鳥居優治は王の器である   作:マクロなコスモス

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お久しぶりです。前の投稿から結構時間が経ってますね(^_^;)さて、ここからは結城友奈は勇者である編になります。

優治「おい、待て。何で長い間投稿しなかったのかを言えよ」

マクコス「第1話スタートです!(言えない、FGOが楽しすぎて投稿することを長い間忘れてたなんてとても言えない)」

優治「おい!」


結城友奈は勇者である編
第1話 再会


「ここが讃州中学……」

 

俺が小学生の時に通っていた神樹館とは違い、ごく一般な公立の中学校だった。俺はそのことにホッとする。お前は一体何を求めてるんだ、と言われそうだが、俺が求めていたのはこの通りごく普通の中学校だ。神樹館みたいな、あの高級感溢れたあの雰囲気は一般庶民である俺に合っていなかったのだ。

 

まあ、それは置いといて。今日から俺は讃州中学の生徒として通う。1年間入院していたが、見事編入試験を通過。中学1年以上の学力があると判断され、中学2年生からの中学生デビューとなった。

病院で毎日、少しずつだが、コツコツと勉強したことが合格につながってくれた。積み重ねた努力がこうして結果を出してくれるのは、とても嬉しい。

 

 

「さて、元気にしてるかな。あいつら」

 

俺はそう呟き、あの三人のことを思い出す。この中学校を選んだのは他でもない。あの時の約束を果たすためにここを選んだのだ。長い間待たせたからな、最悪、磔になるか吊されるかもしれない……。一応、手紙で許してほしいと書いたから多分大丈夫……大丈夫なはず!

 

「さあて、行くとしますか!」

 

俺は昇降口に……ではなく、職員用の玄関に入る。まあ、神樹館に転入する時と同様、これからお世話になる先生に挨拶するためだ。職員室に入り、これから入るクラスの担任の先生に挨拶をする。その後、SHRが始まるまで待機するように先生から言われた。しかし、SHRまで30分。とても、暇だ……。

 

「あの、待つ間暇なので、お茶とあの棚にある饅頭一ついただいてもいいですか?」

 

ダメ元で頼んでみると、笑顔で1個だけでなく2個も饅頭をくれた。この先生、めっちゃ優しいぞ!

 

「ありがとうございます!」

 

俺は饅頭を頬張り、SHRの時間になるまで職員室で待機した。饅頭うめぇ〜。

 

 

 

 

 

 

 

SHRの時間が近くなったため、担任の先生が教室へ向かう。俺も先生の後に着いて行った。俺は廊下で待機する。そして……。

 

「鳥居くん、入りなさい」

 

「はい」

 

俺はドアを開け、教室の中に入った。黒板に自分の名前を書いて、新しいクラスメイト達を見る。

 

「鳥居優治です。よろしくお願いします!」

 

出だしは悪くない筈だ。大丈夫、俺の顔について誰も触れる人はいないだろう。

 

(この子、男子にしては可愛くない?)

 

(え、まじで。転校生、まさかの男の娘かよ)

 

と、思っていた自分が懐かしい……。あと、小言聞こえてるからな。

 

「(俺だって、好きでそんな顔になったわけじゃないんだけどな……)」

 

どうやら、中学生になっても周りからの女顔に対する反応は変わらないようだ。

 

 

SHRが終わり、休み時間になると、当然と言うべきか、俺に興味本位で質問しに来る人が俺の席の周りに来たので、色々と質問を受け答えしていた。そんな中、ある女子三人組が近づいてきた。

 

「鳥居くんは彼女いるの?」

 

「いや、いないぞ。一年くらい入院してたからな。そういうのに、縁が無かったんだ」

 

俺がそう答えると、彼女は「ふむふむ、これはあるかもしれないよ……」と言った。あまり、この人の意図がよくわからない。もしかして、モテ期到来か!?(←一年半前からとっくに来ています。by作者)

 

「じゃあ、彼氏(・・)は?」

 

別の女子が俺に問いかける。

 

「……え?」

 

(何を言ってんだこの人。彼氏がいるという質問とか普通おかしいだろ。そういえば、この人たちは、俺が自己紹介してる時に、一緒に話してたな)

