FF9 観光日記   作:祝子 紀

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書きたいことを書き散らした感になりました。


番外編:突発的事故の結果3

 音の記憶というのは最初に忘れてしまう場合が多いそうだ。

 

 

 

 久方ぶりの車の走る音など都市独特の騒音は思ったよりも騒がしいものがあった。

 

 これまで霧の大陸で回った場所は主に山や川といった自然物が多く、霧に覆われた大陸で人工物特有の騒がしさに煩わされた記憶は特になかった。

 

 リンドブルムは技術大国と言っても騒音方面は工業区から離れた場所である泊まっていた宿には関係皆無であったし、まさか最初の異なる世界での騒音の記憶があの世界(FF9)ではなく、この世界(FF8)になるとは予想出来ようはずもない。

 

 ゼル・ディン少年からバラムへと案内された道すがらに車はこんなにやかましいものだったかと再認識したほど飛空艇は音に関しては車ほど五月蠅くは無く、しいて言えば飛行中のプロペラ音だがそれほど会話を妨げるものではなかったと私は思う。(まぁ…人それぞれだろう)

 

 

 

 駅前の土産物屋に足を進めて楽しみにしていた海辺特有の商品を眺めて数種類の干物と合わせて今朝とれたばかりと紹介されて鮮やかなターコイズブルーが印象的なバラムフィッシュ(煮ても焼いても揚げてもどんな調理でも旨いと太鼓判を押された一品だ。)を丸々一匹買い取って、この世界(FF8)を軽く観光し終わった日に料理することを楽しみにした。

 

 ふと隅の方にレコードが陳列されてあった。

 

 何気なく眺めてどれもこれも見た事の無い曲名でどれが良いのかはわからなかったが一つだけ知っている曲名のレコードを見つけて記念にそれを購入することにした。

 

 【Eyes On Me】と綴られた表紙のピアノの前に佇む黒髪のきれいな女性が印象的なレコードだ。

 

 ()()の実家の方にはCDもあるが今自分の手持ちに余裕もあるので少々お高かったが買うことに決めた。

 

 久方ぶりに故郷にも通じるものがあったことに懐かしかった思いもあったしレコードであればあの世界(FF9)でも機材があったから楽しめるはずと考えての購入だし無駄遣いにはならないはずだ。(修学旅行テンションで買い求めていたとは言えないが…。)

 

 

 

 それから数日、正確には初日と合わせて6泊7日ほどバラムホテルを拠点に海で貸し出し用の水着で遊んでみたり、(ゼル・ディン少年とたまに時間が被ることがあったので遠泳の練習に付き合わされ彼の底知れぬ体力にこちらがばててヘロヘロになったりした。)

 

 同じく貸し出されていた釣り竿で浅黒い肌の体格のいい少年といつ間にか並んでスポーツフィッシングで数を競っていろいろと釣り上げた魚をそのまま戦果にしたり、(「今日は楽しかったもんよ!また休みに釣り勝負したいもんよ!」と特徴的な口癖であの子はもしかしたらと思ったが名前を聞きそびれてしまった)

 

 バラム島を一周する形で周辺の魔物(モンスター)相手に魔法の威力を確かめたり、(魔物(モンスター)の使う魔法は弱く感じた)

 

 あの世界(FF9)魔法防御増強魔法(シェル)で簡単にレジストできそうだがこれが世界観の補正なのかはわからないが私の使う魔法はこの世界(FF8)干渉を受けなかったわけではないが威力は普段と変わらなかったがいつもよりも魔力が操作しづらかったなと感じた。

 

 

 そして、この世界(FF8)で過ごした6日目の夜にすっかり数日で仲良くなって水遊び(ゼル・ディン少年曰く「鍛錬だ!」と訂正されたが)に誘われるようになったゼル・ディン少年(「ゼルでいいぜ。」と呼ぶように強請られた呼称は情が移りそうだからからかい交じりに誤魔化してしまった。)に「俺ん家で飯食わないか?」と夕食に誘われた。

 

