックス重視なんだ……ー

ー天晴、馬鹿なのか?ー

ーえー!そこ!(笑)ー

3人は思った。それに天晴は気付かぬまま1人で悩んでいる。

「衣装とかはどうでもいい。私達の髪は月明かりに照らされると髪色が変わる。今は薄く別色がかかっているだけ。だが、月光に照らされるとその別色は濃くなり、黒色はなくなる。それが私達四人。別に共通点がない訳でもない。気が合いそうじゃないか?」

天晴は仁琴からきっぱり衣装とかはどうでもいいと言われた事にショックを受けていたがすぐに立ち直り、笑顔を見せた。これは天晴からのOKサイン。そう仁琴は悟った。

ーやりたいならやればいい。やめたい時に辞めることが出来るねんから。ー

「天晴もいいらしい。じゃあ決まりだな。」

月も優も笑顔を見せた。これはよろしくねの笑顔。仁琴は少し頬の筋肉を緩めた。上手く笑えないがこれは仁琴の本当の笑顔。これからもっと増えていけばいいと3人は思った。

「で、僕達が盗むのはウィストン·ホワイト。今、国際美術館に展示中。僕と天晴はサポート役。月と仁琴メインだ。方法は至って簡単。僕が天晴と監視カメラ室とセキュリティ室に行って全コンピュータ停止。で、仁琴と月が盗む。あっ、打ち合わせ無しね!そっちが面白い。」

優は細かく紙に書きながら説明する。

これから忙しくなりそうだ。まぁそれは天晴だけ。何故かってだって天晴は……と………を考えないといけないから……。




ありがとうございました(❁´ω`❁)
最後の部分は前の文を読んで見て下さい!仁琴、月、優がは?っとなったシーンです!
ではまたお会いしましょう。

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