敵を決めるのは指導者ではなく時代なのだから。
〈07:30 対馬市上県町:ターミネーター製造基地〉
「ヴァルキリー、こちらピリオド01。チェックポイントに到着。」
「〈こちらヴァルキリー。聞こえてるわ。〉」
無線から女性の声が聞こえた。とても凛々しく、信頼に当たる人間だ。
「これより、敵の製造基地に潜入する。」
「〈了解。〉」
「ピリオド11と12は狙撃とハンターキラーの迎撃に当たれ。01から10は5人1組で潜入する。行くぞ。」
俺の合図で10人が一斉に動き、2つの塊に成って前進する。1人がポイントマンになり、後ろに4人がつく。正五角形の形だ。
「〈止まれ。〉」
前方のポイントマンが無線で指示を送る。
「〈警備用ターミネーターだ。〉」
その言葉を聞いた瞬間分隊の全員の額に汗が滲む。 それは、ハーヴェスターの様に大きくTー100の様に両腕に機銃が付いているのだ。
「これより、前方の敵をTー100Hと呼称する。ラッシュを放て。」
俺がそう合図すると、後ろの1人がシベリアン ハスキーに匂いの染み付いたタオルを嗅がせ、進行方向の逆方向に投げる。すると、犬の動きに反応してTー100Hが照準を付けるが、脅威では無いことを判断する筈だ。
「GO」
Tー100Hが犬に反応した瞬間に指示を出す。全員が一斉に建造物の外壁に張り付く。此処はアイツからは死角だ。
「正門と裏門の距離は同じだ。ピリオド02~05は俺に付いて来い、06~10は別に行動だ。俺の班は正門から行く。」
「《了解。》」
俺の指示に全員が返答すると、同時に歩みを進める。
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〈10分後 同所〉
この製造基地にはターミネーターの製造ラインが有る。今回のミッションは新しいターミネーターの設計図の回収とTー800の製造ライン爆破だ。
「〈こちらピリイド06、バック・ドアから潜入完了。これから破壊工作に・・・おい、何やってるんだ!! ーーーーー 〉」
無線から複数の断末魔が聞こえる。
「おい、どうした!応答しろ!」
突然、仲間の声が聞こえなくなり、通信不能になった。
「クソ!どうなってる。」
「どうしたんだ?」
俺の怒鳴り声を聞いてピリオド02が様子を伺う。
「ピリオド06との通信との通信が途絶えた。04・05は様子を見て来い。残りでC4を仕掛ける。」
「「了解。」」
俺の指示に2人が頷き返事をする。
「早く仕掛けるぞ。何か嫌な予感がする。」
俺がそう言うと、残り2人は作業する手を早める。
「ボス。」
背後から声がして振り返ると、そこには通信が途切れた班にいたはずの07が血塗れで立っていた。
「どうした?大丈夫か?」
「すまない。」
1発の銃声が鳴り響き、胸部に痛みが走る。07が89式で俺を撃ったことを理解するのにしばらくかかった。
「お前、どうして・・・」
徐々に意識が薄れる中、側にいる2人が倒れるのが見える。
「ボス!ボス!!」
無線から外にいる11と12の声が聞こえた。
「逃げろ。」
そう言った瞬間。俺の意識が朦朧となり、床に倒れる。
俺は死を決意した。
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〈08:00 抵抗軍対馬市部〉
帰還すると辺りは騒がしく抵抗軍の隊員が行き交っていた。倒れたラジオからは荒いノイズが流れている。
司令室に入るや否やヴァルキリーに近付いて状況を聞く。
「どうしたんだ。何か有ったのか?」
司令部の正面にあるディスプレイには、対馬の北端に有るターミネーター製造基地の見取り図が映し出され、右端には12人分の心拍数が表示されていた。そちらに目を向けると2人のパルスは脈打っており、他は07を除き「0」を示していた。ピリオド07は「no signal」心拍センサーが外れている事を意味していた。
「作戦失敗。ピリオド11、12は直ちに帰投して下さい。」
何時もの凛々しい声の中に微かに震えが混じっているのが俺には解った。
彼女は耳から指令マイクを外すと此方を振り返った。
「作戦失敗よ。」
彼女からその言葉を聞くのはこれが初めてだった。
ターミネーター4に出てきた。スカイネットセントラルの北ゲートでマーカス・ライトを確認し、「マーカス・ライト確認 入域許可」ってしいたターミネーターの名前知ってる人はコメント下さい。
そしてすみませんが名前が解るまでハーヴェスターとTー100を合わせた様な感じなのでTー100Hと記させて頂きます。