正義の味方候補の魔術使い   作:ラグーン

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………やってしまった。やってしまった!勢いで書いてしまった!こんな駄文ですが………よろしくお願いします!これが処女作です!


第1話 男の名はーーー

ーーーー体は剣で出来ている(I am the bone of my sword.)

 

血潮は鉄で、心は硝子(steel is my body. and fire is my blood.)

 

幾たびの戦場を越えて不敗。(I have created over a thousand blades.)

 

ただの一度も敗走もなく、( UnknowetoDeath.)

 

ただの一度も理解されない。( NorknowntoLife)

 

彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う(Have withstood pain to create many weapons.)

 

故に、その生涯に意味はなく(Yet, those hands will never hold anything.)

 

その体は、きっと■で出来ていた。(So as I play, unlimited blade works.)

 

「………また、か。また、この夢か………」

 

俺は軽い頭痛に襲われながらベットから起き上がる。ズキズキと少し少し着実に何かが侵食されていくのが解る。だが、誰に相談してもその原因は解らないの一言。つまり原因不明の身体への負担。だが、この夢で幾度か解っていることもある。紅い外套を羽織った男が何かを成し遂げ、歯車が永遠と廻り殺風景な無限の剣の丘へと到達したこと。無限の丘へと到達したその男がまるで俺へと何かを伝えたいことだろう。

 

「いったい何を伝えたいんだよ。伝えたいことがあるんなら背中だけじゃなくて喋るべきだと思うんだが………」

 

あの夢の真意が解らないためついついため息を吐く。だが原因不明であるため一々気を配っているとこちらの身が持たない。それにーーーー半端連行に近い形でこんなおかしなところに連れてこられたんだ原因を突き止めてくれない限り抵抗をしなかった俺の意味がなくなる。

 

「それに、まだ半分以上監禁されているからな」

 

あのいけ好かない眼鏡の男曰く『まだ、君の力が判明していないから、念のために鎖をつけさせてもらうよ。あ、食事などなどに関しては問題ないよ。美少女に頼んで持って行って貰えるからさ!もしかしたらあんなシュチュエーションやこんなシュチュエーションがーーーー』うん、思い出すのをやめよう。苛々してきたしなんか頭痛が悪化してきている。今の俺には両手、足首には動きを封じるために鎖がつけられており行動をかなり制限されている。この室内(?)は自由に歩くことは可能だが室外に行くことは不可能だろう。許可さえ降りれば室外は行けるため監禁より軟禁に近いか。もっともその気になれば鎖ぐらいなら対処は可能だが、この学校にいるらしいトップクラスの強さを持つ7人の魔法使いを相手にするためそれは避けていたい。7人全員まとめて襲われたら規則外の強さを持っていても勝てない。そのためそれだけは避けたいのだ。

 

「………いつも通りに過ごすか。やることは少ないけどな」

 

癖で座禅を組もうとするがジャラジャラと鎖の音がなり、座禅が組みにくい。座禅を組まないとどうも落ち着かないため足首の鎖は破壊するか迷うが、それが脱走と勘違いされると厄介ごとになるのが目に見えているため大人しく我慢をする。なんとか座禅に近い座り方をして瞼を閉じる。頭痛がまだ僅かながら襲っているが多少の痛みならばなんの問題もないだろう。呼吸を落ち着かせるため何度か深呼吸をする。そして自己鍛錬をするため呪文のような言葉を口にする。

 

「ーーーーって、いったい誰だ?」

 

最初の発言を遮るようにノック音が聞こえてくる。なんというか妨害しているように感じたのは俺だけだろうか?ついつい顔を顰めてしまうがすぐに立ち上がる。こんな半端軟禁している俺に興味を抱く者はさほどいないし、まず俺がこのような場所にいることすら知られてないだろう。つまり俺という存在は異物で秘密事項の存在。俺という存在を知っているのはあのいけ好かない眼鏡の人物と自らトップの強さを持つと言い、トリニティセブンの一人と名乗りを上げた自称忍者少女。もしくは俺という存在の情報を得た他のトリニティメンバーぐらいではないだろうか?今まで来てくれたのは眼鏡の男と少女だけだったが。………けして、今まで2人だけしか訪問して来なかったことに寂しかったなんて思っていないからな………?

