FF9 観光日記   作:祝子 紀

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前回の番外編は時間軸不明の実験記録であり

本編へと直接つながっているわけではありません。

FF9でいうところのATEのようなものですので(/ω\)

ご了承くださいませ。


第11話

 そろそろ慣れたその頃にこそ怪我や事故というものは付きものである。

 

 

 

 珊瑚の簪事件からの生活は主に戦闘経験のために魔物(モンスター)狩りや技能(アビリティ)の習得に費やした。

 

 トット教授からも定期的に行われる地下の連結転換レバー整備の際、ガルガン・ルーに現れるクロウラーやドラゴンフライの駆除を依頼されたり、ガルガントが背負うトロッコの掃除の手伝いもした。

 

 蜥蜴君からもらって作られた珊瑚の簪は予想どうりに召喚獣の交信用の代物だったらしくじつに奇妙なことがこの身に振りかかったとしか思えない目にあった。

 

 

 

 不思議なことは特に記憶に残るものだから。

 

 

 

 クロウラー2体との戦闘時にこちらが油断していたのかカマの一撃が首を刈り取るように振るわれてしまい、咄嗟に致命傷を防御した両腕の皮膚が爬虫類特有の鱗状の代物に覆われて視界に入った髪の毛が陽炎のように揺らめく白い炎の覆われるように変わってしまった。

 

 幸いなことに瞬時に戦闘が終わると同時に元に戻ることが判明した。

 

 最初に現れた時にレバーの点検作業の護衛をしていたので近くの整備員に見られたかと慌てたのだが確かに視覚的に目に入る位置にいるのに見えていない様子だったのが疑問だったがこちらとしては隠す分には都合がいいので黙っていた。

 

 

 

 居住棟に戻り扉や明り取りの窓という窓を閉めて明かりのための太い蝋燭と暖炉に火をつけて鍵をかけてもう一度確認のために意識をして発動してみようとした。

 

 

 

 結果として、次のことが分かった。

 

 

 

 まずは意識的に発動できる代物ではないが近くに吸収できる炎があれば別に危険でなくても変えられること

 

 変化しようとして魔力を練ってみても何の反応が返ってこなかったため危機的状況だけに限るといった感じだろうかと諦めて窓を開けて火を消そうとして蝋燭に近づいたときにいきなり火が消えて腕に鱗が生えてきて吃驚した。

 

 全身の皮膚が鱗になるわけではなく一部が鱗に変わること

 

 背中や腕、足は鱗に覆われたが胸部、腹や手のひら、指の腹部分、足の裏などは頑丈な皮膚のように分厚くなっただけでまるで人間が人側に近いドラゴンになったようだ。()()()のリザードマンのように完全に異形ではなくずいぶんスマートだが、尻尾や角は生えてはいない。

 

 髪の毛が白い炎に覆われて火を吸収できるようになること

 

 蝋燭の火を吸収する形で指先から変化したのでもしやと思い暖炉に手をかざしたら、この日の疲労と失った分の魔力と体力が回復したが、唯一の明かりであった暖炉の火が弱まって部屋全体が暗くなったので慌てて薪を足す羽目になった。

 

 顔や目に変化は目視できる範囲で変化はしないこと

 

 顔面や瞳が爬虫類っぽい変化はなくあくまで髪や体だけの変化にとどまっただろう。

 

 こうした変化の中で一番気になる戦闘面の変化による強化なのだが、後日トット教授に頼み込んで(トット教授には修行と魔物(モンスター)の駆除といった。が、実際その通りなのだが変化のことは黙っていた)ガルガン・ルーで霧の魔物(モンスター)を相手取る形になった。

 

 

 力と防御面のみの強化だけであったが防御は物理、魔法それぞれ1.5倍で力は2倍といった形で正確に測ったわけではないか普段と違いそう感じた。

 

 

 変化の際の火種として着火剤代わりの火属性の魔石を利用してみたが火が出るものであれば瞬時に変化することができたため余計な荷物が増えることにはならなそうだ。

 

 自分でもどうしても足りないと感じていた物理面での強化はありがたいことだが、今まで頼ってきた魔法関係の強化が防御力のみ、主に目立った必殺技もなく(各種のブレスや火属性の魔法を期待していたのだが)大変地味な戦闘力の強化といったのが結果だった。

 

 落ち込みはしない。なんせ召喚獣といった特殊な存在なのだから本来であれば召喚士一族でない私が変化といった形でさえ召喚獣の力の一部を顕現できたのは望外にすぎるのだから決して落ち込んではいないのだ。(このことが周りに知られるリスクのほうが胃が痛くなる。)

 

 

 

 

 

 この日から数日後、トレノでの生活が1か月半を越えたころ、ナイト家のモンスターへの挑戦が大体的に募集されるチラシが配られた。

 

 内容はあまりに近頃の挑戦者が弱すぎて魔物への餌代がかさみ過ぎているから程よく強い奴がいい感じの試合をしてくれないかという考えが読み取れるくらいにはあからさまであった。

 

 いい機会なのでちょっと見物してみようと思うむろん目立たない範囲で。

 

 




張り切って続きを執筆していきますとも~。

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