戦姫絶唱シンフォギア~歌姫たちと仮面の強者~   作:ルオン

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今回は前回の響と戒斗が再会してからの話から始まり、響が目覚めます‼

それでは本編スタートです‼



Song4:CDと覚醒の歌姫

響と再会をはたした戒斗は、響と共に近くの喫茶店でコーヒーを飲んでいた。

 

「すみません、久しぶりに会ったのにコーヒーご馳走になってしまって」

 

「気にするな。俺が好きでしていることだ」

 

「ありがとうございます」

 

「………………」

 

「………………」

 

話すことがなくなり、黙ってしまう2人。

しばらくの沈黙が続く。

そしてその沈黙を、戒斗が口を開いて破った。

 

「……立花」

 

「は、はい‼」

 

「あの時は…………すまなかった」

 

「えっ?」

 

「あの時、お前を先に避難させれば、お前は怪我をすることはなかった…………俺の責任だ。すまない」

 

戒斗は響に頭を下げて謝った。

謝られた響は、戒斗の行動に慌てふためく。

 

「あ、頭を上げてください戒斗さん‼あの時のことは、さっさと避難しなかった私が悪いんです‼」

 

「……しかし」

 

「ホントに大丈夫ですから‼」

 

「……分かった」

 

「ふぅ……あっ‼そういえば戒斗さん‼今までどこで何をしていたんですか?」

 

「俺か?」

 

「はい‼」

 

響の質問にどう答えればいいか悩む戒斗。

悩む戒斗を見て響は、悲しそうな顔をして戒斗に話しかける。

 

「あの、もしかして私聞いちゃまずいこと聞いちゃいました?」

 

「いや、そうじゃない。ただ、外部に漏らしてはいけない内容でな」

 

「もしかして、スパイのような‼」

 

「……まぁ、似たようなもんだ」

 

「おお‼ワクワクものですね‼」

 

「……そういうお前はどうなんだ?」

 

「私ですか?ふふん‼私は今年リディアンに入学したんですよ‼」

 

戒斗の質問に元気よく答える響。

 

「リディアン……確か、有名な音楽学校だったか?」

 

「そうです‼しかもリディアンには、あのツヴァイウィングである奏さんが通っていた学校であり、翼さんが現在通っている学校なのです‼」

 

「そうか(まさかあの2人に関わりがある学校に行くとはな…………しかし)……ふっ」

 

ふと響の顔を見た戒斗は、ニコニコしている響の顔を見て少し笑う。

自分を見て戒斗が笑っていることに気づいた響は、何かしたかと思い慌ててしまう。

 

「えっ?私、なんか変ですか⁉」

 

「いやすまない。あのコンサートでツヴァイウィングにあまり興味がなかった立花が、ここまで自慢そうに言うぐらいのファンになっているとはな」

 

「うぅ、言わないでくださいよ~」

 

「ふっ。……そういえば立花、何か買い物があってこっちにきたのか?リディアンは確か全寮制だったと思ったが?」

 

「そうなんです‼今日発売される翼さんの新曲のCDを買いに、外出して来たんです‼」

 

「風鳴の?それは予約してあるのか?」

 

「いえ、していませんが」

 

「ああいう物で、有名歌手のCDは予約していない限り、ファンが朝から並んで買うものだぞ」

 

「えぇええええええ⁉そうなんですか⁉どうしよう⁉」

 

戒斗から言われ、慌て出す響。

そんな響に、戒斗が救いの手をさしのべた。

 

「立花、一度落ちつけ」

 

「で、でも‼」

 

「俺が今から、知り合いが経営しているCDショップに連れていってやる」

 

「えっ?でも……そこのお店も」

 

「安心しろ。そこの店長は変り者だ。必ずある」

 

「……分かりました。お願いします」

 

戒斗についていくと決めた響は、残っていたコーヒーを全部飲みほし、行く準備をする。

そして戒斗は、響の分の代金を支払い、響を連れて知り合いのCDショップに向かった。

数分後、そのCDショップに到着した。

 

「ここだ」

 

「えっと…………【CDショップ ONE】?」

 

「とりあえず、中に入るぞ」

 

「は、はい‼」

 

中に入る戒斗と響。

そして2人を出迎えたのは

 

「いらっしゃ~い♪戒斗ちゃん♪」

 

「はぁ…………久しぶりだな店長」

 

体は男で心は女の【CDショップ ONE】の店長、鈴森秋水(すずもりしゅうすい)という俗に言うオネェが2人を出迎えた。

 

「あら?その子は?戒斗ちゃんの彼女?」

 

「え……えぇええええええ⁉」

 

「あら?違うの?」

 

「ち、ちち、違います‼//////私なんか戒斗さんと釣り合わないですし‼//////」

 

「あらそう?私はお似合いだと思うわよ?」

 

「そ、そう……ですか?」

 

「ええ♪」

 

「え、えへ、えへへへへへ♪//////」

 

「そういえば、まだ自己紹介がまだだったわね?私は鈴森秋水。このCDショップの店長よ♪」

 

「あっ、私は立花響っていいます‼よろしくお願いします‼店長さん‼」

 

「よろしくね響ちゃん♪それで戒斗ちゃん、今日はどうかしたの?」

 

「ああ。風鳴翼の新曲のCDはあるか?」

 

「翼ちゃんの新曲ね?ちょっと待ってて?」

 

戒斗に聞かれ、店の奥に探しに行く秋水。

数秒後、1つの段ボールを持ってきてテーブルに置いた。

中には、翼の新曲のCDが沢山入っていた。

 

「わぁ‼こんなに沢山‼」

 