 

「………いったい、どちら様で?」

 

内側から鍵を開けてゆっくりと扉を開ける。それより、普通は軟禁状態なら内側から鍵を開けられるのは流石に警戒が緩すぎないか?これだと誰でも脱走できるぞ?いや、そもそも此処が軟禁する場所に向いていないんだが………。オレの考えを知らずに訪問者はいつものように入室してくる。

 

「今日も元気そうでなによりっスね。そして今日の朝食を持ってきたっスよー」

 

訪問者の持ってきたお盆の上には、パンにスープ。そしてサラダにコーヒー。朝はあまり食欲がない俺には少し多い気がするがコーヒーがあるのは有り難い。まだ少し眠気があったため眠気覚ましに丁度いい。

 

「まあ、入ってくれ。わざわざ俺の朝食を持ってきてくれたんだ。朝食だけを受け取り、そのまま君を帰らせるのも失礼だしな。………おもてなしはできないけど」

 

「それではお言葉に甘えて………おもてなしは別にしなくていいっスよ。しようとしてもできないのが今の現状なんスっから。おもてなしが出来る時にしてくれれば私はそれで満足っス」

 

今はその気持ちだけで充分っス、っと笑顔で言ってくれる少女。そう言ってくれると俺も少しは楽な気持ちになる。訪問者にお茶の一つも出せないのは失礼に極まりない。それになんだかんだでお世話になっている少女のため、いつかは恩を返したいと思っている。恩を返すとしても、まずは此処の場所から出ない限り恩は返せないが。彼女は風間レヴィ。この学園内での学生では俺の唯一の知り合い、もしくは友人に入るのではないだろうか?………いや、友人には入らないな?大した交流関係がなければ、このように多少の会話をするようなもの。彼女にしては俺などどうでもいい思えるはずだが、会話をしてくれる時点で彼女の良心からだろう。ーーーそして、彼女が言うにはトリニティセブンの一人だという。俺自身がこの学園内の情報が皆無と言えるほど持っていないため、正直彼女がその一人と言うことは完全には信用できない。

 

「……まず。一つ確認していいか?」

 

「どうしたんっスか?だいぶ真剣な表情で聞くなんて珍しいっスね」

 

彼女が言うように、今の俺はそれほど真剣な表情で彼女を見ているのだろう。それは何故かーーー彼女に聞くことなど彼女を部屋に招き入れた時点で決まっている。彼女もその雰囲気を感じとったのか静かに俺を見つめる。俺も彼女の瞳を見つめて、お互い見つめ合っている状態だ。室内も静まり時計の針の音が響いている。俺は深呼吸をしてゆっくりと言葉を発する。

 

「ーーーなにか、変な調味料や食べ物を朝食には入れていないだろうな」

 

「………変な調味料や食べ物?それって前に夜食で持ってきた忍者特性唐揚げっスか?いやー、きっと食べてくれると信じて夜食に出したんっスけどね」

 

「………惚れ薬が入っていなかったら食べていた。なんとなく嫌な予感がしたため聞いたら惚れ薬入りときた。食べていたらどうなるか想像ができない。まず惚れ薬が存在しているとは………」

 

「もし食べたら野獣のように変わり果てて、自分を襲っていたっスよ」

 

彼女の発言に俺は心の底から食べずによかったと息を吐く。まず、忍者特性は惚れ薬入りの唐揚げのようなロクなものしかないのか?それははた迷惑ではないか?周りにも被害が及ぼす物であればどうにか対処をしなければならない。考えるだけで頭痛がしそうだ。

 

「………再度聞くが。今日の朝食には何も手を加えてはいないな?正直に答えてくれ」

 

「同じ手を二度も使うことは早々とないと思ってほしいっス。自分にはまだまだ手札は沢山あるっスから」

 

レヴィはフフンッと鼻で笑い笑みを見せる。戦闘に関しての強さは不明だが、自称トリニティセブンの1人。ならばそれ相応の強さを持っていることには変わりない。そして彼女は俺の監視役、つまり俺を常に監視をして行動を見張っている。しかし実は言うと監視役はただの肩書きにすぎず、むしろ俺の世話役になっている。

 

「………その言葉を信じてみよう。もし、嘘であったらそれなりの対処はさせたらもらうからな」

 

念には念を入れてレヴィに忠告をする。彼女が俺になにをしてくるか一切わからん。俺はレヴィが持ってきてくれた朝食を食べ始める。軟禁されているため唯一の楽しみが食事だったりする。

