鳥居優治は王の器である   作:マクロなコスモス

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やっと夏休みだー!!これで心置き無く書けるぜ!
しかも、お気に入り数が一気に35に!?見た時、驚きました!本当にありがとうございます!
ということで第九話から「たましい」の部分が始まります!


第九話 休暇のはじまり

俺はいつも基本的に自主トレで訓練をしていた。しかし、今は大赦が用意している勇者が使っている訓練場で訓練をしている。それは、俺とそして、須美達の強い希望があったからだ。

 

「はあっ!」

 

「そりゃあ!」

 

「えいっ!」

 

俺と銀と園子は気合いを入れた声で素振りをしている。一方、須美は……

 

ズドーン!

 

弓で的を的確に射ぬいていた。こうやって訓練場で須美の弓の威力を見ると凄まじいものだと感じる。

 

「そこまで!」

 

先生の声とともに今日の訓練の時間が終了した。

 

「あー!疲れたぁー!」

 

銀はバタッと仰向けに倒れ、大きな声で言った。

 

「ほれ」

 

俺はスポーツドリンクを銀に投げ渡す。

 

「サンキュー。ゴクゴク……プハッ!生き返るー!」

 

「本当、汗をかいた後のスポーツドリンクは美味しいよな……」

 

俺もスポーツドリンクを飲んだ。

 

「二人とも、先生が呼んでるわよ」

 

「「へいへーい」」

 

「二人ともはいと言いなさい」

 

「「はいはーい」」

 

「はい、は一回!……って二人ともワザとでしょ!?」

 

「「てへぺろ(笑)」」

 

そう答えた後、俺と銀は須美に少し叱られました。

 

 

 

 

「まずは……鳥居くんから聞きたいことがあるのだけど」

 

俺たち四人を集めた先生はまず、俺のついて聞きたいことがあると言った。一体、何を聞きたいんだろうか?

 

「あなたの剣について、そろそろ教えてもらえないかしら?」

 

「別に構いませんよ」

 

「話にくい気持ちもわから……って、え、良いの?」

 

珍しく先生が戸惑っている。これは案外貴重なシーンを見たかも。

あと、いずれ、聞かれることだし、それに……。

 

「三人に隠し事はしないと決めてるんで」

 

「わかったわ。じゃあ、話してもらえる?」

 

先生に言われると俺はコクリと頷き、剣を出す。

 

「俺の剣と剣穂に二つの精霊が宿っています」

 

「精霊?」

 

「はい。でも、みんながイメージしている普通の精霊ではないです。もっと強い力を持った……それこそ土地神様を超えてしまうほど」

 

この表現で間違いはないだろう。ジンのモデルになったのはソロモン72柱だ。それと、元を辿れば、そのソロモン72柱は神として崇められてたし。

 

「そんな力が秘められていたのね……」

 

「それと、須美達の武器に俺の白い炎が宿っているのを、『眷属器』と呼んでいます。簡単に言えば、精霊と同じ力の一部を使えるようになります」

 

「ということは、つまり、あたし達に必殺技が使えるってことか?」

 

銀は目をキラキラさせながら、俺に聞いて来た。そういえば、合宿の時に必殺技が欲しいとか何とか……覚えてないな。

 

「まあ、捉え方によってはそうだな。今、須美達の武器に俺と同じ力が宿っている。だけど、あくまで武器強化と考えてくれ」

 

そう言うと、三人はうなずいた。

 

「それと、注意がある。力を使いすぎると、しばらく動けなくなるから、中盤辺りに使うのが一番だ」

 

「つまり、一気にたたみかける時が一番ということね」

 

「そういうこと。説明できるのはこれくらいかな。なんでこの剣を持ってるのかは聞かないでくれ。俺もなんで持ってるかわからないから」

 

「わかったわ。説明してくれてありがとう。それと、もう一つあなた達に次の任務を与えるわ」

 

そう言った後、先生の顔は俺たちに微笑んだ顔で口を開いた。

 

「しばらくの間、しっかりと休むこと」

 

「「「「えっ」」」」

 

「精神状態が安定してないと、変身できないからね。張り詰めっぱなしだと、最後までもたないから」

 

「やったー!休むことなら任せてください!」

 

「私も私も」

 

「俺も!」

 

「「「イェイ、イェイ!イエーイ!」」」

 

