Re.サテラと歩む物語   作:しょうぷー。

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誤字、脱字などがあれば教えてください。



傲慢と嫉妬から人間へ

まだ日は登ったばっかりだ。人間誰しも1人になりたい時がある。

 

「まだ拗ねてるの?」

 

「拗ねてなんかねぇよ、ただミネルヴァとは2度と顔合わしたくないだけだ」

 

「それは拗ねてるんじゃないの?」

 

俺がいつも日陰として使っているこの木はとても居心地が良くて重宝している。そんなベストプレイスに妖精の様な雰囲気を見に纏い俺が絶賛恋してる女性がやってきた。

 

「どうしたんだよサテラ。今俺金持ってないぞ」

 

「まるで私がお金をたかりに来たみたいな言い方やめてよ、そうじゃなくて大丈夫?またケンカしたんでしょ?」

 

どうして知っているのかなんて聞かない。こいうことは100パーセント迷惑な魔女が教えたに決まっている。

きっと「彼女がどんな反応をするか見たかった」みたいな自分本意な理由に間違いない。

 

「ケンカなんかじゃねぇよ、ちょっと言い合いになっただけだ」

「またそんなこといって、今日はどんな事を話したの?

前みたいにミネルヴァのご飯にイタズラしたの?それともスカートめくりをしたとか?」

「サテラから見て俺は何歳児だよ、そんな子供みたいなことなんかしねーよ、ただミネルヴァの靴に石ころ入れだけだよ」

「それって子供のやることなんじゃないの?」

「チ•チ•チ、あまいなサテラ確かにそれは子供のやることだろう。だがしかし!俺はその後にーーーーー」

俺はちょっとキザぽく指を左右に揺らし説明する。

そんな俺の力説に感動したのかサテラは目をジト目にかえ、ほんの少しの軽蔑と俺から距離をとって

「やっぱり子供だよ」

なんて言ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい天気だな」

「そうだね」

俺の隣に腰かけたサテラが応じる。

事実、本当にいい天気。

 

「ここでサテラに問題です!」

「なに?」

「ここにリンガがあります。」

俺の手にのっているのはこの木にできていた出来立てホヤホヤの新鮮なリンガだ。

「それがどうしたの?」

首をかしげるサテラ。かわいいなぁ〜と思う俺。

「このリンガを食べます」

「あー私が食べたかったな」

「もぐもぐ……ん!喉に詰まった!…ぐるじいぃ…たす…けて…」

「え!?なにやってるの!?」

「さて…ここでッゲホゲホ、サテラがとるべき行動は?」

「そんな命がけで私に問題をださなくても…えーとそれで私がどうすればいいかだよね?うーん……分かった!エキドナに聞く!」

「不正解!残念!そして助けて!」

「そ、そうだよね。たすけてー!エキドナー!」

「なにいってんだ!?どこぞの正義の菓子パンじゃないんだから助けに来てくれるわけないだろ!」

「そうだよね…ってあれ?大丈夫なの?リンガが喉に詰まったんじゃ…?」

「自力で治した」

「もう!自分で治せるなら自分で治してよ」

そう言いながら頬を膨らませプンプンと擬音が聞こえそうなサテラにやっぱりかわいいなぁと思ってしまう俺。

そんな俺を見てまた自分が遊ばれているのかと思ったサテラはそっぽを向いてしまった。

 

「なぁサテラ、やっぱり半分俺に任してみないか?そうしたら君は普通の魔女になれるかもしれないぞ」

そっぽを向いたサテラの真正面に座る。サテラは俺のやったことが意外だったのか多少の驚きの顔を見せる。

「なに、急に真面目な話?わたし、そんな事でごまかされるほど単純じゃないんだから」

そしてまたそっぽを向く。それをみて俺は先ほどと同じようにサテラの正面に座る。今度はそっぽを向けないように

目で向くなと訴える。だからなんだと開きなおったら意味がないがサテラは言葉ではないものに訴えられることに弱い。

 

「そんなじゃねぇよ、ただここ最近はちょっと調子が悪いだろ、だから俺に半分よこせっていってるんだよ。本来の力は出せないかもしれないが俺が近くにいれば問題ないらしい、俺はサテラと近くにいれて幸せサテラはリスクを回避できて幸せまさにwin winな関係を築いていけると思うんだけど…いやか?」

 

「ううん、あなたの提案はすごく嬉しい。本当に嬉しい。そんな事言ってくれるのはあなたぐらい…だけど、ごめんなさい」

 