 

「それなりの対処っスか?それって初回からエロエロな展開になると忠告をなんっスかね?」

 

「そんなことあるか!なんだよ、その初回からって……それ以前にそんな展開は誰も望んでおらん。まず来ることはないと思え」

 

頭を抱えてついため息をする。対処をすると忠告をして、なぜそのような展開にいく。それ以前に俺はともかく彼女は学生の立場のため色々と問題が起きると思わないのだろうか………相変わらずというかなんというか。

 

「恭介さん、朝食が食べ終わったら自分と一緒に学園長室まで同行してほしいっス。どうも学園長が恭介さんに用事があるらしいんで」

 

「奴が俺に用事だと?………断る、っと言ったらどうする」

 

「その時は本意ではないっスけど無理矢理連行することになるっスね。半分は誰もが恭介さんの実力を知りたいからだと思うっスけど」

 

実力行使、彼女にしては手荒いと思ってしまう。まだ短い付き合いだがこのような手荒なことは早々としないはずだ。それに誰かが俺の実力を知りたいときたか………ならば言う答えは一つしかないか。

 

「わかった。朝食を食べ終わったら行こう」

 

「素直に頷くなら初めからそうしてくれると、こちらも助かるっスけど」

 

「別に断ってもよかったが………恩を仇で返すとは無礼極まりない。それに俺はレヴィとは戦いたくない、これが本心だよ」

 

恩を仇で返したくないのもあるが、レヴィとは戦いたくない俺はこちらの気持ちの方が大きい。それに俺の世話を約1ヶ月も見てくれたんだ。少なくとも俺は彼女と戦う気は無い。

 

「私だから戦いたくない………?それはそれで嬉しいっスけど。もし、学園長が直接言いにきたらどうしたっスか?」

 

「どうだろうな。この室内を吹き飛ばすーーいや、もしくは軽くこの学園を半壊できるものを使うかもしれん」

 

サラリと酷いこと言うっスねーっと呑気そうに言うレヴィ。普通の人間や彼女ならばともかく、奴ならばそれぐらいの物を使っても死にはするまい。いや、もしくはそれ以上の物を使っても死なないかもしれん。なぜかあの男はそんな雰囲気を漂わせている。主にギャ○的に。

 

「結論的に言えば、俺は無闇には戦わない。理由もなく戦うのは余り好きではないから。そしてなるべく俺の魔術は人には見せたくない」

 

(………俺の魔術は間違いなく異端だ。それは使用している俺が思うほどの。それに異様な身体能力の高さ、俺はそれほど身体を鍛えていたのだろうか?)

 

「理由もなく戦いたくないのは誰だって一緒っスよ。それにしても秘密主義っスねー。力の一つや二つ、人に見せてもいいと思うっスけど………」

 

「これでも手札が余り無いからな。そして切り札と言えるものが俺にはないんだよ。それに、俺の力がバレて対策を立てられれば手も足も出ずに負ける。それに、俺の実力など警戒の対象にも入らんさ」

 

俺は苦笑いを浮かべながら答える。実際俺が使えるものは限られているため正直手の内を見せたくない。唯一の救いが身体能力がもはや人を超えているぐらいだろうか。なぜ身体能力がありえないほど高いのは相変わらず不明だ。

 

(手も足も出ずに負ける、それは全くもって違うと思うっスけどね。彼の実力は不明っスけどトリニティセブンに少し劣るか、もしくは同等。それぐらいの強さを秘めていると判断できるっスね)

 

恭介が己の身体能力を考えていれば、レヴィも彼の実力に関して考えていた。なんせレヴィと恭介が初めて会ったのは彼が魔物との戦闘中の時であったからだ。

 

(私が確認した魔物の数は約50体。それほどの数を1人で相手をするにはそれなりの実力が必須、なのにこの人は苦戦することなく魔物を倒した。あの動きは実戦を幾度も積んでいる人の動き、そして冷静な状況判断。魔術を使うことなく己の剣術で斬り倒した。これが手も足も出ずに負けると言う人の実力っスかね?自分はそうは思えないっスけど)

 

彼女が思考している間に彼は朝食を食べ終えたのかご馳走様っと両手を合わた。皿に食べ残しを残すことなく綺麗に食べ終わっており、どのようにしたらそれほど綺麗に食べれるのか気になるほどだ。

