FF9 観光日記   作:祝子 紀

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ここのところは平和ですね~。

いつもの通りオリジナル要素、展開、設定が無理な人はプラウザバック推奨です。



第33話

 納得のいく物が出来上がるまでには色々と失敗話が付き物だが一発で成功が望ましい。

 

 

 

 大公夫人に似合いの簪を制作しろとのご依頼、軽く日常的にも付け易い木製の物で黒檀と白木で2種類と元となる簪本体の部分、ビショップ家の伝手で合成屋から金や銀の細かな金具の注文、あとは魔力を込めて防具としての効果を高める薬品と宝石を何とか集めることに成功した。

 

 デザインの候補もいくつか書き留めており、百合や薔薇などの定番、変わったもので苺の花のほかに()()()にはない花のデザインで椿や桜をモチーフにしたものなど、そのほかに一般的にこちらでは見かけない昆虫(殆どが魔物(モンスター)化するため滅多に小型のものは外では見かけない)であるムラサキシジミやモルフォ、アゲハ蝶のデザインなどを城の上級兵士さん経由で大公夫婦にリンドブルムの合成屋に工房をお借りして作り上げた試作品に紫水晶(アメジスト)で作られた小さな菫が連なりミニブーケのように見える銀の簪と共に送ったデザイン案を送りひと時の休息となった。

 

 デザイン案を送ったが肝心の効果の方も込めることは忘れていないこの世界の宝石はある一定の魔力と熱を込めると液状化し、術者の想像通りに形を変えるため(ただし適正者は少ない)にある程度融通が利く。

 

 液状化した紫水晶(アメジスト)上級回復薬(ハイポーション)と一定の割合で配合することで個体指定の初級回復術(ケアル)の効果を1回限りで得られるものだ。

 

 久方ぶりの細かい錬成作業は個人に売り物の試作品となるものを送るとあってなかなかに神経を使い疲れた。

 

 以前の珊瑚の簪は貰った珊瑚をそのままの形で加工処理することで見ごたえのある枝ぶりを保ったまま簪にするという一人では欠けさせるのが目に見えていたためビショップ家の職人に手伝ってもらってようやくできたものだ。

 

 それがリンドブルム工房はウェインさんが武器に偏った合成の腕なのでトーレスさんに手伝ってもらったが今回はほぼ全部工程を一人でやったために作成依頼を受けて1週間ほど試作品の製作に時間を取られてしまった。

 

 毎度のことながら計画性を持たない行き当たりばったりの性格が憎いことこの上ない7月のお披露目にデザインの決定の知らせ次第でぎりぎりの納期となってしまいそうだ。

 

 まぁ…、そうならないようにいくつかの部品(パーツ)を作り上げておくことで残りの注文されたデザインを組み合わせるだけにして時間短縮にはなるはずだ。

 

 7月まで残り20日ほどだがどうなることやら…。

 


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