「好きなの選んで♪プレゼントしてあげる♪」

 

「えっ⁉そ、そんな悪いですよ⁉」

 

「いいのいいの♪響ちゃん、とってもいいこだから。サービスしちゃう♪その代わり、このお店、友達に紹介してね♪」

 

「分かりました‼それでは、お言葉に甘えて」

 

「うんうん♪女の子は甘えなくちゃね♪特別に特典もつけちゃう♪」

 

「わぁ♪ありがとうございます‼」

 

「ふふ♪どういたしまして♪はい、戒斗ちゃん」

 

秋水は響にCDと特典を渡すと、戒斗に中に何か入った袋を渡してきた。

 

「なんだコレは?」

 

「戒斗ちゃんにも、予約特典付きの翼ちゃんの新曲CDをプレゼントよ♪」

 

「俺は予約してないんだが?」

 

「私がしておいたのよ♪戒斗ちゃん、翼ちゃんや奏ちゃんのCDとか買っていくから、私がサービスでしておいたの♪お代はいいから♪」

 

「……なら、ありがたく受け取っておく」

 

秋水からCDを受けとる戒斗。

その時、なにやら視線を感じ隣を見る戒斗。そこには、ニヤニヤしながら戒斗を見る響がいた。

 

「……なんだ?」

 

「いや~、戒斗さんも翼さんのファンだったんですね~♪」

 

「ファンって程ではない。ただ、歌がいいだけだ」

 

「へ~♪」(ニヤニヤ)

 

「……用はすんだ。帰るぞ」

 

「あっ‼ま、待ってくださ~い‼」

 

「また来てね~♪」

 

店から出ていく戒斗を、慌てて追いかける響。

それから帰る道中、響は貰ったCDを大事そうに抱えながら歩いていた。

 

「ありがとうございます戒斗さん‼」

 

「気にするな」

 

「フフ~ン♪フッフフ~ン♪」

 

鼻歌歌いながら歩く響と、響を見ながら微笑む戒斗。

だがすぐに戒斗の顔は、微笑みから厳しい顔へと変わった。

そして響は、戒斗が止まったことに気づき、戒斗の方に顔を向ける。

 

「あの、戒斗さん?」

 

「コレは……」

 

戒斗が向ける視線の先に目を向ける響。

そこには、大量のチリのような物があった。

 

「コレは⁉」

 

「ノイズ…………」

 

「きゃぁあああああ⁉」

 

「ッ⁉悲鳴⁉」

 

「あっちか‼」

 

悲鳴が聞こえた方に走り出す戒斗と響。

駆けつけると、1人の少女が地面に怯えながら座っていた。

そして少女の視線の先には、大量のノイズがいた。

戒斗と響は、すぐに駆け出し、少女を抱き抱えて奥の路地へと入っていく。

 

「大丈夫か?」

 

「うん‼ありがとう‼お兄ちゃん‼お姉ちゃん‼」

 

「良かった~」

 

「……………………」

 

少女がなんともないことを知り、安心する響。

戒斗は無事を確認すると、無言のまま後ろを振り返る。

振り返るとそこには、大量のノイズが迫っていた。

 

「……立花、走れるか?」

 

「えっ?は、はい。走れますけど」

 

「俺が奴等の気を引く。その間にお前はその娘を連れて走れ」

 

「で、でも‼」

 

「いいから行け‼」

 

「…………ッ‼」

 

響は納得はしなかったが、戒斗に言われた通り、少女を連れて奥へと走っていった。

行ったのを確認した戒斗は、戦極ドライバーを取り出して腰に装着する。

 

「貴様ら……この先を進めると思うなよ」

 

《バナナ‼》

 

「変身‼」

 

《ロック・オン》

《カモン‼バナナアームズ‼》

《ナイト・オブ・スピアー‼》

 

「はぁああああ‼」

 

バナナロックシードを装着し、【仮面ライダーバロン バナナアームズ】へと変身した戒斗は、ノイズの大軍に突っ込んでいく。

 

 

 

数時間が過ぎた。

戒斗と別れた響は、少女を連れて工場地帯に逃げていた。

 

「はぁ…………はぁ……わぁっ‼」

 

足がもつれて少女と一緒に倒れてしまう響。

立ち上がる響であったが、周りには大量のノイズがいた。

 

「そんな……⁉こんなに逃げたのに⁉」

 

「お姉ちゃん……あたしたち、死んじゃうの?」

 

絶望する響に、怯えながら響の袖を掴む少女。

そんな少女を見て響は、少女を抱き寄せ、コンサート会場で奏に言われたことを思い出す。

 

『生きることを、諦めるな‼』

 

(そうだ。あの日、あの時、私は間違いなくあの人に救われた――)

 

(私を助けてくれたあの人は、とても優しく、力強い歌を口ずさんでいた―――)

 

―ドクン―

 

あの時の事を思い出す響の体に、変化が起こり始める。

 

(私にできること…………できること、きっとあるはずだ‼)

 

(――歌が)

 

「お姉ちゃん?」

 

「生きるのを、諦めないで‼」

 

少女に力強く言い放つ響。

すると、響の体が光だす。

 

(―――とても、優しく、力強い、歌がッ‼)

 

「BalwIsyall Nescell gungnir tron」

 

まるで歌のようなものを呟く響。

すると響を包むかのように、響の体から光が放出される。

やがて光がおさまると、響の姿が変わっていた。

その姿は、奏や翼と同じ装者の姿であった。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回は覚醒した響が、戒斗に加えあの2人と共闘します‼

次回も是非読んでください‼

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