 

「すまないな、食べ終わるのが遅くなって。そろそろ学園長に行くとしよう」

 

「わかったっス。その前に食器を直しに行っていいっスかね?流石に食器を持ったまま行くのはおかしいですし」

 

「全然構わないさ。元は俺のせいで君はこんなことを押し付けられたみたいなものだからな」

 

「そんなことはないッスよ。恭介さんと話すのは楽しいっスから。そしたら少し学園内を案内しながら行くとするっス」

 

彼女の言葉に俺は頷くが、ふっと俺を案内してたら他の生徒に姿を見られるんじゃないか?っと疑問が湧くが黙っておく。

 

「そう言えば恭介さんには鎖がつけられていたっスね。ちょっと失礼するっス」

 

彼女は俺の方へと振り向き、背中にある腰を抜刀して突如と刀を振るう。俺は反射的についアレを(・・・)作ろうとするがその前に鉄と鉄が交わる音がすれば手足の鎖が床へと落ちる。

 

「………鎖を切るならそう言ってくれないか?反射的につい構えようとしただろう」

 

「それは失礼したッス。でも動いてくれなくてよかったスッよ、少しでも動いてたら手と足な方を切ってたかもしれなかったので」

 

少し申し訳なさそうに苦笑いを見せてくる。彼女も反省している様子なので俺はそれ以上言わず感謝の言葉を言う。そうすれば彼女も頷き、共に学園内に徘徊を始めた。

 

「ーーここが学園長室ッス。学園長室と言っても恭介さんは自分と一緒に学園長室には一回は来たはずッスよね」

 

「ああ、それはまだ覚えている。二度とこの場所には来ないと思っていたんだけどな」

 

二度と来ないと思っていたのは割と本音で、あのまま室内で永遠と過ごして行くことになると考えてもいた。………その時は流石に脱走の一つは行うつもりだったが。

 

「学園長も何か考えがあるようっスから。自分が答えられる範囲で教えてもいいっスけど、サプライズは学園長本人の口から聞いて欲しいっス」

 

「サプライズだと?………すまない、あの男が考えてそうなサプライズなんてロクなことではない気がする。決してレヴィのことを信用していないわけではないんだ。………ただ、あの男の提案、サプライズは想像することができない………」

 

奴は相当な変態と俺の評価でなっている。奴も学園長と言われているためかなりの強さを持っていることは分かっているし、なにやらつかみどころがない。奴の実力は見たことないが納得できるものだろう。だが、………奴は一筋縄でいく相手ではない。表情には見せないが明らかに警戒をしているのが僅かながらわかる。完全にその仕草すら見せないのは俺がまだそれほどの歳をとっていない。それ故、良心が働いているのか。それとも元の素がそうなのか謎に満ちている。

 

レヴィが学園長室を何度かノックをすれば返事が入ってくる。それを入室して問題ないと判断をして彼女が扉を開けて入り、俺はその後に続く。すると相変わらずチャラチャラ服装で眼鏡をかけた男が椅子に座っていた。

 

「やあ、恭介君。数日ぶりのご無沙汰かな?うん、その様子だと元気にしていたようだね」

 

「おかげさまでな」

 

皮肉を込めて俺は答えれば男はアハハっと、若干汗を流しながら苦笑いを浮かべる。皮肉を込めたことをわかっている様子で話しを続ける。

 

「半分軟禁したことには謝るよ。でも、その代わりに美少女のレヴィちゃんが君のお世話係だったんだよ?そう思えば怒りを鎮めてくれないかな?」

 

「俺を軟禁状態にしなければ、彼女なわざわざ俺の世話ーーーいや、監視役などする必要なんかないだろう」

 

「ウッ………い、痛いところをつくね」

 

「決して怒ってはいない。決してな、俺だって大した説明もしてもらえず一つの部屋に数週間以上軟禁されていたからといって、堪忍袋が切れてなどいないさ」

 

「うぅ………」

 

机にうつ伏せになる学園長の姿を見れば俺は少しやりすぎたと反省をする。だがあちらの対処が問題でもある。それをこれぐらいで済ましているのを寛大と思って欲しいものだ。

 

「………茶番はこれぐらいにするとして、いったい俺を何の用で呼んだんだ?サプライズと聞いたんだが………」

 