 すっかり楽しんでこの世界(FF8)に入り浸ってしまいそうでいたが、こちらはあの世界(FF9)ほど魔法研究は人間の手では打ち止めの状態で種族魔女でなければこれ以上の魔法系の知識は得られないと判断し明日の夜にでも帰ろうかと考えていた時に誘われたために最後の思い出にふさわしいと考えて誘いに乗ることとした。

 

 「今日はダメだけどね。明日の夜であれば時間が空いているよ。」私の都合を話すと、「ヨッシャァア!絶対だからな!」と念押しのようにガッツポーズの後に指さした。

 

 苦笑いと共に「約束は守るさ。」と告げると満足したようにうなずき名残惜しげにこちに手を振りながら帰っていった。

 

 

 その日は荷物をまとめ、数日で釣り上げた魚と初日に購入したバラムフィッシュを明日の手土産にこちらで手に入れた調味料でホテルの厨房を借りて料理することにした。

 

 

 そして翌日、早朝にはホテルを引き払い荷物と共に人の目の無い森の中で魔方陣を敷き帰還のための術式を粗方済ませて荒らされないように魔物(モンスター)除けもしたころにはすっかり日も暮れて夕日が海面を照らす赤から海面の光が美しく紫へと変わるコントラストが素晴らしい時間帯に変わっていた。

 

 約束の時間にはまだ早いだろうが待たすのは申し訳ないと考えて先に待っていたが時間ピッタリとなる頃にドタバタと擬音が付きそうな勢いでバラムの入り口にゼル・ディン少年が現れた。

 

 時間ギリギリの遅刻にはならずとも到着は彼らしいと言えばそうなのかな?

 

 ディン家についた当初は思いのほか年上のゼル少年の友人に驚いた様子のゼル少年のママさんはこちらが丁寧にあいさつすると気を取り直したのか笑顔で迎え入れてくれた。

 

 ディン家での夕食は手土産として釣り上げた小魚を南蛮漬けにした物とバラムフィッシュを丸々一匹、香草焼きにしたものを渡したためにちょっとしたパーティのような豪華な夕食となった。

 

 夕食も食べ終わり、ゼル少年はジュースで私やゼルのママさんはお茶で一服を入れた時に実は今日でバラムから別の街に行くということを打ち明けたところゼル少年は非常に残念がりもっとこちらに居られないのかという拗ねたように言ってきたがそうもいかないものだ。

 

 

 名残惜しいのは確かだがそれ以上に私には帰らなければいけない場所があるのだから。

 

 

 涙目でこちらを家の前で見送るゼル・ディン少年に「ありがとう。物知りゼル少年、私は君のおかげでこの町の色々な良い所が分かったよ。」との言葉にぽかんとした様子だったが、「今度また来たら俺ん家にとまれよ絶対だからな!」とまたびしりと擬音が立ちそうな指差しに、私も「そうなるといいね。」の一言を添えて目の前からあらかじめ指定しておいた魔方陣までの空間転移をゼル少年の目の前で行った。

 

「テレポ」

 

 折しもこの日はこの世界(FF8)の日付で8月31日、故郷であれば夏休みが終わる日でもあった。

 

 




とっくにひと月前に夏休み終了だよ!(';')

そういえば今更なのですがいつ間にかUA10000越えでございますよ。( ゚Д゚)ハエェー

Σ(・ω・ノ)ノ!そういえば
お祝いし忘れしていたので
記念に40話越えたあたりに番外編で皆様からのリクエストに
ランダムで1つ答えてみたいと考えています!

まずリクエストしてくれるような奇特な方がいらっしゃるのかが
問題なのですが……。( ;∀;)

リクエスト締切日は10月7日20時までとします!

文章力も無いし語彙力も拙い作者ですが気張ってリクエストにお答えしたいと
思いますので質問でも番外編のリクエストでもどうぞご自由に!

ですがあの人に関する話題はネタバレになる場合はどうしても作者の都合上
答えずらいのでやさしめにお願いします。( TДT)ウェイ…

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