俺たちは三人で息ぴったりにハイタッチした。須美は俺たちのノリについていけなかったらしく、少し寂しい顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

「行ってきまーす」

 

「行ってらっしゃい、あなた」

 

父さんが出勤するのを母さんは玄関で見送った。最近、父さんは革新的な医療用のものを作るのに忙しいらしい。確か、神経科のものを作るとか言っていた。

 

俺は父さんを見送ると、寝る準備をする。こういう何も予定が入ってない土日の日は寝るのが一番だ。

 

「母さん、俺、もう少し寝るわ」

 

「昼ごはんの時までには起きて来なさい」

 

「ういー」

 

俺は二階の自分の部屋に入り、二度寝した。

 

 

 

銀視点

 

「ミノさん、ユウさんから返信来てる?」

 

「ううん、全然。既読になってないから、メッセージをまだ見てないかも」

 

あたしは園子の家の車に乗っている。今、優治にメッセージを送っているが、返信が来ていない。今朝、あたし達はLI○Eのグループ会話で一緒に遊ぶ話をしていたのだが、既読している数が2で、優治だけが会話を見てないことがわかった。

 

「銀、優治くんに電話をかけたら?」

 

「そうだな」

 

「だけど、ミノさん。もうユウさんの家に着くよ」

 

園子の声を聞いて前を見ると、一つの和風な家が見えた。その家はあたしが住んでいる家より少し小さいが、物静かな雰囲気があってとても魅力的な家だった。

そんな和風が大好きな須美は優治の家をキラキラとした眼差しで見ていた。

優治から聞いたけど、これは優治のお爺ちゃんの希望でこういう家になったとか。

 

車はドアの前に玄関の入り口の位置が重なるようにして止まった。あたしと須美、園子は車から降りてインターホンを押した。

 

『はーい』

 

すると、一人の大人の女性の声が聞こえた。多分、この声の主は優治のお母さんなのかな?

 

「あの、優治くんの友達の鷲尾須美なのですが、優治くんはいますか?」

 

『あ!優治が言ってた須美ちゃんね!遠慮せずに家の中に入っちゃって!』

 

あたし達は優治の家も見てみたかったので、言葉に甘えて優治の家に入った。

 

「いらっしゃい。みんな可愛いわね〜。まったく、優治ったら隅に置けないわね」

 

そう言われ、あたしは少し恥ずかしい気持ちになった。それは須美も園子も同じなようで、少し顔を赤らめていた。

 

「私が起こしにくるのも良いけど……あなた達が起こしに行った方が優治にとって嬉しいんじゃないかしら?」

 

「ユウさんのお部屋に入っても良いんですか〜?」

 

「良いのよ、良いのよ。さあ、行ってちょうだい!」

 

あたし達は二階に登り、優治の部屋に入った。

 

 

 

須美視点

 

私は優治くんの部屋の前に立っていた。やっぱり、異性の部屋に入るとなると緊張しちゃうわね……。

 

「須美、どうしたの?早く入ろうぜ」

 

気がつくと銀がすでに扉を開けていて、そのっちはもう優治くんの部屋に入っていった。さすがは銀ね……。

 

優治くんの部屋に入ると、真ん中に布団が敷いてあって、そこに優治くんは寝ていた。寝息は、「スー……スー」としていて、とても静かだった。

 

「わぁ、ユウさんの寝顔だ〜」

 

そのっちは優治くんの寝顔を見ていた。私もそのっちと並んで優治くんの寝顔を見た。

 

「か、かわいい」

 

私は思ったことをそのまま口にしてしまう。あんなに男らしい性格しているのに、見た目は女の子みたいな顔をしている。私はスマホで優治くんの寝顔を撮った。これは待ち受けにした方が良いのかな?