 

「ちょっと、待て。男の俺がなんで彼氏持ってるかを聞かれるんだ?おかしいだろ、普通」

 

「じゃあ、この教室で好印象を持った男子は?」

 

今度は三人目の女の子が問いかける。この質問の瞬間、俺は理解した。

 

「(こいつら……腐ってやがる!下手に答えると、変なことに巻き込まれかねない!転校早々ホモ認定されてたまるか!まずは……)」

 

「いや、転校初日だから、まだよくわからないや。その質問については、また今度な」

 

そう答えると、「そっか……」と言って少し残念そうに自分の席へ戻り、また三人で話し始めた。どうやら、なんとか俺の楽しい中学校生活は守られたようだ。転校して早々から変な連中に絡まれるとは……。俺は、「はぁ……」とため息を吐いた。すると今度は一人の男子が俺に近づいてきた。しかも、イケメンで男らしい顔だ。くそっ、見せつけてるのか。

 

「お前さん、大変だっただろ。もう感づいているだろうが、あいつら腐っててな。俺も巻き込まれそうになったことがあるんだ」

 

と同情したような表情で俺に話しかけてきた。どうやら、彼はあの女子三人組の被害者らしい。

 

「マジか、それはヤベェな。もしかして、文化祭に薄い本とか出したんじゃないのか?」

 

「お、感がいいな。その通り、彼女たちは漫研でな。いや、漫研と言う名の『腐女子部』だな。それと自己紹介がまだだったな。俺の名前は本田正樹。このクラスの委員長だ。よろしくな、鳥居」

 

「ああ、よろしく。本田」

 

ここから話を盛り上げていくところなのだろうが、そうはいかなかった。さっき、本田が言ったように、あの三人組が俺たちを見ている。そうだ。そんなことより、聞きたいことがあった!

 

「本田、一つ聞きたいことがあるんだが」

 

「なんだ?」

 

「この同じ学年に、『三ノ輪銀』と『乃木園子』、『東郷美森』っていう名前の女の子を探しているんだ」

 

そう聞くと、本田は目を丸めた。

 

「お前、乃木さん達の知り合いなのか?」

 

「まあな。園子達とは小六の時に同じクラスで、大切な友達なんだよ。って、そういえば、俺の質問に少し驚いていたけど」

 

「いや、あの三人、結構人気だからな。知り合いということに驚いていたんだ」

 

まぁ、あの三人は可愛いからな。人気が出るのは当然と言えば当然だよな。

 

「そっか……。実は園子達とは約束事があってな。それで用があったんだ」

 

「なるほどな。あの三人は放課後に勇者部という部活にいるぞ」

 

「『勇者』部?」

 

「勇者」という言葉に俺は反応してしまう。しかし、俺は須美達のお役目を終えたことを知っている。気にすることではないな、とそう自分に言った。

 

「まあ、部の名前をピンと来ないのも無理もないか。簡単に言えば、ボランティア活動をしている部らしいぜ。たまに、他の部活の助っ人に行ったりとかしてるな」

 

そんな活動をする部があるんだな。世話焼きな銀や須美に合っていそうな部だな。園子もそういうことは喜んでやってくれるし。楽しそうに部活動している姿が目に浮かんだ。

 

「できれば、部室とか教えてもらえないか?」

 

「もちろん」

 

すると、本田は何か紙は持ってるか?と聞いてきた。俺は1枚のルーズリーフを取り出して本田に渡した。すると、本田は教室から勇者部の部室までのルートを書いて教えてくれた。

 

 

 

 

 

 

放課後

 

「ここが勇者部の部室」

 

俺は本田が教えてくれた家庭科準備室が勇者部の部室らしい。別に本田からもう一つ勇者部について教えてくれた。勇者部は部員が全員女子だということだ。普通の男子にとってハードルが高いだろう、しかし……。

 

(……まあ、女子三人に囲まれた生活を送っていたから緊張はしないんだよな。まったく、「慣れ」というのは怖いな)

 

だが、違う意味で緊張することが一つある。1年半近く待たせてしまった俺に彼女達はどう思っているのか……。いや、そんなところで緊張しても仕方ないだろう。覚悟を決めろ鳥居優治!

