怪盗×忍者
澄み切った満月の光に照らされてできた二人のシルエット。白い月あかりだけが全てを見ている…。
「まてー!!!!ムーン、小町。今日こそ捕まえる。」
このうるさいくらい大きな声を出したのは大和警部。大和警部とは怪盗ムーンと忍者の香由月小町を追っている鈍臭い刑事。突然ムーンと小町は止まる。大和警部はまさか本当に止まるとは思わず足を踏み外した。
「大和警部は待てって言われて待ちますか?多分ですが待ちませんよね??」ムーンはよく通る美しい声で聞く。
「そりゃそうだろ!追われてるのにお前らみたいに待てって言われて待つ馬鹿がいるか!」大和警部は当たり前だろ!という顔で答える。「なら何故わざわざ待てというんだ?矛盾している。私達は待たぬ。」小町が透き通る様な美声で言う。「ではアディオス。」そう言い残しムーンと小町は満月が輝く夜空の下で暗い闇の中に消えていった。「くっ、くそー!!!!!またムーンと小町に負けた。次は絶対捕まえる!」悔しそうに大和警部は叫ぶ。するとムーンと小町が消えた闇の中から1枚の紙が大和警部の元へ。それはゴシック体でこう書かれていた。『大和警部に捕まるような弱っちい怪盗じゃないですよ!ちゃんと自分の実力を理解してあげましょう。また会いましょう。 ムーン』大和警部の怒りは頂点に。でも何より不思議なのはこんな短時間で文字を打ち、印刷するなんてなんて技術なんだ。大和警部は心の中でそう思ったはずだ。
儚い現実に追われて焦りながら生きている人間。お金があればなにもいらないという捻くれた考えを持つ人間。自分さえ幸せならば周りがどんなに不幸でも良いという自己中心的な考えを持っている人間。そんな人間には必ず不幸が待っている。そう信じて生きている。この怪盗と忍者はそんな人間に不幸を届ける。必ずそのような捻くれまくった考えを持つ人間の家の宝を盗む。淡い現実に身を任せ、周りを理解しようとしない人間達の宝は彼ら達にとっては最高の獲物だ。それと同時にその人間に最悪の不幸を届ける。どんなに困難な獲物でも華麗に盗んでいく。それがムーンと小町。この2人が居れば不可能なんてないのかもしれない。最先端の技術を使った完璧な演出、見事な変装、とても回転の早い頭にずば抜けた運動能力それに加え、華麗な容姿、とても美しい声。彼らは何処をとっても完璧という言葉で表わすことができる。依頼があれば小さな女の子の願いも叶える。それが盗みならどんな人からの依頼でも。次は何をとるのかなんてどんな専門家でも予測不可能。さぁ次は何を盗むのか…
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次は謎の女忍者 香由月小町についての話を書く予定です!
もし宜しければ次回も宜しくお願い致します。