 

「優治……」

 

銀はいたずらにツンツンと優治くんの頰を人差し指でつついた。優治くんはそれに反応して……。

 

はむっ

 

「うわっ!?」

 

なんと、つついていた銀の指を優しく噛んだのだ。銀はすぐに手を引っ込めたが、優治くんは「むにゃむにゃ」と言った後……。

 

「このスティック飴、くっそまずい……」

 

「ふんっ!」

 

優治くんが言ったことにムカついた銀は勢いよく優治くんのお腹に向けてチョップをした。

 

「ごふっ!?な、なんだなんだ!?」

 

「わっしー、これが本当の『叩き起こす』って言うんだね〜」

 

「うん、間違ってないと思う」

 

その後、優治くんは着替えた後に車に乗って、私たちと一緒にそのっちの家に向かった。

 

 

 

 

 

優治視点

 

銀に叩き起こされた俺は今、園子の家の中にいる。須美が言っていたことだが、園子の家は大赦の家の中で一番力のある存在らしい。そのため、園子が住んでいる家はめちゃくちゃデカかった。

そして、今、園子が自分の服を銀に着せてるので、俺は別の部屋で待機している。

 

「ユウさん、もう開けて良いよ〜」

 

俺は扉を開けて部屋に入った。そこには……。

 

「こ、これは……やっぱりあたしには……似合わないんじゃないか……?」

 

「わっしーはどう……。うわぁ、こんな鼻血の出し方見たことないよ〜」

 

園子は須美に銀があの服を着た感想を聞こうとしたら、須美が鼻血の噴水をしていた。こいつ貧血になるんじゃないか?

 

「ユウさん、どう思う?」

 

「そうだな……」

 

やはり、元が可愛いからこんな服を着ても違和感なんて微塵も感じない。それよりも、もっと可愛いくなっていると感じた。というか待ち受けにしたいほど可愛い」

 

「なっ!?///」

 

銀の顔はりんごのように真っ赤かに染まっていた。

 

「おーい、銀?……もしかして、本音が出てた?」

 

「思いっきり!」

 

「ユウさんって時々、恥ずかしいことを平気で言っちゃうよね〜」

 

「さあ銀。今日は色んな美容服に挑戦よ!」

 

「ええっ!?」

 

その後、銀は色々な服を着た。中にはアニメのキャラのコスプレまであった。なぜ、園子はああいう服を持ってるのかよくわからん。

ちなみに、俺もスマホで撮っていました。

 

「むぅー」

 

やはり、着せ替え人形みたいにされたように感じたのか、銀はいじけて座りこんだ。その時には須美も満足気な表情を見せてた。

 

「はぁ……、良かったわ」

 

「何がだよ!」

 

「じゃあ、次はわっしーの番ね」

 

「ええっ!?」

 

園子はクローゼットから煌びやかな服を取り出した。

 

「これなんかすっごく似合うと思うな〜」

 

確かに、これはまさにお嬢様的な服。須美でも十分似合いそうだ。

 

「そんなダメよ!そんな非国民な格好!」

 

「いやー!須美に似合うと思うな!」

 

「反撃だ!」とでも言いたげに銀も流れに乗る。須美の逃げ場がなくなってしまった。

 

「ゆ、優治くんなんか似合うと私は思うな〜」

 

何を言うんだか。男の俺にそんな服を着せても意味ない「わぁ〜、ユウさんにも似合いそう〜」えっ?

 

「確かに、優治に似合いそうだな」

 

嫌な予感……。ここはまず、事が起きる前に。

 

「逃げるんだよ!」

 

俺は部屋を出ようと扉へ向かおうとした。

 

「おおっと!ここは通さないよ!」

 

「なにっ!?」

 

銀が素早く、俺の前に立ちふさがった。後ろを振り返ると須美と園子が俺を逃さないように両手を広げてた。

くそっ、囲まれた。

 

しかも、ここは人の家だ。ここで暴れたら、当然迷惑をかけることになるので、俺は潔く降参した。

 

 

 

「くそっ、何で俺が……」

 

「ユウさん、可愛い〜!!」

 

「似合うじゃん、優治!」

 

褒めているつもりだろうけど、俺は全然嬉しくない。というか恥ずかしい。そして、死にたい。

 

「どうしたの?須美」

 

銀が須美がリアクションを起こしていないことに気がついた。

 

「ブハッ!!」

 

須美が鼻血を出しやがった!?しかも、上を向いているのに的確にカメラで俺を撮っていた。

 

「良いわ、優治くん!さあ、どんどん着るわよ!」

 

「勘弁してくれぇ〜〜!!」

 

俺はその後、銀と同じように色んな女物の服を着せられた。こうして、転生人生に一つの黒歴史が誕生した。




いかがだったでしょうか?少しの間はオリジナルを混ぜ込んだ日常話を入れるのもありかな……と思っています。誤字脱字等ありましたら、遠慮なく教えてくれると嬉しいです!
では、第十話でお会いしましょう!

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