 

「よし」

 

俺は扉をノックしようとした瞬間。

 

「どうしたの?私たちに何か用?」

 

「うえわぁっ!?」

 

今からノックしてみようと思った矢先、後ろから声をかけられ、驚いてしまう。俺が余程緊張しているのかということをわかった瞬間でもあった。

 

後ろを振り向くと、茶髪のツインテールをした女子が。もしかして、勇者部の部員だろうか?

 

「な、何よ……それ。その『うえわぁっ!?』って、驚きすぎにも程があるわよ」

 

彼女はプルプルと震えながら笑いをこらえる。恥ずかしくなった俺は顔を俯く。多分、結構顔が赤くなってると思う。

 

「わ、忘れてください!」

 

「ごめんごめん!それで、勇者部に何か用?」

 

「えっと……実は」

 

俺は須美達に約束事があることを話した。すると、ふむふむと頷きながら話を聴いてくれた。

 

「東郷達が1人の男子に約束事があるなんて珍しいわね……。ちょっと待っててね」

 

そう言うと、部室である家庭科準備室に入ろうとするが、一旦立ち止まり、俺の方に体を向けた。

 

「それと、私は犬吠埼風(いぬぼうざき ふう)。勇者部の部長をやってるわ」

 

あ、この人勇者部の部長さんだったのか。

 

「鳥居優治です」

 

そう自分の名前を言うと、犬吠埼先輩は一瞬驚いた顔をした。そんな珍しい名前でもないはずだけど、俺には先輩が驚く理由がわからなかった。

 

 

 

 

東郷side

 

放課後になり、私たち二年生組は風先輩より早く部室に入り、飾り付けを行なっていた。明日、入学式があり、風先輩の妹の樹ちゃんが入学してくるので、そのお祝いのパーティーを行うのだ。

 

「ねぇ、東郷さん。この輪飾りここら辺で良いかな?」

 

「もう少し右ね。そのっちは少し下にズラして」

 

「「はーい」」

 

『うえわぁっ!?』

 

「ん?なんだろう、今の声」

 

「誰かが驚いた声でしょ?銀、ちゃんと手を動かしなさい。今日の下校時間早いんだから」

 

ガラッと扉が開く音が聞こえた。風先輩だ。

 

「あ、もう飾り付け始まってるのね!」

 

「はい。樹ちゃんにとって楽しい入学式にしたいですから」

 

「ありがとうね、みんな。あ、それと東郷、銀、園子」

 

「「「?」」」

 

「三人に何か用があるって、一人の男子が待ってるわよ。飾り付けは私と友奈でやるから」

 

私と銀、そのっちは互いに見つめ合う。一体、誰なんだろうか、私達にはわからなかった。

私は恐る恐る扉を開けた。

 

「えっ……」

 

壁に寄りかかっている一人の男の子の姿が目に入った。あの日、1年半前に交わした約束を果たそうとしようとする男の子の姿が。背も高くなっているけど、相変わらずの女の子っぽい顔つき。間違いない。間違えるはずがない。

 

「久しぶり、須美、銀、園子」

 

「優…治くん!」

 

私の想い人がそこに立っていた。

 

 

 

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そこまで重要じゃないオリキャラ設定

 

本田正樹 (ほんだ まさき)

 

優治のクラスメイトで、クラスの委員長をやっている。勉強もスポーツも両立でき、尚且つイケメン。女子からも人気を集めているが、小学1年生からの幼馴染と付き合っている。腐女子三人組にネタとして巻き込まれそうになったのを止めることができたのはその幼馴染のおかげだったりする。

 

 

次回予告

 

「優治死す!(メンタル的なところで)」デュエルスタ

 

優治「言わせねぇよ!」




第1話どうだったでしょうか?時間軸としては樹ちゃんはまだ入学する前となっています。
それと、設定にFate要素も入れていきたいと考えています。感想など書いてくれると嬉しいです!では、次の話でお会いしましょう。それでは!


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