相方に怒られる前に自重しますとも!
国と国を移動する際の旅こそがロマンに満ちていると私は思う。
名残惜しくもトレノを出発して初めに訪れたのは南ゲート、トレノの門だ。
橋を架ける形であるために向こう側のリンドブルム兵に声をかけゲートパスの確認後ようやく渡ることができた。
キャラキャラと音を立てて架けられた橋を渡った先でどこを目指すのかと兵士に確認されたが調査旅行のため各国をめぐるつもりで何回か南ゲートを訪れるかもというとリンドブルムを最初に目指せばいいのではないかと言われた。
曰く、南ゲートをこのまままっすぐ進んでもダリの村しかなく、あそこは村の近くに氷の洞窟があるがこの季節完全に氷が解けてしまうから雪解け水にあふれて中は危険なだけだ12月あたりが見頃だったんだがなという情報をもらえた。
時期的に5月の半ばであったこともあり、とっくのとうに雪解けの季節を季節を過ぎて春の気候である。
当然の結果であったが目指す場所のアドバイスを貰えたのは有り難い事であった。
目指す国をリンドブルムと定め兵士に礼を告げてルートの確認に地図を開いた。
トレノ門からアレクサンドリア方面駅へ、そして鉄馬車ベルクメアに乗ってアーブス山脈を越えてリンドブルム方面駅のボーデン門に着く、其処から徒歩でリンドブルム地竜の門に、という遅くとものんびり観光しながらなら2日ほどリンドブルムへの旅だ。
荷物をらしい荷物を抱えてはいない旅姿(例のバックはウエストに吊り下げる小さなタイプの戦闘時にも邪魔にならないサイズ)だがクワン洞を訪れた時とは違い準備は万全といってもいいくらいだ。
早速訪れたアレクサンドリア方面駅で見た鉄馬車ベルクメアは圧巻の一言であった。
定時道理の到着と共にまるで生き物のように霧機関特有の霧の噴出が一角獣の鼻の部分からフシューと軽く噴き出る事にユーモラスを感じた。
乗り込む前に少々小太りの女の子からテントの予備を買って座席に就いた。
窓から見える景色はアーブス山脈特有の茶色い岩肌のみだが高度が上がるにつれて灰色の岩に変わり、時折、
生憎だが私は一人旅なのでうかつに眠ってしまうわけにもいかず(ついたことに気づかずに戻ってしまうと二度手間だ)必死に落ちてくる瞼にあらがっていると車掌さんから「着いたら起こして差し上げましょうか?」という微妙に見当違いな親切なことを言われてしまった。
長くトレノに居たせいで日の光が心地よいだけですよと返すわけにもいかず、あいまいな笑みと共にその場を流して中間の休憩所に到着した。
南ゲートの飛空艇の通り道が天井つまり文字通りの真上にある中間の休憩地点のみで売っている名物まんまるカステラをお土産用の梱包にして2つもらいトット教授とビショップ氏宛でメモを書き梱包に挟みバックに詰めて今度は自分用にこの場で食べる為に買い求めてみた。
続きは後日投稿します。
お楽しみに!