あっという間に30話この後どうなるんでしょうか?(?_?)
瑠璃色の鳥を思わせる機体はどこまでも私の要求にこたえてくれる。
シド大公殿下直々に案内された専用飛空艇を目にしての感想は思ったよりもごつくなくかといって華奢な雰囲気でもなく、まるで優美な藍色の夜空がそのままスピード自慢の猛禽類に変わって魅せたかのような姿であった。
「気に入ったようじゃの」
ハッと魅入っていた意識が戻った時にはニコニコとこちらの様子を意地悪くご覧になっていた殿下に少々顔を赤らめる羽目になった。
乗ってみての感想も素晴らしいの一言で片づけるのはもったいないのでちょっと語ってみようか。
飛行テストとして前回のように遠慮なく機体の性能が限界まで引き出せるように無茶な曲芸飛行も交えての運転となりますがよろしいでしょうかという私の言葉に何やら自信ありげなほほえみと共に3人が三者三様にかまわないとの返事を貰えたので色々とやってみた。
前回と同じく機体へと自身が引っ張られるように細かい調整をした
ここまでの操作で前回は多少なりともエンジンから嫌な音が多少聞こえたが今回は聞こえずかなりの余裕を感じて少し無理な運転を重ねてみた。
前回と同じメニューの一回転から螺旋飛行からの直角急カーブに加えて急降下の急上昇を交えての蛇行型の飛行など普通なら無茶もいいところの内容の操作に素早くこたえてくれるこの機体の素晴らしさよ。
エンジンの不調音も特に聞こえず問題なく通常の飛行に加えて曲芸飛行が可能であったのはひとえにシド大公率いるリンドブルム技術者が前回の失敗から相当な試行錯誤の末と予算オーバーするほどの技術と高価な部品等の大盤振る舞いに違いあるまい。
地上に降りてドックへと戻るころにはフワフワとした気分で有頂天であったことは間違いない。
「どうじゃ。すばらしい出来であろう!」
疑問形の答えではない確定した素晴らしさを誇るようにシド大公殿下は小型艇から降りた私へと問いかけてきた。
もちろん文句のつけようもなく素晴らしい機体であったことは確かだ。
しかし、私はまだこの機体の名前を知らないのだ。
機体の名前についての質問にシド大公殿下は勿体ぶるかのように軽く咳払いをしてこう告げてきた。
「この新型小型艇に名前らしい名前はまだついておらんのじゃ」
「お主の専用小型艇となるのだからお主自身が名付け親となるべきだと思ってな」
「今すぐにつけようとせずじっくり考えるとよい」
「新型蒸気機関式のエンジンの飛空艇お披露目の7月まで時間はあるのだから」
あとでシド大公殿下の言葉にゼボルト技師長がこそりとこちらにだけ一言。
「大公殿下が名付けると必然的にみんなヒルダ様のお名前になるから皆から反対されたんですたい」
そういえば28日から更新更に不安定になりそうです。<m(_ _)m>
アルバイト決まりまして実質働く12日ほど仕事に打ち込みます。
ご了承くださいませ。