買い物に無駄なものは付きものだし、特に気分転換の買い物は、だ。
リンドブルムの商業区は探せば見つからぬものなどないと言われるほどに商品の集まる市場が月に何回かあるのだが、その理由はリンドブルムが誇る飛行船による貿易による積み荷の卸しが一挙に集まる行われる日がその正体なのだ。
この日もちょうどその時期に当たったらしく、商業区のあちらこちらが様々な種類の生鮮や保存のきく食べ物、衣類や反物、貴金属に小物など数えたらキリがない程に個人の出店や大店の商品がたんまりと並べられ華やかな賑わいを見せていた。
合成屋を出てから市場の広報を聞き目当ての夏物の服を目指して歩いていく。
祭りのように感じられるほどの熱気に売り買いの注文や値引き交渉で周りは忙しないし、個人の出店の一部はその場で食べられるスープや串焼き、揚げ物が美味しい匂いを漂わせている。
市場の入り口近くの出店では揚げ物が売られており中をのぞくと、贅沢に使われた油の中でパチパチと音をたてて粗めのパン粉に包まれた丸いモノが泳ぎ段々と綺麗なキツネ色に変わっていくあらためて店の看板を見るとそこにはコロッケと書かれていた。
油紙を包まれた真ん丸型のものが先にいた赤魔導士のカップルに手渡されていた。
寄り道も買い物の醍醐味であるし、何よりも三日間の合成屋での寝泊まりで食事にボリュームのある揚げ物は出てくるわけもなく(そもそも急に合成屋の一室を借りれただけでも儲けものだ)朝からがっつりと食べることもなかったからコロッケを2つ注文した。
ソースがないためやや味気ないがそれに変わっての添えられたレモンが変わりにいい感じの酸味でコロッケの油をサッパリとさせている、がっぷりとかじりつけば
追加で3つコロッケを買い足して次の店を覗き込むとクレープに似た薄い生地にソーセージを4つ四方に土手の様に囲いになるように置き、その真ん中にチーズをたっぷり目玉焼きになるように落とされた卵が美味しそうな料理を見つけた。
初めて見た料理だがガレットと書かれた看板を見た事で納得がいった、作ったことはないがそば粉で作られるクレープの親戚のような料理だったはずだし、目の前のガレットは中々に美味しそうなので一つ注文して食べてみた。
トロリと解けたチーズが程より塩味で卵の半熟加減とマッチしている土手となったソーセージもパリッした粗挽き肉が美味しく軽くお酒が恋しくなるほどだ。
こうした食べ歩きも久しく感じる程に切迫していたのだなと、さっそく近くの店からお酒を買うとしみじみと酒の味をかみしめた。
ついつい余計なものに目がうつっちゃいますな~。(*^▽^*)ハッハッハッ
( ゚д゚)ハッ!そういえば40話近いから今からネタ書き溜めなきゃダメじゃん!