五十嵐くんのIS転生life(仮)←適当 作:甘々胡麻ざらし
「では、ここで待っていてくれ。」
「はい。」
航は今IS学園の一年一組の教室の前で待たされていた。本来なら入学式にも参加する予定だったのだが、手続きの際に色々ゴタゴタしていたため朝のSHRで紹介することになった。
「でも高1からなんてなんか留年した気分だよ…。」
本来なら年齢に合わせて三年生の教室になるはずだったが、ISについては知らないことも多く、何より記憶喪失(航の嘘)なので三年間じっくり思い出させるという意図もあり一年の教室になった。
「キャァァァァァァァ!」
「うおっ!教室の壁を抜けて聴こえるとか、この世界の女子はどんだけ声量があるんだよ。」
「すまない。入ってくれ。」
「あ、はい。」
扉を開けた千冬に言われ教室に入ると"二人の男子"とその他大勢の女子がいた。
「では自己紹介を。」
「はい。俺の名前は五十嵐航。ISを動かした男としてこの学園に入学することになりました。一年の学級にいますけど歳は皆さんより二つ上の17歳です。実は自分のこととIS以外の一般知識以外は記憶喪失になっているので、ISについても今の世の中についても全くわかりません。なので、皆さんと一緒に学んでいくつもりです。年上だからと緊張せずいつでも気楽に話しかけてください。(ふぅ。こんな感じかな?)」
「き、」
「き?」
「キャァァァァァァァ!」
「うわっ!」
「三人目の男!」
「しかも年上!」
「さらに高身長!」
「記憶喪失っていうところもそそられる!」
「実は私あなたの恋人なの!」
「あ、抜け駆けはズルいわよ!」
突然女子からの黄色い声援に思わず顔をひきつってしまうが。
「静かにしろ!」
千冬の声で一瞬で静かになった。
「五十嵐は空いている席に座ってくれ。それと五十嵐は同じクラスメイトだが年上だと言うことを忘れるなよ。では授業を始める。」
そして一時間目の休み時間。
「よっ、俺織斑一夏!同じ男同士これからよろしくな!」
「あ、ああ。よろしく…。織斑くん。(え?年上にいきなりタメ口?)」
「おいおい。航が緊張してどうするんだよ。それに一夏でいいぜ。」
「あ、うん。(しかも呼び捨て!?年上には敬語を使えって習わなかったのか?つーか俺が言ったのは"気楽"であって"気軽"とは一言もいってないぞ!?)」
航があまりにも常識外れな接し方に悩ましていると。
「一夏。」
「あれ、もしかして箒か?」
「…。(この子が篠ノ之箒か。)」
「ああ、少し話がしたい。すみませんが少し一夏を借りてもいいですか?」
「あ、うん、いいよ。(よかった。この子は大丈夫っぽい。)」
「廊下でいいか?」
「おう。じゃあまたあとでな航。」
そのまま箒は一夏を連れて教室の外に行った。
「はぁ…。(あいつが転生者なのか?それならゲス系転生者で見下しているで納得できるけど、緊張していて名前だけしか聴いていなかった可能性もあるしなぁ。)」
「あの…。」
「うん?」
航が机に突っ伏して悩んでいると声をかけられ、顔を上げると一夏と顔がそっくりな眼鏡をかけた少年がいた。
「君は?」
「あのバカの双子の弟。織斑秋十(おりむら あきと)です。さっきは兄が無礼を働いてすみませんでした。」
「別に君が謝ることじゃないよ。」
「いえ、あのバカはいつもああなんです。自分の解釈でやりたい放題やって、しかも後処理や文句は毎回俺に任されて…。お陰でどんだけ大変だったか…。」
「大変だね君。」
「嫌ですけど慣れましたからね。」
「ははは…。」
「あの、失礼なのは承知ですけどIS以外の知識がないというのはどのくらいまでなのですか?」
「あー、えーっと…。(どうする?もしかしたらこいつが転生者の可能性もある。でも仮に一夏が転生者ならこいつは踏み台オリキャラになる。さっきの話から感じると仮に転生者だとしてもわざわざ苦労する方を選ぶのは変だよな?ここは一応違うと認識して接するか。)学校の授業で受ける内容なら頭に入ってるよ。でもIS関連のことについては全く…。」
「そうですか。大変失礼しました。」
「ううん。IS以外の勉強なら教えてあげるしいつでも言ってくれ。」
「でも。」
「話していたら何かの拍子に記憶が戻ることもあるかもしれないしね。」
「わかりました。これからよろしくお願いします。五十嵐先輩。」
「え?先輩?」
「同じ学年でも年上ですし。あと俺のことは秋十で構いませんよ。」
「あ、うん。じゃあよろしくね秋十くん。」
こうして航はこの世界で初めての友達を手に入れた。そして授業のチャイムが鳴り、授業が始まったとき誰かが航を見てニヤリと笑みを浮かべたのを航は気づかなかった…。
分かりにくいので説明
気楽…緊張しないで
気軽…遠慮しないで