FF9 観光日記   作:祝子 紀

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 チョコチョコづつですが話は書いていきます。

 言い忘れていましたがオリジナルの描写や設定がだめな方プラウザバックプリーズです。

 おっけぃな方は長い目であの人を見守りください(/ω\)


第3話

 

 時間がある時は周りを顧みることができる。()()()の私にはないものだが…。

 

 

 

 トレノでのトット先生との会話は実に有意義なものであった。

 

 

 簡単な自己紹介を済ませた後に「立ち話もなんですので中へどうぞ。」と言われて案内されたトット家で、見本用として手渡した文庫本数冊に目を通したトット先生は「この字体は…今まで見たことも…。」ぶつぶつと何やらつぶやくと古い語学辞書を取り出した。

 

 その後、暫くこちらを振り返ることなく夢中で何やら文章を指で追いながら、メモであろうか、故郷では珍しい羊皮紙に何やら書きだし始めた(これは時間がかかりそうだとその場に放置されていた論文に無断ではあるが目を通していたなんせ暇だったので)。

 

 1時間ほどたった後にこちらに向き直り客人を放置していたことに対する謝罪とこれと同じ言語で書かれた書籍があるのであればぜひ買い取りたいと穏やかだが興奮冷めやらむ早口でこちらの目を見るオジサマは好奇心にあふれた少年のようであった。

 

「こちらの語学のどれにも当てはまらない未知の言語です。」

 

「文字の種類だけでも三種の組み合わせで規則性も独特なため難解な言語で、挿絵も美しく一冊だけでも貴重な文献なだけでなく、美術的な観点でも興味深い代物ですな。」

 

 トット先生は「ですが」沈んだ様子でこちらに残念そうな無念もあらわな語調でさらにこう告げた。

 

「わたくしはひと月ほど前に職を急に辞職させられてしまい持ち合わせがないのです。」

 

 

 

 それは私にとってとんでもない価値を持つ情報であった。

 

 

 

「わたくしのパトロンとなった貴族にもこの書籍に見合った金額が出せますかどうか……」

 

 悩んだ様子のトット先生に対して私は口述筆記で良ければ件の書籍を訳すのに手伝いがしたいと申し出た。

 

 驚いた様子でこちらを見るトット先生は「よいのですか?こちらとして大変ありがたい申し出なのですが…。」迷いが見える口調であったが、私も少し事情がありましてと話したのはこちらのからきて私の行動だ。

 

 

 

 

 

 私が話したの故郷から唐突に空間でも移動したかのようにこちら来てから路地裏に倒れていたこととか帰る為に空間を移動する方法について何か知らないかとか支離滅裂でありながらも私についてのすべてをトット先生に告解するかのように話した。

 

 泣きたくもないのにいつの間にか話している最中だというのに涙が止まらかった。

 

 グズグズと吃逆上げることもなくただ涙がこぼれるまま淡々と告げた。

 

 

 

 今にして思えば、いろいろと限界だったのだ。

 

 

 

 

 

 私の話を聞き終えたトット先生は痛ましいものを見るようにこちらを見るとゆっくりと首を横に振るとこう告げた。

 

 「残念ですが、歴史を紐解いてもあなた以上に特殊な経歴の人物はおりませんな。ましてや、わたくしの知る限りではありますがレッドローズにある最新鋭のテレポットと同じ空間移動の魔法であっても再現は難しいものと思われます。」

 

 と正直に告げてくれた。

 

 




 感想ワクワクしてお待ちしてます。

 追伸、章機能を使ってみました!

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