テイルズオブゼスティリアクロスIF ~聖主の願い~   作:ソフトな何か

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はじめまして。よろしくです。

ゼスティリアもベルセリアも、出てくる全てのキャラが大好きなのにみんなが幸せになれなくてヤキモキしてました。

続きが見たい。でも続きがない。続いたとしても自分の望む結末じゃないかもしれない。また、誰かが泣くかもしれない。

そんなのはもう嫌。みんな大好きだから、だから救いたい。
でも、わたしが救ってもそれはなんか違う。

だったら、キャラに任せて自由に動いてもらおう!
私は大好きな彼らの動きをがんばって記録しよう!

そんなラストも決まっていない見切り発車でお送りいたします。

わたしの大好きな想いがみなさんに伝われば幸いです。
生暖かい目で彼らの活躍を一緒に見守ってください。


一章.目覚めの時
0.プロローグ


 ああ、ここはどこなのだろう。

 とても・・・。とても暖かい。

 

 気持ちのよい微睡みの中で目を覚ます。

 

 私は・・・ボクは・・・。

 思い出せない。

 なにか大事なことだったと思う。

 でもきっと忘れなくてはいけない。

 頭ではなく心がそう願っているのを感じる。

 

 とりあえず起きよう。

 起きたら何かわかるかもしれない。

 

 少し残念だけど、ここはとても居心地がいいけれど、それでも起きてしまおう。

 

 身体中に神経を流し込むように、徐々に体に感覚が生まれていく。

 

 ぼんやりとした頭の中でボクは思う。

 もしも。もしもボクが目覚めたら。

 彼はボクを必要としてくれるだろうか。

 

 あれ?

 ここまで考えてボクは気づく。

 

 彼とは誰だろう。

 とてもとても大事な事のように思うけど、キレイに頭からぼっかりと抜けている。

 

 彼の力になりたい。と感じた。そう思った。

 でも、彼が誰なのかは、なぜか思い出せない。

 

 なんだかとても悔しくて、ボクは数刻の時間、考えに浸る。

 しかし、やはりどれだけ考えても思い出せない。

 

 しかたない。とりあえず起きてから思いだそう。そしてまずは彼を探そう。

 だから・・・。

 

 「っ・・・!?」

 

 眩しい。生まれて見る光。

 自分はどれだけ長い間深い闇の中にいたのだろう。

 目に写る全てが輝いて見える。

 

 大きな建物の中に居るようだ。自分を取り囲む壁の白さに眩しさを感じる。ところどころヒビが入っていたりするのがすこし残念。きっと以前はもっとキレイだったのだろう。

 

 ボクが辺りを見回していると、背後から声が掛かった。

 

 「おはよう!」

 

 突然の声、いや初めて聞こえる音に体を震わせ、恐る恐る背後を振り返る。

 

 そこに立っていたのは少年だった。

 綺麗な飾りのついた剣を腰から下げている。

 

 あれ・・・?

 

 驚いたままの表情で固まるボクに、優しく微笑みながら早足で近づいてくる少年。

 

 茶色掛かった黒髪に真っ白なローブ。左手に着けたグローブには小さな鳥の羽の飾りがついている。

 

 あれ?

 

 彼の姿を確認したとたんに記憶が大きく揺り動かされる。

 この人は。えっと・・・。

 

 やっぱり思い出せない。誰かわからない。

 

 けど。間違いなかった。

 

 ボクが逢いたかった人だ。

 絶対に間違えるはすがなかった。

 それはなぜか、どうしてなのかはとても説明はできない。

 

 

 でもきっと、ボクは彼のために産まれた。

 

 

 よかった。すぐ会えた。こんなに素晴らしいことがあるのだろうか。

 何に祈ればいいのかわからないが、それでも何かに感謝をせずにはいられなかった。

 この喜びをどうしたらいい。彼に伝えたら一緒に喜んでくれるだろうか?

 

 近づいてくる足音に思わずボクは飛び付いてしまう。

 

 「うおぁっ!」

 

 彼は驚いたようだが、しっかりとボクを受け止めて、そして頭を優しく撫でてくれる。

 ボクはそれを目をつぶって受け入れ、彼の胸に顔をうずめた。

幸せな時間。ボクは初めて会う彼の匂いを知っているような気がした。

 

 しばらく時間抱き合っていたが、彼がボクの肩を掴み、そして体を離した。

 なんだかとても怖く感じて、泳ぐように手を動かしてしまう。

 

 彼は大丈夫だと言うように、もう一度ボクの頭に手を乗せると、目線を合わせ、少しだけ困ったような笑顔を浮かべて頬をかきながらこう言った。

 

 「言葉は、わかるかな?」

 「!?」

 

 わかる!彼の言っていることがわかる!

 また小躍りしそうなほどの嬉しさに、ボクは喜んで両手をあげ、そして・・・。

 

 微睡みから覚めて数分。

 だんだんと周囲や自分の置かれた状況を理解しはじめる。

 

 「ひっ!」

 「ひ?」

 

 視線を落とし、自分の姿を確認する。

 そして驚いたまま固まってしまった表情で彼へと視線を戻す。

 彼は困ったように笑顔を向けるだけ。

 

 なんということだ。彼に会えた嬉しさのあまり、ボクは、ボクは。

 産まれたままの姿。つまり全裸で彼と向き合っていた。

 

 まずい、えっと、どうしよう!

 頬が紅潮する。初めての感覚。止められるわけがなかった。

 だって、彼に全部見られてしまったのだ。いや、今も現在進行形で見られている。

 瞳に熱い何かが溜まっていく。

 

 「っ!っ!」

 

 せっかくの再開なのに!こんなに嬉しかったのに!

 ぜんぶ!ぜんぶ!台無しだ。

 

 思いもよらない事態の連続に、わけもわからず、とうとう感情が爆発した。

 

 「キャァァァァァッ!」

 

 これが情けないことに、ボクが産まれて初めて発した言葉だった。

 

 

 

 




プロローグは軽めです。

このボクちゃんは誰なんでしょう!?
こんな子ゼスティリアにいたっけ?あれー?

これからキャラがどんどんでてきますよー!

読みづらかったり何かあれば教えていただけると幸いです。

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