FFシリーズ勝利音はいいですね~。
あそこまで変わらずに楽しめる曲もなかなかないですよ?
書きたい事が皆様に伝わりますように!
あれは事故、事故なのだと言い訳を述べてみたいがそうもいかなそうだ。
故郷への帰還のための転移魔法検証実験その2について。
今回旅先というよりもリンドブルムの泊まっている宿では帰還のための検証実験は常識外れなことをしでかす魔術師の一端でもある私でも迷惑を鑑みて行えない。
なので急遽、不可思議な縁で仕事関係の上司の一人となったかのリンドブルム大公殿下であらせられるシド大公に自分が研究している空間移動系の魔法の検証実験をしたいのでどこか広い安全な場所はないでしょうかとダメ元で聞いてみたところでヒルダガルデ大公夫人が普段魔法研究に使う仮施設を紹介してもらった。
機械工学科を専攻としたシド大公と違いシド大公夫人ヒルダガルデ・ファブール女史は魔法関係の扱いに関しては霧の大陸でも屈指の実力の持ち主で、特に呪い(まじないorのろい読み方はこの場合はどちらでも可)の分野に秀でていることが国内外ではとても有名なことだ。
その大公夫人が魔法研究に使った施設、失礼ながら最初は本当に使用しても大丈夫なのかシド大公に聞き返してしまったほどだ。
魔術師、魔導士、魔法使いあるいは呪術師など言い方は様々だが魔術または呪術を操る人物は自分の魔法、魔道、魔術、呪術に関することに関しての研究施設に立ち入られることをことごとく嫌うものだ。
結果としてはその心配は杞憂というべきであったのか。
大公夫人のためにシド大公殿下がもとはリンドブルムに住んでいた今はトレノ住まいの貴族の屋敷を買い取り流用し用意した複数ある施設の一つで長年使う機会がなくかつ老朽化で取り壊しが今月の終わりに行われることが決まったものである。
現在使われている工房は城の内部の大公夫人の部屋で充分であったことが判明したためにこの仮施設をどうしようかオルベルタ様やヒルダガルデ大公夫人も交えた話し合いの結果、有望そうな研究者に取り壊されるまでの貸し出しを考えついたそうだ。
場所も商業区、工業区、劇場区のリンドブルムの主要な場所からの外れており市街地の外れに位置する不便な場所であるが周囲に人が住んでいないためちょっと危険な魔法を試しても被害が出にくいので信用ある研究者であれば有効活用できそうだとのこと。
そういう話であればこちらも遠慮なく紹介された施設を使用できるものだ。
地図を頼りにたどり着いた屋敷に早速結界のための魔石を各所に準通りに置き、邪魔が入らないようにしてからの転移を安定して行うための魔法陣を2日間のリンドブルムへの旅路で
前回と何ら変わりない実験内容では進展がないので今回は肉体ごとの転移に挑戦してみようと思う。
故郷への帰還が最終目標の実験なのだ。
肉体を持たない幽霊状態で前回は成功したともいえるが今回は肉体つまり質量を伴う転移だが失敗すれば命にかかわるがやめるわけにはいかない。
これが成功すれば故郷への帰還という望みがまた一つ叶う可能性につながるのだから。
過程はこれまでと変わらず、最初に肉体から離れて霊体での転移先へ安全性の確認そして肉体が転移しても即死しない環境であれば一度転移を中断して肉体に戻り、今回の実験内容である肉体込みの転移を行う。
前回と違い貴重なエリクサーを大量に絶えず飲み干し続けることで魔力を瞬時に全快させることで魔力を限界まで封入した形で魔法陣を活性化させて前回とは違う座標の転移先への道筋を安定させることに成功させた。
転移酔いは前回の紫フードの少年の言葉から転移の際の魔力が少なかったために危うく帰還できない=死亡フラグ案件へつながっていたと考えられた。
エーテルを1つほど飲み干すことで全快する並みの魔導士より保有魔力量が規格外すぎるとトット教授に称された私の魔力をエリクサーで絶えず全回復させる形でようやく転移魔法を安定させることができるのだから次元転移がいかに禁忌の魔法であるか思い知れることだ。
感覚にして4…いや5回分くらいは自分の魔力の底をつくような脱力感に見舞われた。
「デジョン」
発動のためのキーワードは前回と変わらず、高いところから落ちるような感覚の浮遊感と渦に吸い込まれるような酩酊感に包まれるような形で目の前の景色が水のように揺らいでいった。
波の音が最初に私の耳に聞こえた。
水のように揺らいでいた目の前の景色はまぶしい太陽と白い砂浜に漣が静かに打ち寄せる淡い水色から遠くの深い静けさに満ちた青が綺麗な海がキラキラとまぶしく反射するさまが目に映った。
綺麗な光景に目を奪われているわけにもいかず周囲を警戒する。
砂浜から草原に森の景色が見えるが草原の一部に灰色の道、つまりは道路の様なものが見えた。
帰れたのかと浮かれた意識が異物の様なものが近くにあることをとらえた。
あちこちに砂浜に紛れて赤い鰭の様なものがウヨウヨと砂の中を泳ぐ様に紛れている。
目視できる範囲で
がくりと肩を落とした。
期待させるような光景に浮かれていただけに落ち込みも半端ではない。
とりあえずは一度肉体に戻ろうか。
道路の先に街の様なものが見えていたが目に映る範囲でこちらに見える人影もなかったために遠慮なく帰還のために魔力を練り上げて術式を組み上げた。
道路があるということは文明のレベルは高く観光であれば何かしら期待はできそうだと気分を切り替えた。
もうすぐ魔法で移動する予兆だろう手が薄く透けて見える霊体時に後ろでザパァと音をたてて誰かが陸に上がってきた。
「お、お、お、おおおおお…。」
金髪のツンツンとした鶏冠のような髪型の幼げな、しかし元気が有り余っていそうな少年が海パン姿で振り返った先にいた。
「お化けだあぁぁ!うわあぁぁあー!」
彼の少年の叫びと共に目の前の景色が水のように揺らぐ、訂正する暇もなく目の前から消えて見せたさまはまさに幽霊だろう。
あの時の私は霊体だから少年の表現は間違ってはいない…いないのだが…なんか釈然としないし、憤懣やるかたないとはこのことだろうか?
続きは後日!