本当に嬉しいそうな顔をしていた。だからいけると思ったが今回もダメだったか。

女の子にフラれるってこいう気持ちなのかと改めて実感させられる。

サテラが断ったのは、この力を独り占めしたい、みたいな悪どい理由じゃないと顔を見ればわかる。

だからこそ難しい。最悪はエキドナに頼んで無理やりでも実行するしかないかもしれない。まぁそうなれば結局ティフォンらが来て腕ちょっきんちょの未来真っしぐらだ。

だから難しい、

嫉妬の魔女因子を半分もらうのは…

 

 

 

 

 

そんな彼と彼女から遠く離れたとある大陸。

あたりには所々に木が生い茂っておりその高さは膝ぐらいしか無い物ものもあれば自分の背の何十倍もある木が点々としている。かつてここに住んでいた民はもうおらずいるのは2人の魔女だけ。

 

かたやこの世の全てを知りたいと願う透き通る様な白い髪をなびかせる強欲の魔女

かたやこの世から怪我をした人を無くしたいと願う憤怒の魔女。

そうして彼女が助けた人は数えきれないまたその結果死んだ人も数えきれない。

そんな2人の魔女がなにもなかったはずのこの場所で本来あるはずのないテーブルを挟んで会話を続ける。

 

「それで君は彼と仲直りがしたいのかな?」

強欲の魔女が憤怒の魔女に問いかける。しかしそれは彼女が憤怒の魔女を助けたいと思ったからではない。それは彼女の顔を見ればわかる。その黒い瞳に宿るのは激しい憎悪。親の仇を見る様な目で憤怒の魔女を見つめる。

 

「仲直りしたいわけじゃないわ、ただこのままこの事をひきずってあいつと軋轢を生みたくないだけ」

しかしそんな事を知ったことか憤怒の魔女はそのまま話を続ける。

はぁと一息つき魔女とはこんなものかと改めて認識した強欲の魔女。

「確かに彼と軋轢を生むのは得策とは言えないね。少なくとも彼を嫌に扱えば彼女が黙ってない」

「あなたといっしょにしないで、私は彼とそんな事を思って居たことなんて一度もないわ」

この魔女がやられぱなしで黙ってるわけがない。憤怒の魔女に向かって彼女が確実に突っかかってくるであろう言葉を投げかける。

 

「ごめんごめん、今のは私が悪かった。それで彼と仲直りしたいんだよね」

手をあごにおき考えるポーズをとる。その様子は彼女の腹黒な性格を知らないものは全員が見惚れていただろう。

 

「ではこいうのはどうだろう?久しぶりに茶会を開くのは?」

 

その提案に憤怒の魔女はその手があったかと言わんばかりに喜んでいる。しかし急に顔をしかめる。その理由はすごく単純でお茶会を開くために大前提な事。

 

「あいつはともかく他のみんな(魔女)はくるの?」

 

メンバーの召集だ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「って事で君に頼みたいんだけどいいかな?」

 

突然呼び出された思ったらいきなりパシリに走らされる。

これが下に立つものの宿命とでも言いたそうな顔しやがって。サテラとのデートを楽しんでたらこれだよ、本当にこの魔女嫌いだわぁ。

 

サテラとのデートは彼の一方通行のような思いもあるが、強欲の魔女に急に呼び出され彼女の研究室のちの聖域に足を踏み込めた彼。

 

「ちなみに拒否権は?」

 

「………」

 

「無言の圧力やめろよ!行ってくるよ、行ってくらから場所を教えろ」

 

それから5人の魔女の行方を聞く。1人は自分の家で怠惰に過ごし、1人は罪人を裁くために傲慢に歩きつづけ、1人は腹を満たすために暴食を繰り返し、1人は愛を求め彷徨う、

 

「で?おっぱい魔女は?」

「それはミネルヴァの事を指しているのかな?」

「そうそう、それそれ。どこいるの?」

「君と彼女の仲の悪さも困ったもんだね、ミネルヴァなら心配いらない、もう茶会の席に座っているよ」

「べっ別に心配なんかしてねぇよ!」

「ふむ、それが君が以前言っていた“つんでれ“なるものなのかな?」

「はぁ?ふざけるのはその知識欲だけにしておけよ。」

 

本当にいい加減にしてほしい。俺の中でツンデレとは、金髪でドレスを身にまとって語尾に「〜かしら」「〜なのよ」をつけるドリルロリしか認めない。

 

「それでまずは誰から行ったらいいんだ?できればダフネは最後にしてほしいんだけど…」

「それは残念だね。最初はダフネだよ」

「嘘だろ!?」

「では、行ってらっしゃい。無事に帰ってこれる事を願ってるよ」

その言葉を皮切りに俺はダフネがいる砂漠まで歩きつづけた。

 

 

 

 

 

 


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