初めての投稿なので拙い文章だとは思いますが、
アドバイスや感想などで、どんどんご指摘ください!
「ただいま~!」
玄関のドアを勢いよく開けて、私は待ちに待った家へと着く。
アイドルという少し……いや、だいぶ特殊な仕事をしている私こと、
今日は久しぶりのライブで心身ともに疲れ切っています……
……けど、そんな心身疲れ切っている私の耳に、今一番聞きたかった”彼”の声が聞こえる。
「おう、おかえり」
そんな優しく包み込むような声に、私の顔は今相当緩み切ってるのだろうと思う。
実際……さっきから私の胸の鼓動が急にテンポを変えてドクドクと高まってる。
だから私は、早く彼に会いたくてアイドルらしからぬ脱ぎ方で急いで靴をポイポイと放り、
小走りめに廊下を走る。
……早く、カズくんに会いたいっ!
そして、廊下とリビングを繋ぐドアをまるで壊すかのように開けると、
そこにはソファでリラックスした様子でテレビを眺めているカズくんがいた。
カズくんは勢いよく開けられたドアの方を見やり私を見つけた途端、すごい優しい笑顔で、
「おかえり、希。今日もご苦労様」
そう言って、その人懐っこそうな笑顔でそんな言葉をかけてくれる。
……もう、そ、そんなの……反則だよぉ……
私はもう我慢の制御ができなくなってるほどカズくんに触れたかったのか、
カズくんに返事もせずに、そのままカズくんの胸板めがけて飛び込んでいた。
「うおぉ! どうしたんだ急に?」
カズくんは胸に飛び込んできた私を包み込むように受け止めると、そのまま私の頭をなでなで
しながら本当に分からないような、少し困惑した声で私に訊いてきた。
あぁ……早くカズくんの質問に答えなくっちゃ……
けど、いくら私の脳がそう体に指示しようとしても、今の私の体はカズくんの
頭なでなでによって完全に機能を停止している。
カズくんのなでなでは癒し成分たっぷりなのだぁ~!
「……全く、希は本当に甘えん坊さんだな……いきなり飛び込んできてびっくりしたぞ?」
カズくんは説教のつもりなんだろうけど、声も顔も手も、どの動作も仕草も私にとっては
癒しでしかなくて、心身疲れ切っていたことがウソみたいに溶けていく。
あぁ……毎日この態勢でなでなでしてくれないかな?
でも、そしたらカズくんが疲れちゃうかな……?
そんなことをぽわ~んとした私の頭の中で思い浮かべていると、
カズくんが私のおでこにトウッ!っとチョップをしてきた。
「ん~! いたい! 何でチョップしたのっ!」
「希がアイドルらしからぬ顔で変なことを考えてそうだったからつい」
「っ……! ち、違うもん! 変なこと考えてないもん」
「え~? だって希すんごい緩み切った顔だったぞ?
あの顔をするときの希は碌なこと考えてないもんね」
うぅ……本当にカズくんには敵わないな……
私のこと全部見透かして、少しいじわるな笑みで私の方を見るカズくんを見て、
私はプクーと頬を膨らましてみる。
「……あれ? 希、おかんむり?」
「……」
本当は微塵も怒りの感情なんて浮かんでないんだけど、ちょっとだけいじわるしてみたくて
私はカズくんの言葉を無視する。
すると、カズくんは私が無視したのを見ると、少し男の子特有のキリッとした顔つきで
ゆっくりと私の顔の方に近づいていき、あともう少しで唇と唇とが触れ合いそうなすんでの
ところで止め、またいじわるそうな笑顔で私の耳に囁いてきた。
「……じゃあ、これで機嫌直して……な?」
そう言って、カズくんは私の反応を見ないまま、私の頭をそっと抱え込み
チュッ……と、優しく触れ合うだけのキスをしてきた。
あぁ……カズくんの、キス……
カズくんはすぐに唇を離すと、少し頬を赤くして、私と目が合うと
照れと恥ずかしさを隠すように優しく微笑んだ。
本当……大好き、カズくん。
そうして、カズくんは私を抱え込むような体勢から元の通りに戻すと、
その場で立ち上がりパンと手を叩いた。
「よっし! 希も静かになったし、今日は俺が担当だったな」
そう言うと、今日が晩御飯の担当であるカズくんがそそくさと台所へ向かう。
けど、途中でカズくんの足音が聞こえなくなったと思い、そちらの方へ顔を向けると、
「希は、そのまま休んどけな?」
そう言って、私の頭をポンポンと撫で、また台所へと向かっていった。
結局私は、そのままカズくんの晩御飯ができるまで、顔を最高級にニヤつかせたまま、
えへえへと今さっきのカズくんとのキスのことを、ひたすら思い出していた。
書き終わった後に気づきました。
”希とカズくんの容姿書いてねぇ!”
次回、希とカズくんの容姿書きます。
ご感想、お待ちしてます!