「レヴィちゃんからはまだ聞いていないんだ。そうだね君を呼んだのは他でもないんだ。君の年齢はレヴィちゃんと大体一緒ぐらいだったよね?」

 

「ああ、俺は彼女と同じく17歳だ。それでいったい急に年齢の話になるのはなんでさ?」

 

突然と年齢の話になり俺は意味がわらからずレヴィの方に向く。するとレヴィは気づいているのか少し笑みを見せて肩を竦めて首を横に振る。彼女はどうも教える気がないらしく俺はレヴィから情報を聞き出すのを諦めて学園長の方へと向き直る。

 

「なら、問題ないね。これから王立ビブリア学園の生徒の1人として恭介君、君を歓迎するよ」

 

「………………………は?」

 

この男は突如となにをいっている。いまさっきの言葉が俺の聞き間違いでなければ、俺をこの学園の1人の生徒となる。そう解釈していいのだろうか?

 

「………なにを馬鹿なことを言っているんだ?俺を生徒として迎えるだと?」

 

「僕はそのつもりだけど?だって君はまだ子供だ。たとえ君が未知の力を持っていようと1人の子供に過ぎないだろう?それに、学園に入学することには君には残念だけど拒否権はないんだ」

 

「拒否権がないだと?………俺がこの学園に入学するメリットがどこにあるんだ」

 

「少なくとも、他の魔道士から敵対されないことや追われることもない。それに断った場合は、いまこの場で君を捕獲するかそれ以上のことをしなければいけないことになる。僕個人としてはそれは避けたいんだ」

 

確かに俺は危険分子に近い感じなので、従わないと判断をしたら間違いなく抹殺ーーーもしくは捕獲されて研究されてもおかしくないだろう。だが、この学園にいれば必ずしも無事という保証はどこにある?それに今の俺はーーー

 

「このビブリア学園にいれば必ずしもとは言えないけど、君の記憶が思い出せる場所に行けるかもしれない。君自身も自分の記憶を思い出したいだろう?記憶がないのは不便だからね」

 

「そうっスね。学園長の言うことも一理あると思いますよ。恭介さんは今は記憶がない身、右も左もわからない状態ッス。少なくとも知識が欠落している状態で外に出るのは危ないと思うッス」

 

「………………」

 

学園長、そしてレヴィの言うように今の俺には記憶がない。あった記憶は自身の名前、自身が使える魔術。そして魔術が本来のものより異端のこと。それ以外の記憶は欠落しており、思い出そうとしてもノイズがかかっており思い出せない。いや、2人には言っていない記憶がある。それは金髪の少女の記憶。言葉もノイズがかかりなんと言っているかわからないが、儚い夢物語の最後のようだった。それ以外は覚えておらず、どこに住んでいたかも、家族の名前もなに一つ思い出せない。そこを考えれば学園長の提案は魅力的、そう断言できる。それに断ればこの場で戦闘になることは明白、ならば俺が答えるのはすでに決められているということか。

 

「………先ほどレヴィとは戦いたくないと言ったばかりだ。その提案を呑もう。だがな、俺もいくつか条件がある」

 

「………条件?」

 

「ああ、条件と言っても大したものではない。一つは、俺の個室を用意、そして生活費を稼ぎたいためアルバイト。そして最後に俺の力、俺個人の情報はなるべく漏らさないでほしい。特に優先してほしいのは魔術の方だ、俺の力が異端なことは学園長、そしてレヴィだけの秘密にしてくれ」

 

「わかった、君の条件を呑み込むよ。生活費を稼ぐに関しては後日でいいかな?少し探す準備もあるからね」

 

「探してくれるだけでありがたい。これで交渉は成立と判断していいんだろう?」

 

俺は念のため目の前にいる男に確認をとる。すると男は笑顔を見せて頷く。少なくとも俺はあちらが交渉を破らない限り俺が交渉を破るつもりはない。つまりあちらが破れば俺はその瞬間から牙を剥くということになる。俺の思考を知ることもなく学園長は笑顔を向け言葉を発する。

 

「ようこそ、王立ビブリア学園に。ーーー恭介君。あれ?そういえば恭介君の苗字はなんなんだい?確か教えてもらってない気がするけど」

 

