FF9 観光日記   作:祝子 紀

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毎日更新が無理でも土日で書いて

週末に更新という手もありますが

なるべく皆さんに楽しみながら読んでほしいから

手の空いてる時間に書いて毎日更新したいっす( ..)φメモメモ


第15話

 貴族というものは矜持と誇りで生きているものだが平民はそんなものに執着しない。

 

 

 

 人が寄り付かない闇市の外れにまで移動したことでやっと話し合いに移ることができた。

 

「さて建前や前置きを除いて本題のみお話ししましょうか」

 

 

 

 かすれ声の初老の人物は語る自分はルーク家の遠縁にあたる者で今は商人としてトレノで荷を扱っているものだと今回あなたに持っているものとあなたが持っている権限が私の商売に差しさわりがあるため呼び出したのだと。

 

 

 

「多少無作法なのはご容赦願いたい何分急を要したものでした」

 

 ゲートパスを小悪党に盗ませることで闇市に来させることいい、さらに人の寄り付かない外れまで来させたのだからこんなことだろうと思った。

 

 

 

 ビショップ家の栄達は合成屋、魔道研究や星に関する観測記録などの表の研究のみならず闇市で扱われるような怪しい魔道具や装飾品、武具や防具類など多岐にわたる。

 

 調査員として各国を渡り歩くことになる私を通してさらに各地の名産品などに手を伸ばすとなると他の金策関係に苦労している貴族がうるさくなるのは必須ということ。

 

 現に闇市の関係者が出張るほどにビショップ家がこれ以上出る杭になればなるほど誰かが槌を振るわなければならないということそれが今回はルーク家という商業関係で闇市に関わるほどの貴族がうるさくなるわけだ。

 

 しかしながら巻き込まれた私にとってはいい迷惑であった。

 

 確かに調査員として各国をめぐり定期報告とともに各地の名産品等を土産にするだろうがあくまで私の持つバックに入る量とて高が知れているというのにだ。

 

 つまりはビショップ家に対するていのいい嫌がらせだ。

 

 

 

 

 ルーク家に関する噂もあまりいいモノがないのが余計拍車をかけるが()()()の私にとって問題だったのは商人と名乗った彼の横に立つ焔色の髪の武人である。

 

 2メートル近いと表現したが彼が猫背のせいでそう感じただけで実際には越えているだろうし、肉体はそれに合わせた無駄のない筋肉に覆われているし、まさに体からして格闘を主とした生粋の前衛職の彼から逃げきれるかどうかをだ。

 

 さすがに彼についてわからない者はいないだろう。

 

 酒場での手配書から彼がこの町に現れる可能性が低いと考えていた過去の自分が憎い。

 

 

 

 どう見ても焔色のサラマンダーさんです、ほんと有難うございます。

 

 

 

 いくら私が今日までに沢山の戦闘経験を積みザグナルを単騎で倒したとはいえそれは魔物(モンスター)相手の話であり、裏稼業NO.1の殺し屋相手に対人戦初めての私が命かけての戦いとか正直お話にならない。

 

 あーだこーだと考えている内に商人さんのお話は終わったらしくゲートパスが入った革ケースが商人さんの手に握られている。

 

「これをお返しする前に少しばかりこちらの戯れにつきあってもらいます」

 

 嫌な予感ここに的中だった商人さんはサラマンダーさんを使ってこちらの実力を図りたいとのことだった。

 

「逃げてもよろしいですよ?」

 

「その場合はゲートパスは彼に預けますからトレノの街への道まで逃げ切るだけの実力があるのだと判断材料になるため力を示せば返しなさいと事前にいってありますから」

 

 魔法ありきの剣士型中衛タイプの前衛職にガチの体力半端ないモンク型の前衛職はきついことこの上ないので闇市の外れからトレノの街への道までガチの鬼ごっこと逝くことになりそうだ。

 

「では開始とまいりましょうか」

 

 特にスタート特有の合図の音もなく唐突に命がけの鬼ごっこの幕は切って落とされた。

 




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