すみません!
空戦を書くのに手こずりましたw
遅くなってしまってすみません_(._.)_
〈日本海上空〉
夜明け前の上空5機のC-5輸送機と4機のF-15Kと6機Mig‐29、5機のF-16が高高度を飛行していた。
《今更アメリカに帰るなんて...上は一体何考えてるんだ?》
《さあな、まあこれで家に帰れるんだ。文句はない。》
《帰ったら冷たいビールが飲みたいぜ。》
《どうせEMPで冷蔵庫も御釈迦だ。冷たいビールなんて飲めやしねーよ。》
《確かに...》
彼らの祖国である大韓民国から48㎞地点、目の前には今や孤島と化した歴史ある島が海から顔を覗かせていた。
《まあ、また一から冷蔵庫を作るんだったら冷たいビールも夢じゃないがな。》
《ったく、生きにくい世の中になっちまったぜ...》
その時、レーダーに未確認機を告げる赤い点が10機現れる。
《前方に未確認機を探知。》
その赤い点は驚くべきスピードで距離を縮めていく。
《各機散開。ブレイク!ブレイク!!》
全機が四方に散開する。輸送機も遅れて散開しながらチャフ・フレアを放出する。
《ックソ、避けきれない!》
爆発が起こり一機の輸送機が撃墜される。
《各機、ウェポンズ・フリー。輸送機を守りながら敵機の撃墜に当たれ。》
《 《ウィルコ》 》
一番機の指示に各機が答える。
《未確認機はハンターキラーだ!》
《だめだ。機動性が違いすぎる!うわぁぁ!!》
レーダーから味方の反応が消える。
レーダー照射を受けた警告音が響き渡る。
速度を落とし、バレルロールでオーバーシュートさせる。
《フォックス2》
空対空ミサイルが尾を引いて着弾する。
「こちらレイブン1、一機撃墜。各機、輸送機の護衛を最優先。」
《んなこと言っても振り切れねぇよ!》
《安心しろ、カバーする。》
各機がカバーし合い撃墜していくが、レーダーを見るとこちらも瞬く間に見方を撃墜されていく。
「各機、3編隊に分かれて行動。機種に分けてF-15を
《 《ウィルコ》 》
残り3機となったFー16が編隊を離れて輸送機の方へと飛んで行く。
ハンターキラーは残り6機。対する見方はF-15が3機にMig‐29は4機と数ではこちらが有利だが油断はできない。
「各機、燃料投下。ヘッドオンからロックし次第で一斉射。ドッグファイトに持ち込め。」
《...了解。》
一人が返答する。
長距離飛行用の燃料を投下することは帰還しないことを意味する。
戦闘を終えて生き残ったとしても目前の島に着陸せざるを得ないだろう。
だが、輸送機を守りここでハンターキラーを撃墜するにはそれしか方法がない。
HUDの敵が射程内に入る。
「フォックス2」
各機がそれを合図に空対空ミサイルを次々と発射する。
ミサイルが尾を引いてHKに接近する。
そのうち3機が回避行動をとり、
残りがが迎撃態勢に移る。
迎撃態勢に移ったHKがプラズマ砲を発射するが、8発中4発を迎撃するのみで残り4発がHKのエンジン部分にダメージを与える。
回避行動に移った3機のうち1機もエンジンに被弾して徐々に高度を下げて地上で爆発した。
残りの2機を探すが、どこにも機影らしきものが見当たらない。
《レイブン1、輸送機が撃墜された!迎撃隊はどうなってるんだ!!》
輸送機の方角を見ると煙を上げながら墜落するC-5が落下していく姿が目に入る。
その周りを索敵すると、2つの円柱状のエンジンの間に赤い点が1つある飛翔物体が縦横無尽に飛び回る。
護衛機であるF-16も機動性とスピードを兼ね備えたHKには歯が立たない。
アフターバーナーを使って輸送機の援護に向かうが1機また1機と落とされていくF-16に自分の不甲斐無さを感じる。
「A隊は敵機を優先して撃破、B隊はC隊に加わり輸送機の護衛に当たれ。」
《ウィルコ。》
《ックソ!被弾した。墜ちる!うわぁぁ!!》
《やられた!エンジンに被弾!!》
目の前で爆炎が上がりレーダーから見方を表す点が消える。
《チャーリー1、3ロスト!》
HKが機銃の射程範囲内に入る。
《フォックス3》
30ミリの銃弾がHKの機体を穿ち火花が散る。
やがて、HKの燃料タンクに引火して爆炎を起こす。
だが、運の悪いことに機体の破片が自分のエンジンに入り出火する。
「レイブン1、被弾。ベイルアウトする。」
《了解、グッドラック。》
通信を入れ終わるとすぐさま座席中央にある脱出用レバーを引く。
キャノピーが分離し座席がジェット噴射で射出される。
星で満たされた夜空が広がり、パラシュートが開く。
微かに見える孤島の輪郭を頼りに島に向かうことにした。
「こちらレイブン1、ベイルアウトした。被弾した者はすぐにベイルアウトしろ。以降の指揮権はレイブン2に譲渡する。」
《了解。御武運を。》
俺の指示にレイブン2が返答する。
それとほぼ同時にもう一機の輸送機がエンジンに被弾し機体を傾けながら墜落していく姿が左後方に見えた。
右エンジンを被弾した輸送機はそのまま機体を傾け右旋回し、島に向かう俺の方へと近づいてくる。
被弾した輸送機は小さな爆発を何度も起こしながらこちらに向かってくる。
だんだんと機影が大きくなっていき、コックピットで慌てているパイロットが見える。
「まずい...」
一瞬で死を悟ったが輸送機は直後に下降し始め、間一髪で俺のすぐ下を通り過ぎる。
そのまま落ちていく輸送機はそのまま孤島の海岸に不時着した。
俺もその島に向かいゆっくりと降下していく。
非対称的に真正面の海岸線から朝日が顔を出す。
まるで、俺たちの無様な姿を映し出すかの様に辺りを照らす太陽。
その日の空は俺の気持ちとは裏腹に晴天だった。
結果的にこの日の作戦は失敗。
守るべき筈の5機の輸送機のうち3機が墜落し、戦闘機も半分近く失った。
撤退作戦の成否は火を見るよりも明らかだった。
残りの輸送機は九州地方の内陸部にある空港に着陸。
ドッグファイトにより交戦したパイロットは燃料投下による燃料不足により複数名は目下の孤島"ツシマ"に不時着を試みるも、空港はスカイネットの支配下にあり不時着を断念。
上空からのベイルアウトにより生還。
燃料に余裕があった者も、その先にある"イキ"と呼ばれる島に不時着したという連絡を現地の反乱軍により確認。
F∸16が1機と残りのC∸5輸送機2機のアメリカへの帰還は絶望的と言わざるを得ないだろう。
次回
「片翼の渡鳥」