「そういえばそうっスね。私も恭介さんの苗字は知らないっス。名前に関しては記憶はあったんっスから苗字も覚えているっスよね?」

 

「そういえば教えていなかったな………」

 

苗字を知らないと言われて俺は教えていないことに思い出す。最初の時でも別に教えても良かったんだが、なぜか苗字に関したはどうしても教えるのには抵抗があった。名前も教えるのには抵抗があり適当に名前で名乗ろうとしたが思い浮かぶ本名を口にした記憶がある。教えないっと一つの手だが先ほど生徒の1人となった身、ならば必然的に教えることになる。俺は苗字を教えるのには抵抗があるが2人に苗字を口にする。

 

エミヤ(・・・)………衛宮(・・・)それが俺の苗字だ」

 

俺は学園長の机の上にあった紙にペンをかりて苗字を書く。そしたら2人が上から覗くように俺の苗字を確認する。

 

「衛宮、それが恭介さんの苗字なんっスね。一向に教える気配がなかったため特殊な苗字か、痛い苗字と期待してたっスけど………意外に普通の苗字でしたね」

 

「うん、僕もレヴィちゃんと同意見かな」

 

「………想像するのは別にいいけど、勝手に特殊や痛い苗字にするのは止めてくれ。衛宮恭介、それが俺のフルネームだ。呼び方は別に衛宮だろうが、恭介だろうが、どちらでも構わない」

 

レヴィは、じゃあ自分は今まで通りでっと言えば、学園長もそのつもりらしく頷く。すると学園長は咳払いをすると、真剣な顔になる。

 

「ようこそ、王立ビブリア学園に。衛宮恭介君。君をビブリア学園の生徒として歓迎するよ」

 

そして最後にキメ顔を作る学園長。そして先ほどと同じ言葉、どうしてもいいたかったのか?俺は学園長になるべく聞こえないようにレヴィに小声で話しかける。

 

「同じ台詞を2回も言う必要はあるのか?いや、1回目は途中で中断したこともあるが………」

 

「少しでも自分がここの学園長と認識してほしいっスよ。それか存在感が今後薄くなるかもしれないため、少しでもインパクトを与えて覚えておいてほしいんじゃないっスかね」

 

「お、おーい。聞こえてるよ!君たちの会話は聞こえてるからね!」

 

いじけた子供のような様子を見せてくる学園長。いや、本当に学園長なのかと俺はつい疑問に思ってしまうがこれ以上学園長のメンタルを壊さないように心に閉まっておく。俺は不敵な笑みを見せて言葉に発する。

 

「なに、生徒の1人になったんだ。それなりに楽しむことにするさ」

 

「楽しんでなかったら、その時は自分が賑やかにするっスよ。それにここはつまらない場所はないっスから」

 

「それは中々満喫できそうだな。なら、今後ともよろしくと言えばいいか?」

 

「もちろんっス。今後ともよろしくっスよ、恭介さん」

 

少年と少女がお互いに笑顔を見せる。だが、この少年が王立ビブリア学園に入学したことで僅かながら歯車が廻り始める。そんなことはまだ気づくこともなかった。

 

「今後も自分は恭介さんの世話係でいいっスかね?」

 

「レヴィちゃんがしたいなら、別に僕はいいよ」

 

「いや、もう軟禁が解除されたらか世話係は必要ないからな!?」

 

………歯車は廻り始めないのかもしれない………




ほとんど勢いで書いてるので亀最新になることは明白ですね。はい((殴
ガッツ、根性、努力、っで頑張っていきたいと思います!放棄はせずに頑張って終わらせたいが目標です!今作の主人公こと衛宮恭介はどのような存在かはきちんと少しづつ判明していきたいと思います((私の考えたオリジナルサーヴァンr((殴蹴

本作のヒロインはレヴィさんです。トリニティセブンでは自分はレヴィさん一択ですね!ポニテ最高です(*´∀`*)
Fateでは好きなキャラが多いですね、兄貴やエミヤさん。イスカンダル、そしてギルなどなど………女性陣ではオルタ姐さんやモーさん………き、きりがない!

恭介の口調に関しては士郎&エミヤに近い口調で行きますね。ごちゃごちゃになるかもしれませんがキャラブレではないです。

正直矛盾や誤字、脱字が多し者もなので生暖かい目で見てください(−_−;)誤字、脱字があるならば報告お願いします!



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